都道府県・政令指定都市別の公式観光サイト推計閲覧者数ランキング【2024年】

都道府県・政令指定都市別の公式観光サイト推計閲覧者数ランキング【2024年】

公益社団法人日本観光振興協会(本部:東京都港区、会長:菰田 正信)と、ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸)は協同で、2024年の観光関連Webサイトの年間推計閲覧者数を調査しました。


調査・分析概要

全国のヴァリューズモニター(20歳以上男女)の協力により、各都道府県公式観光情報サイト、および政令指定都市公式観光サイトについて、2024年と2023年の年間推計閲覧者数を集計し比較を行った。さらに、2024年1月~12月の1年間において、推計閲覧者が多かった都道府県公式観光情報サイトのランディングページ、および政令指定都市公式観光サイトへの流入ワードを集計した。
※サイト推計閲覧者数や推計検索者数はPCおよびスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズが保有するモニタ内での出現率を基に、国内ネット人口に則して20歳以上の動向を推測した。
※各サイトについては、2024年12月時点のサイト名称を掲載した。
※大阪市、広島市の公式観光サイトについては、それぞれ大阪府、広島県のサイトと統合されているため、同一のURLで集計した。

都道府県別の公式観光情報サイトでは、三重県、新潟県、岡山県がトップ3

まず、都道府県公式観光情報サイトそれぞれについて、推計閲覧者数を集計しました[図1]。
上位15サイトはいずれも前年比100%超となっており、中には200%を超えるサイトも見られ、多くのサイトが順調に集客を伸ばしていることがわかります。1位の三重県は閲覧者数が488万人と、2位以降と大きく差をつけており、この傾向は2023年と同様です。三重県に続き、2位に新潟県(284万人)、3位に岡山県(275万人)、4位に愛知県(251万人)、5位に富山県(228万人)がランクインしています。前年比が特に高いサイトとしては、6位千葉県(211.8%)、8位石川県(194.4%)、12位福岡県(211.0%)が挙げられます。

[図1]都道府県公式観光情報サイトの推計閲覧者数

1位三重県は、閲覧者の50-60代割合が顕著

例年多くの閲覧者数を誇る三重県ですが、どのような人がサイトを閲覧しているのでしょうか。
2024年の1年間で、上位3サイト(三重県、新潟県、岡山県)のサイト閲覧者の年代割合を比較しました[図2]。
見ると、新潟県は30~40代の割合が高いのに対し、三重県は50~60代の割合がネット利用者全体と比べても高くなっています。人口のボリュームゾーンであるこの年代を押さえていることが、三重県公式観光サイトの安定した集客に影響しているのかもしれません。

[図2]都道府県公式観光情報サイトの推計閲覧者年代割合(2024年)

「いしかわ応援旅行割」など、キャンペーンを積極実施の都道府県が前年比大幅増

閲覧者数の前年比が高かった千葉県、石川県、福岡県ですが、どのようなコンテンツがよく閲覧されていたのでしょうか。各公式観光サイトのランディングページのうち、2024年の1年間でセッション数(閲覧回数)が多かった順にランキング化しました[図3]。
千葉県では県内の一部の鉄道や路線バス、フェリーが乗り放題になる「サンキュー❤ちばフリーパス」、石川県では能登半島地震の被災地復興支援として、旅行代金が割引補助される「いしかわ応援旅行割」、福岡県では閑散期の旅行需要喚起と宿泊地域の分散化を目的とし、旅行・宿泊サービスが割引される「ふくおか平日おトク旅」のランディングページが上位入りしています。地域の特性を活かしたキャンペーンが、閲覧者数増に貢献したと考えられます。

[図3]都道府県公式観光情報サイトのランディングページランキング(2024年)

政令指定都市サイトでは、横浜市が1位、2位 名古屋市、3位 京都市

続いて全国の政令指定都市の公式観光サイトについても、推計閲覧者数を集計し2023年と比較しました [図4]。大半のサイトで前年比100%を超えており、1位横浜市(252万人)、2位名古屋市(247万人)、3位京都市(245万人)、4位神戸市(185万人)、5位札幌市(174万人)となっています。

 [図4]政令指定都市公式観光サイトの推計閲覧者数

政令指定都市サイト上位は「イベント」情報が検索流入されやすい

閲覧者数上位の横浜市、名古屋市、京都市について、サイト流入時の検索キーワードを集計すると、いずれも「イベント」との掛け合わせ検索が上位に見られました。遠方からの旅行客というよりも、近隣エリアの住民のお出かけ情報源として、各政令指定都市サイトが利用されている様子がうかがえます。個別に見ると、横浜市は「山下公園」「港の見える丘公園」「横浜中華街」などの場所、名古屋市は「グルメ」「名物」「名古屋めし」などの食事系および「ジブリパーク」、京都市は「葵祭」「祇園祭」などの伝統行事がよく検索されていることがわかりました。

[図5]政令指定都市公式観光サイトの流入キーワード(2024年)

※(参考)2022年観光関連サイト閲覧者数ランキング

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


【調査リリース】2024年夏の旅行トレンド全国調査~海外旅行は早めの予約が人気、20代女性の旅行意欲の高まりが目立つ

【調査リリース】2024年夏の旅行トレンド全国調査~海外旅行は早めの予約が人気、20代女性の旅行意欲の高まりが目立つ

インターネット行動ログ分析によるマーケティング調査・コンサルティングサービスを提供する株式会社ヴァリューズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:辻本 秀幸、以下「ヴァリューズ」)は、国内の20歳以上の男女45,818人を対象に、今夏の旅行予定に関する消費者アンケート調査を実施しました。またヴァリューズが保有する約250万人の独自消費者パネルを活用したインターネット行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使用して、消費者の観光ニーズを分析しました。


レトロ可愛い「フレンドシップ・ブレスレット」、娯楽に出費を惜しまない「ファンフレーション」| 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年7月)

レトロ可愛い「フレンドシップ・ブレスレット」、娯楽に出費を惜しまない「ファンフレーション」| 海外トレンドに見るビジネスの種(2024年7月)

海外からやってくるトレンドが多い中、現地メディアの記事に日々目を通すのはなかなか難しいもの。そこでマナミナでは、海外メディアの情報をもとに世界のトレンドをピックアップしてご紹介します。今回は、コンサート会場で手作りブレスレットを交換する「フレンドシップ・ブレスレット」と、インフレでもレジャー需要が止まらない現象「ファンフレーション」について紹介します。


若者は海外旅行に積極的?最新の旅行需要を調査。航空会社大手、LCCの集客動向は

若者は海外旅行に積極的?最新の旅行需要を調査。航空会社大手、LCCの集客動向は

全国旅行支援や新型コロナウイルスの5類移行の影響もあり、徐々に人の移動が活発になってきました。今回は、昨今高まっている旅行需要に注目し、検索データを通じて旅行や観光への人々の関心を調査します。また、各航空会社の集客層の違いについても比較していきます。


リピートされる観光地を目指したDMP構築とデータ活用組織作り【広島県観光連盟インタビュー】

リピートされる観光地を目指したDMP構築とデータ活用組織作り【広島県観光連盟インタビュー】

コロナ禍を経て活況が戻った観光業において、データドリブンの施策を展開する広島県観光連盟(HIT)。本稿では「圧倒的な顧客志向」を掲げるHITでの、VALUESのデータ分析伴走支援サービスを通じたチャレンジに迫ります。


ニューツーリズム ~ 光と影

ニューツーリズム ~ 光と影

コロナ禍を経て落ち着きを取り戻しつつある今、世界中の人々が世界各国へ向けて足を運び出しました。その受け入れ先として日本も数多くの人々に選ばれています。特に昨今の円安が後押ししているのは皆さんもご存知の通りでしょう。しかし、復活しつつあるインバウンド景気に両手をあげて喜んでいるだけでは済まない事情も存在しています。その一つにオーバーツーリズムという問題が挙げられます。本稿では、「ニューツーリズム」というキーワードを元に、今、旅行業界を取り巻く光と影の部分について、株式会社創造開発研究所所長を務める渡部数俊氏が解説します。


最新の投稿


PRIZMA、SNS広告のROIを最大化させるのための重視指標や運用最適化に係る調査結果を公開

PRIZMA、SNS広告のROIを最大化させるのための重視指標や運用最適化に係る調査結果を公開

株式会社PRIZMAは、SNS広告を自社運用しているマーケティング担当者を対象に「SNS広告のROIに関する調査」を実施し、結果を公開しました。


【March 2025 core update】Googleコアアルゴリズムアップデートをリリース(2025年3月)

【March 2025 core update】Googleコアアルゴリズムアップデートをリリース(2025年3月)

Googleが2025年3月のコアアルゴリズムアップデート(March 2025 core update)をリリースしました。


Hakuhodo DY ONEが提供する広告配信サービス「WISE Ads」と美容プラットフォーム「@cosme」のユーザーデータが連携を開始

Hakuhodo DY ONEが提供する広告配信サービス「WISE Ads」と美容プラットフォーム「@cosme」のユーザーデータが連携を開始

株式会社Hakuhodo DY ONEは、広告配信サービス「WISE Ads」において、株式会社アイスタイルが運営する美容プラットフォーム「@cosme(アットコスメ)」とのユーザーデータ連携を開始したことを発表しました。これにより、「@cosme」および「@cosme SHOPPING」のサイト訪問データを活用した、より高度なターゲティングと広告配信を提供するといいます。


ストーリーボード(体験設計のアウトプット)|現場のユーザーリサーチ全集

ストーリーボード(体験設計のアウトプット)|現場のユーザーリサーチ全集

リサーチャーの菅原大介さんが、ユーザーリサーチの運営で成果を上げるアウトプットについて解説する「現場のユーザーリサーチ全集」。今回はストーリーボード(体験設計のアウトプット)について寄稿いただきました。※本記事は菅原さんの書籍『ユーザーリサーチのすべて』(マイナビ出版)と連動した内容を掲載しています。


BizTech、最新の生成AI技術トレンドがわかる「最新生成AIツール・モデル調査レポート」を無料公開

BizTech、最新の生成AI技術トレンドがわかる「最新生成AIツール・モデル調査レポート」を無料公開

BizTech株式会社は、2025年2月25日〜2025年3月11日の最新生成AI技術トレンドをまとめたレポートを無料公開したことを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ