テレビCM初出稿広告主はピーク時からは微減したものの、高水準で安定
テレビCM初出稿広告主数は2018年度から増加傾向で、2021年度にはコロナ禍で成長を遂げたDX関連企業の出稿などの影響で最高値を記録。
直近2年は減少に転じているものの、過去14年間の中では比較的高い水準で推移。広告会社や放送局がテレビCM初出稿のサポート体制を整えている効果もあり、高い水準になっていると考えられます。
初年度総出稿量は全体・1社あたりでともに減少傾向、「スモールスタート化」が加速
テレビCM初出稿広告主全体での初年度出稿量はコロナ禍の影響を受けた2020年度を最高値に、2021年度以降は減少傾向。それに伴い1社あたりの出稿規模も減少傾向に。
少額からテレビ出稿可能なサービスを広告会社や放送局が積極的に展開している影響などもあり、テレビCM初出稿のハードルが下がっているとともに、「スモールスタート化」が加速していることが窺えます。
法人向けサービス業ではテレビCM出稿が定着しやすい傾向に
2022年度に東京・大阪・名古屋エリア全てで初出稿した広告主と、2023年度にも継続出稿した広告主の業種割合を比較した結果、法人向けサービス業の占める割合が16%増加。
ブランド認知や企業の信頼性向上などを主な出稿目的とする法人向けサービス業において、テレビCM出稿が定着しやすいことが窺えます。
スタートアップ企業数は過去5年間平均と比較し約2倍に増加、特に小規模出稿は3倍以上に
テレビCM初出稿広告主におけるスタートアップ企業数は2023年度と過去5年間の平均を比較して約2倍に増加。
推計年間出稿金額が1000万円以上の企業数はほぼ横ばいとなっているのに対し、1000万円以下の小規模な出稿企業が3倍以上に大幅増加しています。
運用型で数百万円単位での出稿を行う企業や特定の番組や時間帯に数十万円単位で出稿を行う企業が増加していることが要因と考えられます。
テレビCM初出稿パターン
テレビCM出稿には、大きく分けて3つの始め方が存在。
初回から大規模な出稿を行う「スタートダッシュ型」、エリアや出稿量を運用して最適化する「PDCA型」、そして視聴者層や番組ジャンルを絞って出稿する「ターゲット型」に分類されます。
今回の分析では、テレビCM初出稿広告主全体での出稿量と、一社あたりの平均出稿量の減少が見られ、スモールスタート化の傾向を確認できました。
特に、スタートアップ企業では6割以上の企業が小規模出稿していることも明らかとなりPDCA型やターゲット型での出稿が増加していることも推察できます。
分析概要
データソース:株式会社ビデオリサーチ テレビ広告統計
分析対象期間:2010年4月~2024年3月
分析対象社数:約7000社
テレビCM初出稿広告主の定義:
関東・関西・名古屋いずれかのエリアでテレビCMに初出稿を行った企業
スタートアップ企業の定義:設立10年以内かつ既存テレビ広告主と資本関係のない企業
出典元:株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
※詳細については出典元の企業にお問い合わせください。
マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。
編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。