中国で勢いを見せる「氷雪経済」を最新調査

中国で勢いを見せる「氷雪経済」を最新調査

2022年に開催された北京冬季オリンピックの「オリンピック効果」によって、中国では「氷雪経済」の成長が加速しています。アイススポーツを中心にレジャー、文化などを総合的に巻き込むこの経済システムは、広いサプライチェーンと高い集客効果を持っています。本記事では、氷雪経済が中国にどのような変化をもたらしているのかを調査しました。


アイススポーツ人気上昇に乗じ、氷雪経済は順調に成長中

北京冬季オリンピックの開催が成功に終わった後、中国ではアイススポーツを楽しむ人口が増加しました。その数は全国居住者の22.13%にあたる3.13億人に達し、そのうちの2.64億人は2023年冬以降から増加したといいます。

消費者の増加によって氷雪産業規模も拡大しており、《大衆氷雪消費市場研究レポート(2023-2024氷雪季)》によると、2023-2024氷雪シーズンのシーズンの消費規模は1500億元となっており、アイススポーツ参加者の約72%に消費支出が発生しています。
氷雪旅行の消費力は大きく、2023-2024 氷雪シーズンにおける氷雪レジャー旅行者の平均支出は1220元と、2023年の全国国内旅行者の平均支出1002元の約1.22倍となっています。

さらに《中国氷雪産業発展研究レポート(2024)》によると、2024年の氷雪産業の規模は9700億元に達しました。これは2015年の2700億元と比べて大幅な成長となっており、2025年には1兆元の大台に達することが予想されています。

また中国旅行研究院が発表した《中国氷雪旅行発展レポート(2025)》によると、2023-2024氷雪シーズンにおける国内での氷雪レジャー旅行者数は4.3億人に達し、その収入は5247億元となりました。2024-2025氷雪シーズンにはそれぞれ5.2億人、6300億元に達することが見込まれています。

氷雪経済の盛り上がりは、ネット上での検索トレンドにも反映されています。
2024年11月以来、美団旅行のデータではスキーの検索が前月比83%増加し、また同程旅行のレポートでは氷雪旅行関連の検索が前月比3倍超えの増加となり、2024年12月、大手旅行予約サイト・Qunarのデータでは「スキー」「氷雪」など関連ワードの検索量が前月比1.7倍の増加となりました。また小紅書(RED)では2024年12月時点で「#冰雪运动(アイススポーツ)」といった関連トピックの閲覧数が2000万回を超え、スキーテクニックのシェアやスキー仲間(“搭子”)を探すなどの投稿で盛り上がっています。

REDでの関連ワード検索結果

↑REDでの関連ワード検索結果

アイススポーツは中国全土で盛んに

2024年、中国国内のスキー場は10月下旬から続々と開放されていきました。スキーアプリ・滑唄のデータによると、同年12月時点で利用率の高いスキー場top15は新疆・河北・吉林・北京といった北方の地域で占められました。北京では、北京オリンピックで使用された施設資源が氷雪経済発展の支えとなっており、プロの試合だけでなく大衆向けの氷雪旅行における重要なスペースにもなっています。2025年の春節期間、北京では100余りの冬季テーマイベントや1000余りのアイススポーツが開催され、北京市体育局は引き続き3万枚の氷雪クーポン券を配布しました。

またより多くのプロ級スキーヤーを呼び込むため、北京延慶オリンピックパークエリアにある北京国家アルペンスキーセンターでは、旅行客向けにより長く険しいスキーコースを開放しました。2025年1月には客足が前年同期比約50%増加し、それに伴ってスキー場周辺のホテルの利用率は約80%に達しました。

一方、近年では南方でも氷雪経済の盛り上がりが見られます。2025年の春節期間、Qunarのデータでは氷雪シーズン人気目的地top10の半数が南方の都市となりました。

大手旅行予約サイト・Ctrip のデータでは2025年1月1日―2月28日の期間、湖北省のスキーホテルの予約量は前年同期比82.89%の増加となりました。湖北には24の氷雪観光地・リゾート地、41のアイススポーツ施設が建設されており、また1億元分の割引クーポンを配布するなど氷雪経済の影響が見てとれます。

重慶においても積極的に氷雪旅行やアイススポーツイベントが推進されています。2024年12月以来、重慶市内の九大氷雪観光地における売上収入が1億元を突破し、前年同期比30%近くの増加となりました。重慶の観光名所の一つである仙女山では、コスプレスキーイベントやアイスファッションショーなどのイベント開催によって 17万人を超える旅行客を集め、その客足は前年同期比90.3%もの増加となりました。

氷雪関連製品の多様化と市場発展の現状とこれから

氷雪旅行の盛り上がりに伴い、関連の装備グッズの消費市場も発展しています。中国氷雪装備の販売収入は、2019年の153億元から2023年には220億元に増加し、年複合増長率は9.5%に達しました。

《中国氷雪産業発展研究レポート(2024)》によると全国の関連企業数は増加し続けており、2024年には2001社増加して約3万社に達しました。特に氷雪装備・機材分野の製造会社は吉林省や黒竜江省などで関連産業の集団が形成されています。

京東のデータによると2024年、スキーポール・スキーゴーグル・スキーブーツ・スノーボードの販売量が80%超えの増加、スキー板・スキーウェアセットの販売量も50%以上の増加となりました。

アイススポーツの浸透に伴って、消費者は自身の体型や技術レベルなどパーソナライズされた装備に注目するようになりました。これらの需要に応えるため、国内企業はパーソナライズに特化した製品やサービスを打ち出し始めています。

例えば、国産の炭素繊維を使ったスケート靴はコストパフォーマンスがとても高く、1000元ほどの価格で購入できるといいます。オーダーメイドのスケート靴の購入はこれまでプロ選手に限られていましたが、このコスパの良さによって多くの愛好者のニーズが満たされました。

関連市場には国産企業が続々と参入していますが、一方で高級ブランドは依然として輸入製品が主となっています。智研咨詢のデータでは、国外企業の占有率が高い商品が示されています。スケート靴とスキーウェアは50%、スノーボードは60%、スケート靴のブリッジは80%を国外企業が占めており、その主要国はアメリカ・イタリア・オランダ・カナダ・スイス・日本などとなっています。

個人用装備の他に大型機材も輸入比率が高く、同データによると除雪車は64%、人工降雪機は85%が輸入に頼っているのが現状です。

まとめ

本記事では中国の氷雪経済について紹介しました。北京冬季オリンピックを経てますます盛り上がりを見せる氷雪旅行やアイススポーツについて、中国各地で消費者に向けた多様なサービスを提供することで関連産業の規模が拡大しています。

一方で、関連製品については依然として国外企業が主力となっており、中国国内の氷雪関連産業には発展の余地があると言えるでしょう。

2025年以降、氷雪経済にどのようなトレンドが生まれるのかが注目されます。

参考URL

冰天雪地也是金山银山 —— 推动冰雪经济成为新增长点
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1821394805069555387&wfr=spider&for=pc
这个冰雪季,出游人次有望达5.2 亿(大数据观察)
https://news.qq.com/rain/a/20250121A01EVE00
透过数据看冰雪运动“热”度攀升 新场景新业态激发冰雪经济活力奔涌
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1822215086128398466&wfr=spider&for=pc
《2024中国冰雪产业发展研究报告》发布 相关数据令人欣喜
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1812667077994777626&wfr=spider&for=pc
冷资源乘“冬”风 吉林冰雪装备产业迎新机遇
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1818726882275139790&wfr=spider&for=pc
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https://baijiahao.baidu.com/s?id=1821995765676531011&wfr=spider&for=pc
2025年中国冰雪装备行业产业链、企业数量、销售收入及发展前景:冰雪装备产业蓬勃发展,销售收入持续扩大
https://www.chyxx.com/industry/1208102.html
大雪|万亿冰雪经济,“热”起来了!
https://sports.sohu.com/a/833699169_121255906
红红火火中国年 消费“新新”向荣“热”力燃
https://www.163.com/dy/article/JNGRNEVE0514R9L4.html
重庆冰雪经济火热:销售收入同比增长近30%
https://www.sohu.com/a/853476823_122006510

この記事のライター

早稲田大学在学中。

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