Z世代に今何が刺さっているのか?検索行動から顕在ニーズを分析し、トレンドを探る

Z世代に今何が刺さっているのか?検索行動から顕在ニーズを分析し、トレンドを探る

昨今マーケティングの文脈で注目度が大きく上昇している「Z世代」。1990年代中盤以降に生まれた世代を指し、幼少期からデジタルに触れて育ってきたデジタルネイティブであるという特徴から、それ以前の世代とは全く異なる価値観を持っているとされています。InstagramやTiktokを代表としたSNSの利用時間や、SNSを通じた購買も多いため、SNSきっかけでトレンドが生まれ消費が動くことも少なくありません。今回はそんなZ世代のトレンドとして、今後大きくなりそうなものの可能性を検索キーワードから調査します。


SNSがそれ以前の世代よりも生活に溶け込んでいるデジタルネイティブのZ世代。Z世代が多用するSNSなどのプラットフォームは、新たなトレンドの発信地として注目されています。例えば、最近では「マリトッツォ」「台湾カステラ」「地球グミ」などがZ世代中心のトレンドとして話題になりました。

また、今後大きなトレンドになると予測される商品やサービスも様々な場所で考察されています。それらのなかにはたとえば「ガチャガチャ」「観葉植物」「缶スイーツ」などが見られました。(参考:Sucleによる調査『2021年 Z世代の下半期トレンド予測』)

今回は2021年上半期に話題となった「マリトッツォ」「地球グミ」や、今後のトレンドとして予測される「ガチャガチャ」「観葉植物」について、検索数推移やユーザー属性、掛け合わせワードなどの検索動向を分析します。検索行動はユーザーの顕在的なニーズを調べるのに役立ちます。そこで検索数上昇などの盛り上がりを捉え、今後のトレンドの成長性を考察してみましょう。

2021年上半期に大きなトレンドとなった「マリトッツォ」

最初に2021年の上半期にトレンドとなり、コンビニ商品として陳列されるまでになった「マリトッツォ」から、トレンドとなった要因を分析していきます。マリトッツォは、ブリオッシュなどの丸いパンで生クリームやフルーツなどを挟んだスイーツ。かわいい見た目からSNS映えも十分で、テレビでも紹介されたことから流行スイーツとして幅広い人気を獲得しました。

かわいい見た目のマリトッツォ(Credit:Adobe Stock)

トレンドになったのはいつ頃なのか、過去1年間の検索ユーザー数の推移を見てみます。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

トレンド前から少ないながらも検索ユーザーがいますが、2021年の1月を起点に徐々に検索ユーザーが増加し、2021年5月をきっかけにさらに大きくユーザー数が上昇。6月には月間40万ユーザー超えのピークを記録しています。

次にユーザーの属性に注目してみましょう。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

ユーザー属性では性別比で7割を女性が占めていました。一方、年代比ではZ世代の中心である10〜20代ではなく、30〜50代がネット利用者全体と比べて多くなっています。

マリトッツォはZ世代発のトレンドと言われていましたが、大きくトレンド化したのはZ世代以上の世代を巻き込んだことが鍵となっていたようです。特にマリトッツォはトレンドになる前から元々存在していたスイーツであるため、Z世代以上の世代にとっても受け入れやすかったという背景も考えられます。

次に、マリトッツォの検索ワードの季節変化に注目してみます。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

トレンドが生じ始めた期間(2020年12月~2021年2月)では購入場所として「カルディ」や、作り方を検索する「レシピ」が検索されています。

2021年3月~5月の期間では、「吉祥寺」「千葉」など地名とセットで検索されています。マリトッツォを食べることができる専門店を探すような意図が見られます。また、2021年5月からセブンイレブンがマリトッツォを新商品としてリリースしたこともあり「セブンイレブン」も検索されています。

最後に2021年6月~8月の期間ではセブンイレブン以外のチェーン店の商品化に伴い「ローソン」「ファミマ」「シャトレーゼ」といった検索がされています。また、「違い」「食べ比べ」「ストロベリー&ラズベリーソース仕立て」などマリトッツォを食べる機会・種類が増加したことによる検索も行われています。

これらの検索ワードの推移から、ユーザーがSNS以外でマリトッツォについて認知・経験する機会(店頭などでの接触)が増えていったことで、どこで買えるのか/どこがおいしいのかといった情報を調べるために検索数とパターンが増えたと言えそうです。

「地球グミ」にマリトッツォほどのインパクトがなかった理由

マリトッツォとの比較対象として、SNSでは話題になったものの、全体としてはマリトッツォほど大きなトレンドにはならなかった「地球グミ」を分析してみます。地球グミとは、1個ずつ大陸の模様が描かれた透明のプラスチックケースに包装されている青くて丸い形のグミのことです。見た目は地球儀のようになっていることから地球グミと呼ばれており、SNSで人気を集めています。

インスタグラム内「# 地球グミ」の検索結果

まず検索ユーザー数の推移です。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

2021年4月以降にトレンドとして大きくなり、2021年7月にはピークとして5万ユーザーを超えていますが、マリトッツォのピーク時ユーザー数と比べると8分の1程度の検索ユーザー数です。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

性別比はマリトッツォとほとんど変わりませんが、年代構成比は10代およびその親世代の30-40代の比率が高く、50代以降の比率が低くなっています。

次に地球グミの検索ワードの季節変化に注目してみます。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

マリトッツォ同様に、「カルディ」「ドンキ」「売ってる場所」といった購入場所を探す意図が見られます。一方で地球グミを販売するブランド・購入可能な場所が多くないことから、商品比較など見た目以外の話題性も低く、関連するキーワードも検索されていません。

マリトッツォと比べると、見た目の面白さでは共通していますが、Z世代より上の世代の受け入れやすさ、店頭やメディアなどSNS以外でユーザーが地球グミに接する機会が少ないことから、マリトッツォほど大きなトレンドにはなりきれずピークアウトしてしまったと言えそうです。

大人向けの「ガチャガチャ」は大きなトレンドとなるか

マリトッツォと地球グミの分析から、トレンドが大きく広がるためには「幅広い世代での受け入れやすさ」「店頭やメディアでの接触回数の多さ」が必要だと考えられます。そこで、今後のトレンドの種を上記の観点から分析していきましょう。

まず、今後のZ世代トレンドとして予想される「ガチャガチャ」について調べていきます。ガチャガチャと言えば子供向けのイメージがありましたが、最近では大人向けのかわいいものが人気を集めています。特に最近では「おにぎりん具」など作品のキャラクターとは関係のないユニークで可愛いガチャガチャも増えています。

インスタグラム内「# ガチャガチャ」の検索結果。投稿数は83.3万件と多く、かわいいガチャガチャが多数投稿されている

では、「ガチャガチャ」の検索ユーザー数推移を見てみましょう。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

昔から広く親しまれていることもあり、7万人以上のユーザーが検索しています。また、全体としても検索数は右肩上がりに伸びています。

また、年代の構成比は下記のようになっていました。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

構成比としては、20~40代の検索が多くなっていることが分かります。次に、年代別構成比の月次推移グラフを見てみましょう。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

推移については月ごとの変動がある程度あるものの、年間を通しては20代(グラフ赤色)の比率がやや高まっていることが分かります。

さらに検索ワードの季節変化にも注目してみます。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

ほとんどを「ディズニーランド」「トムとジェリー」などキャラクターやブランドの名前が占めています。また、推移に着目すると時期によって検索されているキーワードが大きく変わっています。

ガチャガチャ自体はショッピングモールなど各地にありユーザーが接触する機会が多いでしょう。内容も細かく変化していくことから話題になりやすく、メディアでの接触回数も多くなりそうです。

大人向けガチャガチャはインスタグラムでの投稿数も多く、検索ユーザー数も月間10万人ほどがいる状況で、既にZ世代〜ミレニアム世代などの間で一定のトレンドとなっていることが分かります。Z世代より上の年代層へもガチャガチャは認知されているワードのため、今後のトレンドの広がりも十分に考えられます。

ただし、大人向けのかわいいガチャガチャを買うことで、お気に入りの自分だけの世界をミニチュアで作って楽しむようなあり方は、お金にそこまで余裕のないZ世代ならではと考えることもできます。

「観葉植物」検索ユーザー数は20万人前後で推移

次に「観葉植物」のトレンドについて分析してみます。観葉植物の人気も以前から一定数ありますが、最近ではおうち時間の増加に伴い、自室の居心地をより良くしたい人が増えてきたことから一層注目が集まっています。

インテリアとして観葉植物を飾るニーズが増えている(Credit:Adobe Stock)

検索での顕在ニーズはどのように現れているのか、まず「観葉植物」検索ユーザー数推移を見てみます。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

2020年の12月で検索数が落ち込んではいるものの、その後は右肩上がりで伸び、2021年5月には30万ユーザー近くなっています。

年代の構成比は下記のようになっています。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

構成比としては30~50代が多くなっており、推移は多少の変動はあるものの、おおよそは横ばいになっています。
コロナにより家で過ごす時間が増えた結果、全体的にリラックス効果がありインテリアとしても映える観葉植物に関心が高まっていると言えそうです。

続いて検索ワードの季節変化に注目します。

利用ツール:Dockpit、2020年9月~2021年8月 デバイス:PC&スマートフォン

「楽天」「コストコ」といった購入場所、「加湿」「植え替え時期」といった育て方など、幅広いキーワードが検索されています。また、観葉植物レンタルサービスの「キリンプラス」や、観葉植物好きを公言した「清野菜奈」といったワードも注目されていました。

店頭での観葉植物の接触機会は決して多くはないと考えられますが、検索ワードの季節変化からはキーワードの幅広さがうかがえます。レンタルやサブスクといった最近流行りの手法でもサービス展開があり、母の日などのギフト需要も見られました。利用者の年代という点でも幅広く、トレンドとしてより広がる可能性は十分でしょう。

また、最近ではインフルエンサーがインスタのストーリーなどで自分が最近ハマっているもの、好きなものを紹介することが多くなってきました。ファンはインフルエンサーのライフスタイルに共感している場合が多いため、たとえば清野菜名さんのように観葉植物を紹介すれば、ファンは購買に興味を持ちます。このような情報の流通経路も要注目です。

顕在ニーズからトレンドを探る

今回はZ世代の下半期のトレンドについて考察してみました。まず、上半期のトレンドとして「マリトッツォ」と「地球グミ」を比較した結果、Z世代の間でトレンドになったのち、「幅広い世代で受け入れられるか」「店頭やメディアでの接触回数を増やせるか」がさらに大きなトレンドとなるための要因だと言えそうです。

また、今後のトレンドとして取り上げたガチャガチャと観葉植物については以前から親しまれてきたジャンルでもあり、検索行動も比較的多く見られました。大人向けのガチャガチャでミニチュアな世界を感じて楽しんだり、自分の部屋を観葉植物でちょっと豊かにしたりするなど、身の回りの小さな場所を心地よくしたい、といったような若い世代ならではのニーズが読み取れるかもしれません。

今後のトレンドを探る上では、検索行動が徐々に上昇していくなどの小さな潮目を見逃さずに捉えることが役に立つでしょう。今回分析に使用した行動分析ツール「Dockpit」では、記事内で紹介したユーザー数推移や属性情報に加え、検索者がほかに関心を持っているワードや、流入先のコンテンツランキングなど、詳細なユーザー分析が可能です。無料版もありますので、興味を持った方はぜひ使ってみてください。

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この記事のライター

大学では地球科学とマーケティングについて学びながら、ヴァリューズでインターンとして働いています。

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