男性内の美容意識の差異を分類し可視化。6つの「メンズ美容クラスター」を発表

男性内の美容意識の差異を分類し可視化。6つの「メンズ美容クラスター」を発表

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズは、国内の20歳以上の男性16,027人を対象に、美容商材の購入や美容・身だしなみに関する価値観のアンケート調査を実施しました。さらに、アンケート回答やWeb行動ログをもととして、美容意識の差異を複数のグループに分類する因子クラスター分析をおこない、「メンズ美容クラスター」として公開しました。※詳細なレポートは無料でダウンロードできます。記事末尾のフォームよりお申し込みください。


調査・分析の背景

近年、男性の美容意識は徐々に高まりを見せています。コロナ禍での在宅時間も増え、可処分時間をスキンケアにあてる男性も増えており、男性専用のスキンケア用品も登場するなどメンズ美容市場も大きな注目を浴びています。

しかし美容意識を持つ男性が増えていることから、意識の高低や美容にかける費用感などに幅が出始めているのが現状です。そこでヴァリューズでは、美容意識を持つ男性たちにどのようなグループ分けがされ始めているのか、アンケート回答とWeb行動ログをもととして因子クラスター分析を実施し、「メンズ美容クラスター」を可視化しました。

6つのメンズ美容クラスター

アンケート調査で得られた男性サンプルを基に因子分析をおこない、因子得点を用いて対象者セグメントをおこなった結果、以下の6クラスターに対象者が分類されました。また、年代と美容にかける費用を軸に、クラスター分類マップを作成しました。

図表1 メンズ美容クラスター分析結果

図表1 メンズ美容クラスター分析結果

図表2 メンズ美容クラスター分類マップ

図表2 メンズ美容クラスター分類マップ

各クラスターの特徴

1.ミニマリストクラスター

「すぐに」「安く」を求める、清潔感第一な美容ミニマリスト。
<意識>
美容関心は低いが、最低限の「清潔感」は求めている。時短・簡便といったミニマリスト志向。
<人となり>
体の悩みは腰痛、高血圧・血糖値も特徴的。ゲーム・動画などに関心あり。
<購入商品>
ドラッグストアで、「すぐに」「安く」手に入る商品を購入。
<媒体・Amazon>
情報収集は店頭で完結。Amazon上では、ボディケア商品閲覧にやや特徴あり。

図表3 ミニマリストクラスター

図表3 ミニマリストクラスター

2.男前ワイルドクラスター

ボディケア意識高し。かっこいい自分を目指す男性的なクラスター。
<意識>
ボディラインや筋肉に自信を持ちたい意識あり。 「クール・かっこいい」自分を目指す。
<人となり>
口臭・体臭といった体のニオイを気にする傾向にある。接触メディアはビジネス系に特徴。
<購入商品>
ヘアケア、オーラルケア用品購入者が多い。スキンケアは「肌に合うこと」を重視。
<媒体・Amazon>
店頭・ネット検索の2つが主な情報源。Amazonではお手入れアイテムを閲覧。

図表4 男前ワイルドクラスター

図表4 男前ワイルドクラスター

3.チャレンジャークラスター

「ラクして自信を持ちたい」が本音の、価格コンシャス派。
<意識>
美容・身だしなみ意識は低め。ただし、各パーツに自信を持ちたいという志向性は見られる。
<人となり>
肩こりや腰痛といった体の痛みが悩み。婚活・ガジェットへの興味も。
<購入商品>
ヘアケア・オーラルケアといったベーシックな商品は購入。価格コンシャスな一面あり。
<媒体・Amazon>
店頭・検索・Amazonの3つで商品を検討。Amazon内ではネイルケアへの関心も。

図表5 チャレンジャークラスター

図表5 チャレンジャークラスター

4.美容エキスパートクラスター

“盛れる”アプリも愛用中?最も美容意識が高いクラスター。
<意識>
「自分が好きな見た目の自分になりたい」意識が強い。中性的、優しい・可愛い志向が特徴的。
<人となり>
髪の悩みが他クラスターと比較して特徴的。また、“盛れる”カメラアプリの利用者も。
<購入商品>
ムダ毛処理などボディ・ヘアケアを追求している。総合ECや百貨店も特徴的に利用。
<媒体・Amazon>
ネット検索・Amazonで情報収集。美容関連動画、メイクアップ用品の閲覧に特徴。

図表6 美容エキスパートクラスター

図表6 美容エキスパートクラスター

5.無関心クラスター

最低限整っていればOK。美容関心が低いクラスター。
<意識>
「見た目は最低限整っていればいい」が信条。美容・身だしなみへの関心は全体的に低い。
<人となり>
体の悩みは少ない。スマホ決済を軸としたスマートな支払い傾向が伺える。
<購入商品>
特徴的に購入している商品は見られない。ドラッグストア購入者が多く、価格コンシャス。
<媒体・Amazon>
ECサイト内での情報取集行動に特徴。日用的なケアアイテムをチェック。

図表7 無関心クラスター

図表7 無関心クラスター

6.こだわり趣味人クラスター

身なりにしっかりお金をかける。自分に合う商品を見定めるこだわり派。
<意識>
美容・身だしなみは「楽しいもの」。時間もお金もかけて、身なりを整えている。
<人となり>
高血圧・血糖値・飲酒量などが特徴的な悩み。株・資産運用への関心が伺える。
<購入商品>
ヘア関連に特徴が見られる。自分に合うかどうかを重視。総合EC利用率が高め。
<媒体・Amazon>
店頭・検索結果・Amazonで情報収集。“こだわり”アイテムも閲覧。

図表8 こだわり趣味人クラスター

図表8 こだわり趣味人クラスター

各クラスターの美容意識、人となり、購入商品、情報収集行動の詳細はオンラインセミナーでも解説いたします。アンケート結果と消費者Web行動ログを掛け合わせた分析や、ヴァリューズが提供するWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を活用した検索キーワードの分析もご紹介いたします。

美容エキスパートクラスターの詳細例

図表9 美容エキスパートクラスター詳細1

図表9 美容エキスパートクラスター詳細1

図表10 美容エキスパートクラスター詳細2

図表10 美容エキスパートクラスター詳細2

年代による美容意識の変わり目を調査分析

アンケート調査結果から、男性の美容意識が年代によってどのように変化するのかも浮かび上がってきました。

年齢別に美容関連商品購入のボリュームゾーンを見ると、スキンケア等は若い層、トレーニングはアラサー世代、体臭・汗ケアは30代~40代前半の購入率が高くなり、いずれも年齢を重ねるごとにピークアウトしていく傾向にありました。

また身だしなみに関する意識を聞いたところ、モテ意識は30歳ごろまでが高く、30代に入るとコスパ・ミニマルな身だしなみ意識が高まっていくことが分かりました。

図表11 年齢別商品購入事情

図表11 年齢別商品購入事情

図表12 年齢別「気持ちの曲がり角」

図表12 年齢別「気持ちの曲がり角」

調査・分析概要

全国のヴァリューズモニター(20歳以上男性)を対象として、 2021年6月16日~6月23日にアンケート調査を実施。(回答者16,027人)
※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※サイト分類のカテゴリは、ヴァリューズが独自に定義。

【因子分析】
複数のデータの測定値に共通する因子(回答選択(人々の意識等)に共通して影響を与えている要素)を取り出す手法。今回のケースでは、美容や身だしなみに対する意識項目を取得し、そこでの共通要素としての因子を抽出した。

【クラスター分析】
サンプルについて観測された属性値の類似性をもとに、各サンプルをグループに分類する方法。このようにして得られる一つひとつのグループをクラスターという。クラスター分析は、多数のサンプルがある中で、各サンプルの位置関係を全体的な視点から見渡すことができるという点に特徴がある。今回のケースでは、因子分析により抽出された「因子得点」を用いて対象者の分類をおこなった。

ホワイトペーパーダウンロード【無料】|美容クラスター調査結果レポート(男性編)

資料のダウンロードURLを、ご入力いただいたメールアドレスに送付させていただきます。
ご登録頂いた方にはVALUESからサービスのお知らせやご案内をさせて頂く場合がございます。

「美容クラスター調査(女性編)」のレポートもあります。詳しくはこちら↓

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


「痛み」の検索ニーズを調査。年齢によって異なる痛み、AI搭載の症状検索エンジンが人気

「痛み」の検索ニーズを調査。年齢によって異なる痛み、AI搭載の症状検索エンジンが人気

身体に痛みを感じた時、まずはネット上で検索して病名を調べたり、対処法を探す人も多いのではないでしょうか。今回は「痛い」「痛み」というキーワードに注目し、直近1年間でどのような検索がされていたか調査しました。みんなの気になる痛みは何なのか、また痛みの種類ごとに検索者の特徴に傾向はあるのか、データから読み解いていきます。


Increasing popularity among men? Investigating the needs for “sunscreen”! Latest Edition [2024]

Increasing popularity among men? Investigating the needs for “sunscreen”! Latest Edition [2024]

As men's cosmetics receive increasing attention, what are the consumer needs for sunscreen? Also, does the quality of sunscreen differ depending on the season, with summer and winter? We will analyze changes in needs and consumer psychology for sunscreen based on the behaviors during the consideration stages.


「引っ越し」に関するニーズを調査!「挨拶」や「ふるさと納税」に注目

「引っ越し」に関するニーズを調査!「挨拶」や「ふるさと納税」に注目

進学、卒業、就職など環境が大きく変化する春。引っ越しをして新天地での生活を始める人も多いと思います。引っ越しを考える上で一番気になることは何なのでしょうか。引っ越し検索者の心理を読み解いていきます。


「○○とは」検索に見るトレンドや生活者の気になりごとは?「インボイス」「NISA」「猫ミーム」など

「○○とは」検索に見るトレンドや生活者の気になりごとは?「インボイス」「NISA」「猫ミーム」など

検索エンジンで調べ物をするときによく使われる「〇〇とは」検索。今回は、直近1年間で検索数が多かった注目ワードや、時期によって急上昇したトレンドワードをご紹介します。「とは」検索から見えてくる最新の流行りやみんなの関心事を読み解いていきます。


いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

いま「note」がアツい!人気の秘訣はSEO?noteの集客動向を調査<後編>

2023年夏頃から集客数を急激に伸ばしているメディアプラットフォーム「note」。人気を後押ししているのはどのような人々なのでしょうか?前編では、noteが集客しているユーザーの特徴を深掘り調査し、後編では、noteが規模を拡大している要因を探っていきます。


最新の投稿


スポーツの推し活をしている人が応援するために使っている金額は年間約3万2千円【ネオマーケティング調査】

スポーツの推し活をしている人が応援するために使っている金額は年間約3万2千円【ネオマーケティング調査】

株式会社ネオマーケティングは、全国の20歳~79歳の男女を対象に「スポーツの推し活」をテーマにインターネットリサーチを実施し、結果を公開しました。


実店舗でコスメ・アパレル商品購入時に「レビューをしたい」と感じている女性は8割以上【ReviCo調査】

実店舗でコスメ・アパレル商品購入時に「レビューをしたい」と感じている女性は8割以上【ReviCo調査】

株式会社ReviCoは、会員登録をしているブランドの実店舗で、月に1回以上アパレル・コスメ商品を購入している20~40代の女性を対象に、実店舗購入時のレビューに関する意識調査を実施し、結果を公開しました。


マーケティングに欠かせないファネル分析とは?種類や事例、分析に役立つツールを紹介

マーケティングに欠かせないファネル分析とは?種類や事例、分析に役立つツールを紹介

マーケティングに欠かせないファネル分析は、顧客の購買プロセスを可視化することで、自社の現状の課題を明確化するために行います。 売り上げをアップさせるためには、マーケティングファネルの概念を理解した上で、分析結果に基づいた効果的な施策を行う必要があります。 しかしながら、マーケティングファネルには種類があり、目的や課題によって利用するファネルが異なります。 そこで本記事では、マーケティングファネルの種類や事例に加え、やり方や円滑に分析できるツールについてご紹介します。


サーチとパス・コミュニケーションズ、アイトラッキングによる屋外大型ビジョンの視認率調査結果を公開

サーチとパス・コミュニケーションズ、アイトラッキングによる屋外大型ビジョンの視認率調査結果を公開

屋外広告媒体事業を展開する有限会社サーチと株式会社パス・コミュニケーションズは、屋外大型ビジョンの視認率に関する調査を共同で実施し、結果を公開しました。


アクセス分析ツール導入後、約4割が想定よりも活用できていない 「データの活用の難しさ」「複雑な機能」がハードルに【インフォネット調査】

アクセス分析ツール導入後、約4割が想定よりも活用できていない 「データの活用の難しさ」「複雑な機能」がハードルに【インフォネット調査】

株式会社インフォネットは、サイト運営をしており、アクセス分析ツール選定に携わった経験のある、非専門人材/兼務人材を対象に、アクセス分析ツール選びに関する実態調査を実施し、結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ