スリープテックで注目集める睡眠アプリ。利用者はどんな人?高まる睡眠の質への関心を調査

スリープテックで注目集める睡眠アプリ。利用者はどんな人?高まる睡眠の質への関心を調査

コロナ禍でライフスタイルが変化し、多かれ少なかれ、生活リズムにも影響が出ていることでしょう。そんなストレス社会を反映するかのように、今、睡眠の質への関心が高まっています。睡眠の質向上にこだわった『ヤクルト1000』は大人気となり入手困難に、枕やマットなどの寝具も次々とヒット商品を生み出しています。 そんな中で、着々とマーケットを広げているのが、睡眠アプリです。今回は話題の「スリープテック」を牽引する睡眠アプリについて取り上げます。


睡眠アプリとは?

睡眠の質への関心の高まりを受け、質の高い睡眠をテクノロジーで実現する「スリープテック」のプロダクトも寝具やウエアラブル機器をはじめ続々と開発が進んでいます。その中で注目されているのが、手軽に取り入れることができる睡眠アプリ

睡眠アプリには、自分の眠りのリズムをデータ化するものや、いびき・歯ぎしりを測定するもの、快眠サウンドを聴くことができるもの、またはそれらの複数の機能を組み合わせたものなど、たくさんリリースされています。

これらの中から人気の睡眠アプリをピックアップし、そのユーザー分析を行っていきましょう。

まずは人気の睡眠アプリを5つピックアップし、Webサイトやアプリのユーザー行動ログを分析できるツール「Dockpit(ドックピット)」を用いて、ユーザー数推移や属性など比較していきます。

人気の睡眠アプリ

人気の睡眠アプリ

Google Playに登録されている「睡眠アプリ」の中から選定

「熟睡アラーム」が首位を独走。「睡眠アプリ」も好調

まずは直近1年間のアプリユーザー数の推移を見ていきましょう。下のグラフのように、「熟睡アラーム」が最も人気で、2022年にさらにユーザー数を伸ばし、好調に推移していることがわかります。

ユーザー数が増加傾向なのは、2021年9月にリリースされた「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」です。

睡眠アプリユーザー数推移

睡眠アプリユーザー数推移

対象アプリ「熟睡アラーム」「睡眠サイクル」「いびきラボ」「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」「Meditopia」
期間:2021年8月〜2022年7月

ユーザー数1位「熟睡アラーム」

2021年9月リリース「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」

「睡眠アプリ」ユーザー増加は「熟睡アラーム」からの乗り換えが原因?

ここで、各アプリ同士の併用状況を見てみましょう。

最もユーザー数の多い「熟睡アラーム」から見た他アプリ併用状況のデータを見ると、他アプリとの併用は少ないように思われます。

「熟睡アラーム」から見た他サイト/アプリ併用状況

「熟睡アラーム」から見た他サイト/アプリ併用状況

期間:2021年8月〜2022年7月

しかし、下グラフで、2021年9月リリース以降順調にユーザー数を伸ばしてきた「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」から他アプリ併用状況をみると、リリース当初は「熟睡アラーム」との併用率が高くその後下落し、徐々に併用なしの割合が高まっていることがわかります。つまり、「熟睡アラーム」から「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」への乗り換えが多かったのではないかと推察されます。

「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」から見た他サイト/アプリ併用状況推移

「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」から見た他サイト/アプリ併用状況推移

期間:2021年8月〜2022年7月

また、これらのアプリが月にどのくらい使用されているのかを調べてみると、以下の図のように、「熟睡アラーム」は1ヶ月間に18日程度と、頻繁に使用されていることがわかります。また、「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」はリリース後半年以内で起動日数が増加しその後安定傾向であることから、リピーターをつかんだ様子がうかがえます。

睡眠アプリ月平均アプリ起動日数推移

睡眠アプリ月平均アプリ起動日数推移

対象アプリ「熟睡アラーム」「睡眠サイクル」「いびきラボ」「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」「Meditopia」
期間:2021年8月〜2022年7月

睡眠アプリの利用者はどんな人?

次に、睡眠アプリの利用者はどんな人か、属性を見ていきましょう。

男女比はどのアプリも女性ユーザーが多いようですが、ユーザー数を好調に伸ばしている「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」は女性比率が最も高いことがわかります。

睡眠アプリユーザー属性比較<男女比>

睡眠アプリユーザー属性比較<男女比>

対象アプリ「熟睡アラーム」「睡眠サイクル」「いびきラボ」「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」「Meditopia」
期間:2021年8月〜2022年7月

年代については、睡眠アプリ利用者は20〜40代の比較的若年層に人気だということがわかります。中でも「睡眠サイクル」は20代を中心に若年層の比率が高く、「いびきラボ」は40代に特に人気が高いようです。

「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」リリース直後に、「熟睡アラーム」からの乗り換えがあったことを示唆しましたが、年代の構図も近いことがわかります。

睡眠アプリユーザー属性比較

睡眠アプリユーザー属性比較

対象アプリ「熟睡アラーム」「睡眠サイクル」「いびきラボ」「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」「Meditopia」
期間:2021年8月〜2022年7月

若者に人気の「睡眠サイクル」

40代に人気の「いびきラボ」

睡眠アプリユーザーは、他にどんなことに関心があるのか

続いて、各アプリのユーザーが他にどんなアプリに関心があるかを分析していきます。

※関心アプリ分析は特徴値指標を使用。比較的規模の小さなアプリでも特徴的なものをランキングします。

睡眠アプリユーザーのその他の関心アプリ

睡眠アプリユーザーのその他の関心アプリ

対象アプリ「熟睡アラーム」「睡眠サイクル」「いびきラボ」「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」「Meditopia」
期間:2022年7月
特徴値優先で分析

それぞれ以下のような特徴がありました。いずれのユーザーも、日常生活を少し便利にするようなアプリを併用していることがわかります。

■「熟睡アラーム」ユーザーの関心アプリ
・生理日管理や気象病対策アプリなど、ヘルスケアアプリを使用している

■「睡眠サイクル」ユーザーの関心アプリ
・電卓、翻訳、家計簿など、実用的なアプリをよく使用している

■「いびきラボ」ユーザーの関心アプリ
・QUOカード、トモズやWAON、ゆうちょアプリなど、生活密着アプリをよく使用している

■「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」ユーザーの関心アプリ
・radikoやspotifyなどの音楽アプリ、レシピ動画など、エンタメ軸のライフスタイルアプリを使用している。

■「Meditopia」ユーザーの関心アプリ
フリマアプリを使用している

まとめ

睡眠の質への関心が高まる中、ITやAI などの技術を活用して、睡眠不足の改善や睡眠の質を向上させる、スリープテックが話題になっています。中でも手軽に始められる「睡眠アプリ」が人気です。
今回は人気の睡眠アプリをピックアップし、それぞれのユーザー分析を行いました。

アプリユーザー数が最多なのが「熟睡アラーム」です。また、2021年9月にリリースされた「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」も好調にユーザー数を伸ばしています。併用率を分析した結果、「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」リリース後に、「熟睡アラーム」からの乗り換えが多かったことが推察されました。

次に、睡眠アプリの利用者について、属性を比較しました。男女比はどれも女性ユーザーが多く、20〜40代の比較的若年層に人気だということがわかりました。

続いて、各アプリのユーザーが他にどんなアプリに関心があるかを分析したところ、次のような特徴があらわれました。

「熟睡アラーム」ユーザー
ヘルスケアアプリを併用

「睡眠サイクル」ユーザー
・電卓、翻訳、家計簿など、実用的なアプリを使用

「いびきラボ」ユーザー
・QUOカード、ドラッグストア、スーパーなど、生活密着アプリを使用

「睡眠アプリ - いびき, すりーぷまいすたー」ユーザーの関心アプリ
音楽アプリ、レシピ動画などを使用

「Meditopia」ユーザー
フリマアプリを使用

それぞれに特徴がありますが、睡眠アプリを生活に取り入れる人は、他のヘルスケアアプリや生活を便利にするようなアプリも積極的に取り入れていることがうかがえました。

【調査概要】
・全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログと属性情報にもとづき分析
・行動ログ分析対象期間:2021年8月〜2022年7月
※ボリュームはヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測
※対象デバイス:スマートフォン

今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザでWebサイト・アプリのユーザー調査をはじめ、キーワード分析やトレンド調査を行えます。
無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

フリーライター。大手キャリア系企業で編集の仕事に出会い、その後、3つのメディアの立ち上げなど行い、2014年にフリーランスに。医療系、就活系、教育系、結婚系のサイトで執筆中。

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