「走行距離」と検索する人は車のどんなことが気になる?人物像や関心を調査

「走行距離」と検索する人は車のどんなことが気になる?人物像や関心を調査

車の走行距離は、車を購入する上でも売却する上でも重要なポイントです。近年はEVの需要も高まってきており、EVでどれくらいの距離を走行できるのかも気になる観点ではないでしょうか。 今回は車の「走行距離」の検索キーワードから「走行距離」を気にする人の人物像やどのような物事に関心があるのかを調査していきます。


「走行距離」の検索データを分析

今回の調査は、毎月更新されるWeb行動ログデータを用いて、競合サイト分析やトレンド調査ができるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を用いて行っています。

※車に関連するキーワードに着目して分析するために「バイク」「原付」「キックボード」「カブ」のバイクに関連するのキーワードは除外した上で調査を行っています。

「走行距離」の検索者はやや減少傾向

まずは「走行距離」で検索した人の数を見ていきます。

「走行距離」と検索した人の数

「走行距離」と検索した人の数
調査期間:2023年2月〜2024年1月
デバイス:PC、スマートフォン

調査した2024年2月の1年前、2023年2月は検索者が5万人弱いましたが、直近の2024年1月は3万人弱と 検索の需要は減少傾向のようです。

直近1年で検索者が最も多かったのは、2023年2月ごろで、これは新型コロナウイルスとウクライナ戦争の影響による車不足で検索の需要が高まっていた時期と考えられます。また、2023年8月に再度検索者数が増えていますが、ちょうどガソリンの価格が高騰していた時期と重なります。

2024年2月現在もウクライナ戦争やガソリン高は落ち着いてはいませんが、事象が継続して慣れてしまったこともあり、検索需要が減少しているのかもしれません。

男性と20代、30代の若年層の関心が高い

続いて、「走行距離」検索者の性別や年代を見ていきます。

「走行距離」と検索した人の性別

「走行距離」と検索した人の性別
調査期間:2023年2月〜2024年1月
デバイス:PC、スマートフォン

検索者の72.1%が男性となっています。男性が関心を持つことが多い、車のジャンルであることも関係しているのでしょう。

「走行距離」と検索した人の年代

「走行距離」と検索した人の年代
調査期間:2023年2月〜2024年1月
デバイス:PC、スマートフォン

年代は20代、30代の若い世代がネット利用者全体と比べると関心が高くなっています。40代もやや上回っているものの、それ以降は関心が低くなります。

中部・九州地域等の人の関心が高い

続いて、「走行距離」検索者の居住地域を見ていきます。

「走行距離」と検索した人の居住地域

「走行距離」と検索した人の居住地域
調査期間:2023年2月〜2024年1月
デバイス:PC、スマートフォン

全体的にはネット利用者全体と同じ曲線になっているものの、特に中部、九州地方の人の関心が高くなっています。都心の関東、近畿地方は下回っていることから移動における自動車の重要性が高いことが影響しているのかもしれません。

中古車販売、売却サイトへの流入が主

続いて、「走行距離」と検索してどのようなサイトに流入したのかを見ていきます。

「走行距離」と検索した人が訪問したサイト

「走行距離」と検索した人が訪問したサイト
調査期間:2023年2月〜2024年1月
デバイス:PC、スマートフォン

中古自動車販売サイトと、売却サイトや比較サイトの流入が多くなっています。
「どれくらいの走行距離なら安心して購入できる?」「どれくらいの走行距離なら高く売却できる?」など中古車を買いたいニーズと、売りたいニーズが混在しているようです。

ただ、「Yahoo!知恵袋」がトップにいることから、「走行距離」に関しては、これらのサイトでは解決できないような、より細かい悩み事が多いのかもしれません。

軽×EVの新しいジャンルに関心あり

続いて、ワードネットワークで「走行距離」に関する検索者の興味を見ていきます。

ワードネットワークは検索ワードごとの相関を見ることができます。中央の「走行距離」から直接つながっている2階層目のワード(「車」や「中古車」など)が走行距離と関連性の強いワードです。さらにその下の階層のワードと、2階層目のワードと掛け合わせて見ることで、検索者の興味を調べることができます。

「走行距離」と検索した人のワードネットワーク

「走行距離」と検索した人のワードネットワーク
調査期間:2023年2月〜2024年1月
デバイス:PC、スマートフォン

ここで注目したいのは「軽自動車」との掛け合わせワードの中に「電気自動車」のキーワードがあることです。

「走行距離」「軽自動車」「電気自動車」の掛け合わせ検索結果(Google)

実際にGoogleで検索をしてみると「軽の電気自動車はどれくらいの距離を走行するのか知りたい」というニーズがうかがえるキーワードでした。軽×EVという新しいジャンルである為、注目されているのでしょう。

それに付随して「寿命」の掛け合わせの中に「テスラ」「バッテリー」があることから電気自動車についてのニーズが高まっていることが推測されます。

メンテナンス、保険関係のほか「PHEV」への関心も

「走行距離」と検索した人の関心ワードも見ていきましょう。

「走行距離」と検索した人が関心のあるワード

「走行距離」と検索した人が関心のあるワード
調査期間:2023年2月〜2024年1月
デバイス:PC、スマートフォン

「フォグランプ」「空気圧」「交換時期」といったメンテナンス関係のキーワードや、「車両保険」「任意保険」といった保険関係のキーワードが並ぶ一方で、トップ10ではないですが「PHEV」に関心を持つ人もいます。
「PHEV」はPlug in Hybrid Electric Vehicleの略称で、電気と化石燃料のハイブリッドで動く電気自動車であり、外部電源で充電ができます。

「PHEVはどれくらい走行するのだろう」と関心が持たれているようです。

2023年1月、2024年1月に「走行距離」と検索した人が関心のあるワード

「走行距離」と検索した人が関心のあるワード
調査期間:2023年1月、2024年1月
デバイス:PC、スマートフォン

2023年12月、2024年1月に調査期間を絞ってみても「EV」や「プリウス」「ハイブリッド」といった電気自動車関係のキーワードに関心があるようです。

先述のワードネットワークの時と同じように電気自動車についての関心が高まっていることがうかがえます。

まとめ

今回は車の「走行距離」を検索する人の人物像や関心を調査しました。

その結果、男性、20代・30代の若年層、中部・九州地方に在住している人の関心が高く、「走行距離」のキーワードの中でもさまざまな意図やニーズがあることがわかりました。

特にEVはこれからの自動車業界の中でも注目のジャンルです。今までの車の知識ではカバーできない情報もあるため、これから走行距離×EVに関する検索が増えていくのかもしれません。

▼今回の調査にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。
dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

アメリカ留学中にWebの仕事に出会い、帰国後に起業。自社で物販を行う側、ライターとして活動。アウトドアが趣味

関連する投稿


年末年始はどのサービスで何を観る?動画配信アプリの利用実態

年末年始はどのサービスで何を観る?動画配信アプリの利用実態

もうすぐ年末年始。時間のあるこのタイミングで、VOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスを利用してコンテンツを一気見しよう、という方も多いのではないでしょうか。今回は、「Prime Video」「Netflix」「U-NEXT」「Hulu」「Disney+」それぞれについて、ここ数年の年末年始の集客状況を調査。実際に年末年始に利用者が増えているのか、各サービスでどんなコンテンツに注目が集まっているのかを分析し、来たる2024年の年末年始を占いました。


話題の「リカバリーウェア」のターゲット層は?人気の4ブランドをデータから比較

話題の「リカバリーウェア」のターゲット層は?人気の4ブランドをデータから比較

日々の疲れを癒し健康的な生活へと回復させるためのサポートとして、医薬品やサプリ、健康食品など、巷にはさまざまな情報が溢れています。中でも最近よく見聞きするのが「リカバリーウェア」。着るだけで疲労感などが軽減されると謳う救世主的な商品ですが、一体どのような物で、どのような人たちの関心を掴んでいるのか、データを用いて検証します。


特化型SNS「Lemon8」はなぜ人気を伸ばしている? ユーザー属性からその魅力を分析!

特化型SNS「Lemon8」はなぜ人気を伸ばしている? ユーザー属性からその魅力を分析!

ここ一年の間に大きくユーザー数を増やしたSNS「Lemon8」。そのユーザーの多くは女性のようですが、いったいどのような魅力がユーザーを惹きつけているのでしょうか?また、他のSNSとはどんな違いがあるのでしょうか。Web行動ログデータを用いて、Lemon8ユーザーの人となりを分析し、その魅力と他SNSとの違いを考察します。


デビットカードは日本でも覇権を握るのか? 検索者の実態をクレジットカードと比較調査

デビットカードは日本でも覇権を握るのか? 検索者の実態をクレジットカードと比較調査

即時払いで決済を行うデビットカード。キャッシュレス決済全体に占める割合はまだまだ低いものの、利用者や利用場面は着実に増加しており、成長の兆しを見せています。本稿では、そんなデビットカードの検討状況について、キャッシュレス決済カテゴリのマーケットリーダーであるクレジットカードと比較し、今後の市場動向を占います。


2024年人気アニメを振り返る!ヒットを生む「勝ちパターン」とは?

2024年人気アニメを振り返る!ヒットを生む「勝ちパターン」とは?

コンテンツには事欠かない現代ですが、話題を呼ぶ人気作には、どのような「勝ちパターン」が存在するのでしょうか。2024年に放送された新規アニメ「薬屋のひとりごと」「逃げ上手の若君」「怪獣8号」「ダンジョン飯」に、11月に劇場版が公開された「進撃の巨人」を加えて、消費者の関心を調査しました。


最新の投稿


年末年始はどのサービスで何を観る?動画配信アプリの利用実態

年末年始はどのサービスで何を観る?動画配信アプリの利用実態

もうすぐ年末年始。時間のあるこのタイミングで、VOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスを利用してコンテンツを一気見しよう、という方も多いのではないでしょうか。今回は、「Prime Video」「Netflix」「U-NEXT」「Hulu」「Disney+」それぞれについて、ここ数年の年末年始の集客状況を調査。実際に年末年始に利用者が増えているのか、各サービスでどんなコンテンツに注目が集まっているのかを分析し、来たる2024年の年末年始を占いました。


映像・書籍・音楽・ゲーム・ラジオ横断でリーチ力、2024年のTOP3は「ポケモン」「ツムツム」「ONE PIECE」【GEM Partners調査】

映像・書籍・音楽・ゲーム・ラジオ横断でリーチ力、2024年のTOP3は「ポケモン」「ツムツム」「ONE PIECE」【GEM Partners調査】

GEM Partners株式会社は、メディアを横断してエンタメブランドの真のリーチを比較・評価することを目指した指標(リーチpt)をもとに、「映像」「マンガ」「書籍」「家庭用ゲーム」「アプリゲーム」「音楽(アーティスト)」「ラジオ・ポッドキャスト番組」の7メディア横断の年間ランキングを発表しました。


WebマーケティングとIT業務における"よくある失敗"はDB更新エラーが最多!失敗を防ぐために必要だと感じるスキルとは?【Hagakure調査】

WebマーケティングとIT業務における"よくある失敗"はDB更新エラーが最多!失敗を防ぐために必要だと感じるスキルとは?【Hagakure調査】

株式会社Hagakureは、同社が運営するWebマーケティングスクール「デジプロ」にて、業務上のミスを防ぐためのリスキリングに関する調査を実施し、結果を公開しました。本調査は、300名を対象に、WebマーケティングやIT業務でよくある失敗と、その失敗を防ぐために必要だと感じるスキルについて調査したものです。


話題の「リカバリーウェア」のターゲット層は?人気の4ブランドをデータから比較

話題の「リカバリーウェア」のターゲット層は?人気の4ブランドをデータから比較

日々の疲れを癒し健康的な生活へと回復させるためのサポートとして、医薬品やサプリ、健康食品など、巷にはさまざまな情報が溢れています。中でも最近よく見聞きするのが「リカバリーウェア」。着るだけで疲労感などが軽減されると謳う救世主的な商品ですが、一体どのような物で、どのような人たちの関心を掴んでいるのか、データを用いて検証します。


Adjust、年末年始のアプリトレンドの予測とアプリを成長させるためのキャンペーンの作り方を発表

Adjust、年末年始のアプリトレンドの予測とアプリを成長させるためのキャンペーンの作り方を発表

Adjustは、昨年度のクリスマス後から1月下旬にかけての期間(第5四半期)を振り返り、本年度のポストクリスマスシーズンに向けてのトレンドを発表しました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ