2022年1月の急上昇サイトは?
こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2022年1月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。
2022年1月の前月比急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)
こちらはWebサイト訪問ユーザー数の前月比Top30をランキング表示したもの。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用しました。この中から注目のサイトを紹介することで、市場のトレンドを紐解いていきます。
▼先月の急上昇サイトはこちらよりご覧ください。
ジビエがトレンドに?キャンペーンWebサイトのユーザー数急増|急上昇サイト調査(2021年12月)
https://manamina.valuesccg.com/articles/16442021年12月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。
コロナで市場拡大?オンライン学習サービスが複数上位にランクイン
それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、トレンドとして注目のサイトをいくつかご紹介します。
■2位:株式会社エフエネ
2位にランクインしたのは、小売電気事業を行なう株式会社エフエネ(旧株式会社エフティエナジー)の公式サイトでした。エフエネでは、家庭内のエネルギーを節約・管理するHEMSを使用した電力プランを提供しています。
ではどのようにユーザーをサイトに集客したのか、集客構造の推移から探っていきましょう。
2021年12月〜2022年1月の「エフエネ」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)
先月と比べてメールからの流入が急増したことがわかります。
冬は暖房で電力需要が急拡大する季節。夏に比べて家庭の電気代も高くなります。そうした中、世界的な原油価格の高騰影響を受け、世界中で深刻な電力不足が発生。日本でも2022年1月の電気料金が大手電力会社すべてで値上がりしました。
大手各社の電気料金の値上げが家計を逼迫する中、安い電気プランを提供する新電力会社への興味が高まっていたのではないでしょうか。
■6位:英会話教材(英語)Native English
6位は「Native English(ネイティブイングリッシュ)」の公式サイトでした。元NHKラジオ「基礎英語3」講師が監修する人気の英会話教材です。
急上昇の原因を集客構造から探っていきましょう。
2022年1月の「Native English」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)
アフィリエイト広告とメールによる流入が大半を占めていることがわかります。
年明け以降、オミクロン株の影響で新型コロナウイルスの感染者が急増しました。政府は1月21日から新型コロナウイルス対策で13都県にまん延防止等重点措置を適用。再び自粛要請が出たことで、空いた時間を有効活用したいと考える人が多かったのではないでしょうか。
■7位:河合塾One
7位はAIオンライン学習システム「河合塾One」の公式サイトでした。河合塾Oneとは、河合塾講師が監修したAI学習ツールで、スマートフォンやパソコンなどのデバイスで1回5分から手軽に動画学習ができます。
数あるオンライン学習サービスの中で、なぜ河合塾Oneが注目を集めたのか要因を探っていきましょう。まず、過去1年のユーザー推移を確認すると、2021年9月と2022年1月にユーザー数が急増していることが分かります。
2021年2月〜2022年1月の「河合塾One」のユーザー数推移
さらに集客構造の推移も確認すると、両月ともメールとアフィリエイト広告からの流入が増加したことが分かります。
2021年2月〜2022年1月の「河合塾One」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)
ウィズコロナ時代において、これまで学校や塾へ通って勉強していた学生らが講義動画やオンラインでの指導を活用しながら自宅で学習する動きが広がり、オンライン教育サービスの市場規模は急拡大。新規参入したオンライン学習サービスは数多ありますが、河合塾Oneは日本の大手予備校で知名度の高い河合塾が手がけています。同社の知名度と社会的信用もあり、訪問者数が急増したと考えられます。
▼本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。
「一人暮らしのための布団のサブスク」がランクイン!
■11位:RAKUTON
11位にランクインしたのは、布団のサブスクリプションサービス「RAKUTON」でした。RAKUTONとは、布団のクリーニングや衣替え、シミ抜きや補修、経たった布団の交換などのメンテナンスが揃って月額3,278円(税込)から利用できるサブスクタイプの布団レンタルサービスです。
急上昇の原因を集客構造から探っていきましょう。
2022年1月の「RAKUTON」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)
アフィリエイト広告からの流入が大半を占めていることが分かります。
昨今では、未婚率の増加や核家族化の影響を受けて、単独世帯が急拡大。シングルサイズの布団を主に取り扱い、煩わしい布団のメンテナンスに関するサービスも豊富なRAKUTONは、一人暮らしに特化した布団のサブスクサービスです。増加する一人暮らし世帯をターゲットにしたネット広告を打つことで、訪問者数を急増させたのではないでしょうか。
■15位:勤労者財産形成事業本部
15位には厚生労働省所管の勤労者財産形成促進制度を紹介するサイト「勤労者財産形成事業本部」がランクイン。財形制度とも呼ばれる「勤労者財産形成促進制度」は、勤労者財産形成促進法に基づき、会社が雇用する社員の財産づくりを国とともに支援する制度です。
急上昇の原因をコンテンツランキングから探っていきましょう。
「勤労者財産形成事業本部」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)
UU数を圧倒的に集めた1位ページは、財形制度(勤労者財産形成促進制度)に関するLPでした。どのようにしてユーザーが訪問したのか集客構造を確認すると、ディスプレイ広告による流入が8割を占めていたことが分かります。
2022年1月の「勤労者財産形成事業本部」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)
老後に必要な貯蓄は一般的におおよそ3,000万円といわれており、老後資金の準備は死活問題。国による税制上の優遇措置や、企業による給与の天引きなどでサラリーマンの財産形成を支援する財形制度は、人生100年時代において重要な役割を果たします。ネット広告を強化したことで、財形制度に興味を持つ人々の目に留まり、訪問者数が急増したと考えられます。
■16位:Australian Open
16位は、毎年1月後半にオーストラリアのメルボルンで開催されるテニスの4大国際大会の1つである「全豪オープン」の公式サイトでした。
全豪オープンは1月17日から30日まで開催されましたが、開幕前に世界王者ジョコビッチが強制送還されるという騒動が起き、大きな波紋をよびました。ジョコビッチ選手にとって大会4連覇とともに、四大大会で史上最多となる通算21回目の優勝がかかっていた全豪オープン。しかし、オーストラリア到着後、新型コロナのワクチン接種をめぐって状況が二転三転。最終的に入国が許可されず、開幕前日に国外退去となる異例の幕開けになりました。
ジョコビッチ選手の出場をめぐる動向に多くの人々が関心を集めたのではないでしょうか。
サイト急上昇の要因を考察
最後に2022年1月に急上昇したサイトと、その増加要因をまとめます。
1月は学習サービスが上位に複数ランクインしました。1年の始まりの月である1月は、何か新しいことを始めようと決意する人が多い月。その上オミクロン株の感染が急拡大しました。政府から自粛要請が出たことで、空いた時間を有効活用したいと考える人や、休校により自宅で学習する学生が増えたと考えられます。
そうした中、6位にランクインした人気の英語教材「Native English」と7位のオンライン学習システム「河合塾One」は、どちらもアフィリエイト広告とメールによって訪問者数を急増させました。「Native English」は有名なNHKラジオ「基礎英語3」講師が監修しており、「河合塾One」も大手予備校の河合塾が運営しています。そのため、両サービスとも知名度や教材への信頼は高く、それを活かしたプロモーションによってサイトを急上昇させたのではないでしょうか。
一方で、新しい布団のサブスクリプションサービス「RAKUTON」が11位にランクイン。RAKUTONは一人暮らしに特化した布団のサブスクサービスです。増加する一人暮らしをターゲットにしたネット広告を打つことで、訪問者数を急増させたと考えられます。
▼本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。
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