年末年始やGWなど休暇の多い月に自動車メディア閲覧者数が増加
まず、ヴァリューズが提供するWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」で直近1年間の「自動車メディア」カテゴリのユーザー数推移を見てみましょう。
※対象サイトは独自に定義し、後半で紹介しています
1月や5月、7月~9月は検索数が増加していることがわかりました。新型車発売やフルモデルチェンジの影響というよりは、年末年始やGW、お盆休みなど休暇が多い月に伸びていることから、外出の機会が増えるタイミングで車の購入や買い替えを検討していたり、情報収集をしていることが考えられます。
「自動車メディア」カテゴリのユーザー数推移
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
関心層は、世帯年収が高めの40~50代の男性
次は、「自動車メディア」カテゴリのユーザーの属性について見てみましょう。
性別では、男性比率が高く7割以上となっていました。
「自動車メディア」カテゴリのユーザー属性:性別
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
年代別では、40代が最も多く、ネット利用者全体と比較すると50代が高めとなっていました。
「自動車メディア」カテゴリのユーザー属性:年代別
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
世帯年収別では、ネット全体と比較すると年収がやや高めであることがわかりました。
「自動車メディア」カテゴリのユーザー属性:世帯年収別
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
「カービュー」と「くるまのニュース」の2強
では、Webサイトのセッション数で「自動車メディア」カテゴリでの業界シェアも見てみましょう。
「カービュー」が24.8%とトップで、次いで「くるまのニュース」が20.0%、「ベストカー」が9.6%という結果でした。「カービュー」と「くるまのニュース」で約半分を占めており、「カービュー」と「くるまのニュース」の2強となっていることがわかりました。
「自動車メディア」カテゴリの業界シェア ※セッション数
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
高年層は「くるまのニュース」、若年層は「MOBY」
各サイトをユーザー属性別(縦軸:年齢、横軸:子供有無)にマッピングしたところ、下記の傾向にあるようです。
高年層子供なし | 「CarWatch」が人気 |
若年層子供なし | 「レスポンス」や「MOBY」が人気。より若年層には「Motorz」が人気 |
高年層子供あり | 「くるまのニュース」、「カービュー」が人気 |
若年層子供あり | 「ベストカー」が人気 |
「自動車メディア」カテゴリのポジショニングマップ
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
年齢別(縦軸)と世帯年収(横軸)でも見てみたところ、高年収世帯に好まれているサイトは「最新自動車情報」、「webCG」、「AUTOCAR」となっており、逆に世帯年収低めのユーザーは「MOBY」や「Motorz」を利用しているようです。
「自動車メディア」カテゴリのポジショニングマップ
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
「webCG」はサイト名検索が多く、認知度が高い
どんなワードで各サイトに流入しているかも見てみましょう。
上位には「webCG」や「レスポンス」、「ベストカー」などのサイト名がランクイン。「webCG」は業界シェアの中で9番目に位置しているにも関わらず、サイト名検索が最も多いことから認知度が高いことがうかがえました。
また、「新型車」も気になっており、さらに「CX-60」や「クラウン」、「カローラ」などの車種も人気のようです。
「自動車メディア」カテゴリの流入キーワード
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
「自動車メディア」業界のトップ3を分析
最後に、業界シェアの上位3サイトの「カービュー」「くるまのニュース」「ベストカー」について少し掘り下げてみましょう。
くるまのニュース
■ページビュー数では「カービュー」が他を圧倒
ユーザー数は「くるまのニュース」がトップとなっており、「カービュー」の1.5倍となっていました。
また、「カービュー」はページビュー数が圧倒的に多く、1人当たりページビュー数も52ページと他を圧倒していることがわかりました。ページビュー数が多いことも関係して平均滞在時間も3分以上となっており他サイトより1分以上長く、直帰率も約3割と低いことから、回遊しやすく魅力的なコンテンツが多いことが考えられます。
「カービュー」「くるまのニュース」「ベストカー」の年間基本指標
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
では、「カービュー」の中でどんなコンテンツが人気なのか見てみましょう。
『中古車情報関連』のコンテンツが人気となっており多くランクインしていました。『新車情報カタログ』や『自動車最新ニュース』にも関心が高いことがわかりましたが、中古車関連のページが多くランクインしていることから、ユーザーはより中古車に興味があることがうかがえました。
「カービュー」のコンテンツランキング
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
■検索モチベーションから動機を探る
Google社が提唱する「バタフライ・サーキットと8つの動機」のフレームワークに沿って、検索ワードを自動分類する検索モチベーションを用いて見てみましょう。
ユーザーは各サイトにどんな動機をもって訪問するのでしょうか。
「くるまのニュース」と「ベストカー」は“さぐる”ためのサイトとして、「カービュー」は“かためる”ためのサイトとして役立っていることが分かりました。
「カービュー」「くるまのニュース」「ベストカー」の検索モチベーション
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
もう少し詳しく見ていくと、3サイトとも“学ばせて(今まで知らなったことに対して、網羅的に知識を蓄積したい検索動機)”と思われているサイトであるようです。
その中でも「ベストカー」は他サイトよりも“気晴らしさせて(関心があるものに対して、情報収集自体を楽しみたい検索動機)”が高くなっており、「カービュー」は“解決させて(具体的な方法や手段がわからないときに、今すぐ役立つ答えを手に入れたい検索動機)”が高いことが特徴的でした。
ユーザーがサイトの使い分けをしていることが考えられます。
「カービュー」「くるまのニュース」「ベストカー」の検索モチベーション
期間:2021年12月〜2022年11月
デバイス:PCおよびスマートフォン
■※対象サイトについて
「自動車メディア」カテゴリは、Google検索で『自動車情報サイト』又は『自動車メディア』と入力して検索上位にヒットした下記のサイトをピックアップしています。
(但し、中古車・売買系の「カーセンサー」や「goo」などは除外)
クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・カーグラフィック
https://www.webcg.net/1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。
自動車専門誌「Motor Magazine」を発行するモーターマガジン社が運営する、カーライフがもっと楽しくなる自動車情報メディアです。
Motorz(モーターズ) - クルマ・バイクをもっと楽しくするメディア -
https://motorz.jp/Motorz(モーターズ)は、クルマ・バイク・モータースポーツ・乗り物などの情報が集まるプラットフォームです。
クルマを楽しむクルマで楽しむ生活提案webマガジン『clicccar』
https://clicccar.com/クルマ好きにもクルマをまったく知らない人にも、乗り物が生活を豊かにしてくれることを提案する自動車ニュースメディア。
まとめ
今回は、「自動車メディア」について調査・分析しました。
Webサイトのセッション数では、「カービュー」と「くるのニュース」が2強となっていました。関心層は、世帯年収が高めの40代~50代の男性となっており、年齢や子供の有無、世帯年収によって、好まれるサイトが異なっていました。
また、2強のうち「くるまのニュース」はユーザー数がトップ、「カービュー」はページビュー数が他を圧倒する結果となりました。
今回分析に使用した『Dockpit』のような分析ツールを利用することで、市場の現状把握やユーザーのニーズにも迫ることが可能です。目的やターゲットを正しく理解し、利用者の心をしっかりキャッチして、よりよいコンテンツ制作や最適な情報提供にお役立てください。
▼『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。
編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。