Web行動ログから読み取く!withコロナ期における消費者の「おうち時間」の過ごし方の変化とは|セミナーレポート

Web行動ログから読み取く!withコロナ期における消費者の「おうち時間」の過ごし方の変化とは|セミナーレポート

withコロナ期における消費者の「おうち時間」の過ごし方の変化をWeb行動ログから考察したオンラインセミナーが開催されました。今回は、コロナ禍の「おうち時間」における消費者の意識変化・行動変化を「食」「運動」「家電」という3つの切り口から分析し、消費者の動向をアンケート調査とWeb行動ログから読み解きます。


図:スピーカー紹介

図:セミナーテーマ

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い在宅時間が増え、新たに関心を持ったことや実践したことがある人も多いのではないでしょうか。
今回は、「食」「運動」「家電」という3つの切り口から、「おうち時間」での消費者の動きを読み解いていきます。

「食」に関する消費者の動き

コロナ禍での食事形態の変化

コロナ拡大後に増えた食事形態の1位は「手作り料理」でした。
一方で減った食事形態は「外食」となり、自粛の影響で外出が減り、内食・中食の需要が増えたことがうかがえます。

図:コロナ拡大後に増えた・減った食事形態

ネットスーパーの利用は増加しているのか?

外出自粛の影響で、食品の購入場所に変化はあったのでしょうか。
ネットスーパーのユーザー数は、コロナ以降4月をピークに増加していましたが、夏以降はコロナ前と同程度の水準まで戻っています。

図:ネットスーパーのユーザー数推移

デリバリーアプリの利用は増加しているのか?

ネットスーパーと同じく、コロナ拡大直後にユーザー数が増加したことが予想されるのが、Uber Eatsなどのデリバリーアプリです。コロナ以降4月から、デリバリー系アプリを所持するユーザー数は増加しています。
その一方で、アクティブユーザー数は同程度で推移しており、アクティブ率は下がっていることが分かります。

図:デリバリー系アプリのユーザー数推移

グルメ予約サイトは増加しているのか?

コロナ以降減少傾向にあった外食ですが、10月以降グルメ予約サイトのユーザー数は急増しており、直近2年で最も多くなっています。
これは、10月から開始されたGo To Eatキャンペーンの影響が大きいと推測されます。

図:グルメ予約サイトのユーザー数推移

「運動」に関する消費者の動き

コロナは消費者の運動習慣にも大きな影響を与えました。

「運動」への関心(ジム・フィットネスクラブ)

ジムやフィットネスクラブへの関心は、コロナ前と比較して低い状態が続いています。
引き続き、不特定多数の人が集まる空間で運動を行うことへの抵抗感があることがうかがえます。

図:ジム・フィットネスクラブ検索者数推移

「運動」への関心(筋トレ・ストレッチ)

ジムやフィットネスクラブでの運動への関心が低い一方で、筋トレやストレッチといった屋内で行う運動への関心は高まっています。
筋トレやストレッチに関する検索はコロナ以降の5月にピークを迎えましたが、その後も昨年の同時期と比較して高水準を維持しています。

図:筋トレ・ストレッチ検索者数推移

筋トレへの関心層は?

では、筋トレに関心を持っているのはどのような人たちなのでしょうか。
コロナ前とコロナ以降で、筋トレについて検索したユーザーが流入したページを比較してみましょう。
コロナ以降、筋肉をつけるためでなく、ダイエットのために筋トレをする人が増加したことが分かります。

図:筋トレ検索後流入ページ(2019年8~10月)

「家電」に関する消費者の動き

次に、コロナ以降に消費者の関心を集めた家電について読み解きます。
家電サイトではどのような家電商品が閲覧されているのでしょうか。

ECでよく閲覧される関連商品は?

コロナ拡大直後の2~4月には、体温計やPCモニター、テレビに接続するためのHDMIケーブルといった、コロナ禍の生活において必要に迫られた商品への関心が高まっていたことが分かります。

図:2020年2月~4月Amazon家電商品閲覧ユーザー数ランキング

続いて、8月から10月には、スピーカーやモバイルプロジェクターなど、快適に生活を送ったり、コンテンツを楽しんだりするための商品や、ペットカメラや完全ワイヤレスイヤホンなど、外出時に重宝される商品への関心が高まっています。

図:2020年8月~10月Amazon家電商品閲覧ユーザー数ランキング

まとめ

図:総括

今回は、「食」「運動」「家電」という3つの切り口から、コロナ以降の消費者の動きを分析してきました。

・「食」

コロナ拡大直後の5~6月にかけて、手作り料理といった内食や、デリバリーを活用した中食を行うユーザーが増加していましたが、現在は落ち着きを見せていました。
一方で、Go To Eatキャンペーンの効果により、外食に興味を持つユーザーが増加し、グルメ予約サイトのユーザー数は過去2年で過去最大となっています。

・「運動」

不特定多数の人が密集するジムやフィットネスクラブへ関心はコロナ以降減少していました。屋内の運動への関心は継続して高く、コロナ前と比較して女性のダイエット目的の筋トレが増加していることが明らかになりました。

・「家電」

コロナ拡大直後は、体温計といったコロナ禍での生活において必要に迫られた商品への関心が高まりましたが、8月以降は自宅で快適に過ごすための商品が注目を集めていました。
コロナ禍でのストレスも、家電商品に対するニーズ喚起の一つとなっていることが分かります。

このように、コロナ拡大後の「おうち時間」の増加は、消費者の興味・関心に大きな影響を与えました。今後もwithコロナの生活が継続すると見られ、消費者の動向の変化を注視していく必要がありそうです。

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この記事のライター

早稲田大学でEU政治について学び、フランスに留学し政治学修了証を取得。
2021年4月ヴァリューズ入社予定で、現在内定者アルバイトとして記事を執筆中です!

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