デジタルマーケティング全体の成果改善を目指す
―― 株式会社センタード様には、日頃からWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を活用いただいています。本日は改めてお取り組みの詳細をお伺いできればと考えていますが、まず貴社の事業内容についてお聞かせいただけますでしょうか
センタード 柳澤 海氏(以下、柳澤):当社は「リスティング広告運用代行」「SEOコンサルティング」「ホームページ制作」の3つの事業を主軸として、集客からクリエイティブ制作まで、一貫した支援を提供することでクライアントのデジタルマーケティング全体の成果向上を目指しています。金融や不動産、サービス業など、幅広い業界のクライアントを支援しています。
私はWEBマーケティング本部のマネージャーとして、WEB広告の運用代行やSEO対策を中心に、WEBマーケティング全般の統括をしています。
センタード 林 篤紀氏(以下、林):私は柳澤と同じ部署に所属しており、主にSEOやコンテンツマーケティングの分野でクライアントを支援しているほか、部署全体の統括も担当しています。
株式会社センタード コーポレートサイトより
株式会社センタード
WEBマーケティング本部 マネージャー
柳澤 海氏
株式会社センタード
WEBマーケティング本部
林 篤紀氏
Dockpitで複雑なデータをわかりやすく可視化 工数削減にも
―― Dockpitでよく使われている機能をお聞かせください
柳澤:提案資料を作成する際に、Dockpitの競合分析機能を使って出力したデータを落とし込んでいます。グラフをエクスポートして使うだけでなく、私の場合、画面のキャプチャーを直接使用することもあります。
Dockpitのデータを提案資料に活用した例
林:Dockpitで出力されるグラフでは、複雑なデータでもわかりやすく可視化されているため非常に有益です。例えば、自然検索やリスティング広告経由の流入数を比較したグラフなどは、集客構造を視覚的に把握するのに役立っています。競合他社との差異や、各チャネルの有効性を理解することが可能です。
柳澤:工数削減にもつながっています。他のツール、例えばGoogle Analyticsの管理画面は無料で利用できるという利点がある一方で、専門知識のない方にとっては理解が難しい面があります。そのため、これらのツールから得られたデータを活用する際には、私たちがテーブルやグラフを作成し直す必要がありました。
Dockpitは、わかりやすく可視化されたグラフを簡単に出力することができます。使い勝手も抜群で、マウスホバーしたときにポップアップでデータが参照できる点などは絶妙だと感じています。
競合との差異を可視化することで、説得力のある提案が可能に
―― 普段Dockpitをどのように活用されているのでしょうか
柳澤:主に2つの場面で活用しています。ひとつは受注前の営業段階、もうひとつは納品時です。
特に営業活動で多く活用しています。例えば、法人向けWEBサービスやBtoB商材は競争が激しいため、効果的なポジショニングが重要です。Dockpitを用いて、競合他社のWEB戦略やマーケティング手法などの市場動向を分析し、可視化します。
また、クライアントからよく受ける質問のひとつに「競合他社がどの程度の広告費用を使用しているか」というものがありますが、Dockpitを活用してグラフを出力し、視覚的に分かりやすい形で情報を提示しています。このように競合他社との差異を明確に示すことで、クライアントに「このくらいの投資が必要である」という認識を持っていただきやすくなります。中には競合他社との比較で自社の広告投資規模の差が予想以上に大きいことに気づき、「こんなに差があるとは思わなかった」と驚かれる企業もあります。このように、Dockpitはクライアントの現状認識を確認したり、新たな気づきを提供したりする重要な役割を果たしています。
また、単に現状を把握するだけでなく、戦略的な意思決定にも活用しています。例えば、特定の市場がレッドオーシャンであることが判明した場合、その情報を基に代替戦略を検討します。
このプロセスは社内でも活用され、新たな視点や戦略的アイデアを生み出すことにつながっています。
林:SEOに関する提案を行う際も、クライアントの現在地と改善余地を明確に提示するためにDockpitを活用しています。
また、当初はSEOのみの依頼であっても、Dockpitを使って競合他社の広告出稿状況をグラフ化してお伝えすることで広告施策の可能性を証明、受注につなげることもあります。提案の幅が広がっていると感じます。
柳澤:納品時においては、私の場合、リスティング広告の成果が低下した際の分析によく使います。
他の競合調査ツールにはない、Dockpitの強みはサマリーがわかることです。ディスプレイ広告やソーシャルメディアも含めた全般的なWeb施策の状況を把握できる点が魅力だと思います。全体像を見ることで、例えばディスプレイ広告の急激な伸びなど、重要な気づきが得られます。さらに、競合のクリエイティブ内容や広告の遷移先なども確認できるため、これらの情報を基に、クライアントが注力すべき点を特定できます。
Dockpitで確認できるサマリーの例。画像例は業界「宿泊 企業」のWebサイト集客構造を示すもの。
WEBマーケティング分野は今後さらに成長する
―― 最後に、今後の展望をお願いします
柳澤:個人的には、多くの企業がWEBマーケティングに対する危機感を抱いているように感じています。「自社の業界ではこれまであまり行われてこなかったが、ここ数年で急速に盛んになってきた」といった声もよく耳にすることから、データに基づいた戦略立案と実行が、企業の競争力向上に不可欠になると予想します。このような中、企業のWEBマーケティング戦略の策定と実行を支援し、事業成長に貢献していけるよう、今後も取り組んでいきたいと考えています。
林:柳澤がお伝えしたように、まだWEBを通じた集客に注力していない企業が多く存在しています。必ずしもWEB戦略が最適でない業界もあるかもしれませんが、オフラインだけでなくオンライン上での集客手法も有効な選択肢のひとつであることを伝えていきたいと考えています。
WEBマーケティング分野は今後さらに成長していくでしょう。この分野には終わりのない学びがあります。それこそがこの仕事の魅力であり、こうした面白さに惹かれて挑戦する人材が増えることを期待しています。私たちも引き続きキャッチアップしながら、クライアント支援につなげていきたいと考えています。
取材協力:株式会社センタード
IT企業でコンテンツマーケティングに従事した後、独立。現在はフリーランスのライターとして、ビジネスパーソンに向けた情報を発信しています。読んでよかったと思っていただける記事を届けたいです。