ミレニアル世代の新富裕層はどんなサイトをよく見ている?投資信託やゲーム、インテリアなどに興味か

ミレニアル世代の新富裕層はどんなサイトをよく見ている?投資信託やゲーム、インテリアなどに興味か

ミレニアル世代の新富裕層が興味を持つトピックを調べるため、世帯年収800万円以上&20,30代のユーザーが多く訪問しているWebサイトを調査しました。使用したのはSaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」。投資信託やゲーム実況系のサイトが上位にランクインし、CtoCプラットフォーム利用も示唆される結果となりました。


ミレニアル世代の富裕層がよく見ているサイトは?

まず、Web行動ログ分析ツール「Dockpit」のトレンド分析機能を用いて、世帯年収800万円以上の20,30代が注目を集めるようになったWebサイトを調べましょう。Top20をランキングで見てみます。下の表をご覧ください。

「ミレニアル世代の新富裕層」ユーザー数・6ヶ月上昇サイトランキング

「ミレニアル世代の新富裕層」ユーザー数・6ヶ月上昇サイトランキング(対象期間:2020年10月〜2021年3月、対象者:20,30代&世帯年収800万円以上、「Dockpit」トレンド分析「サイトトレンド」より)

この中から注目のサイトを紹介することで、ミレニアル世代の新富裕層のトレンドを紐解いていきます。

4位:やさしい投資信託のはじめ方

4位はライフパートナーズ株式会社が運営する「やさしい投資信託のはじめ方」でした。こちらは投資信託を使った投資方法を紹介する、投資初心者向けのサイトです。

まずはここ1年間の、サイト全体の訪問ユーザー数の推移を見てみましょう。

「やさしい投資信託のはじめ方」の訪問ユーザー数の推移

2020年4月~2021年3月の「やさしい投資信託のはじめ方」の訪問ユーザー数の推移(「Dockpit」競合分析より)

2020年の12月から訪問ユーザー数が急上昇していることがわかります。では、なぜ訪問ユーザー数が伸びているのでしょうか?その理由を集客構造の推移から探っていきましょう。

「やさしい投資信託のはじめ方」の集客構造の推移

2020年4月〜2021年3月の「やさしい投資信託のはじめ方」の集客構造の推移(「Dockpit」競合分析より)

訪問ユーザー数が伸び始めた2020年12月以降は、自然検索(グラフ:青)による流入割合が増えていることが分かります。続いて、具体的にどんなキーワードで検索されているか、流入キーワードランキングを調べてみましょう。

「やさしい投資信託のはじめ方」の流入キーワードランキング

2020年10月〜2021年3月の「やさしい投資信託のはじめ方」の流入キーワードランキング(「Dockpit」競合分析より)

流入数が最も多いキーワードは「積立NISA やめたほうがいい」でした。「つみたてNISAを始める前に不安を解消しておきたい」という動きが見受けられます。

また、他には「QQQ」「ひふみプラス」「EMAXIS SLIM」など投資信託の具体的な銘柄名で検索しているユーザーが多いようです。もうすでに興味のある銘柄が決まっており、「他の銘柄と比べてどうなのか」「評判はどうなのか」といった、購買プロセス後半の比較検討段階のユーザーが多く流入してきているようです。

コロナ禍に伴う給付金や、在宅機会が多くなったことを背景に、ミレニアル世代のプチ富裕層では株式投資を始める人が増えているのではないでしょうか。実際に、2020年2月2日の日本経済新聞「若者の投資デビュー、老後不安とYoutubeが後押し?」でも、コロナ禍を機に株式投資を始める若者が増えていると紹介されています。

若者の投資デビュー、老後不安とYouTubeが後押し?

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOMC2750N0X20C21A1000000/

コロナ禍を機に株式投資を始める人が増えている。ネット証券大手5社の2020年1~9月の新規口座開設件数は、前年同期比で約2倍となった。コロナ禍に伴う給付金や、在宅機会が多くなったことが背景にある。「新人投資家」の急増は、スマートフォンアプリ「ロビンフッド」による投資が普及する米国とも共通する現象だ。ただ、日本の新人投資家たちの投資先を分析すると、投機的な取引を好む傾向がある米国の個人投資家とは

6位:ゲーム攻略Wiki

6位は「ゲーム攻略Wiki」でした。こちらはゲーム攻略記事や時事ネタに関するブログのまとめサイトです。

ここ1年間のサイト全体の訪問ユーザー数の推移を見てみましょう。

ゲーム攻略Wiki」の訪問ユーザー数の推移

2020年4月〜2021年3月の「ゲーム攻略Wiki」の訪問ユーザー数の推移(「Dockpit」競合分析より)

2021年の3月に訪問ユーザー数が急上昇していますね。その理由は何でしょうか。コンテンツランキングから探っていきましょう。

「ゲーム攻略Wiki」のコンテンツランキング

2021年3月の「ゲーム攻略Wiki」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)

1位、3位、4位、5位、6位の記事は「シン・エヴァンゲリオン劇場版」に関する記事でした。3月の訪問ユーザー数の急上昇は、「シン・エヴァ」の人気が牽引していたようです。

「シン・エヴァ」は、3月8日の公開から4月18日までの42日間で、興行収入77億9,931万4,050円、観客動員数508万8,007人を記録し、ともにシリーズ最高記録を更新中です。その国民的な人気ぶりに加えて、「他の人の感想や考察もみてみたい」と思わせられるような複雑で独特なストーリーや世界観も、検索数の増加に繋がっているのかもしれませんね。

7位:梱包マン | 送り方のコツと発送方法で安いもの

7位は「梱包マン | 送り方のコツと発送方法で安いもの」でした。こちらはフリマアプリでの商品の発送手順や、宅配便の受け取りに関するお悩み解決方法等を紹介しているブログサイトです。

人気の理由を、サイト全体のコンテンツランキングから探っていきましょう。

「梱包マン | 送り方のコツと発送方法で安いもの」のコンテンツランキング

2020年10月〜2021年3月の「梱包マン | 送り方のコツと発送方法で安いもの」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)

ヤマトの宅配に関する疑問を解決する記事や、「クリックポスト」「レターパック」などの発送・梱包方法を紹介する記事が人気を集めていますね。

コロナ禍に伴う宅配需要の増加により、宅配業者からの荷物が届かない、追跡が更新されないといったトラブルが増えているようです。また、「クリックポスト」「レターパック」などの小さめな荷物の郵送方法に関する記事の人気ぶりから、外出自粛による家族、知人への荷物の郵送件数の増加や、フリマアプリ利用者の増加などが考えられます。

9位:CRASH GATE|家具・インテリアの公式通販サイト

9位は株式会社関家具が運営する「CRASH GATE(クラッシュゲート)家具・インテリアの公式通販サイト」でした。こちらのサイトは家具の総合商社である関家具の運営するECサイトです。

まずはここ1年間のサイト全体の訪問ユーザー数の推移を見てみましょう。

「CRASH GATE(クラッシュゲート)家具・インテリアの公式通販サイト」の訪問ユーザー数の推移

2020年4月〜2021年3月の「CRASH GATE(クラッシュゲート)家具・インテリアの公式通販サイト」の訪問ユーザー数の推移(「Dockpit」競合分析より)

2021年1月から訪問ユーザー数が上昇していることが分かります。では、どんな人が訪問しているのでしょうか。年代別、世帯収入別のユーザー属性を調べてみましょう。

「CRASH GATE(クラッシュゲート)家具・インテリアの公式通販サイト」の年代別ユーザー属性

2020年10月〜2021年3月の「CRASH GATE(クラッシュゲート)家具・インテリアの公式通販サイト」の年代別ユーザー属性(「Dockpit」競合分析より)

「CRASH GATE(クラッシュゲート)家具・インテリアの公式通販サイト」の世帯年収別ユーザー属性

2020年10月〜2021年3月の「CRASH GATE(クラッシュゲート)家具・インテリアの公式通販サイト」の世帯年収別ユーザー属性(「Dockpit」競合分析より)

30代や高所得者のユーザーの割合が高いことが見受けられます。20代のときに一通り揃えた家具の買い替え需要や、自宅で過ごす時間が増えたことで生活環境を整えようとする背景がありそうです。

では、具体的にどんな家具が人気なのでしょうか。サイト全体のコンテンツランキングから探ってみましょう。

「CRASH GATE(クラッシュゲート)家具・インテリアの公式通販サイト」のコンテンツランキング

2020年10月〜2021年3月の「CRASH GATE(クラッシュゲート)家具・インテリアの公式通販サイト」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)

トップページ、店舗一覧ページの他には、ダイニングテーブル、ラグマット、ソファーといった大物家具のページが多く訪問されているようです。ラグマットとソファーのWEBページを確認してみましょう。

ラグマットは15,000〜40,000円、ソファーは80,000〜170,000円と、人気な商品は中・高価格帯の大型家具が多いようですね。デザインにもこだわりのある家具が多く見受けられます。ミレニアル世代の高収入層の巣ごもり消費として、“おうち環境をより贅沢に、高級に”といったトレンドがありそうです。

ミレニアル世代の新富裕層の急上昇WEBサイトのまとめ

最後に、2020年10月~2021年3月の半年間に、20,30代の高所得者を対象に調査した人気急上昇サイトと、その増加要因をまとめます。

4位の「やさしい投資信託のはじめ方」では、これから投資信託を始めたい人向けの銘柄の評価・比較記事や、つみたてNISAに関する記事が人気を集めました。在宅時間の増加や老後不安に伴い、投資に興味をもつ高年収層のミレニアル世代が増えてきているようです。

6位の「ゲーム攻略Wiki」では、2021年3月8日に公開された「シン・エヴァンゲリオン劇場版」に関する考察・ネタバレ記事が人気を牽引しました。作品の国民的人気に加えて、様々な考察や感想を呼ぶ独特な世界観も急上昇の理由の一つになっていそうです。

7位の「梱包マン | 送り方のコツと発送方法で安いもの」は、ヤマト運輸に関する記事や、「クリックポスト」「レターパック」などの発送・梱包方法を紹介する記事が人気を集めました。増加要因として、コロナ禍に伴うECの宅配需要の増加や、フリマアプリ利用者の増加が考えられます。

9位の「CRASH GATE(クラッシュゲート)家具・インテリアの公式通販サイト」では、30代ユーザーを中心に、中・高価格帯のダイニングテーブル、ソファーといった大物家具が人気を牽引しました。自宅で過ごす時間が増えたことで、在宅環境をより一層充実させる“巣ごもり消費”が増加要因の一つではないでしょうか。

本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。

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この記事のライター

2022年4月に新卒としてヴァリューズに入社しました。それまでは大学院でダイヤモンド半導体について研究しつつ、ヴァリューズの内定者アルバイトとして働いていました。

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