こんにちは、現役Z世代による”Z世代の行動データ”分析ラボ Gen-Z調査隊です!
私たちは、消費者の行動データをもとに、現役Z世代メンバーの視点から、“Z世代のリアル”を分析しています。
第8弾となる今回は、Gen-Z調査隊メンバーに加え、現役大学生のとりとり(01年生まれ・カフェ好き)も分析に参加し、本記事のライティングまで担当しています。
“Z世代”とは
“Z世代”は1990年代後半~2010年頃に生まれた世代を指します。物心ついた頃にはインターネットが既に身近にあったため、“デジタルネイティブ”な世代とも呼ばれており、今後の経済を支える中心世代として注目を集めています。
対して、本記事でZ世代と比較していくのは、そのひとつ上の“ミレニアル世代”。1981年頃~1990年代半ばに生まれ、インターネットの発達とともに育った世代です。
※本記事では、2023年6月時点で16~26歳のモニターをZ世代、27~41歳のモニターをミレニアル世代として定義し分析を行っています。
Z世代とミレニアル世代の関心はどこに?
2023年6月における、世代ごとのトレンド検索キーワードランキングがこちらです。
Z世代とミレニアル世代の検索キーワードトレンドランキング
〈補足〉
キーワードごとの検索者数の前月比降順でランキングを作成
順位が「新規」になっているキーワードは、前月に検索していたモニター数が0であるキーワード
〈集計条件〉
集計期間:2023年6月(前月比は2023年5月と比較)
対象デバイス:スマートフォン
対象者:2023年6月時点で16~26歳(Z世代)・27~42歳(ミレニアル世代)のモニター
まろん:Z世代のランキングでは、アニメや映画に関するキーワードや、「台風」、「最低賃金」、「LGBT法案」などの身近なニュースに関するキーワードが多くランクインしているね。
とりとり:他にも、Z世代の11位には「父の日」がランクインしています。幼稚園や小学校で父の日のプレゼントづくりをした記憶がありますが、高校生・大学生や社会人になったZ世代が、父の日になると自発的に日頃の感謝を伝えているというのは素敵ですね。
せーら:母の日や父の日って、毎年の恒例行事という印象があるよね。今回のZ世代のトレンドでいうと、Z世代の13位にランクインした「性格新聞」ってどんなものなんだろう?
とりとり:Z世代で話題になりがちな診断系コンテンツのひとつですね。今回は、Z世代の間で話題となった「性格新聞」と、毎年6月の恒例行事「父の日」について詳しく見ていきましょう!
Z世代で話題の「性格新聞」
■「性格新聞」とは?
せーら:「性格新聞」ってどんなものなの?
とりとり:性格や恋愛に関する診断が集まった「ハニホー!」というサイトの診断のひとつです。いくつかの質問への回答結果から性格を分析して、新聞記事のようにビジュアル化してくれます。実際診断してみると、忖度なく自分の性格を言い当てられた印象でした。
2023年7月11日入手
まろん:これは僕の診断結果の一部。見た目も語り口もまるで新聞記事のようになっていて、キャッチコピーも面白いね。
とりとり:「#あなたの性格新聞」というハッシュタグでこうした診断結果の画像をTwitterに掲載している人もいるようです。なぜ診断結果をSNSで共有するのでしょうか?
せーら:「私ってこういう性格なんです!」って自分の口からだと言いづらいけれど、「診断やってみた」という体なら公開しやすいという感覚はあるよね。
ばんちゃん:特にTwitterはそこまで抵抗感なく自分の性格を公開しやすい場なのかもしれないね。Twitterは自分の思ったことや感じたことを発信しやすい自己発信の場というイメージがあるよね。
■なぜZ世代で「性格新聞」が話題に?
ばんちゃん:「性格新聞」もそうだけど、Z世代って診断系のコンテンツが好きな印象があるよね。
とりとり:確かにそうですね。私の周りだと、16Personalitiesという性格診断も話題です。16Personalitiesでは、質問への回答をもとに性格を16パターンに分類し、性格や行動の特徴、強みや弱みを解説してくれます。私の周囲では、日常会話のなかで聞かれると誰もが自分の16Personalitiesを答えられる程度には、共通認識となっています。
せーら:他にも、パーソナルカラー診断や骨格診断もブームになっているよね。Z世代の間では、①自分では言語化できない「自分らしさ」をそこまでの労力をかけず教えてもらえる点や、②周りの人々の性格や特徴を体系的に理解できる点で、診断系コンテンツが魅力に感じられているのかもしれないね。
過去にマナミナでは、Z世代の診断ブームについて紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
「顔タイプ診断」が新たなトレンドに。Z世代は「診断ブーム」をどう乗りこなしている?【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】 | [マナミナ]まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン
https://manamina.valuesccg.com/articles/2297Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。今回のテーマは「パーソナルカラー診断」「骨格診断」「顔タイプ診断」です。パーソナルカラー診断を皮切りに始まった「診断ブーム」。マーケティングにおいてもよく取り入れられるようになりましたが、Z世代は実際どう感じているのでしょうか。Z世代メンバーによるリアルな声を取り入れつつ、深掘りしていきます。
診断系コンテンツの魅力の反面にある窮屈さ
ばんちゃん:そういった魅力がある反面、診断結果を受けて自己肯定感が下がったり、「診断結果がこうだから私はこうなんだ」って診断結果に寄せにいってしまう自分に窮屈さを感じることがあるよ。
とりとり:それすごくわかります。骨格診断の結果によって、着たい服ではなく似合うと診断された服ばかりを選ぶようになってファッションを楽しみきれなくなったという友人もいました。
ばんちゃん:パーソナルカラー診断や骨格診断といった診断ブームから、Z世代のアイデンティティや個性の意識の強さがうかがえる一方で、みんながみんな自分を診断結果の枠に押し込めて逆に自分らしさを狭めているとも言える気がするね。
とりとり:様性や個性を大事にする教育を受け、就活でも自己分析が強調されたZ世代だからこそ、他者から要求される自分らしさ追求にある種の疲れを感じて、頼れるところは診断にお任せするという風潮はあるかもしれません。
Z世代からみた「父の日」
■父の日、何を贈るかみんな困っている説
せーら:私の父はゴルフが好きだからゴルフグッズをあげたいと思ってたんだけど、私自身ゴルフに詳しくないし、自分の好きなモノはすでに自分で買ってるだろうというのがあって、何をあげればいいか正直わからなかった。結局、貰って嬉しい消耗品が良いかなと思ってゴルフボールのセットをプレゼントしたよ。
ばんちゃん:たしかに、趣味関連のモノだと、私が勝手に選んでしまって良いのか不安になる。かといって趣味以外だと、ネクタイやタンブラーみたいな毎年貰っても困るものを贈ることになってしまうんだよね。
まろん:母の日には赤いカーネーションをというイメージがあるけど、父の日って贈り物が定型化されていないから難しいよね。「父の日みんな困ってる説」、否めない。
■LINEからのリマインドで「父の日」の準備を始める
まろん:贈るものには困るものの、母の日・父の日って毎年何か贈りたいという気持ちにはなるよね。みんなが贈り物を準備しなきゃと思い出したきっかけは何だった?
ばんちゃん:私は「父の日になにか渡そうね」って母からリマインドされて父の日の存在を思い出した!
とりとり:私は「LINEギフト」の公式アカウントからのメッセージがきっかけです。友人への誕生日にスタバチケットを贈るのにLINEギフトをよく利用するのですが、父の日では「全国の66%のお父さんが父の日を楽しみにしています」というようなLINEギフト公式からの訴求メッセージを見かけました。
ばんちゃん:LINEギフト公式を友だち追加していなくても、母の日・父の日関連のキーワードが含まれたLINEトークを送信すると、トーク画面に母の日・父の日らしいポップアップイラストが表示される仕組みになっているよね。
まろん:そういえば僕も母の日のとき、母の日関連のトーク送信でのポップアップをきっかけに、母の日を思い出してその場でLINEギフトを送ったよ。
■eギフト利用のニーズはどこに?タイパ意識も
とりとり:私の周りでは、母の日・父の日や友人の誕生日でLINEギフトなどのeギフトを使う人がとても多い印象があります。
ばんちゃん:日頃の感謝を伝えるために出社帰りにケーキを買って帰るとかはよくするんだけど、改めて「父の日だ!」となるとちょっと照れくさい気持ちになって、eギフトを利用したよ。
とりとり:たしかに、顔を合わせて感謝の気持ちを伝えるのは照れくさいから、eギフトで贈るくらいがちょうどいいと友人も言っていました。
まろん:それから、LINEギフトだと贈り物そのものにメッセージカードもつけられるから、直接渡すわけではなくても人と人とのやりとりとしての温かさが感じられるのが素敵だなと思う。
ばんちゃん:「忘れていたけどなんとかその日のうちに贈り物をしたい!」というニーズにも応えていて、一覧のなかからスマホでサクッとタイパよく選んだものであっても、メッセージをつけることで相手を想う気持ちを込めてひと手間感を出せるのも良いよね。
せーら:eギフトの購入サイトでは「父の日特集」などが組まれているから、「父の日、何を贈るかみんな困ってる説」も解決!郵便局に行く手間も、送り先の住所を聞き出す手間もなく贈り物ができるeギフト、今後も利用が拡大していきそうな画期的なサービスだね。
まとめ
今回は、2023年6月の検索キーワードトレンドランキングをもとに、「性格新聞」などのZ世代の診断ブームや「父の日」でのeギフト利用について分析・考察を行いました。
では、結果と見えてきた仮説をおさらいしましょう!
結果①
2023年6月には、「性格新聞」がZ世代のトレンドになりました。
仮説①
Z世代の診断系コンテンツ好きがトレンド入りの要因になっていると考えられます。
仮説①’
診断系コンテンツは、自己理解や他者理解に繋がるという魅力がある反面、自分を既存の枠に当てはめていく窮屈さを感じるZ世代もいるようです。
結果②
2023年6月には、「父の日」がZ世代のトレンドになりました。
仮説②
「父の日」は毎年の恒例行事と理解され、eギフトを利用して父親に贈り物をするZ世代も多いようです。
仮説②’
メッセージに込められる温かさ、その場でサクッと選べる手軽さ・タイパの良さといった要因で、eギフト利用が広まっているのかもしれません。
Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。
今後の連載にも、ぜひご注目ください。
現役Z世代による"Z世代の行動データ"分析ラボ Gen-Z調査隊®
株式会社ヴァリューズで2022年10月に発足。個性豊かなZ世代のメンバーが集まりました。
意識調査データやWeb行動データを活用し、"Z世代のリアル"を分析・発信していきます。
〈メンバー紹介〉
まろん(98年生まれ・エンタメコンテンツ好き)・ばんちゃん(99年生まれ・二次元キャラ好き)・こと(97年生まれ・観葉植物好き)・まなてぃ(01年生まれ・TikTok好き)・ロン(00年生まれ・テレビ好き)・まりん(02年生まれ・音楽好き)