中国のZ世代に最も流行している社交方法「搭子」を探す

中国のZ世代に最も流行している社交方法「搭子」を探す

2023年中国のネット上で話題になった「搭子」社交は、中国のZ世代に最も人気がある社交方法と言われます。ところで、「搭子」とは何でしょうか。昔の社交方法とどのよう違いがあり、中国の若者はどのように人と人との付き合いをしているのでしょうか。今回の記事で詳しく紹介していきます。


「搭子」とは?

「搭子」とは元々上海の方言でした。2007年に発行された「上海話大辞典」のなかで「搭子」とは「一緒にトランプをする人、連携を意味する」と説明されています。しかし昨今、中国のインターネット上で話題の「搭子」とは新しい人間関係のスタイルの一種で、「メシ搭子」「旅行搭子」「カフェ搭子」「勉強搭子」など、具体的な活動を一緒に楽しむ仲間を指しています。親密な友達関係を意味し、自身の趣味や活動を共に楽しむ意味でも使われているのです。

「2023搭子社交ミニ報告」は1,431人を対象にアンケート調査を実施しました。回答者の52.8%が「搭子」がいると答えました。「搭子」がいないと答えた31.0%の回答者のうち、半分以上の人は「搭子」が欲しいと答えています。このように「搭子」は今、若者の生活に強い存在感を示していると推測できるでしょう。

「2023搭子社交ミニレポート」をもとにヴァリューズが作成

なぜ「搭子」は流行っているか?

「2023搭子社交ミニ報告」の調査結果によるとれば、若者が「搭子」を求める主な理由は以下の通りです。

1. 共通の目的や趣味を持つ人と交流したい(62.4%)、
2. 一人でいたくない(44.9%)
3. 友情を維持するのにあまり多くの精力を費やしたくない(37.5%)

「搭子」は中国の若者の「実用主義的」な社交ニーズから生まれた可能性があります。つまり共通の目的やニーズを持つ人々と共に過ごすことで、情報を簡単に得たいというという欲求があり、お互いに助け合うことを目的としていると推測できます。同時に「搭子」同士の関係は伝統的な友情関係よりも時間や感情を多く費やす必要がなく、気楽に楽しめるという特徴があります。従来の社交とは異なり、搭子社交は自己中心的で、各自のニーズを満たし合い、時間と精力を節約できると言えます。

人民網の報道によれば、「搭子」の流行は今の若者を体現する特徴である「互いに寄り添い合うが、互いに干渉しない」という特性を反映しています。共通の趣味を持ちつつも、過度な干渉を避け、人間関係をシンプルに保ち、交際にかかるコストを削減するものです。そして、「搭子スタイル」は新しい人間関係のスタイルであり、あらゆる「〇〇搭子」へと広がっていくと言えます。

どんな「搭子」があるか?

■めし搭子

味覚食費の消費レベルが似ていて、食事の時間と場所が同じである人々は「めし搭子」になれます。好みの料理が似ている人と「メシ搭子」になることで、1人での食事だと料理を1品しか注文できないというデメリットを解消し、割り勘にすることもできるため、お金を節約しながら様々な料理を楽しむことができるという利点があります。

■ミルクティー搭子

同じ時間に同じ店で注文ニーズがある人々は「ミルクティー搭子」になれます。中国では、ミルクティーショップなどの飲料店が街中に点在しており、店舗は2杯目半額の販売戦略を採用しています。時には美団(中国のフードデリバリーアプリ)で注文する際、2杯以上の飲み物を注文する特典も出ており、他の人と一緒に注文すると、個人で注文するよりもお得になることがあるのです。そのため、学校のクラスメートや職場の同僚などが「ミルクティー搭子」を組み、同じ店舗でミルクティーを注文します。

飲料会社CoCoが発表した「ミルクティー友」のポスター

■撮影搭子

撮影技術が優れており、撮影スタイルが似ている人々は「撮影搭子」になれます。中国のZ世代にとって、写真を撮ることは生活の一部となっています。しかし自分の親しい友達やパートナーが写真を撮ることに熱心でない可能性もあります。そのため、SNSで「撮影搭子」を探す需要が生まれました。例えば小紅書(中国版のインスタグラム)では、多くの若い女性が「撮影搭子」を探しており、昨今相手のSNSのプロフィールの写真を見て、相手の撮影技術と美的センスを判断できます。簡単に「撮影搭子」になれるのです。

■留学搭子

同じ場所へ留学していて、お互いに助け合える人々は「留学搭子」になれます。初めて海外では、多くの中国留学生が生活上で他人の支援が必要な場面に出くわします。同じ留学地にいて直接会える人々が、「留学搭子」として組めるのです。彼らは留学先での情報を共有し、一緒に食事をしたり、旅行に行ったりすることもできます。例えば小紅書で「留学搭子」を探すための投稿を検索すると、日本で「留学搭子」を探すための多くの投稿が見つかります。これらの投稿にコメントを残し、お互いをフォローし、ネット上で友達になることで、自分のニーズに合う「留学搭子」を効率よく見つけられるのです。

小紅書における東京の「留学搭子」に関する投稿

その他にも、「ジム搭子」「旅行搭子」「学習搭子」といった様々な搭子が人気です。どのよう活動を共にするか、ためにどのような他人の協力が必要かによって、新しい「搭子」が生まれる可能性があります。

まとめ

「搭子」文化はZ世代の若者によって流行り、インターネット時代の新しい社交方法です。自分のニーズに合った「搭子」を精確に見つけることがこの社交方法の最大の特徴と言えます。
この社交方法の広まりは、ある一面から見れば、個人主義と孤独感が中国の若者の中で広まっていることを体現しているもしれません。彼らは伝統的な社交スタイルに疲れた一方で、孤独感に耐えるのは難しいと感じています。そのため、「搭子」は一時的な精神的な慰めとなり、以前のペット経済の流行と類似した背景を持っています。ただし搭子はペットを飼うための感情や費用をかける必要すらないのです。
しかし別の角度から見ると、人々は社交を嫌っているわけではなく、忙しい生活の中で友達を作る時間を節約するために、新しい効率的な社交方法を探し続けていると言えます。そして「搭子」はこのような社交プロセスの中で、多くの人にとって本当の「友達」を見つけるための中間段階かもしれません。いったい「搭子」文化が中国社会にマイナスの影響を及ぼすか、それともプラスの影響を及ぼすか、その展開は現時点ではまだ断言できないでしょう。

参考資料:

「メシ友の離職は失恋よりツライ」 中国の若者に流行している「搭子」とは?
http://j.people.com.cn/n3/2023/0428/c94475-20012826.html
从饭搭子到蛋搭子,年轻人为啥流行找搭子?
https://m.yicai.com/news/101734003.html

この記事のライター

広東省出身の中国人留学生。現在は名古屋大学でメディアを専攻している。

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