カスタマーサポートでの生成AI利用意向はどれぐらい?PR TIMESがカスタマーサポート・問い合わせ対応に関する調査結果を公開

カスタマーサポートでの生成AI利用意向はどれぐらい?PR TIMESがカスタマーサポート・問い合わせ対応に関する調査結果を公開

株式会社PR TIMESは、同社が提供するカスタマーサポートツール「Tayori」にて、カスタマーサポート・問い合わせ対応に関するアンケートを実施し、結果を公開しました。


問い合わせ時の顧客の傾向分析

75%がFAQへの不満で自己解決できず問い合わせに至る

4人に3人がFAQやヘルプページの内容では不十分と感じ、お問合せをするに至っていることがわかりました。そもそもFAQやヘルプページをサイト上に設置することはもちろんのこと、FAQ内の探しやすさ、回答内容のわかりやすさがあってはじめて、問い合わせ者を自己解決に導くことができるようです。

一方で、約25%に当たる方が、適切なFAQやヘルプページが設置されていても、お問い合わせに至っているということがわかり、お問い合わせ対応の品質向上も必要な要素となってきます。

問い合わせ窓口に期待すること1位は「素早い対応、迅速さ」、不満の残る対応により約65%が利用にネガティブな結果に

問い合わせ窓口に期待されるのは、1位「疑問や質問への素早い対応、迅速さ」で、約40%に上りました。2位「接客態度の良さ、対応の丁寧さ」(23.1%)、3位「個人に合わせた対応、親密さ」(19.0%)と対応の内容に関する項目が続き、問い合わせ対応においては、スピードも大切であるものの、その質も求められることがわかりました。

問い合わせ対応の満足度の傾向は、満足度が高いほど利用頻度が上がり、不満の残る対応の場合利用頻度が下がると、昨年同様に問い合わせ対応が利用頻度にもつながることを示しています。

また、期待通りの対応の場合73.2%が利用頻度が変わらないと回答しており、カスタマーサポートを通じてサービスの利用増に貢献するには、問い合わせ者の期待を超える対応が必要であると言えます。

問い合わせ後の対応について、返信がどれくらいの時間で返ってくることを想定しているのか、サービスごとに期待時間に差が見えてきました。「全体」で見ると、昨年同様に1時間以内の返信に約半数が期待しているのに対し、「デリバリー」では80.7%が1時間以内の返信を求めており、特にスピーディな対応が求められています。

また、即時の対応を求めるものは「インフラ・公共」が「デリバリー」に次いで多く16.1%に上り、状況に応じて緊急性の高いお問い合わせが発生し得ることがわかります。運営するサービスに応じて速度の求められ方が変わってくることが顕著に現れました。

問い合わせ業務への企業の取り組み

カスタマーハラスメントへの取り組みは現場対応が中心に

2022年に厚生労働省から対策企業マニュアルが作成されるなど、企業にとっても課題となっているカスタマーハラスメントに対する企業の対策は、現場におけるトレーニングやエスカレーションといった事後の対応が上位を占める傾向になりました。ハラスメント傾向のデータ分析や再発防止策など未然に防ぐための活動は一部にとどまっています。

生成AIのカスタマーサポート活用は二極化

生成AIのカスタマサポート活用に対しては、40.1%が「関心がない、考えていない」、36.3%が「既に利用している」あるいは「使う予定がある」と二極化する形となりました。生成AIの活用は生産性向上が期待され、早期に取り組むことができると問い合わせに対する顧客満足度向上にも寄与する運営にもつなげられそうです。

カスタマーサポートにおける生成AIを具体的に利用している領域は、「チャットボットによる対話型サポート」が30.8%で1位となり、次いで「メール自動応答システム」となりました。ほぼ横並びと言えるものの、「カスタマーサポートの自動化」や「SNSのカスタマーサポート」の項目はスコアが低く、業務をそのまま生成AIに置き換えるというよりサポート対応の支援に利用していることがわかりました。

調査概要

調査テーマ:カスタマーサポート・問い合わせ対応に関するアンケート
調査期間:2024年01月09日(火)~2024年01月13日(土)
調査対象:
集計対象①:20~59歳の男女で問い合わせ経験のあるビジネスパーソン1万2000人
集計対象②:カスタマーサポートあるいは問い合わせ対応業務に従事する309人(②の回答者を含む)

出典元:株式会社PR TIMES

引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001373.000000112.html

※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
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