【VALUES×MRT共同調査】「医療相談」「健康相談」の検索から読み解くニーズの違いとは?

【VALUES×MRT共同調査】「医療相談」「健康相談」の検索から読み解くニーズの違いとは?

IT先端技術を活用してネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズならびに、医療情報プラットフォームを提供するMRT株式会社は、オンライン上のネット行動ログとユーザー属性情報を用いて定量的に消費者インサイトを明らかにする調査を共同で行いました。 withコロナの状況下でメディアにより目にする機会が増えた「医療(健康)相談」についてインターネット上のユーザー行動データから紐解くために、今回は検索キーワードに基づき、「医療相談」と「健康相談」の消費者の関心について、定量的な分析と医療視点での専門知見を掛け合わせて分析しました。


「オンライン診療」だけでなく注目されている「遠隔健康医療相談」

2018年にオンライン診療及び遠隔健康医療相談に関するガイドラインが日本で制定され、コロナ感染拡大によりオンライン診療への注目が高まり、2020年4月以降「オンライン診療」の認知度は70%*を超えました。

一方、オンライン上で“診察”を行う「オンライン診療」とは別で、健康や医療に関する相談や助言を受けることができる「遠隔健康医療相談」についての調査は少ないのが現状です。今回は「健康相談」「医療相談」の検索者ニーズに迫りたいと思います。

*LINEリサーチの調査メディア「リサーチノート」2021年2月17日より
https://research-platform.line.me/archives/37188977.html
*デロイトトーマツ調査、 2021年8月16日より
https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/news-releases/nr20210816.html

「健康相談」より「医療相談」の検索者数は2倍近く多い

まずは、「医療相談」および「健康相談」の検索ユーザー数の推移を見ていきましょう。

医療相談・健康相談の検索は新型コロナウイルスの感染ピークに合わせて数が増えていることがわかります。新型コロナウイルスに関する情報と合わせてメンタルや体調の不安など相談窓口のアナウンスも流れていたことから、医療(健康)相談の関心度が高かったことが考えられます。

「医療相談」「健康相談」は類似した意味合いではありますが、ユーザーの検索ワードは「医療相談」のボリュームが高く、健康相談に比べて医療相談での検索者数は2倍近く多いことがわかりました。サービス展開を考えるのであれば、名称やSEO対策など医療相談を主軸に取り組むと良いかもしれません。

「医療相談」「健康相談」検索ユーザー数推移

「医療相談」「健康相談」検索ユーザー数推移

青線:「医療相談」、赤線:「健康相談」
期間:2020年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマホ

「医療相談」「健康相談」に興味があるのは30代が最多

続いて、「医療相談」「健康相談」を検索するユーザーの属性をみていきます。

「医療相談」では女性55.3%、「健康相談」では女性58.5%と男性に比べ女性の関心が高いことがうかがえます。また検索ユーザーの違いは年齢層でも見られました。「医療相談」「健康相談」ともに特に30代の関心が高く、健康相談では特に30代の関心度が高いことがわかります。(a)

(a)「医療相談」「健康相談」検索ユーザー属性

(a)「医療相談」「健康相談」検索ユーザー属性

期間:2021年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマホ

「医療相談」「健康相談」別々に年代別にみてみましょう。(b)

「医療相談」・・・30~50代にかけて多い
「健康相談」・・・30代の比率が高く、働きざかりの20~50代の関心が多い

(b)「医療相談」「健康相談」各検索ユーザー:年代

(b)「医療相談」「健康相談」各検索ユーザー:年代

期間:2021年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマホ

また、地域別にみてみました。(c)

医療相談・健康相談の関心が他地域に比べ、関東で高く、「医療相談」「健康相談」各検索でみると、東京居住者が非常に多いことがグラフからわかりました。

(c)「医療相談」「健康相談」各ユーザー属性:居住都道府県

(c)「医療相談」「健康相談」各ユーザー属性:居住都道府県

期間:2021年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマホ

医療(健康)相談はオンラインよりも電話・メールなど顔が見えない形式でのニーズが高い

さらに、キーワード同士のつながりを可視化したワードネットワークを見てみました。ワードネットワークでは、掛け合わせ検索件数が多く関連性が強いワード同士が線でつながっているため、潜在的な興味関心を把握することができます。今回は「医療相談」「健康相談」それぞれのワードネットワークを比較してみました。

その結果、「医療相談」における興味関心は『電話』『無料』『24時間』『クレジットカード』『東京』が高く、上記との関連検索では『地域名』や『連絡手段』などがありました。また健康相談においては『電話』『無料』『産業医』『LINE』の興味関心が高いことがみてとれました。

「医療相談」「健康相談」検索ユーザーのワードネットワーク

「医療相談」「健康相談」検索ユーザーのワードネットワーク

期間:2021年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマホ

面白いインサイトとしては、「診療」検索ユーザーの興味関心は『オンライン』『日曜』『休日』『コロナ』が高く「診療」の場合は、『オンライン』、「相談」の場合は『電話』『メール(チャット)』と提供方法のニーズが違うことが明確になりました。オンラインでできることがまだ認識されていないのか、あるいは診療と相談ではニーズの違いが出ていることが考えられます。

「診療」検索ユーザーのワードネットワーク

「診療」検索ユーザーのワードネットワーク

期間:2021年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマホ

もう少し詳しくニーズを探るため、掛け合わせワードで詳細をみてみましょう。

医療相談と健康相談ともに『電話』『相談窓口』が上位にランクインしています。しかし、検索ニーズには少し違いがあることもわかりました。

「健康相談」の掛け合わせワードランキングをみると『こころの健康相談統一ダイヤル』『こころの健康相談』がランクインしています。また「医療相談」では『夜間医療相談電話』『24時間』がランクインしていることがわかりました。

医療相談は医療に関する幅広い相談、健康相談はこころの相談のニーズが高いのではないでしょうか。

「医療相談」(左)と「健康相談」(右)の掛け合わせワードランキング

「医療相談」(左)と「健康相談」(右)の掛け合わせワードランキング

期間:2021年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマホ

最も閲覧されているサイトは「健康医療相談サービス」と「自治体相談窓口」

最後に「医療相談」「健康相談」検索後の流入サイトのランキングを調査しました。

トップ15位までを見ると、『行政・自治体』の相談窓口と『医療(健康)相談』サービスの大きく2つのタイプのサイトを閲覧されていることがわかりました。

『行政・自治体』の相談窓口…
1位は『厚生労働省』で健康や医療相談の情報ページが閲覧されており、5-7位そして10-15位は関東地域(埼玉・神奈川・東京・千葉)の自治体の医療安全相談窓口などでした。

『医療(健康)相談』サービス…
2,4,8位は医療に関する相談サービスを受けることのできるサービスページが閲覧されており、相談窓口として使用されていることがわかりました。
また3位のMedionLifeは健康相談サービス紹介のページが閲覧されており、どのサービスを活用するか調べるために閲覧されていることがわかりました。

面白いインサイトとして、8位のYahoo!知恵袋は無料のQ&Aサイトで、民間の人に医療(健康)相談として活用されていることもこの流入サイトランキングから見てうかがえました。

「医療相談」「健康相談」検索ユーザーの流入サイトランキング

「医療相談」「健康相談」検索ユーザーの流入サイトランキング

期間:2021年1月~2021年12月
デバイス:PCおよびスマホ

まとめ

今回は「医療(健康)相談」について調査しました。

今回の調査でわかったことをポイントとしてまとめました。
・ 医療相談、健康相談ともに男性より女性の検索数が高い。また30代のニーズが高い。
・ 地域では東京都在住者の検索ボリュームが最も多い。
・ 医療相談と健康相談の意味合いは一緒だが、ユーザーの検索ボリュームを見ると健康相談より、医療相談の方が2倍近く多い。
・ サービス名称やSEO対策するのであれば、健康相談より医療相談という言葉を使う方がよい(とはいえ、両方の言葉を使用していくことがベスト)
・ 健康相談は医療相談に比べ、メンタルやこころの相談に関連が強い。
・ 現在は政府・自治体の無料相談窓口が主流になっている印象。検索プラットフォームはニーズが高そうだ。


MRT株式会社

東京大学附属病院の医師たちの互助組織を母体として現役医師が2000年に設立。

「医療を想い、社会に貢献する。」を企業理念とし、24時間365日対応の外勤診療紹介を目的とした、医師やコメディカル向けの人材紹介をはじめとする様々な事業を展開。2014年には東証マザーズに上場。

現在、全国に約70,000名の医師、20,000施設の医療機関とネットワークを形成し、全国の医療機関への非常勤医師の累計紹介件数は150万件 超えで、業界トップクラス。

他に、オンライン健康相談・オンライン診療・往診を一気通貫で行うアプリ「Door. into 健康医療相談」を提供し、新しい医療サービスを創造し、コロナ禍での社会課題解決にも取り組んでいる。

分析概要

全国のモニター会員の協力により、インターネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析ツール『Dockpit』を使用し、2020年1月~2021年12月における検索ユーザーの行動を分析しました。

「Dockpit」は、検索キーワード分析だけでなく、競合サイト分析や消費者のトレンド調査にも役立ちます。
もし宜しければ、無料版もありますので、下記よりご登録ください

dockpit 無料版の登録はこちら

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IT先端技術を活用してネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズならびに、医療情報のプラットフォームを提供するMRT株式会社は、オンライン上のネット行動ログとユーザー属性情報を用いて定量的に消費者インサイトを明らかにする調査を共同で行いました。 withコロナの中で注目されるオンライン診療についてインターネット上のユーザー行動データから紐解くために、今回は検索キーワードに基づき、オンライン診療の消費者の関心について、定量的な分析と医療視点での専門知見を掛け合わせて分析しました。

この記事のライター

2018年MRT株式会社に新卒入社。オンライン診療サービス新規事業部に所属し、医師患者医療業界の方の声からオンライン診療情報サイトの重要性を感じ「MedionLife」を立ち上げる。リアルな声を大事にした"web上にいきるbookづくり"を目指し日々奮闘中。料理したり植物を育てたりすることがすきです。マナミナ編集部元ライター。

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