市場規模を調査。意外とオンラインで検索されている!
まずは、直近2年の検索者数から、グミとガムの市場規模の変化を探っていきます。
なお、今回の調査は、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を用いて行っています。
どちらも「オンラインで検討される商材なのか?」というのが気になるところですが、Dockpitで調べるといずれも月6〜10万人くらいの検索者がいることがわかります。
「グミ」「ガム」と検索した人の推移
調査期間:2021年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン
ところどころガムの検索者数が上回ることがあるものの、基本的にはグミの検索者が多くなっています。
すでに市場が安定しているため、グラフが常に右肩上がりにはなっていないものの、グミについては2023年の3月から4月のピーク時は10万人以上の検索者がいます。理由としては、後述するダルビッシュ選手がWBCでチームメイトにあげたグミが影響している可能性があります。
2023年3月にはガムもグミと同じく10万人近くの検索者がいますが、ガムブランド「キシリッシュ」を展開する明治が、2023年3月いっぱいでガム事業から撤退するニュースが流れたことが影響しているのかもしれません。
ちなみに、同社は4月から「キシリッシュグミ」を販売開始していることからもグミ市場の盛り上がり度合いがわかります。
オンライン検討者はどんな人?
では「グミ」「ガム」と検索している人はどのような人なのでしょうか?
ここからは直近1年のデータから見ていきます。
■グミは女性人気が目立つ
「グミ」「ガム」と検索した人の男女比
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン
検索者はグミ、ガムどちらも過半数を女性が占めています。その中でもグミは、検索者の66.7%が女性と高い比率です。グミには甘い味が多い分、スイーツ的な感覚で女性の関心を惹きつけるのかもしれません。
■30代、40代の検索者が多い
グミ」「ガム」と検索した人の年代割合
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン
検索者の年代割合を見てみると、ボリュームゾーンはグミ、ガムどちらも30代、40代です。どちらも仕事中に気軽に食べられることが、関係しているのかもしれません。
■グミとガム、どちらも検索する人は3%と少ない
続いて、「グミ」と「ガム」の両方を検索している人がどれだけいるのかを調査します。
「グミ」「ガム」検索した人の併用割合
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン
図を見ると、重なっている部分は3.2%と検索者の被りは多くありません。オフライン店舗では「どちらも購入する」という人の存在も考えられますが、グミとガムでは、ユーザー層が大きく異なるのかもしれません。
どんなワードと掛け合わせて検索してる?
続いて、「グミ」「ガム」それぞれと掛け合わせて検索されたワードを探っていきます。掛け合わせて検索されているワードとは、メインキーワードと組み合わせて検索されているワードのことで、「グミ(ガム) 〇〇」の〇〇の部分を意味します。
「グミ」「ガム」の掛け合わせワード
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン
グミは1位・2位を「作り方」「レシピ」といったワードが占めており、「自宅で作ってみたい」というニーズがうかがえます。一般では入手しにくい植物性の樹脂を原材料とするガムとは違い、グミはゼラチンで簡単に作れることも、人気の秘訣なのかもしれません。「グミ」は30〜40代の検索者割合が高かったこともふまえると、子供と一緒に作ってみようというご家庭もあるのかもしれませんね。
また、「人気」「おすすめ」「ランキング」とあることから、さまざまなグミから比較検討して購入したいニーズもあるようです。
対してガムは「ダイエット」「効果」といったワードとよく検索されています。噛むことで満腹中枢に働きかけて食欲を抑えたい、小顔になりたい、集中力を高めたい、などのニーズと、ガムがそうしたニーズの受け皿になることを期待する様子がうかがえます。
なお、ガムは食べ物のガム以外にも「サンスター」の歯周病ケアブランドの「G・U・M(ガム)」の関連商品も掛け合わせワードに入っているようです。
■ダルビッシュがグミ人気を後押し?睡眠の質改善に期待︎
続いて、グミの属性別マップを見ていきます。属性別マップは、掛け合わせワードそれぞれの検索者属性について、横軸が性別、縦軸が年齢のバブルチャートになっています。
「グミ」の掛け合わせワードの属性別マップ
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン
気になるのは、マップ左上の「ダルビッシュ」というワード。人物名は本人がCMに出演していたり、アンバサダーになっている際は検索者が多くなる可能性がありますが、今回に関してはそれらには該当しないようです。
「グミ」の掛け合わせワードの属性別マップ
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン
調べてみると、ダルビッシュ選手がWBCでチームメイトにあげた「睡眠グミ」が話題になっているようです。そのグミには、睡眠を促す効果があるとされる「メラトニン」が配合されていて、もらった選手は熟睡できたとのこと。
近辺に「睡眠」「メラトニン」があるため、「ダルビッシュ」と合わせて検索していたのかもしれません。
なお、メラトニンは日本では一般販売が認可されていないため、残念ながら購入できませんが、リラックス効果や、睡眠の質を改善する効果が期待されている、合法の大麻成分である「CBD」がマップに現れています。
健康食品としてのニーズもあったガムのように、グミも嗜好品以外の効果を期待するニーズが増えているのかもしれません。
まとめ
今回は成長を続ける「グミ」について、ガムと比較しながら市場動向を調査しました。
オンライン上でグミとガムを両方検討する人は少ないものの、どちらも女性の検索者割合が高く、嗜好品としてのニーズ以外にも健康食品としてのニーズも増えているようです。
特にダルビッシュ選手がWBCでチームメイトにあげた睡眠グミのように、有名人が取り上げるとさらにヒットする商品が出てくるのかもしれません。
▼今回の調査にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
アメリカ留学中にWebの仕事に出会い、帰国後に起業。自社で物販を行う側、ライターとして活動。アウトドアが趣味