どう変わるTwitter?マスク氏買収後の動きを振り返る

どう変わるTwitter?マスク氏買収後の動きを振り返る

2022年末にTeslaのCEOで大富豪のイーロン・マスク氏がTwitter社を買収。大規模なリストラやトランプ前大統領のアカウント凍結を解除するなどの動きで注目を集めました。課金サービスTwitter Blueなど、マスク氏買収後の動きをまとめます。


マスク氏買収後のTwitterに注目が集まる理由

イーロン・マスク氏によるTwitter社買収は、2022年10月末のこと。取締役全員を含む半数以上の社員を解雇するなど、ドラスティックな動きを見せています。

マスク氏はPayPal社の創設に関わった後、電気自動車のTesla社や、民間航空宇宙メーカー​​SpaceX社を創業した起業家。Tesla社は時価総額でトヨタを超えるなど評価が高く、その株式を持つマスク氏も世界一の大富豪になりました。

SpaceXは民間ロケットの打ち上げを手がけていて、巨大なロケットが発射台に自動的に戻ってくる革新性は、動画を見れば一目瞭然です。該当シーンは1:13秒頃。
※Tweet中の「Falcon Heavy」は宇宙船の打ち上げに用いられる大型ブースター

また、SpaceXが手がける低軌道衛星インターネットサービス「Starlink」は、ロシアのウクライナ侵攻において、インフラが破壊された現地でウクライナ側が反撃するのに役立っていると言われています。

単に経営者が変わっただけでなく、革新的な事業を生み出すカリスマ起業家にして大富豪がTwitterを買収したということで、注目が集まっているのです。

プラットフォームとしての信頼性に関わる変化

Twitterは主要なSNSの一角として、ときには世論を動かす大きな影響力を持っています。その代表例がアメリカ大統領選で、たびたびフェイクニュースやヘイトスピーチが問題となりました。

また、トランプ前大統領のアカウントが永久凍結された際には、プラットフォーム的側面を持つ巨大IT企業がどこまでやってよいかの議論があったことは、記憶に新しいところでしょう。

これに対しマスク氏は、買収後となる2022年11月20日、トランプ前大統領のアカウントを復活させ、また凍結されていた多くのアカウントを復活させる処置を行いました。

信頼・安全性チームのリストラや、凍結解除手続きの不透明さを懸念して、Apple社など大企業や広告代理店が一時的に広告出稿を取りやめるなど、プラットフォームの信頼性には、疑念が生じています。

バッジや課金サービスの開始など、機能変更に関わる変更

マスク氏の買収後にリリースあるいは廃止された主な機能についてまとめました。

有料サービス「Twitter Blue」を開始

2021年からアメリカやカナダ、オーストラリアなどで開始された有料サービス「Twitter Blue」が全世界に拡大されました。日本では2023年1月11日にリリースされ、月額利用料は980円(iOS版は1,380円)。

Blueの認証アイコンが付くとともに、Tweetの編集機能、ブックマークフォルダ、話題の記事、Replyでの優先表示などの限定機能が提供されます。くわしくは、後述します。

おすすめTweetを全ユーザーに拡大

Twitterでよくある不満として、タイムラインが最新順ではなく重要度順だったり、おすすめTweetが混じってくることが挙げられます。元エンジニアのインタビューによると、何度調査してもその方が満足度が上がるそうです。

マスク氏はこれを拡大して、フォローしていないユーザーのツイートも順不同で並ぶ「おすすめ」​​タイムラインを全ユーザーに拡大しました。Twitterの滞在時間や広告効果を高めるためと考えられます。

もちろん、最新順の方が合う人は多んじゃないかという認識はチーム内でもありました。例えば特定のグループに限っては最新順の方がいいんじゃないかとか、いろいろ分析はしたんです。

でも、どうやっても重要度順の方が結果がいい。重要度順に切り替えたらユーザーが離れるんじゃないかという懸念もありましたが、それでユーザーが離れることもなかった。自分もいまだに不思議に思ってはいます。

メルマガ機能「Revue」を廃止

Twitterの特徴は140文字という文字制限があることです。その代わり、長文を投稿したい場合、ほかのメディアに流出してしまうという問題がありました。

2021年1月にTwitter社が買収したメルマガ機能「Revue」は、この問題を解消すると期待されていましたが、2023年1月18日で廃止されました。

サードパーティアプリを遮断

従来からTwitterは、Instagramのプレビューが表示されないようにするなど、競合に対して厳しい姿勢を取ってきました。外部メディアにアクセスが流出することは、広告収益の機会を逃すことになるからです。

Twitterは2023年1月19日、サードパーティのアクセスを遮断し、「TweetBot」「Echofon」などの人気クライアントもサービス終了を余儀なくされました。

Twitterとしては、Webまたは公式アプリから利用してもらいたい意図があると考えられます。

Twitter、「開発者契約」を密かに改定し、公式にサードパーティアプリを禁止

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2301/20/news101.html

Twitterは開発者利用規約を改定し、サードパーティアプリを公式に禁止した。開発者に対する規約改定の告知はなかった。

公式バッジと認証バッジの今後​​

Twitterの公式バッジは、人気または公式アカウントとして認められた証です。有料サービス「Twitter Blue」でバッジが買えることになったため、以下の形で運用上の問題を解決することになりました。

■従来の公式バッジとの差別化
→従来の公式バッジは順次金バッジに移行する。青バッジは、従来の公式バッジまたは「Twitter Blue」課金者であることを示す。なお、政府系には新設の灰色バッジが適用される。

■青バッジの認証基準
→なりすましを防ぐため、全てのプロフィールはTwitterが審査する。プロフィールを変更した場合、再審査が終わるまで青バッジは非表示になる。

「Twitter Blue」導入当初は審査がなく、なりすましが発生したため、すべてのアカウントを審査する運用に変わっています。

Twitterの認証バッジの要件 - 青いチェックマークの取得方法

https://help.twitter.com/ja/managing-your-account/about-twitter-verified-accounts

Twitterのブルーの認証済みバッジは、対象のアカウントが公共の利益にかなった、信頼に値するものであることを示しています。ここでは、どのようなアカウントが認証されるかについて説明します。

Twitter Blueでできること

有料サービス「Twitter Blue」でできることについて。現状では青バッジ以外の目立った機能はなく、急いで導入する必要はなさそうです。

・青バッジの付与
・Tweetの編集
・Tweetの取り消し
・ブックマークフォルダ
・話題の記事
・会話での優先順位付け

Tweet編集機能では、投稿後30分以内に数回編集でき、履歴も記録されます。一方、replyやreplyがついたTweetは編集できません。

話題の記事は、フォロワーがTweetしたURLあるいはフォロワーのフォロワーがTweetしたURLを一覧表示したもので、大事な記事の見落としを防げます。

会話での優先順位付けは、会話のスレッドのなかで、Twitter Blueユーザーの返信を優先的に表示する機能です。

Twitter Blueについて

https://help.twitter.com/ja/using-twitter/twitter-blue

ここにしかないプレミアム機能にアクセスできるサブスクリプションサービスについてはこちらをご覧ください。

引き続き注目!2023年のTwitter

では、良い意味でも悪い意味でも大きな変化は起きていません。課金サービス「Twitter Blue」は、今すぐ使わなければいけないほど魅力的なサービス・機能とは言えないものの、今後の機能追加もアナウンスされているので、ビジネスユーザーとしても動向を把握しておきたいところです。

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