「顔タイプ診断」が新たなトレンドに。Z世代は「診断ブーム」をどう乗りこなしている?【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

「顔タイプ診断」が新たなトレンドに。Z世代は「診断ブーム」をどう乗りこなしている?【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。今回のテーマは「パーソナルカラー診断」「骨格診断」「顔タイプ診断」です。パーソナルカラー診断を皮切りに始まった「診断ブーム」。マーケティングにおいてもよく取り入れられるようになりましたが、Z世代は実際どう感じているのでしょうか。Z世代メンバーによるリアルな声を取り入れつつ、深掘りしていきます。


こんにちは、ヴァリューズの“Gen-Z調査隊”です!

私たちは消費者の行動データをもとに、現役Z世代メンバーの視点から、“Z世代のリアル”を分析しています。

第4弾となる今回の記事は、調査隊メンバー:ばんちゃん(99年生まれ・推し活ガチ勢)がお届けします。

Gen-Z調査隊

“Z世代”とは

“Z世代”は1990年代後半~2010年頃に生まれた世代を指します。スマートフォンやタブレット、SNSなどのデジタルテクノロジーを生まれたときから使いこなせるほか、多様性やインクルージョンに重点を置き、性別や人種、性的指向などに関して寛容であるとされているのが特徴です。また、社会的責任や持続可能性に関心を持ち、環境問題や社会問題に取り組むことが多いともされています。

なお、日本では少子高齢化の影響によりZ世代の割合は少ないですが、世界では3人に1人がZ世代であり、すでに消費への影響力を持っているため注目されています。

パーソナルカラー診断、骨格診断、顔タイプ診断ってなに?

2022年1月~2023年1月の間で、Z世代が「パーソナルカラー」「骨格」「顔タイプ」それぞれと掛け合わせて検索したキーワードの上位がこちらです。それぞれどんな気になりごとがあるのでしょうか。

パーソナルカラー診断とは?

パーソナルカラー診断は、その人の肌の色の特徴を見て似合う色合いを判別する診断です。
血管の色や日焼けした時に赤くなるか、などで判断します。

診断別のZ世代検索キーワード:「パーソナルカラー」の掛け合わせキーワード(検索数上位) 集計期間:2022年1月~2023年1月(対象デバイス:PC)

診断別のZ世代検索キーワード:「パーソナルカラー」の掛け合わせキーワード(検索数上位)
集計期間:2022年1月~2023年1月(対象デバイス:PC)





まろん:診断系で有名なのは、パーソナルカラー診断の「イエベ」「ブルべ」とかでしょうか?








たみー:最近は第3のパーソナルカラー「グリーンベース(グリベ)」なんて言葉も出てきていますよね。








ばんちゃん:パーソナルカラーは「イエベ春」「ブルべ夏」「イエベ秋」「ブルべ冬」の4タイプに分けるのが主流でしたが、最近はそれに加えて「セカンドパーソナルカラー」なるものもでてきて、タイプが16分割されているのをSNSで見かけました。








まろん:16分割って多すぎる気もしますが笑








せーら:上のデータを見ると、Z世代の検索キーワードにも「16タイプ」というワードがありますね。




骨格診断とは?

骨格診断は、体型の特徴別に「ストレートタイプ」「ウェーブタイプ」「ナチュラルタイプ」の3つに分類する診断です。鎖骨の浮き出具合や、手指などの特徴を見て判断します。

診断別のZ世代検索キーワード:「骨格」の掛け合わせキーワード(検索数上位) 集計期間:2022年1月~2023年1月(対象デバイス:PC)

診断別のZ世代検索キーワード:「骨格」の掛け合わせキーワード(検索数上位)
集計期間:2022年1月~2023年1月(対象デバイス:PC)





せーら:私は診断をきちんと受けたことがないですが、自分のことをなんとなくイエベで骨格ウェーブだと思っていて、メイクにしろ服にしろ温かみのある色を選ぶようにしています!服はマーメイドスカートかロングスカート、パンツなら裾に向かってワイドになっていくタイプかそもそも幅広のもの……とかをよく考えています。








たみー:私も診断はしたことないです。診断をきちんと受ける人は美容意識がとても高い人のイメージだったので、お金もかかるしちょっと自分にはハードル高いなと感じていました。








まろん:検索キーワードを見ると、パーソナル検索者も顔タイプ検索者(詳細は以下)も、いずれも「骨格診断」や「パーソナルカラー診断」に関わるワードを掛け合わせて検索していますね。メイクやファッションにおいて大事な要素だということが分かります。




顔タイプ診断とは?

顔タイプ診断は、顔の形や目鼻のバランスなどから、その人の顔立ちの特徴を判別する診断です。目と目の距離がどれくらい離れているか、などの情報から判断します。

診断別のZ世代検索キーワード:「顔タイプ」の掛け合わせキーワード(検索数上位) 集計期間:2022年1月~2023年1月(対象デバイス:PC)

診断別のZ世代検索キーワード:「顔タイプ」の掛け合わせキーワード(検索数上位)
集計期間:2022年1月~2023年1月(対象デバイス:PC)





ばんちゃん:顔タイプ診断は最近出てきた概念な気がします。「直線タイプVS曲線タイプ」「大人顔VS子ども顔」のマトリクスをもとに8つの顔タイプに分かれています。

>

https://lunaearth.jp/pages/2022_facetype





たみー:顔タイプ診断はあまり良く知らなかったです!どんどん色々な診断が出てきますね笑








まろん:「ひげ」という検索があるけれど、確かに顔の雰囲気によってどんな種類のひげが似合うかかなり異なるので、顔タイプと合わせて気にしている人がいるのは納得です!むしろ、女性はどんなふうに顔タイプ診断を使っているのでしょうか?








ばんちゃん:私は顔タイプの活用もまた、似合うファッションの探求に繋がると思っています。例えばですが、私は恐らくクールカジュアルという顔タイプなので、フリフリがついた服よりスタイリッシュな服が似合う、とか。








たみー:髪型の似合う似合わないもあると思います。ショートボブが似合うか、などです。








せーら:パーソナルカラー診断の検索キーワードにも「似合う髪色」の検索がありましたね。








たみー:芸能人の顔タイプを気にしているのは面白いですね。「芸能人」の検索はパーソナルカラー診断にもありましたし、自分と似た芸能人を参考にしたいということかと思います。




診断を使う心理は「アイテム決定の後押し」?

2022年1月~2023年1月の間で、タイトルに「骨格」を含むページに流入したZ世代のUU数上位のページがこちらです。

Z世代の流入ページ:タイトルに「骨格」を含むページ(UU数上位) 集計期間:2022年1月~2023年1月(対象デバイス:PC)

Z世代の流入ページ:タイトルに「骨格」を含むページ(UU数上位)
集計期間:2022年1月~2023年1月(対象デバイス:PC)





まろん:「似合う服、NG服」といったタイトルのページも見られているようですが、こういう診断をしたとして、みなさんは結果をどう受け止めているのでしょうか。診断の結果「似合わない」とされたファッションやメイクをしないようにするということですかね?








ばんちゃん:私はどちらかというと、今自分がしているファッションが間違っていないことを確信するために使っています。選ぶものを変えるというより、後押しに近いでしょうか。








たみー:自分が好きな服が似合わない側にあった場合、私は信じません笑。信じてはいるが判断は変更しない、みたいなことをよくやりますね。








まろん:なんだか占いに近いような気がしてきました笑








せーら:骨格診断の検索キーワードに「ワンピース」「スカート」「コート」という具体的なアイテム名の検索があります。気になっている商品の検討中に診断を気にする人もやはりいるようですね。




※画像再掲

※画像再掲





たみー:骨格診断とファッションに関しては、そのアイテムが自分に似合わない理由が分かる、というところもポイントな気がします。だからあの服は似合わないのか!と納得して少しスッキリする、みたいな。








ばんちゃん:「似合うものしか着ない」というより「事故りたくない」みたいな心理が強いなとも感じます。診断の概念はアイテム決定の後押し要素でもありつつ、オシャレになりたいけどどこから入ればいいかわからない、という人にとっては明確な判断軸になっているのかもしれませんね。




なりたい自分はあきらめない!Z世代の診断との付き合い方とは?





まろん:とはいえ、様々な診断をもとに「自分に似合うものを選ぶ」というムーブメントの最盛期は過ぎたんじゃないかと感じることもありますよね。いまは「自分の好きなモノを選ぶ」の価値観が主流というか。








たみー:いつだったか「診断疲れ」なんていうワードも流行りましたよね。全部型にはめて似合う似合わないを判断しなくちゃいけなくて、それが若者にとってプチストレスになっている場合があるという。








せーら:同感です。最近はパーソナルカラーがどうとかっていうより、ありのままの自分を愛して、自分の憧れも尊重して、自分が好きな服を着たりメイクをするのが素敵、そのために努力しよう、という風潮が流行ってきている気がします。
ファッションにしろメイクにしろ診断を気にすることは気にするんですが、なりたい理想像と診断結果が違うものだったとしても、肌のトーンをコントロールカラーで調節して似合うようにしたりダイエットをしたり、工夫や努力をする場合が多いと思います。








ばんちゃん:診断結果によって自分の見た目の方向性を決める、という感覚はちょっと違うなと感じます。

診断の内容がある種の美的基準みたいなものになっていて、自分はそうじゃないからあきらめよう、というよりもどうやったら理想状態に近づけるかの戦略立てに利用されているのだと思います。イエベだからこれはやめた方がいい!じゃなくて、イエベの人でもこうすればブルべ系のメイクが似合うようになる!やってみよう!というイメージですね。




【関連】コロナ禍でメンズ人気も高まる骨格診断。マーケティングに戦略的に活用するには?

https://manamina.valuesccg.com/articles/2079

女性ファッション業界ではお馴染みの骨格診断。自分の魅せ方を知るため、体験するにはとても楽しいコンテンツです。骨格診断は女性人気が高いイメージですが、メンズ自身のニーズの高まりは見られるのでしょうか。また、骨格診断を活用したビジネスは今後どうなっていくのか。海外で長年ラグジュアリーブランドに従事してきたビューティーアナリスト、東風上尚江が、業界のプロの目線から考察します。

まとめ

今回は、Z世代の検索キーワードをもとに、「タイプ診断」に関する意識を考察しました。

①パーソナルカラー診断、骨格診断、顔タイプ診断の分類は多岐にわたる
・新しく16タイプの分類もされるようになった「パーソナルカラー診断」。
・それぞれの診断同士を掛け合わせて検索する人も多数。
・「顔タイプ診断」も新たな要素として注目され始めている可能性がある。

②診断の活用シーン
・診断の内容はアイテムを決める際の「後押し」として使われることがある。
・診断結果によって必ずしも「自分の好きなアイテムを別のものに変更する」というわけではない。
・「失敗しないため」に診断が利用されている可能性がある。

③「なりたい自分」意識と診断との付き合い方
・診断内容によって必ずしも自分のあり方を決めてしまうというわけではない。
・なりたい自分になるための、方法、戦略として診断内容を利用している人もいると考えられる。

ZenlyやMirrativなど...多様なSNSを使い分けるZ世代のインサイトとは?【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

https://manamina.valuesccg.com/articles/2214

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。今回のテーマは、現代のマーケティングにおいて欠かせない「SNS」です。Z世代は「SNSネイティブ」と呼ばれるほど、SNSとの親和性が高いイメージがありますが、実際はどのようなアプリが使われていて、ミレニアル世代とはどのような違いがあるのでしょうか。Z世代ならではの使い方など、リアルな声を取り入れつつ、最新の利用実態を調査していきます。

Z世代のネットショッピングはサイトよりアプリが主流?【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

https://manamina.valuesccg.com/articles/2125

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。今回のテーマはネットショッピング。Z世代は“ECサイト”より“ECアプリ”を好むと言われますが、その実態はどうなっているのでしょうか。Z世代メンバーによるリアルな声を取り入れつつ、深掘りしていきます。

Z世代のYouTube視聴ランキング!なぜVtuberが人気?【現役Z世代が読み解くZ世代の行動データ】

https://manamina.valuesccg.com/articles/2251

Z世代のデータアナリストが、自らZ世代の行動データを分析する本連載。第3弾となる今回のテーマは、マーケティングにおいても外せないSNS、YouTubeです。コンテンツ消費にタイパを意識すると言われるZ世代ですが、実際に彼らはYouTubeでどんなチャンネル、動画をみているのでしょうか?Z世代メンバーによるリアルな声を取り入れつつ、その特徴を深掘りしていきます。

この記事のライター

現役Z世代による"Z世代の行動データ"分析ラボ Gen-Z調査隊®
株式会社ヴァリューズで2022年10月に発足。個性豊かなZ世代のメンバーが集まりました。
意識調査データやWeb行動データを活用し、"Z世代のリアル"を分析・発信していきます。
〈メンバー紹介〉
まろん(98年生まれ・エンタメコンテンツ好き)・ばんちゃん(99年生まれ・二次元キャラ好き)・こと(97年生まれ・観葉植物好き)・まなてぃ(01年生まれ・TikTok好き)・ロン(00年生まれ・テレビ好き)・まりん(02年生まれ・音楽好き)

関連する投稿


メンズの注目高まる?「日焼け止め」ニーズを調査!2024年最新版

メンズの注目高まる?「日焼け止め」ニーズを調査!2024年最新版

メンズコスメへの注目が高まる中、生活者の日焼け止めへのニーズはどのようになっているのでしょうか。また、夏と冬、シーズンによって日焼け止めに求められるものは異なるのでしょうか。本記事では、日焼け止めの検討行動から、ニーズの移り変わりと消費者心理を紐解いていきます。


Z世代の最新トレンドは「猫ミーム」!男女すべての年代で1位に【LINEリサーチ調査】

Z世代の最新トレンドは「猫ミーム」!男女すべての年代で1位に【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチでは、四半期毎に実施しているZ世代(15~24歳)の男女への流行調査を実施し、2024年3月期の結果を公開しました。


推し活実態2024!「沼落ち」プロセスとは?推し活のインサイトとマーケティング活用

推し活実態2024!「沼落ち」プロセスとは?推し活のインサイトとマーケティング活用

日本の消費を活気づける「推し活」。実は10代の8~9割以上が「推し対象あり」と回答しているという結果も。本ホワイトペーパーでは、推し活市場の現状や、推し活にかける時間・金額などの行動実態、コラボ企画といったマーケティングとの接続について調査し、推し活への理解を深めていきます。


投資を行っているZ世代の4割が月5万円以上投資 投資は「資金に余裕がある人がやること」「専門性が高い」イメージも【僕と私と調査】

投資を行っているZ世代の4割が月5万円以上投資 投資は「資金に余裕がある人がやること」「専門性が高い」イメージも【僕と私と調査】

僕と私と株式会社は、全国のZ世代、ミレニアル世代、X世代の男女を対象に、投資に関する意識調査を実施し、結果を公開しました。


Z世代の音声メディア利用率は約3割 ラジオやポッドキャストを"ながら視聴"で【僕と私と調査】

Z世代の音声メディア利用率は約3割 ラジオやポッドキャストを"ながら視聴"で【僕と私と調査】

僕と私と株式会社は、株式会社ニッポン放送と共同で全国のZ世代を対象に、ラジオやポッドキャストなどの音声メディアに関する意識調査を実施し、その結果を公開しました。


最新の投稿


Twilio、「顧客エンゲージメント最新動向」を発表 データ使用状況の開示と高い透明性の重要性を明らかに

Twilio、「顧客エンゲージメント最新動向」を発表 データ使用状況の開示と高い透明性の重要性を明らかに

Twilio Japan合同会社は、「顧客エンゲージメント最新動向」の日本語版を発表しました。


メンズの注目高まる?「日焼け止め」ニーズを調査!2024年最新版

メンズの注目高まる?「日焼け止め」ニーズを調査!2024年最新版

メンズコスメへの注目が高まる中、生活者の日焼け止めへのニーズはどのようになっているのでしょうか。また、夏と冬、シーズンによって日焼け止めに求められるものは異なるのでしょうか。本記事では、日焼け止めの検討行動から、ニーズの移り変わりと消費者心理を紐解いていきます。


HYUNDAI(ヒョンデ)の新EV「KONA(コナ)」への関心は?サイト訪問者から分析

HYUNDAI(ヒョンデ)の新EV「KONA(コナ)」への関心は?サイト訪問者から分析

2022年に日本市場に再進出したHYUNDAI(ヒョンデ)は、2023年11月にコンパクトSUVのEV「KONA(コナ)」の販売を開始しました。SUVのEVでありながら、車体価格が399万3,000円からと、他の高額なモデルと比較して手頃な価格であることが注目されています。今回は ヒョンデKONA(コナ)Webページの訪問者の調査を行い、どのような人が関心を持っているかや比較対象となるメーカー、集客構造を調査していきます。


Marketing strategy of three Chinese & Taiwanese home appliance manufacturers: HUAWEI, Xiaomi, & ASUS

Marketing strategy of three Chinese & Taiwanese home appliance manufacturers: HUAWEI, Xiaomi, & ASUS

Chinese and Taiwanese manufacturers have been growing their market share and number of users, and they are expected to compete with Japanese companies. We will analyze the current sales trends of HUAWEI, Xiaomi, and ASUS in Japan and predict their future while comparing with Japanese brands.


Z世代の最新トレンドは「猫ミーム」!男女すべての年代で1位に【LINEリサーチ調査】

Z世代の最新トレンドは「猫ミーム」!男女すべての年代で1位に【LINEリサーチ調査】

LINEリサーチでは、四半期毎に実施しているZ世代(15~24歳)の男女への流行調査を実施し、2024年3月期の結果を公開しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ