位置情報共有アプリwhooのユーザー数が2年で2倍  “親の見守り目的”の利用も

位置情報共有アプリwhooのユーザー数が2年で2倍 “親の見守り目的”の利用も

「whoo」は、若い世代の間で人気の位置情報共有アプリです。単に居場所を共有するだけでなく、メッセージの送信や思い出の振り返り機能など、SNSとしての側面もあるのが特徴です。今回は、whoo利用者の属性から、利用目的や価値観を分析しました。


whooとは?位置情報を共有し交流を生むSNS

株式会社LinQが提供する位置情報共有アプリwhoo(フー)」は、友達や家族とリアルタイムで現在地を共有できるコミュニケーションアプリです。2022年12月に日本でリリースされ、同じ位置情報共有アプリ「Zenly」の終了後、代替アプリとして若い世代を中心に広がりました。

whooは、地図上で相手の居場所や移動状況、バッテリー残量などを確認でき、待ち合わせや家族の見守りにも便利です。地図上で友達の現在地を見るだけでなく、スタンプやチャットが送信でき、「今近くにいるから会おう」と自然に交流が生まれる仕組みもあります。単なるGPSツールではなく、友達と日常をゆるく共有するSNSとして支持を集めています。

whooのユーザー数が2年間で約2倍

ここからの調査・分析には、ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を活用します。

2024年5月〜2026年4月における、whooアプリの月間利用者数の推移は以下のとおりです。

図:「whoo」月間利用者数の推移

図:「whoo」月間利用者数の推移
期間:2024年5月~2026年4月
分析ツール:Dockpit
デバイス:スマートフォン

2024年5月は84万人だった利用者数が、2026年4月には155万人と約2倍に増えています。サービス成長の背景には、2024年以降さまざまな機能がリリースされ、友達とのつながりをより楽しめるサービスへと進化したことがあると考えられます。たとえば、2024年12月には、1年間のうちに友達と一緒にいた時間や多く遊んだスポットなどを振り返る「Wrapped on whoo」という機能がリリースされました。

若い世代への支持拡大を後押ししているのは「友達が使っているから自分も使う」というネットワーク効果かもしれません。位置情報共有アプリは、相手も使っていないと成立しないため、学校やコミュニティ単位で一気に広がりやすいと考えられます。

whooは若者だけが利用するアプリではない

若い世代からの支持が厚いwhooですが、具体的にどのような人が利用しているのか、ユーザー像を分析します。ここからは、Web行動データとアンケートデータを用いた分析ができる、株式会社ヴァリューズの分析ツール「Perscope」を活用します。

whoo利用者の年代は以下のとおりです。

図:「whoo」利用者の年代

図:「whoo」利用者の年代
期間:2025年4月~2026年3月
分析ツール:Perscope
デバイス:スマートフォン

10代〜20代がメインですが、40代も約10%存在します。背景には、一人では成立しないアプリというwhooならではの特性があると考えられます。そこで、Whoo利用者の同居家族を見てみます。

図:「whoo」利用者の同居家族

図:「whoo」利用者の同居家族
期間:2025年4月~2026年3月
分析ツール:Perscope
デバイス:スマートフォン

whoo利用者全体でもっとも割合が高いのは、独身・親と同居層です。whooは一人で使うアプリではなく、友達や家族とのつながりのなかで価値を発揮するサービスです。親子が同じ家で生活する世帯でも利用が広がっていることから、離れて暮らす家族の見守りだけでなく、日常的なコミュニケーションツールとしても活用されている可能性があります。

また、とくにwhoo利用者で子どもがいる世帯のなかでも、末子が中学生・高校生の家庭の割合が高いのが特徴です。このことから、塾や部活などで帰宅時間が遅くなる子どもの、見守り目的で活用されているケースも多いと考えられます。

友達や恋人とつながる楽しさはもちろん、親世代にとっては安心感を得るためのアプリという側面もありそうです。単なる情報収集のためのSNSとは異なり、リアルな人間関係を前提に使われる点がwhooの特徴といえるでしょう。

whoo利用者の人とのつながりを重視する姿勢は、感じていたい気持ちや、ありたい自分像にも裏付けられています。以下は、whoo利用者とインターネット人口全体を比較した場合の、回答率の差分を表したレーダーチャートです。

図:「whoo」利用者の感じていたい気持ち

図:「whoo」利用者の感じていたい気持ち
期間:2025年4月~2026年3月
分析ツール:Perscope
デバイス:スマートフォン

感じていたい気持ちをインターネット人口全体と比較すると、whoo利用者は「社交性」や「地位・ステータス」のスコアがとくに高いことがわかります。単に流行っているからというだけでなく、「みんなと同じ空間・空気感に参加したい」「友達とのつながりを感じていたい」という感覚があるのかもしれません。

ありたい自分像からも、人とのつながりを大切にする価値観がうかがえます。

図:「whoo」利用者のありたい自分像

図:「whoo」利用者のありたい自分像
期間:2025年4月~2026年3月
分析ツール:Perscope
デバイス:スマートフォン

ありたい自分像をインターネット人口全体と比較すると、whoo利用者は「自由主義」のスコアが低いことがわかります。このデータからは、whoo利用者は、自由主義や個人主義的な価値観よりも、仲間内の一体感やつながる安心感を重視するといえるでしょう。自分の現在地が共有されることへの抵抗感よりも、存在を身近に感じられることが優先されるとも考えられます。

SNSは手動投稿から自動共有へ? 親密さを生むツール

whooの広がりを見ると、SNSは「手動で投稿するもの」から「日常そのものを自動で共有するもの」へ変化している傾向がうかがえます。

従来のSNSでは、写真を撮り文章を考え、自分で投稿する必要がありました。「Instagram」は、見せたい瞬間を自分で選んで発信するSNSです。その後広まった「BeReal」は、通知によって投稿タイミングを半ば自動化し、加工されていない日常を共有する流れを生みました。

さらに近年は、SNSだけでなくスケジュール管理でも、共有機能が重視されています。たとえば、スケジュール共有アプリ「TimeTree」では、予定を家族や恋人、友達と共有できます。一見するとSNSとは別物に見えますが、自分の日常を親しい相手に共有するという点では共通しています。共有対象が「映える出来事」から「リアルな生活情報」へと近づいたといえるでしょう。

その延長線上にあるのがwhooです。whooでは、投稿をしなくても位置情報そのものが自動で共有されます。今どこにいるかという日常のデータが、そのままコミュニケーションになるのです。

出来事や予定を共有する段階から一歩進み、今この瞬間にいる場所や感情をシェアする流れができたと考えられます。whooの広がりは、多くの人に見られることよりも、近しい人同士の仲をより深めることを重視するSNSへの需要の高まりを示しているのかもしれません。

まとめ

位置情報共有アプリ「whoo」のユーザー数や属性から、利用者の目的や価値観を分析しました。

2024年5月からの2年間で、whooのユーザー数は約2倍に増えています。メインの利用層は10代〜20代ですが、40代も約10%が利用しています。若者が恋人や友達とのつながりを楽しむ一方、40代は子どもの見守りを目的として活用している可能性も考えられるでしょう。

親しい相手に日常をシェアするという意味では、whooもInstagramやBeRealなどのSNSと同じ役割を果たしています。しかし、自分で投稿しなくても、自動で位置情報が共有される点でほかのSNSとは一線を画しています。

自動共有SNSの台頭は、SNSの価値が発信することから、身近な人との関係を深めることへ移りつつある可能性を示しているといえるでしょう。

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この記事のライター

Webライター。転職、キャリア、美容、不動産、金融ジャンルの記事を執筆中。新卒からシステムエンジニアとして働いていました。ライティングにおいては、わかりやすい文章を書くことはもちろん、どこかくすっと笑えるような、読み手が温かい気持ちになれる記事を書くことを心がけています。

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