【調査リリース】2022夏の旅行トレンド全国調査 ~ 夏の国内旅行予定はコロナ前水準に回復、 旅先に求めるのは“定番の観光スポット”

【調査リリース】2022夏の旅行トレンド全国調査 ~ 夏の国内旅行予定はコロナ前水準に回復、 旅先に求めるのは“定番の観光スポット”

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、国内の20歳以上の男女7,632人を対象に、今夏の旅行予定に関する消費者アンケート調査を実施しました。またヴァリューズが保有する約250万人の独自消費者パネルを活用したインターネット行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用して、消費者の旅行動向を分析しました。


国内での夏の旅行予定者はコロナ前の水準に回復

夏の旅行の予定についてアンケートでたずねたところ【図1】、2022年は「国内旅行を予定しており、既に予約済み」という人の割合がコロナ前の2019年に近い水準まで回復していました。また2020年・2021年は「旅行は検討していない」層が右肩上がりで増加していましたが、2022年は下落していました。
海外旅行予定はコロナ前ほどには戻ってきていないものの、国内旅行では夏の旅行に意欲的な人が増えてきているようです。

旅行業界サイトランキング、上位10サイトはいずれも前年同月比増

旅行を検討する上で、実際にどのようなサイトが利用されているのでしょうか。

ヴァリューズが独自に定義する「旅行・交通」関連のサイトにおいて、2022年6月のサイト訪問者数ランキングを集計しました【図2】。その結果、上位10サイトはいずれも前年同月比がプラスとなっており、特にエイチ・アイ・エスの増加率が高くなっていました。

旅行の予約時期は分散傾向。宣言明け、県民割が影響か

では、予約の動き出しはいつ頃なのでしょうか。

アンケートで国内旅行を予約した時期をたずねたところ【図3】、2022年は2019年と同様に4~5月という早いタイミングから予約者が増えていることがわかりました。2019年との違いは、6月になっても予約者が増え続けているという点で、6月になって大きく伸びているコロナ禍の2020年、2021年と比べても、予約時期の分散が起きている様子がうかがえます。

2020年は1度目の緊急事態宣言が5月に解除されたことを受け、6月になって急激に予約者が増加したと考えられます。2021年は3度目の緊急事態宣言が6月まで延長されましたが、当初は5月までの予定であったため、しびれを切らした人々が6月になって予約を始めた可能性があります。

2022年は3年ぶりに制約がなく、コロナ前の2019年と同様に早い時期から推移していましたが、7月をもって「県民割」が終了するため、6月になっても駆け込みで予約する人が多かったのかもしれません。(7月22日現在、県民割は8月末までに延長されています)。

観光協会・自治体サイトでの検討はコロナ前水準に回復、YouTubeやSNSでの検討増

続いて、アンケートで国内旅行の検討チャネルをたずねました【図4】。

2021年と比べて2022年に回答者の割合が増えたのは、観光協会・地方自治体のサイト、宿泊予約サイト・旅行情報サイト、YouTubeなど動画共有サイト、SNSなどのオンラインチャネルでした。特に動画共有サイト、SNSはコロナ前の2019年を超える数値となっていました。

一方で回答者の割合が減少したのは、旅行雑誌の記事、店頭のチラシやパンフレット、友人・知人からのクチコミでした。リアルチャネルがコロナ前水準に戻らないなか、オンラインやSNS等で旅行検討する方が増えているようです。

密を避けたアウトドアから、定番の観光スポットへの回帰

国内旅行選びの重視点【図5】も、コロナ前後で変化してきているようです。

宿泊先でゆっくり過ごすこと、アウトドア、マリンスポーツ、ドライブ・ツーリングを重視する人の割合は、2022年になって減少しています。一方で、観光スポットの重視度は2019年水準まで高まっており、密を避けた旅行から、定番の観光地への回帰が起こっているのかもしれません。

今夏の観光先は淡路島・大阪・北海道・東京が人気か

ではこの夏、注目の観光地はどのエリアなのでしょうか。

「観光」との掛け合わせ検索ワードランキングを見ると【図6】、上位10位のうち、淡路島・大阪・北海道・東京といったエリアの掛け合わせ検索者数が、2022年夏に向けて特に増加していることがわかります。

コロナ禍において、「国内でもできるだけ遠出をして少しでも海外旅行気分を味わいたい」というニーズから、北海道と沖縄が長期旅行先として検討に上がりやすいと思われますが、中でも北海道への注目がより高まっている要因の一つとして、「どうみん割」が挙げられます。

「どうみん割」と「おきなわ彩発見キャンペーン(県民割)」の公式サイトのユーザー数推移を見てみると【図7】、2022年夏に向けて「どうみん割」の増加が大きいことがわかります。沖縄では当県民限定なのに対し、北海道では道民に加え、東北6県在住者も対象者となっていることや、乱立する「県民割」の中で目立つキャンペーンタイトルであることなどが、訪問者数の増加に影響していそうです。

予算は国内旅行100,152円、海外旅行408,245円

旅行にかける予算を聞いたところ(家族旅行の場合は世帯全体含む)、国内旅行は100,152円、海外旅行は408,245円となっていました。観光意欲が高まる中、観光地での消費も回復していくのでしょうか。

インバウンド前に国内旅行を満喫したいという声も

最後に、「あなたが直近に予定/検討している旅行で、『今年2022年だからこそ行きたい場所ややりたいこと』はありますか」とフリーアンサーでたずねました。

「2019年迄は毎年渡韓していたので、今年こそは行けるかと期待している(60代/女性)」「去年はコロナでライブ等も含めた旅行ができなかったので、今年は行きたい(40代/男性)」など、海外を含め、コロナが明けて自由に遠出できることを期待する声が挙がった一方で、「コロナ規制が解除されるたびに旅行を楽しんでおり、『2022だからこそ』ということは無い(70代/男性)」という意見も。コロナ禍にあっても、国内旅行は継続して楽しんできたという旅行好きな人も一定数存在するようです。

また、「インバウンドで価格が高騰する前に、余裕のある旅行を満喫したい(50代/男性)」「外国人観光客が増える前に、京都など風情のある場所を静かに満喫したい(30代/女性)」といった、海外からの旅行者がいない国内旅行を楽しもうという声も見られました。

まとめ

今回の調査では、夏の国内旅行意向がコロナ前の水準に回復してきていること、それに伴い、旅行業界サイトも盛り上がりを見せていることがわかりました。 また、旅行の予約時期は分散傾向にあり、観光協会・地方自治体のサイト利用がコロナ前水準に戻り、YouTubeやSNSでの情報検討が増えてきていることも明らかになりました。

2022年は、コロナ禍で関心が高まったアウトドアアクティビティ よりも、定番の観光スポットに関心が戻ってきていました。観光地としては、淡路島・大阪・北海道・東京といったエリアへの注目度が高まっています。今夏は2019年並みに国内観光を満喫する方が現れるのかもしれません。

「夏の旅行トレンド調査 2022 」セミナーについて|8月3日(水) 無料開催

今回の調査をもとに、今年2022年の夏の旅行トレンドについて深堀り解説するオンラインセミナーを、2022年8月3日(水)14:00~15:00に無料開催いたします。アンケート調査結果やWeb行動ログ分析結果を紐解きながら生活者の旅行に関する情報収集行動や、宿泊サイトの利用状況などをご紹介いたします。

【8/3(水)】2022夏の旅行トレンドとは? 予約サイトを勝ち負け分析、旅行予定者アンケート×Web行動ログ解説セミナー | ビッグデータ×マーケティングで事業の成長を支援|株式会社ヴァリューズ

https://www.valuesccg.com/seminar/20220721-4708/

本セミナーでは夏の旅行を検討している方への定点アンケート調査とWeb行動ログ分析から、夏の旅行トレンドを解説します。また、宿泊予約における各社の勝ちパターン(宿泊先を検討したサイトで、そのまま予約したパターン)と負けパターン(宿泊先の検討時とは別のサイトで予約したパターン)の分析結果も解説します。

↑詳細・申し込みはこちらから

調査概要

夏の旅行予定については、全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)を対象として、2022年6月21日~6月30日にアンケート調査を実施(回答者7,632人)。
※2021年度データについては、2021年6月23日~6月29日にアンケート調査を実施(回答者10,003人)。
※2020年度データについては、 2020年6月24日~7月1日にアンケート調査を実施(回答者18,427人)。
※2019年度データについては、 2019年6月21日~7月1日にアンケート調査を実施(回答者9,219人)。
※アンケート調査は性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計をおこなっている。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
※サイト分類のカテゴリは、ヴァリューズが独自に定義。

dockpit 資料請求はこちら

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
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