スマートニュースのユーザーはどんな人?データからみる消費ニーズと広告の可能性

スマートニュースのユーザーはどんな人?データからみる消費ニーズと広告の可能性

SmartNews(スマートニュース)は、約3000ものメディアから集めたニュースやコラムなどをまとめたニュースメディアです。スマートニュースアプリを利用するユーザーはどのような人たちなのか。どのような消費ニーズがあるのか。Web行動ログデータとアンケートデータをもとに検証しました。


SmartNews(スマートニュース)ってどんなメディア?

SmartNews(以下、スマートニュース)は3000ものメディアから集めたさまざまな情報を閲覧できるニュースサイトです。アカウント登録を行うことでお気に入りの記事を保存したり、興味のあるカテゴリを登録して自分好みのメディアにカスタマイズしたりもできます。

今回はそんなスマートニュースについて、まずはDockpit(毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール)を用いて分析していきます。

スマートニュースアプリユーザー数

「SmartNews」のアプリ ユーザー数および月平均アプリ起動日数
(集計期間:2022年11月〜2023年1月、対象デバイス:スマートフォン)

スマートニュースのアプリユーザー数は36,900,000人で、1ヶ月の平均アプリ起動日数は約12日でした。

ユーザーがアプリ内の記事をいくつか回遊することを考えると、スマートニュースアプリ全体の月間PV数は4億5千万回を優に超えることが想定されます。

男女半々・40代~60代の幅広い層に支持されている

スマートニュースアプリ_性別

「SmartNews」のアプリユーザー属性「性別」
(集計期間:2022年11月〜2023年1月、対象デバイス:スマートフォン)

スマートニュースアプリを利用しているユーザーの男女比はほぼ半々、やや男性が多い結果でした。

スマートニュースアプリ_年代

「SmartNews」のアプリユーザー属性「年代」
(集計期間:2022年11月〜2023年1月、対象デバイス:スマートフォン)

年代では40代から60代までのミドル~年配層のユーザーが多いことがわかります。

スマートニュースは幅広いジャンルから自分好みの情報収集ができる仕様です。忙しい世代が仕事や家事の合間に、ささっと情報をキャッチアップしやすいのかもしれません。

大半のユーザーの年収は、平均年収よりやや少ない

ユーザーの年収データにも特徴が見られました。スマートニュースを検索しているユーザーの年収で最も多いのは400万円未満で、おおよそ5割近い割合となっていました。

スマートニュースアプリ_年収

「SmartNews」のアプリユーザー属性「年収」
(集計期間:2022年11月〜2023年1月、対象デバイス:スマートフォン)

国税庁の令和2年の民間給与実態統計調査によると、令和2年の給与所得者の平均年収は433万円。スマートニュースのアプリを利用しているユーザーの大半は、国民全体の平均年収よりやや少ないことがわかります。

スマートニュースのアプリ上では、外食各社のクーポンを入手できます。節約志向が高いユーザーがスマートニュースに集まっていると仮定すると、ユーザーにとってはクーポン施策がスマートニュースを選ぶフックとなっているのかもしれません。

スマートニュースアプリの「クーポン」タブ画面(Android)

スマートニュースアプリの「クーポン」タブ画面(Android)

ここからはさらに分析を深めるため、Web行動データとアンケートデータを用いて、ターゲットユーザーにおける特定のWeb行動の前後の動きと属性を集計できる「story bank」を用いてみていきます。

まずはスマートニュースアプリの利用者の支出傾向です。

スマートニュースアプリ利用者の支出傾向

「story bank」スマートニュースアプリ利用者の支出傾向
(集計期間:2022年11月〜2023年1月、対象デバイス:スマートフォン)

ネット利用者全体とスマートニュースのユーザーの平均支出を比較すると、最も生活に直結している「外食を除いた食費」は、スマートニュースユーザーの平均支出がネット全体の平均支出を下回っていました。

さらに子どもへの教育費や衣服、旅行などでもスマートニュースユーザーの平均支出がネット全体の平均支出を下回っています。

一方でギャンブルのほか、たばこ・アルコールといった嗜好品や化粧品への支出においては、平均より高い特徴があります。

スマートニュースユーザーの平均支出が高いジャンルは広告出稿も狙い目と言えるかもしれません。

スマートニュースに男女別で広告を出稿するなら

ここからはスマートニュースに広告を出稿する場合を想定し、男女別にジャンルを考察していきます。スマートニュースユーザーの興味関心を把握できれば、広告配信の戦略や親和性の高い広告が見つかるかもしれません。

男性は「娯楽」に興味あり

スマートニュースアプリ男性ユーザーの関心度

「story bank」スマートニュースアプリ男性ユーザーの関心度
(集計期間:2022年11月〜2023年1月、対象デバイス:スマートフォン)

男性のスマートニュースユーザーが関心を持っているジャンルは動画共有サイトやゲームといったいわゆる「娯楽ジャンル」でした。

この結果から、日常的に動画を閲覧している様子やスマホゲームへの関心の高さがうかがえます。動画共有サイトでも、ゲーム実況を見ている人が多いのかもしれません。

男性のスマートニュースアプリユーザー向けに広告を出稿するなら、ゲーム関連の広告の相性が良いのではないでしょうか。また配信形式においては、動画コンテンツでの訴求を試してみてもいいかもしれませんね。

女性は「ダイエット・コスメ」に興味あり

スマートニュースアプリ女性ユーザーの関心度

「story bank」スマートニュースアプリ女性ユーザーの関心度
(集計期間:2022年11月〜2023年1月、対象デバイス:スマートフォン)

女性のスマートニュースユーザーが関心を持っているジャンルは、ダイエットやコスメでした。女性のスマートニュースユーザーは、健康情報やオシャレに関して関心が高いといえそうです。

なかでも「化粧品」に関しては、ネットユーザーの平均よりも、スマートニュースユーザーの支出が多いデータがあります。

スマートニュースアプリ利用者の支出傾向

「story bank」スマートニュースアプリ利用者の支出傾向
(集計期間:2022年11月〜2023年1月、対象デバイス:スマートフォン)

このことから化粧品の広告は親和性が高いといえるでしょう。

まとめ

データからは、スマートニュースユーザーの年収とメディアに対するニーズ、消費傾向がみえてきました。
今回のデータからみえたスマートニュースユーザーの特徴は、以下です。

・スマートニュースのユーザー層は男女が半々
・40代から60代までの幅広い年齢層
・年収は平均か、それ以下のユーザーが多い
・男性は動画コンテンツにて、ゲームなどの娯楽情報と広告の相性がいい
・女性は健康情報やオシャレ、とくに化粧品との広告の親和性が高そう

▼今回の分析にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。は無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。

dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

1978年長崎県生まれ。1男の母。プログラマを経て現在フリーランスのライターとして活動中。不惑の年齢にしてK-popにハマり、韓国語勉強中。食育アドバイザー、薬膳コーディネーター、野菜スペシャリスト。

関連する投稿


Marketing strategy of three Chinese & Taiwanese home appliance manufacturers: HUAWEI, Xiaomi, & ASUS

Marketing strategy of three Chinese & Taiwanese home appliance manufacturers: HUAWEI, Xiaomi, & ASUS

Chinese and Taiwanese manufacturers have been growing their market share and number of users, and they are expected to compete with Japanese companies. We will analyze the current sales trends of HUAWEI, Xiaomi, and ASUS in Japan and predict their future while comparing with Japanese brands.


海外家電メーカーのマーケティング戦略は?中華圏メーカーHUAWEI、Xiaomi、ASUSの3社を調査

海外家電メーカーのマーケティング戦略は?中華圏メーカーHUAWEI、Xiaomi、ASUSの3社を調査

近年、世界で着実にシェアを伸ばしつつある中華圏メーカー。日本においてもその製品の利用者は増加しており、日本企業と競合していくことが予想されます。そこで今回は日本にも進出している代表的な3つの中華圏メーカー、HUAWEI、Xiaomi、ASUSについて、日本における現時点での販売動向を分析し、国産ブランドとも比較しながら3社の今後を占っていきます。


サービス終了から約1年…Zenly利用者はどこへ?位置情報共有アプリの現在

サービス終了から約1年…Zenly利用者はどこへ?位置情報共有アプリの現在

位置情報共有アプリ、Zenly。かつて一般的ではなかった「位置情報を共有する便利さ」をユーザーに伝え、位置情報共有アプリという新ジャンルを開拓しました。友人や家族との待ち合わせに使ったり、スマホの紛失に備えたり、災害時の安否確認として使ったり…とユーザーに様々な需要を生み出したZenlyですが、2023年2月3日にサービスを終了しました。ではその後、Zenlyユーザーはどのアプリを利用しているのでしょうか?この記事では、Zenlyに代わる位置情報共有アプリの現在を、サービス終了直後の分析結果と比較しながら考察します。


今「note」がアツい!読み物好きな若者を魅了?noteの集客動向を調査<前編>

今「note」がアツい!読み物好きな若者を魅了?noteの集客動向を調査<前編>

2023年夏頃から集客数を急激に伸ばしているメディアプラットフォーム「note」。人気を後押ししているのはどのような人々なのでしょうか?前編では、noteが集客しているユーザーの特徴を深掘り調査し、後編では、noteが規模を拡大している要因を探っていきます。


フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

フリマ市場を比較調査。メルカリとYahoo!系サービス、それぞれの特徴や集客の強みとは?

節約やお小遣い稼ぎの手段としても注目が高まるフリマ市場。「メルカリ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!フリマ」を対象に、フリマ市場の最新動向について調査しました。各サービスのサイト・アプリについて、利用者数やユーザーの人となりに加えて、サイト集客構造の違いについても深掘りし、それぞれの特徴について明らかにしていきます。


最新の投稿


Twilio、「顧客エンゲージメント最新動向」を発表 データ使用状況の開示と高い透明性の重要性を明らかに

Twilio、「顧客エンゲージメント最新動向」を発表 データ使用状況の開示と高い透明性の重要性を明らかに

Twilio Japan合同会社は、「顧客エンゲージメント最新動向」の日本語版を発表しました。


メンズの注目高まる?「日焼け止め」ニーズを調査!2024年最新版

メンズの注目高まる?「日焼け止め」ニーズを調査!2024年最新版

メンズコスメへの注目が高まる中、生活者の日焼け止めへのニーズはどのようになっているのでしょうか。また、夏と冬、シーズンによって日焼け止めに求められるものは異なるのでしょうか。本記事では、日焼け止めの検討行動から、ニーズの移り変わりと消費者心理を紐解いていきます。


HYUNDAI(ヒョンデ)の新EV「KONA(コナ)」への関心は?サイト訪問者から分析

HYUNDAI(ヒョンデ)の新EV「KONA(コナ)」への関心は?サイト訪問者から分析

2022年に日本市場に再進出したHYUNDAI(ヒョンデ)は、2023年11月にコンパクトSUVのEV「KONA(コナ)」の販売を開始しました。SUVのEVでありながら、車体価格が399万3,000円からと、他の高額なモデルと比較して手頃な価格であることが注目されています。今回は ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の調査を行い、どのような人が関心を持っているかや比較対象となるメーカー、集客構造を調査していきます。


Marketing strategy of three Chinese & Taiwanese home appliance manufacturers: HUAWEI, Xiaomi, & ASUS

Marketing strategy of three Chinese & Taiwanese home appliance manufacturers: HUAWEI, Xiaomi, & ASUS

Chinese and Taiwanese manufacturers have been growing their market share and number of users, and they are expected to compete with Japanese companies. We will analyze the current sales trends of HUAWEI, Xiaomi, and ASUS in Japan and predict their future while comparing with Japanese brands.


Z世代の最新トレンドは「猫ミーム」!男女すべての年代で1位に【LINEリサーチ調査】

Z世代の最新トレンドは「猫ミーム」!男女すべての年代で1位に【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチでは、四半期毎に実施しているZ世代(15~24歳)の男女への流行調査を実施し、2024年3月期の結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ