ソーシャル分析で消費者のリアルな声を掴むには

ソーシャル分析で消費者のリアルな声を掴むには

近年、年齢や国籍を問わず、SNSは人々の生活に欠かせない存在となっています。SNSの口コミを活用して、マーケティング課題を解決するための調査方法は「ソーシャル分析」と呼ばれます。本記事では、ソーシャル分析の定義と事例を紹介します。 (ソーシャルメディア分析、ソーシャルリスニング、SNS分析は、本記事ではソーシャル分析と総称します。)


ソーシャル分析とは

SNSとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)の略で、インターネット上で人と人とがつながることができるサービスです。TikTok、YouTube、Facebookが今主流なSNSです。
ソーシャル分析(ソーシャルリスニング、SNS分析とも呼ばれる)は、ソーシャルメディア上のユーザーの意見や反応を把握するための手法です。ユーザーが投稿したテキストや画像、音声などを分析し、トレンドや傾向を把握することができます。

ソーシャル分析はテクノロジー主導調査の一種として急成長

ソーシャル分析は、近年急速に拡大している調査手法です。

マーケティングリサーチのグローバル業界団体ESOMARの2022年の年次報告書「Global Market Research 2022」によると、2021年世界のマーケティング市場規模は、1.16億ドルに達しました。そのうち、従来型市場調査(Established research)は、9.1%増加、テクノロジー主導調査(Tech-enabled research)は23.7%の増加となりました。

ESOMAR「Global Market Research 2022」をもとに筆者作成

従来型市場とテクノロジー主導調査の違い

 ・従来型市場調査(Established research)は、長年にわたって用いられてきた、成熟した調査方法です。例えば、定性調査、定量調査などが挙げられます。
 ・テクノロジー主導調査(Technology research)は、テクノロジーの進展に伴って、生まれた手法です。例えば、ソーシャルリスニング、ビッグデータ分析などです。

ビッグデータが発展するにつれて、多くのテクノロジー主導(tech-enabled)の調査手法が出現しました。これらは従来の手法よりも、大規模なデータセットの迅速な分析や、より深い洞察を実現することが可能です。

従来型市場調査(Established research)と比べると、テクノロジー主導調査(Technology research)の急成長が目立ちます。その背景には、以下の2つの要因が考えられます。

 ・消費者の情報接触や購買行動のオンライン化
 インターネットやスマートフォンの普及により、消費者は、これまで以上にオンライン上で情報を収集し、商品やサービスを購買するようになりました。そのため、企業は、消費者のオンライン上の行動や意見を把握することが重要となっています。

 ・ソーシャルメディアに蓄積された膨大なデータ
 ソーシャルメディアには、消費者のさまざまな意見や情報、行動データが蓄積されています。これらのデータを分析することで、企業は、消費者のニーズやトレンドをより正確に把握することができます。

本稿では、マーケティング担当者、市場調査担当者などソーシャル分析に興味のある方に向けて、自動車ブランドの分析例を通じて、ソーシャル分析の基本について説明します。

ソーシャル分析の進め方と活用例

ソーシャル分析の目的

ソーシャル分析の主な目的は、消費者の意見や要望を把握し、企業のマーケティング戦略や製品開発に活かすことです。また、競合他社の動向や業界のトレンドを把握することにも用いられます。

ソーシャル分析のステップ

基本的には以下のステップでソーシャル分析を行うことができます。

1.対象となるソーシャルメディアと言語を決める

ソーシャルメディアの情報源は、ブログ、ニュース、口コミ、SNS媒体(Twitter、Facebook、Instagram、YouTubeなど)に分類されます。

また、ソーシャルメディア分析を行う場合、特定の国や地域よりも、特定の言語で決めたほうが良いでしょう。なぜならば、グローバル市場では、多くの国が単一の言語ではなく、多様な言語が共存しているからです。たとえば、アメリカやシンガポール、フィリピンなどの多言語国家では、公用語の英語に加えて、中国語、マレー語など、さまざまな言語が使われています。

2.キーワードやハッシュタグを設定する

キーワードやハッシュタグを設定する際には、以下のポイントを押さえましょう。

 ・対象とする商品やサービス、ブランド、人物などを具体的に想定する。
 ・実際にコメントや口コミで使用されているワードをピックアップする
 ・複数のキーワードやハッシュタグを組み合わせることで、より精度の高い分析を行うことができる

3.ソーシャルメディア上のデータを収集する

収集するデータの内容は以下のものとなります。

 ・投稿された日時
 ・投稿内容
 ・投稿への反応(いいね数、コメント数、シェア数、リツイート数など)

4.データ分析のポイント

分析する際には、以下のポイントがあります。

 ・キーワードやハッシュタグごとのボリュームや傾向を把握する
 ・投稿者の属性(媒体により、属性情報を回収できない場合もある)やテキストの感情(ポジティブ、ニュートラル、ネガティブなど)を分析する
 ・投稿の内容を分析して、インサイトやニーズを発見

5.分析結果の活用イメージ

データの分析結果を解釈し、結論を導き出すことがソーシャル分析の重要なステップです。

・口コミボリューム・エンゲージメント指標モニタリング
・製品・サービスに対する評価、競合分析
・ポジネガ分析/感情分析
・インサイトコメント発見、ニーズ発見
・トレンド発見、インフルエンサー発見
・キャンペーン効果計測


上記のような分析結果を活用することで、以下のメリットが得られます。

・消費者のニーズや意見を把握できる
ソーシャルメディアでは、消費者が商品やサービスについて、率直な意見や感想を投稿しています。ソーシャル分析を活用することで、これらの意見や感想を収集・分析し、消費者のニーズや意見を把握することができます。

例えば、商品の品質や価格、サービス内容など、消費者がどのような点に満足しているか、不満を持っているかを把握することができます。また、消費者の興味や関心、トレンドなども把握することができます。

・ブランドイメージや競合他社を把握できる
ソーシャルメディアでは、消費者が自社や競合他社について、どのようなイメージを持っているかを投稿しています。ソーシャル分析を活用することで、これらの投稿を収集・分析し、自社のブランドイメージや競合他社を把握することができます。

例えば、自社や競合他社はどのような点が評価されているか、どのような点が批判されているかを把握することができます。また、自社や競合他社がどのようなターゲット層に支持されているかを把握することもできます。

・マーケティング施策の改善に役立てられる
ソーシャル分析で得られたデータをもとに、マーケティング施策を改善することができます。例えば、消費者のニーズや意見を反映した商品やサービスを開発したり、ターゲット層に合わせたマーケティングメッセージを発信したりすることができます

このように、ソーシャル分析は企業のマーケティング活動にさまざまなメリットをもたらすことができます。

また、ソーシャルメディアを活用したマーケティング施策の成果を測定することもできます。これにより、施策の有効性を検証し、改善点を洗い出すことができます。

ソーシャル分析の事例

実際の分析事例を用いて、ソーシャル分析を説明します。

本メディア「マナミナ」を運営しているヴァリューズは、媒体を問わず、22カ国語以上のソーシャル分析が可能です。

今回は、最近話題になっている中国産の電気自動車ブランドBYD、Lixiang、XiaopingとTeslaの4つのブランドを、中国のSNS媒体上の口コミを分析し、ブランドの強みと弱みを把握します。

事例:中国人気EVブランドのソーシャル分析

・調査の設計

・基本指標の比較

今回の調査では、中国のソーシャルメディアで、4つのブランドの投稿数は、Tesla> BYD> Xiaopeng> Lixiangの順で多くなっていました。

Teslaは最も話題のEVブランドであり、関連投稿数は730万件に達しています。2位はBYDで、710万件です。一方で、関連投稿のポジティブ・ネガティブを分析すると、Teslaはネガティブな話題が多い一方、BYDは4つのブランドの中で最もポジティブな話題が多いことがわかりました。XiaopengとLi Xiangは、投稿数が少なくなっていました。

Tesla,BYD,Xiaopeng,Lixiangの中国ソーシャルメディアの基本指標
集計期間:2023年1月1日~2023年11月30日

・エンゲージメント数の変化

過去1年間のエンゲージメント数(投稿数+コメント数+いいね数+リツイート数)の推移を見ると、TeslaとBYDのエンゲージメント数は、2月、4月、9月にピークを迎えていることがわかります。

その時期は、関連ブランドの車の値下げや新車発売、車展示会などのイベント開催があるため、各ブランドのSNS上の話題量が高まると考えられます

Tesla,BYD,Xiaopeng,Lixiangの中国ソーシャルメディアのエンゲージメント数変化
集計期間:2023年1月1日~2023年11月30日

・媒体ごとの口コミ分布

Weiboは、Teslaの口コミ分布の主な媒体であり、関連投稿数が多い傾向にあります。一方、ビデオ系のTikTok、Bilibiliでは、BYDのマーケティングの方が効果的に見えます。

Weiboは、中国版のX(旧Twitter)と呼ばれており、ニュースやホットトピックを中心に利用されています。そのため、比較的有益で深みのある車関連のコンテンツが好まれます。

一方、TikTok、Bilibiliは、ショート動画など、視覚的にわかりやすく、インパクトのあるコンテンツが好まれます。また、下沈(かしん)市場(中国の都市の格付けで、三級都市以下と呼ばれる市場)のユーザーが多いプラットフォームであるため、若年層や低所得層へのリーチが可能です。

Tesla,BYD,Xiaopeng,Lixiangの中国ソーシャルメディアの口コミの媒体分布
集計期間:2023年1月1日~2023年11月30日

・関連キーワード分析

投稿のキーワードを見てみると、BYDの関連キーワードには、「国産」「国産車」「世界」などが多く見られます。これは、BYDが中国で「国産の光」とも呼ばれ、中国製品の象徴とみなされていることに関係しています。

Xiaopengの関連キーワードには「スマート」「子供」などがあります。これは、Xiaopengの車がスマートであり、子供のいる家庭に適しているというイメージが持たれていると考えられます。

Teslaの関連キーワードには、「イーロン・マスク」に関するキーワードが多く見られます。中国の消費者にとって、イーロン・マスクとTeslaは関連する話題であり、イーロン・マスク自身がTeslaの代表となったことを示していると考えられます。

車種に関するキーワードでは、Lixiangは「Lixiang One」、BYDは「DMi」、Xiaopengは「Xiaoping P7」、Teslaは「model 3」が多く見られました。

Tesla,BYD,Xiaopeng,Lixiangの中国ソーシャルメディアのワードクロウド
集計期間:2023年1月1日~2023年11月30日

・ポジネガ分析

4つのブランドは、いずれもポジティブな評価とニュートラルな評価が多いです。

Teslaは、ネガティブな評価の構成比が他と比べて高くなっていますが、。これは、Teslaの車が中国で自燃事故が相次いで発生したため、 安全性への懸念が高まることと、イーロン・マスクの行動に対する批判など、さまざまな要因が考えられます。

Tesla,BYD,Xiaopeng,Lixiangの中国ソーシャルメディアのポジネガ口コミ構成
集計期間:2023年1月1日~2023年11月30日

まとめ

近年、ビッグデータの活用が進む中、ソーシャル分析は、企業のマーケティングや商品開発において、非常に有効なツールとして活用されています。

ソーシャル分析は、ソーシャルメディア上の膨大な情報を活用して、消費者の声を直接把握することができる手法です。そのため、消費者のニーズや課題を把握し、マーケティング戦略を改善したり、商品やサービスの開発・改善に役立てたりすることができます。

本記事では、ソーシャル分析の定義、目的、分析ステップ、注意点、そして中国のEV車ブランドのソーシャル分析の事例を紹介しました。

ソーシャル分析の概要を理解いただけましたでしょうか。今後、海外市場進出のためのマーケティング戦略や商品開発・改善を行う際に、ぜひソーシャル分析を活用し、現地消費者の声を正しくとらえていただければと思います。


ヴァリューズでは、海外市場のソーシャル分析のご相談も承っています。ぜひお気軽に下記のお問い合わせフォームからご連絡ください。

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この記事のライター

中国・河南省鄭州市出身。一橋大学経済学研究科を卒業後、2021年で新卒でヴァリューズに入社。中国、東南アジア、アメリカなどの地域において定量調査と定性調査を組み合わせ、SNS分析などの技術型調査手法を活用し、これまで自動車、FMCG、エンタテインメント系の企業様のマーケティング支援に携わる。最近話題のトピックである「インバウンド」や「Z世代」にトレンド調査でも、東南アジアを中心とした海外地域の調査を担当。

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