世界的なシェア率を誇る「OPPO」など、海外メーカーのスマホの検索キーワードを分析

世界的なシェア率を誇る「OPPO」など、海外メーカーのスマホの検索キーワードを分析

2021年10月1日からキャリアに義務付けられた「SIMロックの原則禁止」。これにより、現在販売されているすべてのスマートフォンは“SIMフリー”という扱いとなりました。今回は種類が豊富でコストパフォーマンスに優れた海外スマートフォンの中でも、2018年1月に日本のマーケットに参入しモバイル業界に衝撃を与えた「OPPO」と、常連の上位メーカー「Huawei」と「ASUS」について調査・分析します。


まずは「OPPO」「Huawei」「ASUS」を知ろう!

各メーカーの認知度を測るために、直近1年間の検索ユーザー数をWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」で見てみましょう。

「OPPO(オッポ)」が頭一つ抜けていて、次いで「ASUS(エイスース)」、「Huawei(ファーウェイ)」となっていました。「OPPO」の人気が高いことがわかります。

「OPPO」「Huawei」「ASUS」キーワード基本指標 

「OPPO」「Huawei」「ASUS」キーワード基本指標 
※キーワード定義設定:「OPPO」は”オッポ”、「Huawei」は”ファーウェイ”、「ASUS」は”エイスース”を含む

期間:2021年8月~2022年7月
デバイス:PCおよびスマートフォン

「OPPO」とは?

「OPPO」は、2018年1月、日本のマーケットへの参入を表明した中国のスマートフォンメーカーです。日本ではまだ馴染みの薄いメーカーですが、世界50以上の国と地域をカバーしており、世界シェア第4位と世界的にも高い地位を確立しています。

また、若者を中心の市場ニーズを捉え、カメラ機能や急速充電などの機能をいち早く強化していることで評価を得ています。特にカメラについては、世界で初めてスマートフォンにビューティーモードを搭載したり、世界初の10億色での撮影に対応したりするなど最先端のカメラ技術の研究開発にも注力しているようです。

OPPO 公式サイト

OPPO プレスリリース

「Huawei」とは?

「Huawei」は、SIMフリースマホの先駆け的存在で、日本国内のSIMスマートフォンやタブレット市場を牽引する中国のメーカーです。2019年時点で世界メーカートップ3の仲間入りを果たし、世界の端末出荷台数第3位となりました。

スマートフォン関連以外でも、通信・ネットワーク事業、法人向けICTソリューション事業、コンシューマー向け端末事業の他に、日本では特にSIMフリー端末事業に注力しているようです。

また、ビジネス向け5Gの世界的普及を進めるなど、世界トップクラスの技術力を活かし高機能な商品も開発しており、低価格帯から高機能モデルまで商品ラインナップが充実しているのも魅力の1つとなっています。

HUAWEI 公式サイト

「ASUS」とは?

「ASUS」は、1989年に設立された、台湾に本社を置くPC、および周辺機器のメーカーです。2008年前後に自社ブランド『Eee PC』は、ネットブックと呼ばれる低価格ノートPCのカテゴリーを生み出すきっかけの1つとなり、さらにASUSの認知度をあげたようです。

主要製品ラインナップは、ノートパソコン、デスクトップパソコン、ゲーミングPC、クリエイターPC、液晶モニタ、ゲーミングデバイス、PCパーツ、スマートフォン、タブレット端末となっています。

ちなみに、当初は公式な読み方が発表されておらず、『アスース』や『エーサス』などいくつかの読み方がありましたが、2012年9月に『エイスース』の読み方で統一すると公式に発表されています。

ASUS 公式サイト

「OPPO」の検索ユーザーは約2倍という結果に

まずは、直近1年間の検索ユーザー数推移を見てみましょう。

「OPPO」は70万人前後の検索ユーザー数で推移しており、「Huawei」と「ASUS」には約2倍の差をつけていることがわかりました。「OPPO」は2021年12月には検索ユーザー数が80万人に迫る勢いとなっていましたが、その月をピークに徐々に減少しています。

また、「Huawei」と「ASUS」も2022年に入ってからは減少傾向にあるようです。

「OPPO」「Huawei」「ASUS」検索ユーザー数推移

「OPPO」「Huawei」「ASUS」検索ユーザー数推移

期間:2021年8月~2022年7月
デバイス:PCおよびスマートフォン

女性は「OPPO」、若年層は「ASUS」

続いて、属性を見てみましょう。

性別で見てみると、全体的に半分以上が男性となっており、男性の割合が高い傾向にありました。

ただ、メーカーによって女性割合に差があり、女性割合は「OPPO」>「Huawei」>「ASUS」の順となっており、「OPPO」は「ASUS」と比較すると13.6ポイントも女性割合が高いことがわかりました。

「OPPO」「Huawei」「ASUS」検索ユーザー属性:性別

「OPPO」「Huawei」「ASUS」検索ユーザー属性:性別

期間:2021年8月~2022年7月
デバイス:PCおよびスマートフォン

年代別で見てみると、全体的に40代の割合が高いことがわかりました。

ただ、20代に関しては「ASUS」が「ネット利用者全体」よりも2ポイント高いことも特徴的でした。
これは記事の後半で触れていますが、「ASUS」の商品ラインアップの中にゲームディスプレイが含まれていることが影響していると考えられます。

また、「ASUS」とは対照的に「OPPO」は高年層がやや高めの年代構成となっていました。

「OPPO」「Huawei」「ASUS」検索ユーザー属性:年代別

「OPPO」「Huawei」「ASUS」検索ユーザー属性:年代別

期間:2021年8月~2022年7月
デバイス:PCおよびスマートフォン

ワードネットワークで検索ニーズを探る

最後に、各メーカーの検索ニーズをワードネットワークで詳しく見ていきましょう。

「OPPO」はスマートフォンの機種名・通信速度に集約

まずは、「OPPO」から見てみましょう。

ユーザーの関心軸はAシリーズの『A』や『A73』、Renoシリーズの『RENO』や『RENO5』、そして『5G』となっており、スマートフォンの機種名や通信速度に集約されていました。

機種名に関しては、『スペック』や『比較』、『違い』の他に『ケース』を検索していることがわかりました。
また、5Gに関しては、各機種が5G対応機種かも気になっていることがうかがえました。

「OPPO」ワードネットワーク

「OPPO」ワードネットワーク

期間:2021年8月~2022年7月
デバイス:PCおよびスマートフォン

「Huawei」はスマートフォンの機種名・スマートウォッチに集約

続いて、「Huawei」を見てみましょう。

ユーザーの関心軸はnovaシリーズの『NOVA』や名称の一部の『PRO』、『LITE』、そしてHUAWEI WATCHの『WATCH』やBandシリーズの『BAND』となっており、スマートフォンの機種名とスマートウォッチに集約されていました。

機種名に関しては、各機種名称が気になっているようです。スマートウォッチは種類の他に、『レビュー』や『違い』といったワードも目立っていました。

「Huawei」ワードネットワーク

「Huawei」ワードネットワーク

期間:2021年8月~2022年7月
デバイス:PCおよびスマートフォン

「ASUS」はゲーミングモニターとパソコンに集約

最後に、「ASUS」を見てみましょう。

ユーザーの関心軸はゲームディスプレイ(ゲーミングモニター)名称の『GAMING』や『TUF』、『ROG』、そして『ノートパソコン』、プログラムの『BIOS』となっており、モニターとパソコンに集約されていました。

モニターでは名称が目立っており、パソコンに関しては機種名や『評判』の他に、『設定方法』や『アップデート方法』が気になっているようです。

※BIOSの正式名称は、Basic Input Output System。それぞれの頭文字をとってBIOSと呼んでいる。パソコンの土台部分であるマザーボードに搭載されており、デスクトップとノート、どちらのタイプでも必須のプログラム。

「ASUS」ワードネットワーク

「ASUS」ワードネットワーク

期間:2021年8月~2022年7月
デバイス:PCおよびスマートフォン

まとめ

今回は『Dockpit』のキーワード分析を用いて、海外メーカーの「OPPO」と「Huawei」、「ASUS」について調査・分析しました。

ユーザーのニーズも特徴的で、「OPPO」はスマートフォン、「Huawei」はスマートフォンの他にスマートウォッチ、「ASUS」はゲーミングモニターとパソコンに興味関心があることが分かりました。

検索ユーザー数を見ると「OPPO」という、新たなメーカーが存在感を示した結果となりました。

『Dockpit』のような分析ツールを利用することで、ユーザーのニーズやユーザー像にも迫ることが可能です。目的やターゲットを正しく理解し、利用者の心をしっかりキャッチして、よりよいコンテンツ制作や最適な情報提供にお役立てください。

分析概要

・全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログと属性情報にもとづき「Dockpit」で分析
・行動ログ分析対象期間:2021年8月〜2022年7月
※ボリュームはヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測
※対象デバイス:PCおよびスマートフォン

この記事のライター

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