【急上昇サイト】抗菌シート「イータック」がLINE広告流入でユーザー増やす|2022年7月

【急上昇サイト】抗菌シート「イータック」がLINE広告流入でユーザー増やす|2022年7月

2022年7月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


2022年7月の急上昇サイトは?

こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2022年7月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。

2022年7月の前月比急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)

なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用しています。

7月はハウス食品のEC サイトがランクイン!

それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、トレンドとして注目のサイトをいくつかご紹介します。

7位:ハウス食品公式オンラインショップ every HOUSE

2位にランクインしたのは、ハウス食品の公式オンラインショップ「every HOUSE」でした。every HOUSEは、多様化している食のスタイルやニーズに応える商品を取り揃え、ハウス食品ブランドを一人でも多くの消費者に届けることを目的に、2021年10月に立ち上げられた公式オンラインショップ。商品数は限られているものの、カレースパイス付きの子供向け絵本や、激辛シリーズのカルボナーラスパゲティソース“辛ボナーラ”など、ハウス食品ならではのユニークな視点で、商品を提供しています。

早速、今月ランクインした要因をDockpitで調べてみましょう。どんなユーザーがサイトへ訪れているのでしょうか。

「every HOUSE」ユーザー属性 年代 (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年5月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

サイトに訪れている方の年代を見てみると、60代の割合が一番多く、次いで50代・40代の方が比較的多くサイトへ流入していました。

次に、集客構造を調べてみます。

「every HOUSE」集客構造 (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年5月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

集客構造を見てみると、9割近くの方がディスプレイ広告をきっかけに、サイトへ訪れています。
どんな情報を見るためにサイトへ訪れているのか、ランディングページを調べてみましょう。

「every HOUSE」ランディングページ (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年5月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

流入の多いページは、1位・5位・7位にランクインしていた、7月21日~8月4日まで開催している"夏のプレゼントキャンペーン"ページでした。

期間中、every HOUSE会員の方全員を対象に、マイページから応募した方の中から抽選で「フルーチェ9種類の詰め合わせセット」またはオンラインショップでの送料無料券が当たります。

フルーチェは、1976年から販売しているハウス食品の代表的な手作りデザートキット商品の1つで、手軽に作れることから小さな子供たちにも人気があります。このようなことからも、ディスプレイ広告を見た子供のいる世帯の多くの方が、夏休み時期のキャンペーンに興味を持ったのではないかと想定されます。

10位:ベアーズ 暮らしサポート

10位にランクインしたのは、家事代行サービスの「ベアーズ 暮らしサポート」でした。ベアーズは、1999年に創業した家事代行サービス企業。現在はハウスクリーニングやベビーシッターなど、生活をサポートする幅広いサービスを提供しています。

早速、7月サイトへの流入数が急増した要因を、Dockpitで調べてみましょう。

「ベアーズ 暮らしサポート」集客構造 (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年5月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

集客構造のうち、9割の方がメール・アフィリエイト広告から、サイトへ流入していることが分かりました。
どのような情報に興味を持ち、サイトへ訪れたのか、ランディングページを調べてみます。

「ベアーズ 暮らしサポート」ランディングページ (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年5月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

1番多かったのは、ベアーズ暮らしサポートTOPページでした。3位から10位はエアコンクリーニングページへ流入しており、エアコン稼働の急増する7月の季節に沿ったサービスを、広告やメルマガで積極的に配信していたことがうかがえます。

14位:【Kutoon (クトゥーン)】 - 子供靴のサブスク

14位は、子供靴レンタルのサブスクサービスを提供する「Kutoon」でした。

「Kutoon」は、日本初の子供靴のサブスクサービスです。2021年9月に東京都墨田区のリアル店舗とWebサービスを同時にオープンしています。「Kutoon」が子供靴のサブスクサービスを始めた要因を探るべく、子供靴に対して消費者はどんなニーズを持っているのか、Dockpitを使って検索キーワードの属性別マップから探ってみます。

「子供靴」属性別マップ (Dockpitキーワード分析より)
(集計期間:2020年8月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

Dockpitキーワード分析の属性マップでは、縦軸が年齢、横軸の左側が男性・右側が女性を示しており、「子供靴」というキーワードで検索するユーザーが、他にどのようなワードに興味を持ち、検索をしているのかを示しています。

キーワード分析の属性マップのうち、女性に多かったワードは「洗い方」や「収納」でした。外遊びやスポーツで汚れた靴のメンテナンスや、小さい子供靴ならではの悩ましい収納方法に対する情報を求めていることが見えてきます。そのほか「サイズ」「メルカリ」のワードもありました。子供は成長が早いため、次に購入する靴のサイズを調べていることや、不要になった子供靴の処分方法を調べている様子がうかがえます。

「Kutoon」のサービスでは、使用して履かなくなった子供靴を汚れたまま返却することもでき、利用中のクリーニングも可能です(要別料金)。また、前述のように廃棄依頼も可能。デザイン・サイズの合う新しい靴をレンタルできる、子供靴の課題を改善する新しいサービスは、成長期の子供を持つ保護者にとって画期的なサービスと言えるのではないでしょうか。

サービス認知を図るため、「Kutoon」ではアフィリエイトなどの広告施策を行っていました。今後どのようにサービスが浸透していくのか、楽しみです。

LINE広告やTwitterなどSNS経由の流入でユーザー増加

19位:家族のウイルス・菌対策の決定版! | エーザイ イータックシリーズ

19位は、医薬品の製造販売を手掛けるエーザイの抗菌化商品「イータックシリーズ」でした。コロナウイルス感染拡大により、各社から除菌・抗菌グッズが発売されています。「イータックシリーズ」は、抗菌作用が1週間続くので、外出先からのウイルス・菌の持ち込み防止対策と、家の中に持ち込んだウイルス・菌の拡散防止対策ができます。

なぜ7月に「イータックシリーズ」のサイトセッションが急増したのか、早速Dockpitで調べてみましょう。まず、何をきっかけにサイトへ訪れているのか、集客構造を見てみます。

「エーザイ イータック」集客構造 (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年5月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

ソーシャルからの流入が7割と大半を占めています。どんなチャネルからの流入が多いのか、ソーシャル構造を調べてみます。

「エーザイ イータック」ソーシャル構造 (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年5月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

97%の方がLINEから流入していることが分かりました。サイトへ訪れた方はどんなコンテンツを見ているのでしょうか。さらに詳しく調べてみます。

「エーザイ イータック」ランディングページ (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年5月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

一番多く流入しているのは、「イータック抗菌化ウェットシート」のキャンペーンページでした。

7月1日から、全国のガソリンスタンドで給油後のレシートを提示した方全員に「イータック抗菌化ウェットシート」の無料サンプリング配布キャンペーンを実施しています。

エーザイは以前から、商品の新規定期購入者を増やす目的でLINE広告を活用しています(参考:LINE for Business事例ページ)。LINEを活用した広告施策は今後も効果が期待できそうです。

【関連】マーケターは頭に入れておきたいSNS広告の特徴と目的|現場担当者が語るデジタル広告の基礎

https://manamina.valuesccg.com/articles/1880

SNS広告の特徴や出稿の目的、各プラットフォームでできることについてヴァリューズのマーケティングコンサルタント・利根川さんが解説します。SNS広告の出稿を検討している方や、SNS広告の基礎知識を身に着けたい方は、ぜひご自身の学びに役立ててみてください。

27位:CHEF-1グランプリ2022(シェフワングランプリ)

27位は、「CHEF-1グランプリ2022(シェフワングランプリ)」でした。「CHEF-1グランプリ2022」は、日本全国の料理人が、世界に通用する日本一の料理人の称号を目指す、料理決戦番組。エリアごとの予選は2022年2月から始まり、TVerやGYAO!、YOUTUBEで配信され、決勝戦は7月24日にABCテレビ・テレビ朝日系列全国ネットで放送されました。

番組サイトには、出場したシェフの紹介や優勝したシェフのインタビュー動画など、大会の詳細が掲載されています。それでは7月にランクインした要因をDockpitで調べてみます。

「CHEF-1グランプリ2022」集客構造 (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年5月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

自然流入が約60%と一番多く、次いでノーリファラーが27%、ソーシャルから9%のサイト流入があることが分かりました。

一番多い自然流入の方は、どのようなキーワードで検索し、サイトへ流入しているのでしょうか。自然検索キーワードを調べてみます。

「CHEF-1グランプリ2022」自然検索キーワード (Dockpit競合分析より)
(集計期間:2022年5月~2022年7月 、デバイス:PC&スマートフォン)

「シェフワングランプリ」や「シェフ1グランプリ」など、指名検索で流入している方が多いことが分かりました。CMなどの告知で知った方が、予め検索していた様子が伺えます。一方で、一定数の集客があったソーシャルについても詳しく調べてみたところ、Twitterからの流入が約70%を占めていることがわかりました。Twitter番組公式アカウントのフォロワー数は2万人と比較的多く、関連キーワードのリツイートも、地域予選の時期から多く見受けられました。

これらのことから、テレビ・サイトだけではなく、ネット動画・ソーシャルを掛け合わせ、予選から情報を公開することで番組の認知度と期待値を上げ、幅広いユーザーが楽しめるイベント番組になったことが分かります。

まとめ

7月は、LINE広告で効果を出すエーザイのイータック、チャネルを横断し告知することで注目を浴びたCHEF-1グランプリなど、SNSやネット動画の広告・告知により、流入が増えたサイトがランクインしました。

情報の受け皿となるサイトへどれだけ自然に誘導するか、複雑化するチャネル戦略は、認知拡大の要になっているといえるでしょう。今回ユーザー数を急上昇させたWebサイトの取り組みを、ぜひ自社のプロモーション施策のヒントにしてみてください。

▼『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

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