【無料ダウンロード】デジタル・トレンド白書2024 – Z世代トレンド・SNS動向編|ホワイトペーパー
https://manamina.valuesccg.com/articles/3770国内外におけるZ世代の消費トレンド、Instagram、TikTok等SNSの利用実態など、2024年に反響の高かった16本のデジタル動向調査をピックアップし、白書として収録しました。(「Z世代トレンド・SNS動向編」ページ数|140P)
今あるものを大切に使う|アンダーコンサンプション・コア(過小消費コア)
今やSNSはインフルエンサーによる購入品紹介や商品プロモーションで溢れています。そのようなコンテンツから実際に購買意欲をそそられたり、さらに商品の購入まで至った経験がある人も多いのではないでしょうか。
「アンダーコンサンプション・コア(過小消費コア)」とは、そんな過剰とも言える消費を促される状況に抗おうとするムーブメントです。例えば、すでに持っているモノを長く大切に使い続けたり、トレンドに流されて無駄な買い物をしないことを動画を通じて伝えています。2024年8月頃からアメリカのZ世代やミレニアル世代を中心に共感を呼びTikTok上でトレンドとなりました。
#underconsumptionのタグをつけて投稿されたTikTok動画には、何年も履き古した靴や、古着屋で買ったもの、化粧品のチューブをハサミで切って中身を全部使い切る様子などが紹介されています。他にも、インフルエンサーがたくさんの化粧品をレビューする動画とは反対に、化粧品の種類につき1つずつしか持っていないことを紹介するような動画も多く見られます。
たくさんの物をコレクションしたりトレンド商品をおすすめする動画をSNS上で日常的に目にしていると、それが普通の消費のあり方だと錯覚してしまいそうになりますが、アンダーコンサンプション・コアは、それが決して普通ではないということを気づかせてくれるものとなっています。
サステナブル志向と節約意識の高まりが共感の鍵に
なぜ若い世代の間でアンダーコンサンプション・コアの価値観が広がり話題となっているのでしょうか。その背景には、環境問題への関心の高まりや、昨今の厳しい経済状況があげられます。
ヴィンテージ古着を販売するオンラインショップ「ThredUp」が2022年に行った調査(※)によると、Z世代の65%が洋服を購入する際によりサステナブルな買い物を心がけたいと回答しています。しかしその一方で、Z世代の3分の1がファストファッションに依存していると感じており、回答者の72%は2021年にファストファッションを購入したという結果が出ています。なるべく環境に配慮したい気持ちと、過剰な消費主義にどうしても抗えないというジレンマが生じていると言えます。そのようなジレンマがある中で、アンダーコンサンプション・コアの投稿は消費主義に流されない生活の良さを確かめ合うような場所にもなっています。
※ thredUP’s Gen Z Fast Fashion Report
https://newsroom.thredup.com/gen-z-fast-fashion-report
2022年の調査。アメリカのZ世代(16〜25歳)1,989人が対象。
また、インフレや学費ローンの返済から生じている経済的な負担も、Z世代やミレニアル世代の消費に対する価値観に影響を及ぼしています。経済的なプレッシャーを感じている層にとって、商品を大量購入して紹介するインフルエンサーの生活はもはや現実的ではないと感じるため、リアルな生活を反映しているアンダーコンサンプション・コアの投稿が共感を呼んでいます。
中には、アンダーコンサンプション・コアの投稿で見るような、元々持っているものを再利用したり最後まで使い切ることは当たり前の習慣で特別新しいことでもないため、代わりに「ノーマル・コンサンプション・コア」と呼ぶべきだという声もあがっています。SNS上には商品の購入を促すようなコンテンツが多いことから、むしろ一般的な消費のあり方が目新しく見えるという現象が起こっています。
従来のミニマリズムやディインフルエンシングとどう違う?
アンダーコンサンプション・コアに似た価値観に「ミニマリズム」があります。ミニマリズムとは、身の回りのものを必要最小限に減らすことでシンプルな暮らしを目指すことを指します。多くのものを持つことが生活の満足度や心地良さに繋がるわけではない、という考えがどちらにも共通しています。アンダーコンサンプション・コアは、消費主義的なインフルエンサー文化を踏まえた上で、今の若い世代に刺さるコンセプトとして生まれ変わった新世代のミニマリズムと言えるでしょう。
また、2023年には「ディインフルエンシング(deinfluencing)」という、買わない方が良い商品を呼びかける投稿がトレンドになりました。買うべき商品をおすすめするインフルエンサーとはまさに逆を行くムーブメントです。
ディインフルエンシングがある特定の物を買わないように呼びかける一方で、アンダーコンサンプションはすでに持っているものを大切に使うという意味合いがプラスされています。このように形を変えながら、過剰消費に対抗するような価値観が共感を呼び、広がり続けています。
【参考】
https://theconversation.com/understanding-underconsumption-core-how-a-new-trend-is-challenging-consumer-culture-235417
https://www.theguardian.com/fashion/article/2024/aug/07/it-is-ok-to-be-content-with-your-simple-life-is-underconsumption-core-the-answer-to-too-much-shopping
https://www.cnbc.com/2024/08/19/what-tiktoks-underconsumption-core-trend-means-for-your-money.html
https://sustainablyinfluenced.com/2024/07/22/what-is-underconsumption-and-why-is-it-trending/
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ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。今回、国内外におけるZ世代の消費トレンド、Instagram、TikTok等SNSの利用実態など、2024年に反響の高かった16本のデジタル動向調査をピックアップし、白書として収録しました。
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大学ではポルトガル語と言語学を学び、様々な外国文化や言語に興味がありました。
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