2020年の新語・流行語の年間大賞は『3密』に
■新語・流行語のトップテンには『鬼滅の刃』『あつ森』などもランクイン
2020年も終わりに差し掛かり、今年の新語・流行語大賞の受賞語が12月1日に発表されました。年間大賞は新型コロナウイルスの感染拡大につながると言われる「密閉、密集、密接」を表した『3密』が選ばれました。トップテンには、10月に公開された映画が瞬く間に興行収入200億円を突破し、一大旋風を巻き起こしている『鬼滅の刃』や、ステイホーム期間中の発売で爆発的大ヒットを記録したNintendo Switchのゲーム『あつ森(あつまれどうぶつの森)』などがランクインしています。
ユーキャン 新語・流行語大賞
第37回 2020年 年間大賞
新語・流行語トップテン
【年間大賞】
3密
【受賞語】
愛の不時着
あつ森(あつまれ どうぶつの森)
アベノマスク
アマビエ
オンライン○○
鬼滅の刃
GoToキャンペーン
ソロキャンプ
フワちゃん
年間大賞に選ばれた『3密』の検索ユーザー推移を、ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツールDockpitで見てみると、新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言が出された2020年4月に検索数が急増していることがわかります【図1】。
【図1】『3密』検索ユーザー数推移(2020年1月~2020年10月)
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改めて下のノミネート語を見てもやはり目立つのは、新型コロナウイルス関連の言葉です。トップテンにも選ばれた『アベノマスク』『3密』などに加え、コロナ禍を機に需要の高まった『テレワーク/ワーケーション』『ウーバーイーツ』といった関連用語も多く見られました。
ユーキャン 新語・流行語大賞
第37回 2020年 ノミネート語
続いて、ヴァリューズで調査を行っている週間検索キーワードランキングのうち、その週の中で特に象徴的な語句を月ごとにまとめたものがこちらです。
週間検索キーワードランキングの急上昇ワードより
流行語大賞ノミネート語と同じくコロナ関連の用語が多く、映画が公開された10月には『鬼滅の刃』も急上昇しました。その他『確定申告』や『台風10号』『ハロウィーン』など、季節特有のワードも多くみられました。
また、Twitter上で公開され話題となった4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』は、3月によく検索されていたものの、惜しくも流行語大賞のノミネートは逃してしまいした。ヴァリューズの分析ツール「Dockpit」のキーワード検索を使って詳しくみてみると、検索ユーザー数は最終話となる100日目が掲載された3月に一気に増加し、4月以降は急降下していたことがわかりました【図2】。
【図2】『100日後に死ぬワニ』検索ユーザー数推移(2020年1月~2020年10月)
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それでは、Dockpitを使って他にもいくつかのキーワードについて深堀りしてみましょう。
『コロナウイルス』から『GOTOトラベル』。人々の関心はウイルスから新しい生活へと徐々に移行
最初に、コロナ関連でよく検索されたキーワードの中から『コロナウイルス』『アビガン』『トイレットペーパー』『緊急事態宣言』『GOTOトラベル』の5つをピックアップし、比較分析してみました。
まずユーザー数推移をみてみると、全期間を通して『コロナウイルス』の検索ユーザー数が多いものの、感染がやや落ち着いてきた夏頃からは『GOTOトラベル』の検索ユーザ数が増加し、9月以降は『コロナウイルス』よりも多くの人に検索されるようになったことがわかりました。少しずつwithコロナの生活に慣れてきたことで、人々の活動が活発になってきている様子がうかがえます。また、一時入手困難となっていた『トイレットペーパー』や、治療薬になるのではないかと報道され話題となった『アビガン』は、3月・4月をピークに検索ユーザー数が激減していることもわかりました【図3】。
【図3】コロナ関連用語検索ユーザー数推移(2020年1月~2020年10月)
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次に属性情報を分析すると、『アビガン』は男性、『トイレットペーパー』は女性の割合が高いことがわかりました。男性はコロナウイルスの治療法への関心が高く、一方の女性はコロナ禍においても日々の生活への関心が高いことが読み取れます【図4】。
【図4】コロナ関連用語属性情報(性別)
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また、年代を比較すると『緊急事態宣言』は比較的若年層の20代~40代の割合が高く、『アビガン』は高齢層の50代~70才以上が高くなっていました。学校や仕事など、発令により大きな影響を受ける世代はより『緊急事態宣言』への関心が高く、感染した場合に重症化しやすい高齢層は治療薬の『アビガン』への関心が高かったようです【図5】。
【図5】コロナ関連用語属性情報(年代)
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さまざまな分野に波及する『鬼滅の刃』ブーム
続いて、子供から大人まで大人気の『鬼滅の刃』を深掘りしてみましょう。
検索ユーザー数推移をみると、2020年5月にユーザー数が増加し、その後9月~10月にかけて再び急増していることがわかりました。5月は単行本20巻の発売や、ステイホーム期間でアニメを視聴する人が増えたこと、そして9月~10月は映画の公開に向けてメディアでも大きく取り上げられていたことなどが影響していると考えられます【図6】。
【図6】『鬼滅の刃』検索ユーザー数推移(2020年1月~2020年10月)
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次に掛け合わせワードランキングをみると、アニメや映画、漫画といったワードが並ぶ中、5位には「ローソン」がランクインしていました【図7】。
【図7】掛け合わせワードランキング(2020年1月~2020年10月)
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詳しく分析するために「ローソン」検索者の流入ページを確認すると、新商品やキャンペーンの最新情報が掲載されるローソン研究所の鬼滅の刃キャンペーンページへのアクセスが大部分を占めていました【図8】。
【図8】ローソン検索者流入ページ(2020年1月~2020年10月)
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また、限定4店舗がコラボ店舗となりオリジナルグッズを販売していた1月~2月や、様々なキャンペーンが順次リリースされている6月以降、「ローソン」を検索するユーザー数が増加していることもわかりました【図9】。
【図9】ローソン検索ユーザー数推移(2020年1月~2020年10月)
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漫画や映画の売り上げに留まらず、さまざまな分野に大きな経済効果をもたらしている鬼滅の刃。今後も鬼滅ブームはまだまだ続きそうです。
「鬼滅の刃」はいつからバズった!?止まない鬼滅旋風を検索データで徹底分析!
https://manamina.valuesccg.com/articles/112310月16日に公開されたアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の興行収入が約205億円を記録し、『ハリーポッターと賢者の石(2001年)』の約203億円を超えたと発表されました(興行通信社調べ)。漫画「鬼滅の刃」の累計発行部数も最新22巻で1億部を突破。そんなヒット作「鬼滅の刃」は一体いつからバズったのでしょうか。そのきっかけは?今回は止まらない鬼滅旋風について検索データを中心に徹底分析してみました。(分析にはヴァリューズが提供する市場分析ツール「Dockpit」を使用しています)
新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの日常が大きく変化した2020年。来年はどんな言葉がノミネートするのか楽しみです。
分析概要
全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「Dockpit」を使用し、2020年1月~2020年10月におけるユーザーの行動を分析しました。
※ユーザー数はヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
「Dockpit」は、過去どのような変化があったのか、消費者のトレンド調査にとても役立ちます。もし宜しければ、下記より資料をお取り寄せください。
2020年に流行したモノ・言葉についてのFAQ
■2020年の流行語大賞は?
ユーキャンが毎年発表している「新語・流行語大賞」では、年間大賞として「3密」が選ばれました。その他に選ばれた言葉も、新型コロナウイルス感染症関係が多くなっています。詳しくは、記事本文をご覧ください。
■2020年に新型コロナウイルス感染症関連でよく検索されたキーワードは?
流行語大賞に「3密」が選ばれたように、2020年は新型コロナウイルス感染症関連のキーワードがよく検索されました。緊急事態宣言解除後、GOTOトラベル関連がよく検索されています。詳しい分析結果は、記事本文でご確認ください。
■2020年の流行はやはり「鬼滅の刃」?
2020年に大ヒットした「鬼滅の刃」は、アニメの後映画、関連商品と複数の波があることが特徴。詳しい分析結果は、記事本文でご確認ください。
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