商品コンセプトを提示することで見えてくる消費者の関心や意向の有無
例えば、あなたが商品開発の担当者で、商品認知を拡大するための施策の一つとしてインターネット広告を検討しているとしましょう。広告のクリエイティブはもちろんのこと、キャッチコピーも消費者の興味関心や購買意向を促進するために重要な要素となってくると思います。
今回LINEリサーチで実施した調査では、はじめに仮の新商品のコンセプトを提示し、この商品についてどう思ったのか(購入意向)を5段階評価で聞きました。
提示したコンセプトは以下のとおりです。
商品に関する購入意向をみてみると、すべての年代で「やや買ってみたいと思う」のスコアがもっとも高く約4割でした。
年代では大きな差はありませんでしたが、10~20代では「あまり買ってみたいと思わない」が2割前後、40~50代では「とても買ってみたい思う」が1割超とほかの年代に比べてやや高い結果でした。
「購入意向あり」「購入意向なし」それぞれの理由とは?
商品コンセプトに対して「購入意向あり」「購入意向なし」を示した人、それぞれどのような理由があるのでしょうか。自由記述式で回答いただきましたので一部ご紹介します。
コンセプト文のどのような部分が響いたのか、自由回答からみえてくるものがあります。
例えば、「購入意向なし」の理由から
・特徴の説明が多いと伝わらない
・美味しいイメージが湧かないと感じている
・価格の捉え方
など、アンケートモニターの率直な回答を参考にブラッシュアップのヒントが得られます。
※購入意向あり:「とても買ってみたいと思う」「やや買ってみたいと思う」の合計
※購入意向なし:「あまり買ってみたいと思わない」「全く買ってみたいと思わない」の合計
どういうキャッチコピーがクリックしたくなる?
次にインターネット広告のキャッチコピーを4つ提示し、クリックしたくなるものはどれか聞きました。
約1000人の女性の中でもっとも多く選択されたキャッチコピーは「乳酸菌1000億のチカラ!食物繊維と共に腸内環境を整え元気に」でした。次いで3.5ポイント差で 「飲む美容液で腸内環境を整えて、内側から美しく」が3割台で続きました。
年代別でみてみると、年代によってクリックしたくなるキャッチコピーは異なるようです。
若年層では、「手軽」や「飲む美容液」というキーワードに関心が高い様子がうかがえます。中高年になるにつれ、「乳酸菌」や「腸内環境を整える」などの訴求内容が興味喚起につながりやすいと考えられます。
商品説明の要素として興味が湧くものとは?
前項で仮の新商品のコンセプトを提示しましたが、商品説明の要素を「商品の特徴」「顧客満足度」「ベネフィット」に細分化し、どの説明にもっとも興味を感じたのか聞きました。
【商品特徴の説明として興味を感じるもの】
今回のコンセプト文では、商品特徴の説明として「食物繊維がたっぷり」「レタス3個分の食物繊維」「7500mgのポリデキストロース配合」の3つの類似性のある表現を比較してもらいました。その中でもっとも興味が湧くコピーはどれだったのでしょうか。
その結果、高スコア順に「食物繊維がたっぷり」→「レタス3個分の食物繊維」→「7500mgのポリデキストロース配合」となりました。
食物繊維に関連する商品説明のほうが、興味喚起につながる可能性が高いことがわかります。特に10代では「食物繊維がたっぷり」という説明が5割台後半とほかの年代に比べて割合が高くなりました。
「レタス3個分」といった、食材に置き換えた表現はよく使われますが訴求力はそこまで高くないのかもしれません。また、見慣れない成分は、その良さを伝えるための工夫が必要であることもデータからうかがえます。
【顧客満足度の説明として興味を感じるもの】
次に、商品に対する顧客満足度の説明として「リピート率80%」「クチコミNo.1」「満足度80%」の3つの類似性のある表現を比較してもらいました。その中でもっとも興味が湧くコピーはどれだったのでしょうか。
その結果、全体では「リピート率80%」がもっとも高いスコアを獲得しました。20代、40代以上では「リピート率80%」のスコアがもっとも高く、特に20代では5割と高い結果でした。10~30代では「口コミNo.1」のスコアが高いものの、40代以上では2割台とスコアが低く、年代によって受け止め方が異なることがわかります。
【ベネフィットの説明として興味を感じるもの】
最後に、ベネフィットの説明として「10%値引き」「次回使える半額クーポン」「15%分のポイントバック」の3つの類似性のある表現を比較してもらいました。その中でもっとも興味が湧くコピーはどれだったのでしょうか。
その結果、10~40代では購入時に安く購入できる「10%値引き」のスコアがもっとも高く、10代では約5割。50代以上では、再度購入する際にお得な「次回使える半額クーポン」のスコアがもっとも高い結果となりました。
この結果から、コンセプト文のベネフィットに関わる説明文を一部変更したほうが、より商品訴求につながる可能性があることがわかります。
出典元:LINEリサーチ
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