2021年12月の急上昇サイトは?
こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2021年12月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。
2021年12月の前月比急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)
こちらはWebサイト訪問ユーザー数の前月比Top30をランキング表示したもの。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用しました。この中から注目のサイトを紹介することで、市場のトレンドを紐解いていきます。
▼先月の急上昇サイトはこちらよりご覧ください。
年末商戦に向けて食のECが攻勢強める。世界的ウイスキーメーカーやイオンが上位に|2021年11月急上昇サイト
https://manamina.valuesccg.com/articles/16142021年11月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。
農林水産省が推進するジビエフェアサイトが急上昇
それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、トレンドとして注目のサイトをいくつかご紹介します。
■8位:全国ジビエフェア2021
8位にランクインしたのは、株式会社ぐるなびが主催する「全国ジビエフェア2021」でした。ジビエとは、狩猟で捕獲した野生鳥獣の肉や料理のこと。ジビエフェアでは、フェア期間中にジビエメニューを提供する飲食店やECサイトなどの情報を提供しています。
ジビエフェアが開催された背景には、農作物の鳥獣被害防止対策などによる鳥獣捕獲数の増加があります。近年、農村地域で深刻な被害をもたらす野生鳥獣の被害防止対策により、野生鳥獣の捕獲数は増加傾向に。そうした中、捕獲した鳥獣を地域資源としてとらえ、ジビエとして有効活用する動きが全国的に広がっています。
こうしたジビエの消費拡大の取り組みは農林水産省も推進しています。農林水産省ではジビエの全国的な認知向上、普及、需要拡大に向けたプロモーション事業を積極的に実施。全国ジビエフェアは、農林水産省の令和3年度全国ジビエプロモーション事業の一環です。政府主導で実店舗やECサイトでも露出量を拡大させ、訪問者数を増やしたのではないでしょうか。(参考:『11月1日から令和3年度全国ジビエフェア開催!』)
■12位:公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)
12位は「公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)」の公式サイトでした。ファシリティマネジメント (FM)とは、企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動のこと。建物の安全かつ長期的な運用は、重要な企業戦略のひとつです。そのため、ファシリティマネジメントは建物の運用や管理を適切に行う手段として注目を集めています。JFMAでは、資格認定事業を行ったりファシリティマネジメントに関する情報を掲載したりしています。
ではなぜ2021年12月にサイトへの集客が急増したのか、集客構造の推移から探っていきましょう。
2021年11月〜2021年12月の「公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)
先月と比べてディスプレイ広告が急増し、それによってサイト訪問者数が一気に増えたことがわかります。ファシリティの運営・維持は、働き方改革や省エネ対策、SDGsなどとも関連するトピック。世界的に企業のSDGs意識が高まる中、SDGsに貢献できるファシリティマネジメントに注目が集まったのではないでしょうか。
■13位:株式会社JR中央線コミュニティデザイン
13位には「株式会社JR中央線コミュニティデザイン」の公式サイトがランクイン。
では急上昇の原因をコンテンツランキングから確認しましょう。
「株式会社JR中央線コミュニティデザイン」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)
当社が運営する商業施設「セレオ」の公式サイトが上位を占めていることが分かります。特に注目を集めたのはセレオ八王子とセレオ国分寺です。
集客構造から確認すると、自然検索からの流入が過半数を占めていることが分かります。さらに自然検索の検索ワードの詳細を見てみると、「セレオ国分寺」「セレオ八王子」に関する検索がトップでした。
2021年12月の「株式会社JR中央線コミュニティデザイン」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)
2021年12月の「株式会社JR中央線コミュニティデザイン」の集客構造・自然検索キーワードランキング(「Dockpit」画面より)
昨今、八王子や国分寺といった東京郊外都市の人気が上昇。人気の背景として、家賃相場が比較的安いわりに、再開発により複合ビルや複合商業施設ができたため生活利便性が高まったことが挙げられます。テレワーク普及も郊外への移住を後押ししています。
実際、不動産サイト「オウチーノ」の「首都圏の人気駅ランキング」では八王子が3位にランクイン。そんな八王子や国分寺エリアにあるセレオは利用者数も多いため、年末年始のイベントや営業時間を確認するためにサイトに訪問する人が多かったのではないでしょうか。(参考:『首都圏の人気駅ランキング』)
▼本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。
ふるさと納税系サイトやデート特化のマッチングサービスも上位に
■22位:ふるさと納税ニッポン
22位はふるさと納税サイト「ふるさと納税ニッポン」でした。
急上昇の原因をコンテンツランキングから確認しましょう。
「ふるさと納税ニッポン」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)
上位には「控除限度額シミュレーション」や「年金受給者のためのふるさと納税」といったページが目立ちます。ふるさと納税の期限は年末。駆け込みでふるさと納税を申し込む人が多かったのではないでしょうか。
■27位:Dine
27位には、「出会いの、最短距離。」をコンセプトにしたマッチングアプリ「Dine」がランクインしました。Dineの最大の特徴は、メッセージ不要で即デートに誘える点です。日程調整や飲食店の予約まで全てアプリが自動的に行うため、ユーザーは気になる人を選びマッチングするだけで簡単にデートが実現できます。
急上昇の原因を集客構造の推移から探っていきましょう。
2021年11月〜2021年12月の「Dine」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)
先月と比べて、ディスプレイ広告や自然検索など流入経路は多岐にわたります。Dineはサービスの特性上、真剣な出会いを探している人よりも、まず気軽に食事やデートを楽しみたいという人に適したデーティングアプリ。そのため、クリスマスや年越しを控えた12月に需要が高まったと考えられます。
サイト急上昇の要因を考察
最後に2021年12月に急上昇したサイトと、その増加要因をまとめます。
8位の「全国ジビエフェア2021」は、ジビエの全国的な認知向上や消費拡大を目的に11月1日から開催されました。農作物の鳥獣被害防止対策により鳥獣捕獲数が増加する中、捕獲した鳥獣をジビエとして有効活用する取り組みが広がっています。全国ジビエフェア2021は農林水産省の推進もあり、店頭やECサイトで露出を増やしてサイト訪問者数を急増させたと考えられます。
駆け込み需要で急上昇したサイトも目立ちました。ふるさと納税の期限が年末であるため、22位の「ふるさと納税ニッポン」は訪問者数が急増したのではないでしょうか。また、メッセージ不要ですぐにデートに誘えるマッチングアプリ「Dine」が27位にランクイン。12月はクリスマスや年越しなどイベントシーズンであるため、気軽にデートをしたいという需要が高まったと考えられます。
本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。
マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。
編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。