年末年始のイベント実施意向、過ごし方を調査 ~ 公私ともに忘新年会控え、買い物はネットEC利用

年末年始のイベント実施意向、過ごし方を調査 ~ 公私ともに忘新年会控え、買い物はネットEC利用

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、国内の20歳以上の男女9,999人を対象に、新型コロナウイルス感染拡大前後での年末年始イベント実施意向変化をアンケートにて調査しました。また、ヴァリューズが保有する約250万人の独自パネルを活用したインターネット行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を用いて、「忘年会」や「旅行」に関する消費者の検索動向も分析しました。


忘年会・新年会は敬遠、帰省も減少

まず、昨年の年末年始イベント実施率と今年の参加・実施意向率を比較しました。やはり今年は、忘年会、新年会などの酒席が敬遠される傾向にあるようです。また、郷里の両親や親族への感染を避けるためか、帰省も減少しており、必然的にお年玉を渡す機会も減ってしまうようです。

図表1 年末年始のイベント実施状況(昨対減少順)

図表1 年末年始のイベント実施状況(昨対減少順)

「忘年会」と「旅行」について、ヴァリューズが保有する約250万人の独自パネルを活用したインターネット行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用し、実際にキーワード検索データを昨対比較で分析しました。

「忘年会」でで検索したユーザー数(推計値)は295,000から70,900に大幅減。また、昨年は余興や会場に関する掛け合わせ検索ワードが上位なのに対し、今年は一変して「コロナ」一強。中止やオンラインという単語から読み取ると、アンケート結果通り忘年会を控える方やオンライン開催に移行した方が一定数いそうです。

「旅行」の掛け合わせ検索ワードでは、昨年は海外の「台湾」が入っていたのに対し、今年は「コロナ」「クーポン」というキーワードがランクイン。国内旅行でGo To トラベルを利用した形跡がうかがえます。

図表2「忘年会」検索ユーザー数推計値

図表2「忘年会」検索ユーザー数推計値

図表3「忘年会」掛け合わせワードランキング

図表3「忘年会」掛け合わせワードランキング

図表4「旅行」掛け合わせワードランキング

図表4「旅行」掛け合わせワードランキング

なお実施者順に予算平均をみてみると、旅行にかける予算が減っており、近場を選択することで交通費が少なくなっている方や、Go To トラベル利用で宿泊費が下がっている方などもいそうです。

また、帰省予算も少なくなっており、帰省するという選択をした方も従来のような過ごし方は控えるのかもしれません。

図表5 年末年始のイベント実施予算(実施予定者数順)

図表5 年末年始のイベント実施予算(実施予定者数順)

ヴァリューズのマーケティングツール「Dockpit」で主要交通系サイトの利用ユーザー数推移を確認しても、飛行機・鉄道を利用した遠距離旅行を控える傾向がうかがえました。

図表6 交通系サイトユーザー数推移

図表6 交通系サイトユーザー数推移

年末年始の風物詩購入も減少傾向、年賀状の購入減少がトップ

年末年始の風物詩の購入について聴取しました(昨年の購入率と今年の購入意向率を比較)。今年は購入を控える風物詩としては「年賀はがき」が1位に。帰省を控えるにあたり年賀状でのやり取りが増えてもおかしくありませんが、近年の年賀状離れに歯止めをかけるには至らないようでした。

また、「年越しそば」や「鍋料理」など、帰省先の実家で振る舞われていたような料理も今年は購入が控えられているようです。

図表7 年末年始の風物詩の購入状況(昨対減少順)

図表7 年末年始の風物詩の購入状況(昨対減少順)

約半数が年末年始の過ごし方が変わると回答、外出控えでネットEC利用増

次に、年末年始の過ごし方が変わると思うかどうか聞いたところ、「変わると思う」「まあ変わると思う」で計48.7%と、大半の方がコロナ影響で年末年始の様相も変わりそうだと認識しているようです。

図表8 年末年始の過ごし方は昨年と比べて変わるか

図表8 年末年始の過ごし方は昨年と比べて変わるか

また、年末年始の過ごし方が変わると答えた方に具体的に何が変わりそうか聞くと、イベント・買い物・帰省など外出を控える方が多く見られました。一方で、在宅時間が増えることで、お取り寄せ食品の購入やネットショッピングの利用が増えそうと答えた方が多くおり、ネットを活用して過ごす年末年始を想定しているようです。

図表9 変わると思う年末年始の過ごし方

図表9 変わると思う年末年始の過ごし方

調査・分析概要

全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)を対象として、2020年10月27日~10月30日に、スマートフォンによるアンケート調査を実施(回答者9,999人)。性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。
Webサイトのユーザー数はPC・スマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

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