TikTokで「NASAで撮られた写真」が大流行!?SNSのミームが急上昇サイトランキングを動かす(2022年2月急上昇サイト)

TikTokで「NASAで撮られた写真」が大流行!?SNSのミームが急上昇サイトランキングを動かす(2022年2月急上昇サイト)

2022年2月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


2022年2月の急上昇サイトは?

こんにちは、マナミナ編集部です。まず早速、2022年2月の急上昇サイトランキングを見てみましょう。

2022年2月の前月比急上昇サイトランキング(対象はPC&スマートフォン、「Dockpit」トレンド分析より)

こちらはWebサイト訪問ユーザー数の前月比Top30をランキング表示したもの。なお分析には、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)を使用しました。この中から注目のサイトを紹介することで、市場のトレンドを紐解いていきます。

▼先月の急上昇サイトはこちらよりご覧ください。

河合塾のAI学習サービスが集客増!コロナでオンライン学習の市場拡大か|急上昇サイト調査(2022年1月)

https://manamina.valuesccg.com/articles/1689

2022年1月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。

2月は北京五輪の影響が根強く反映!

それでは、1位〜30位にランクインしたなかで、トレンドとして注目のサイトをいくつかご紹介します。

2位:gorin.jp

2位にランクインしたのは、民放テレビ局のオリンピック公式動画サイト「gorin.jp」でした。日本国内の民放テレビ局132社にて展開され、株式会社TVerが運営しています。

北京2022オリンピック競技大会は2022年2月4日〜20日で開催されました。日本は冬のオリンピックで最多となる18個のメダルを獲得。フィギュアスケートやスノーボード男子、カーリング女子など、開催前からメダルが期待されていた競技が多かったです。

ユーザー推移を確認すると、2021年7月23日〜8月8日で開催された東京2020オリンピック競技大会のときと同様に、ユーザー数が急増したことが分かります。

2021年3月~2022年2月の「gorin.jp」のユーザー数推移

gorin.jpでは、民放各局が放送する全競技のライブ配信だけでなく、ハイライト動画の毎日配信や見逃し配信を実施しており、大きな需要があったと見られます。

6位:TAMATEBA

6位は、クラウドファンディング型ECサイト「TAMATEBA」でした。TAMATEBAは、パナソニックの公式ショッピングサイト「Panasonic Store Plus」の運営会社であるパナソニック コンシューマーマーケティング(株)が監修する、「モノ」や「コト」のプロジェクトを集めたクラウドファンディング型ECサイト。参画企業は、EC販売のノウハウを持った運営サイドによる商品開発支援を受けられ、迅速なテストマーケティングの実施が可能です。

では急上昇の原因をコンテンツランキングから探っていきましょう。

「TAMATEBA」のコンテンツランキング(「Dockpit」競合分析より)

コンテンツランキングは上位全てが「【ガンバ大阪×パナソニック】コラボ第2弾電動アシスト自転車の商品化プロジェクト!」のページでした。

日本のプロサッカークラブであるガンバ大阪は、昨年10月に迎えたクラブ創立30周年を記念して、電動アシスト自転車のガンバ大阪コラボレーションモデルの商品化プロジェクトを開始。支援者限定の特典として、パナソニックスタジアム吹田 専用駐輪権(期間限定)と希望選手直筆サイン入り オリジナル2wayバッグ、選手サイン色紙がプレゼントされます。多くのサポーターがこのプロジェクトを支援したため、サイト急上昇につながったのではないでしょうか。

9位:ロコ・ソラーレ

9位には、北海道北見市常呂町を拠点として活動する女子カーリングチーム「ロコ・ソラーレ」の公式サイトがランクインしました。

北京オリンピックに出場した日本代表のロコ・ソラーレは、他国の結果もあり5勝4敗の4位で準決勝進出を決めました。その後、準決勝では前日の1次リーグで敗戦した世界王者のスイスと再戦し、逆転勝利。決勝進出を決め、日本のカーリング史上初となる銀メダル獲得する快挙を達成しました。予選から決勝戦まで注目を集めていたため、公式サイトに訪問する人が多かったと考えられます。

▼本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。

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SNSで話題のサイトが上位に続々ランクイン!

2022年2月の急上昇サイトでは、SNSで注目を集めたトピックにまつわるWebサイトが上位に複数ランクインしました。以下で見ていきましょう。

3位:バースデーカラー

3位には、366日すべての誕生色を調べることができるサイト「バースデーカラー」がランクイン。2022年2月に入ってから突如、Instagramのストーリー投稿やTwitterのタイムラインでバースデーカラー診断が流行り出しました。そのことと関連があるのか、集客構造の推移を確認しましょう。

2022年1月〜2022年2月の「バースデーカラー」の集客構造推移(「Dockpit」競合分析より)

自然検索とソーシャルからの流入が先月に比べて急増したことが分かります。さらにソーシャルの流入元詳細を確認すると、TwitterとInstagramからの流入が目立ちます。

2022年2月の「バースデーカラー」のソーシャル構成(「Dockpit」競合分析より)

検索して誕生日を選択し、スクショするだけの手軽さや、珍しい色の新鮮さがバースデーカラー診断の流行につながったのではないでしょうか。一般的にSNSで突発的に流行したサービスは短命のものが多いですが、このバースデーカラーはサイト急上昇ランキングに入るほど爆発力が大きかったことが伺えます。

5位:アルゴダンザ

5位にランクインしたのは「アルゴダンザ」でした。アルゴダンザは、ご遺骨やご遺灰、ご遺髪からメモリアル・ダイヤモンドを製作するスイスの会社です。

急上昇のきっかけは、2月16日に投稿されたツイートだと考えられます。一粒のダイヤモンドの写真は、3.2万リツイートと18.1万いいねを獲得するほど大きな反響を呼びました。投稿された写真のダイヤは、スイスのアルゴダンザに依頼し、投稿主の亡き父の遺骨で作成されたものです。

実際に集客構造を確認すると、自然検索や外部サイト、ソーシャルからの流入が大半を占めていることが分かります。Tweetを見てアルゴダンザについて自然検索した人や、外部のネットニュースサイトやTwitterから直接流入する訪問者が急増した模様です。

2022年2月の「アルゴダンザ」の集客構造(「Dockpit」競合分析より)

遺灰からダイヤモンドを作るという斬新さが人々の関心を集めたのではないでしょうか。

11位:Astronomy Picture of the Day

11位はNASAとミシガン工科大学が運営する「Astronomy Picture of the Day」でした。サイト内で指定の日付で検索すると、当時の宇宙や空の写真が見られます。3位の「バースデーカラー」と同様に、2月の初旬からTikTokを中心としたSNS上で「自分が生まれた日にNASAで撮られた写真」の投稿が大流行。

TikTok上ではハッシュタグ#nasabirthdayで25.7M回、#nasabirthdaypicturesで5.9M回以上共有されています。ハッシュタグ#nasaで同様の投稿をした動画の中には1M回以上再生されたものも。SNS上で大きなセンセーションを巻き起こしたことで、サイトも急上昇したと考えられます。

サイト急上昇の要因を考察

最後に2022年2月に急上昇したサイトと、その増加要因をまとめます。

2月は北京五輪の影響でランクインしたサイトと、SNSで話題となったサイトが目立ちました。2位の「gorin.jp」は、2021年7月に開催された東京五輪と同様、2022年2月に開催された北京五輪でも上位にランクイン。テレビ離れが進む中、デバイスで観戦できる手軽さから着実にユーザーを定着させています。また、9位にランクインした「ロコ・ソラーレ」も、2月の北京五輪で日本のカーリング史上初となる銀メダル獲得。その注目度の高さから公式サイトへの訪問者が急増したと考えられます。

一方で、3位の「バースデーカラー」、5位の「アルゴダンザ」、11位の「Astronomy Picture of the Day」はいずれもSNSで話題となり急上昇したサイトです。特に「バースデーカラー」と「Astronomy Picture of the Day」を使った投稿がInstagramやTikTokで大流行しました。

SNSで流行したWebサイトはいずれも、シンプルなサイト構造が特徴的でした。SNS上で大規模かつ短期的な流行りを起こすには、企画の分かりやすさやシンプルなサイトUIなど、誰でも手軽に参加しやすい設計が重要なのではないでしょうか。

今回のトレンド分析結果をぜひ実務に活かしてみてください。

▼本記事のデータはWeb行動ログ調査ツールのDockpitを使用しています。詳細な機能を知りたい方はぜひ無料版を使ってみてください。

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