コロナ禍での社内コミュニケーションどうしてる?会社で「オンライン学芸会」をやってみた

コロナ禍での社内コミュニケーションどうしてる?会社で「オンライン学芸会」をやってみた

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに始まったリモートワークも早1年が経とうとしています。社員同士、リアルでの飲み会やランチ会、プロジェクトの打ち上げなど難しい状況が続く中、マナミナを運営する株式会社ヴァリューズでは、オンラインイベント「オトナの学芸会」が開催されました。普通のZoom飲みとはちょっと違う、一風変わったこのイベント。社内コミュニケーション施策のヒントになればと考え、その模様をお届けします。


こんにちは。マナミナ編集部の星です。私はマナミナを運営する株式会社ヴァリューズでは、広報を担当しています。

私たちヴァリューズでは、毎年12月に「音楽祭」と称してレストランやライブハウスなどを貸し切り、社員全員が集まって、有志によるバンド演奏や出し物を楽しむイベントを行っています。社内には音楽好きなメンバーが多く、アルバイトの学生さんも含めて楽しく盛り上がることができる、貴重な社内コミュニケーションの機会です。

ところが、新型コロナウイルスの影響で昨年は開催が見送りに。毎年続けてきたイベントだけに、何か別の形で開催できないか、でもリモートだとなかなか難しいよね、何も思いつかなかったら諦めるしかないかな…など、色々な議論が起こりました。

そんな時、社内のWDL(※Work Design Lab)チームのメンバーがアイデアを出してくれたのが『オトナの学芸会』というコンセプト。

※Work Design Lab(ワークデザインラボ)は、社員有志によって運営される、社員目線でより良い働き方を考え続けるヴァリューズ独自のチームで、複数部署のメンバーが横断的に集まり、色々なコミュニケーション施策を考えています。

今までの音楽祭は音楽がメインだったけれど、映像、音楽、アート・デザイン、料理、趣味・特技など何でもOKにして、みんなでオンラインで作品を一緒に観賞しよう!というイベントを行うことになりました。

「オトナの学芸会」デジタルポスター

「オトナの学芸会」デジタルポスター

※こちらも実は応募作品の1つ

実際にやってみると、このヒトこんな特技があったんだ!と社員同士が互いをより知り合うことができ、3時間のタイムテーブルがあっという間に感じるほど。

では、そのイベントの模様と運営のポイントを詳しくお伝えしていきます。

『オトナの学芸会』とは?

『学芸会』というと小学校時代を思い出すかもしれませんが、「オトナ」向けにするにはどのようなフォーマットがいいのでしょうか。

ヴァリューズでは下記のような開催要項としました。

【オトナの学芸会@オンライン】

日程

週末の金曜の夜(19:00~22:00くらい)

開催内容

  • 事前応募にて社員の「作・創・造」物を募集
  • 開催当日にオンラインにてコンテスト形式で各出品物を発表
  • 発表後には参加者投票により各賞を選定。受賞者には賞品を贈る
  • 飲食代は会社から支給。みんなで乾杯してリラックスしながら作品を楽しめる

発表形式

  • Zoomで開催
  • 出品者がPC画面共有で出品物を紹介する
  • 持ち時間は最大5分
  • 全員発表終了後、視聴者投票、集計、表彰

■ 作品

例)思い出の写真、映像、音楽、アート・デザイン、服、料理、自慢したい物、川柳、etc. 趣味・特技などなんでもOK!

作品募集は年末年始休暇を挟み、約1か月弱ほどの募集期間をとり、Slackやオンラインの全体定例会などで募ったところ、24作品ものエントリーがありました。

立体パズル、切り絵の迷路、イラスト集、料理動画、消しゴムはんこなどアート・手作り系をはじめ、独奏、合奏などの音楽系、3Dプリンタを使ったペンライトアート、Spotify APIを使ったWebアプリ開発などエンジニアの本領発揮な作品などバラエティも豊か。

コメントはZoomのチャットで書き込めるので、「これ面白い!」「すごい!」「88888888(拍手)」など多数のコメントで埋め尽くされ、当日はオンラインLIVEのような盛り上がりになりました。

上位作品を紹介します!

イベントの最後には参加者全員でオンライン投票し、その場で結果発表、表彰式も行いました。

それではまず、最優秀賞と優秀賞の作品をご紹介します。

最優秀賞: Spotify APIを使った選曲支援Webアプリ「AUTOMISCE」

見事、最優秀賞に輝いたのは、システムソリューションGの大島くんが開発したSpotify APIを使ってMIXリストが作れるWebアプリ。ポイントは、自分の好きな曲を探すだけでなく、その曲に合うアッパー系、ダウナー系の曲をアプリがレコメンドしてくれて、プレイリストにできる点。

知らない曲にも出会えて、プレイリストとしても繋がりを作れる、一石二鳥のミュージックアプリ。
「今すぐ使いたい!」の声が続出となりました。

「AUTOMISCE」のトップ

「AUTOMISCE」のトップ

何か曲を選ぶと、次の曲をアッパー系、ダウナー系でレコメンドしてくれる

何か曲を選ぶと、次の曲をアッパー系、ダウナー系でレコメンドしてくれる

最優秀賞:大島くんからのコメント
「Spotify APIで楽曲に関する様々なデータを取得できるということを先輩社員に伺い、いつかそれを使って何かやってみたいと思っていました。趣味でDJをやっていたこともあり、そのデータを使ってDJ Mixが勝手に出来上がるようなアプリができると面白いかと考えました。
年末年始の連休を使っての技術的な実験に近いものだったので、思っていた以上に反響をいただけて嬉しかったです。来年もこのイベントがあるならまた何か作ってみようかなと思っています。」

優秀賞: オリジナルイラスト「鬼滅どうぶつ園」

優秀賞は、2021年4月に入社予定のインターン、町口さんによる「鬼滅どうぶつ園」のイラスト。

鬼滅の刃の登場人物と動物たちのユニークなコラボ作品になっています。1つ1つが繊細に描かれていて「すごく丁寧で上手!」と拍手喝采でした。

イラスト「鬼滅どうぶつ園」

イラスト「鬼滅どうぶつ園」

優秀賞:町口さんからのコメント
「イラストは幼少期からの趣味ですが、プロにでもならない限りお仕事に活かすのは難しいもの。それが今回のイベントで、作品を披露できたこと、またそれをたくさんの人に受け入れてもらえたことは、自分を表現する居場所を掴みとったような感覚で本当に嬉しかったです。
仕事と両立して私生活も充実させ、もっと上手くなろうというモチベーションになりました。」

上記の作品には、賞品としてカタログギフトをはじめ、プロジェクター付きライト「popIn Aladdin」や、瑛人の「香水」で話題になった「ドルチェ&ガッバーナ」のオードトワレなどがプレゼントされました。

その他の作品も、いくつかご紹介していきます。

Clapping Musicひとりアンサンブル

スティーヴ・ライヒ(Steve Reich)によって書かれた手拍子のみで音楽を奏でる「Clapping Music」のパフォーマンス動画。手拍子だけでなく、空き缶やけん玉、まさかのキリンまで登場し、楽しく盛り上がりました。

ヴァリューズの企業ロゴを数式で描いてみた

ヴァリューズの企業ロゴを数式処理ソフト「Mathematica」を使い、形を数式で表現して描いてみたという、とある若手データアナリストの作品。実際にMathematicaで計算式が進むとヴァリューズロゴの形が出来上がりました。「近似をほどほどにすると柔らかいままになる」らしく、「数式でこんな可愛いロゴになるとは!」と感動と驚きのコメントが。

ヴァリューズロゴの描画を数式で計算中

ヴァリューズロゴの描画を数式で計算中

Title「情報と物質の間」

3DプリンタのヘッドにLEDを貼り付け、ヘッドを操作してペンライトアートで「VALUES」の文字を描いた作品。
3Dプリンタヘッダ、CNC切削機、ロボットアームの一部を動かす制御プログラムG-codeを直接操作することでペンライトアートの軌跡を作成。プログラムを使って立体データを作ることで、アナログな手法だけでは造形が難しい立体を作れるそうです。「デジタルとアナログ(情報と物質)は紙一重」ということから「情報と物質の間」というタイトルが。

Title:情報と物質の間

「3DプリンタのヘッドにLEDを貼り付け、
ヘッドを操作してペンライトアートを描きました」

この作品は、マナミナの連載『データアナリストが語る現場のデータ分析』にも登場しているデータアナライズG マネジャーの和田さんが作りました。

梅酒づくり

ヴァリューズのオフィスにはビル最上階に社員が自由に使えるCafe&Barスペースがあり、お酒好きな人が多いのですが、“オトナと言えばお酒でしょ”ということで、20歳から趣味で続けているという色々な梅酒づくりを紹介してくれた人もいました。

作り方のポイントを始め、梅以外にもこれまでに作った果実酒で美味しかったもの、イマイチなものも紹介。ゴールデンキウイ、パイナップルなど香りが強い果物は相性が良いそうで、逆に柿やメロンはそのまま食べた方が美味しいそうです。勉強になります。

色々な梅酒づくり

色々な梅酒づくり

「オトナの学芸会」運営のコツ

オンラインイベントを終えて、WDLのメンバーで当日のモデレーターも務めた簗瀬くんに、運営のコツを聞いてみました。

【運営Tips】

  • リアルイベントと同様に、ポスター作成や社内で頻繁に広報するなど開催までの雰囲気醸成が大事
  • 出品のハードルを下げるため、出品例を多数提示する
  • モデレーターの設置はマスト。オンラインだと1on1になりがちなので、適宜チャットを拾い上げたり関連する人にコメントを求めるなどして全員参加型に
  • ネット環境やPC不具合によって発表者の配信が止まる場合も想定し、運営側で事前に作品データのバックアップをしておく
  • 3分経過でチャイムを鳴らすなどタイムキープする
  • 全作品発表終了⇒受賞者発表までに熱が冷めないよう、投票集計は迅速に

当日の盛り上げだけでなく、事前の雰囲気づくりも大事なようです。ここは学園祭や文化祭の準備と少し似ているかもしれません。

他にもペットやお子さんなどの癒し系フォト、2020年の1年間の出来事を振り返るプレゼンテーションなど、皆で楽しめる作品が沢山あり、充実した時間を過ごすことができました。

少し事前準備は必要ですが、普段のZoom飲み以外にも、こんな社内コミュニケーションもいかがでしょうか。

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この記事のライター

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