【解説者紹介】
サイト所有者必見!コアアップデートへの向き合い方
安部:「2023年11月 コンテンツマーケティング最新動向レポート」では、コアアルゴリズムアップデートに関して、サイト所有者が知るべき重要なポイントを紹介しています。
岩間:この8月から10月にかけて、コアアップデートやヘルプフルコンテンツシステムのアップデートなど、様々なアップデートがありましたね。その度に振り回されている担当者の方もいるかもしれません。
安部:そのような方々にこそ、ぜひ今回のレポートを読んでいただきたいです。
では早速、「理解しておくべきGoogleの考え方」や「WEBサイトの担当者が持つべきスタンス」について解説していきます!
■木ではなく、森を見る
安部:最初のポイントは「木ではなく、森を見る」。SEOには「ページがどれほど良くても、サイトが評価されなければ検索順位は上がらない」といった考え方があります。
もし特定のページの検索順位が下がった場合は、ページのコンテンツの質に問題がないかクエリをチェック、問題ないようであればサイト全体を見ていくといったステップを踏むようにしましょう。実際、サイト全体の課題を解決したことで検索順位が上がったケースもあります。
岩間:サイト全体を見たときに低品質なコンテンツがあった場合は、削除したりインデックスから外したりといった対応が必要になるのでしょうか。
安部:Googleは、低品質なコンテンツは削除していくべきと正式に発表しています。内容が薄かったり競合と同一の内容だったりするページは削除しましょう。その他、サイト全体の見るべきポイントとして、該当のカテゴリで専門性が高いとみなされる状況をサイト全体で作れているか、クローラーが循環しやすいリンク設計ができているか、などを見ていくとよいでしょう。
■あなたのサイトが悪かったわけではない
安部:続いては「あなたのサイトが悪かったわけではない」という可能性について。アップデートによる検索順位や流入数の変動を経験すると「競合は影響を受けていないようなのに、やはりうちのサイトに問題があったのか」と考えてしまう担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような方にお伝えしたいのが「順位が下落するのは、必ずしもあなたのサイトやコンテンツの品質に問題があるわけではない」ということです。
Googleはアルゴリズムのアップデートによって、より良い検索結果画面を作っていこうとしています。しかしながら、そのことが必ずしも毎回正しく働くわけではありません。実際、品質の高いサイトの検索順位が下がることもあります。他にも、前回のアップデートで順位が上がったサイトを下げるといった、Googleの相対的な調整が行われることもあるんです。
また、例えば「企業側が発信する情報」と「実際にその企業のサービスを利用したユーザーの口コミ」のどちらが求められているのか、比重を変えながら検索順位の調整が実施されることもあります。
WEBサイト担当者の方が今の状況を知るためには、検索結果画面の1ページ目に表示されているサイトがどのようなものか、そして自社がそこに入り込む余地があるのかを見ることが大切です。
岩間:Google側の調整だけでなく、思いもよらない検索意図の変化も考えられますね。例えば、ある人に関するライフイベントや炎上発言が注目された場合は、ユーザーの検索意図が大きく変わり、検索順位も大幅に動くかもしれません。
安部:おっしゃる通りだと思います。このように、自社サイトの問題とは言い切れないことからも影響を受ける可能性もあるでしょう。
■放置をしても改善することがある
安部:前項でお伝えしたように、Googleの調整や検索意図の変化により、検索順位が変動する場合があります。このようにサイトやコンテンツに問題がない場合は「放置をしても改善することがある」と覚えておいていただきたいです。
岩間:「アップデートの影響で検索順位が下がったからといって、必ずしも何かを改善すべきというわけではない」ということでしょうか。
安部:そうですね。下落要因を分析したうえで一旦静観してみることも選択肢の1つとしてあると思います。
「ユーザーのために」という考え方を大切にしていれば、次のアップデートで改善することも起こりうるでしょう。
■全てを長期的に見る必要がある
安部:最後に紹介するポイントは「全てを長期的に見る必要がある」ということです。短期で見ると、検索順位の上がったり下がったりはよくあるもの。その度に「何かしなきゃ」と動いてもうまくいかないケースがあります。実際、Googleは過去に「コアアップデートのような大規模なアルゴリズムアップデートでは、長期間にわたってサイトを評価している」と説明しています。
大切なのは長期で見るようにすること。長期で見て下落傾向にあれば、何かしら課題があることが多いので、その際は改善点を探ります。一方長期的に上昇傾向にあるならば「ユーザーのために」といった考え方を大切にしながら、短期的なトレンドに惑わされすぎず、改善点を探していきましょう。
「ユーザーのためにコンテンツを作る」基本は変わらない
岩間:ここまで話を聞いて、アップデートにより見直すべきことはありつつ、「ユーザーのためにコンテンツを作る」という基本的な方針を変える必要はないと感じました。
安部:おっしゃる通りで、きちんとユーザーのことを考えてオリジナルコンテンツを作っているのであれば、アップデートの度に大きく何かを変える必要はないと考えます。
アップデートに関する情報は、どうしても細かい部分になってしまうので、そこを過度に重視してしまうと「ユーザーのために」といったコアな部分がおろそかになってしまうことがあります。コアを大切にしつつ、直近ではどのような施策が有用かを探るために情報収集していくスタンスが大切でしょう。
また、そのような考えを個々のSEO担当者だけでなく、関係者が広く理解しておくことも重要です。例えば上司に「アップデートで順位が下がったようだけど大丈夫なの?」と言われた際に、改善に向けたポーズを見せるためだけの意味のない施策を打つこともなくなるのではないでしょうか。
今回は、サイト所有者が知っておくべきコアアップデートにまつわるポイントを紹介しました。こちらで取りあげた内容のほかにも、「2023年11月 コンテンツマーケティング最新動向レポート」では重要なポイントを紹介しています。ページ下部から無料でダウンロードできますので、ぜひチェックしてみてください。
以上、11月のコンテンツマーケティング動向「SEO編」でした。次月のネタも楽しみにお待ちください。
(本調査はあくまでも傾向に注目し、今後の施策における仮説立てや優先順位の検討に有効活用するためのものであり、因果関係を示すものではないこと、また、各トピックの内容やVALUESの見解は、資料作成時のものであり、今後の情勢やアルゴリズムの変化によって変わることがある旨、ご留意ください)
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IT企業でコンテンツマーケティングに従事した後、独立。現在はフリーランスのライターとして、ビジネスパーソンに向けた情報を発信しています。読んでよかったと思っていただける記事を届けたいです。