検索順位とWeb Vitalsの関係は?|「2022年8月 コンテンツマーケティング最新動向レポート」

検索順位とWeb Vitalsの関係は?|「2022年8月 コンテンツマーケティング最新動向レポート」

SEOを考えるコンテンツマーケタ―にとって、アルゴリズムアップデートの影響をチェックするのは必要不可欠です。しかし、自分で検証するのは大変という人も多いのではないでしょうか。そのような声に応え、ヴァリューズのマーケターが、コンテンツマーケティングの今をお届け。第2弾の今回は、検索順位とWeb Vitalsの関係について解説していきます。


【解説者紹介】

検索順位とWeb Vitalsの傾向を調査





岩間:2022年8月のコンテンツマーケティング最新動向レポートでは、今押さえておくべきSEOトピックについて紹介していますね。どのような内容なのでしょうか。












岡村:ヴァリューズ独自のデータをもとに、検索順位とWeb Vitals(ウェブバイタル)に傾向があるかを調査しています。Web Vitalsとは、Webで優れたUXを実現するための品質シグナルのことで、本調査では、以下の6つを定義しています。






  ・FID(First Input Delay)
  ・FCP(First Contentful Paint)
  ・LCP(Largest Contentful Paint)
  ・CLS(Cumulative Layout Shift)
  ・INP(Interaction to Next Paint)
  ・TTFB(Time to First Byte)





岡村:それぞれの意味をしっかり理解するのは難しいので、説明は割愛して、押さえておくべき点のみ解説できればと思います。
これらの中でも特に重要な指標はCore Web Vitalsと呼ばれており、「FID」「LCP」「CLS」の3つがCore Web VitalsとしてGoogleより定義されています。











岩間:検索順位とWeb Vitalsの関係を調べたレポートは他にもありますが、本調査の特徴はどこにあると考えますか。











岡村2022年5月のコアアルゴリズムアップデート後に実施したという点がポイントです。

調査対象のキーワードは100個。弊社で定点的にモニタリングしているリスティング広告の出稿量ランキングの上位から、指名キーワード(ブランドや商品、サービス名)を除いたキーワードです。つまり、一般キーワードかつ競合性の高いキーワードに絞っています。

指名キーワードを除外したのは、指名の場合、アルゴリズムでUX観点よりドメインでの評価が重視される傾向があるためです。

キーワードの選定後、Googleが提供するPageSpeed Insights APIを使用して、各URLごとにWeb Vitals指標を抽出しています。











岡村:この規模で、Web Vitalsの数値を追っている調査結果は私が知る限りないので、完全に弊社独自の調査になると思います。




Core Web Vitalsが合格のURLほど上位表示される傾向





岩間:調査の結果から、コンテンツマーケターが知っておくべきことはありますか。










岡村:今回の結果としては、Core Web Vitalsで合格が出ているURLほど上位表示されている傾向が見られました。スマートフォンとPCのどちらでも検索順位10位以内に入るURLでは、Core Web Vitalsで「合格」が出ているURLが多かったのです。




Core Web Vitalsで重要なのはLCP





岡村:一方で個別の指標を見ると、Core Web Vitalsのスコアの良さと検索順位の間に、相関性があるのはLCPのみでした。LCPとは、ユーザーに知覚される読み込み速度を測定するための指標のことで、LCPが低いと読み込み速度が上がり、そのページが便利であることをユーザーに強く印象付けることができます。

今回の調査結果では、上位表示されているページは、下位ページと比較してLCPが低い傾向があったことから、ページの表示速度がGoogleから重要視されているのではないかと考察しています。








岩間:TTFBはいかがでしょう。LCPと違ってアルゴリズムに組み込まれているとは発表されていませんが、同様に速さに関する指標という面で、SEOの順位に影響してくるのでしょうか。










岡村:TTFBについても、上位に表示されているページの方が数値が良いという見方もできますが、やはりまずはLCPが評価されるのではないかと考えます。LCPが評価されたサイトは、結果的にTTFBも短くなっている、という考え方ができそうです。








岡村:また、FIDとCLSに関しては、今回の調査ではそこまで顕著な傾向が見られませんでした。しかし、FIDもCLSもCore Web Vitalsなので、今後もしっかりと対策していくことが必要でしょう。










岩間:INPに関してはむしろ、下位表示の方が数値としては良いという結果も出ています。しかし、こちらもまだアルゴリズムには入っていないですし、今後INPがこれまでのCore Web Vitals、特にFIDと切り替わるようなことがあれば、検索順位が動く可能性もあるのでしょうか。










岡村:そうですね。今後切り替えが起こった際に、順位との相関性にどのような影響が出るかなどもモニタリングをしていければと思っておりますので、ぜひ楽しみにしていただきたいです。










岩間:SEOを考えたときに、Core Web Vitalsに力を入れている企業と、そこまでインパクトはないだろうと優先順位が低いままの企業がありますが、今回の結果を見る限り、Core Web Vitalsで合格をしっかり出していくことが大切そうですね。










岡村:その通りで、年々Core Web Vitalsの重要度が高まっていることは間違いないと考えます。今までですと、同じようなコンテンツのサイトがあったときに、Core Web Vitalsが優れている方がGoogleからの評価が上がるという見解を持っている人が多く見られました。しかし、今回の結果をふまえると、Core Web Viltasと表示順位の相関性は今後もっと強くなるのではないかと考えています。




PCでもCore Web Vitalsを重視すべき理由





岩間:PCの比重が多いサイトはどうでしょうか。まずモバイル上での検索結果画面がCore Web Vitalsのアルゴリズムに入り、その後2022年3月にPCにもアルゴリズム導入されましたが、やはりPCでも重視していく必要があるのでしょうか。










岡村:PCを主戦場としているサイトでも、Core Web Vitalsは重要であり、注力していくべきです。今回の調査結果からも、PCとモバイルの双方で、Core Web Vitalsで合格が出ているサイトと上位表示されているサイトに相関性が見られました。




マーケターが意識して対応するべきこと





岩間:今回の結果から、SEOやコンテンツマーケティングに関わるマーケターが今後意識した方が良いことはありますか。










岡村:まず、Core Web Vitalsで合格を取っていくことが、最低限必要です。どのようなサイトでも注力してほしいと思います。

次に速度ですね。もちろんそのサイトの仕様によって、できることとできないことがあると思いますが、LCPを上げることは意識してほしいです。例えば、簡単にできることでいうと、画像を軽くするなどがあるでしょう。まずは、できることから対応してみてほしいと思います。







(本調査はあくまでも傾向に注目し、今後の施策における仮説立てや優先順位の検討に有効活用するためのものであり、因果関係を示すものではない旨、ご留意ください)

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この記事のライター

IT企業でコンテンツマーケティングに従事した後、独立。現在はフリーランスのライターとして、ビジネスパーソンに向けた情報を発信しています。読んでよかったと思っていただける記事を届けたいです。

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