音楽サブスクリプションの代名詞「音楽配信」の有力サービスを比較

音楽サブスクリプションの代名詞「音楽配信」の有力サービスを比較

定額サービスのサブスクリプション(サブスク)の代表例である、動画や音楽のデジタル配信サービス。今回は音楽サブスクを代表するSpotify・Prime Music・Apple Music・LINE MUSICの4社を比較します。


代表的な音楽サブスク4選

利用者が多い音楽系サブスクとしてはAmazon Prime Music、Apple Music、LINE MUSIC、Spotifyがあげられます。

サブスクリプションとは?ビジネスモデルや具体的なサービス事例をわかりやすく解説

https://manamina.valuesccg.com/articles/732

最近、よく耳にするようになった「サブスクリプション」方式。定期購読に代表される定額で一定期間利用できるサービスです。この記事ではサブスクリプションの定義や、具体的なサービスの事例を紹介していきます。

Amazon Prime Music

Amazonが提供する音楽配信サービスは「Prime Music」「Music Unlimited」「Music HD」の3つありますが、今回はもっとも利用者数の多い「Prime Music」のみ紹介します。

Prime MusicはAmazonプライム会員であれば追加料金なしで利用できるサービスです。これがユーザー数の多さにつながっています。「Music Unlimited」よりも聴ける曲数は少ないのですが、利用できる端末数や各種再生機能に関してはまったく同じ内容です。

Amazon.co.jp: Prime Music

https://www.amazon.co.jp/music/prime

Amazonプライム会員なら、200万曲が追加料金なしで聴き放題。気分や活動に合わせて聴くプレイリスト、好きなだけ楽しめるラジオも。オフライン再生も可能。

Apple Music

「Apple Music」は、Appleが提供する音楽サブスクサービスです。ユーザーの好みに合わせて精度の高いおすすめ曲を提案してくれること、そしてiPhoneなどApple製品との親和率の高さが特徴です。

Apple Music

https://www.apple.com/jp/apple-music/

広告なしで6,000万曲をストリーミングできます。曲の流れに合わせて歌詞を見たり、先の歌詞にタップで飛んだり。お気に入りの曲をダウンロードしてオフラインで再生することもできます。

LINE MUSIC

コミュニケーションサービスの大手「LINE」が提供する「LINE MUSIC」の特徴は、自分が作成したプレイリストや曲をLINEでつながっている人と共有できる機能など、コミュニケーションと音楽をミックスできる点にあります。

LINE MUSIC

https://music.line.me/top/

LINE MUSICは邦楽・洋楽問わず幅広いジャンルの楽曲を利用シーンや気分に応じていつでもどこでも音楽を聴くことができる音楽ストリーミングサービス!3ヶ月無料で制限なしで聴き放題。

Spotify

サブスク=定額制ということで有料になるのが一般的ですが、「Spotify」の場合は無料プランが用意されています。ただし、一定の曲数を再生すると15~30秒程度の音声広告が入ったり、シャッフル再生しかできないといった制限があります。

みんなのための音楽。

https://www.spotify.com/jp/

あなたに必要な音楽は、Spotifyだけ。

ユーザー数が一番多い音楽サブスクは「Amazon Prime Music」

ICT総研が2019年におこなったWebアンケート調査によると、国内でユーザー数の多い音楽サブスクは以下の順番になります。

1位:Amazon Prime Music
2位:Apple Music
3位:LINE MUSIC
4位:Spotify


Amazon Prime Musicのユーザー数が多い理由は、Amazonプライム会員が無料でこのサービスを受けられるためです。なお、前述のとおり、Amazonは他にも「Music Unlimited」などの音楽サブスクサービスを展開していますが、これらを合わせるとAmazonによる音楽サブスクの国内シェアは圧倒的に高くなっています。

曲数が一番多い音楽サブスクは「Apple Music」

提供曲数が多い音楽サブスクのランキングです。

1位:Apple Music 約6,000万曲
2位:LINE MUSIC 約6,000万曲
3位:Spotify 約5,000万曲
4位:Amazon Prime Music 約200万曲

(2020年2月マナミナ編集部調べ)

Apple Musicの曲数が多いのは、iTunes Storeというデジタルによる音楽配信サービス最大手の販売チャネルがあるからにほかなりません。

なお、曲数が多いといっても、たとえば、Apple Musicには楽曲を提供しないがSpotifyには提供する、というようにアーティスト側が等しくそれぞれの音楽サブスクに楽曲を提供しているわけではない、という状況を把握しておく必要があります。

音質がよい音楽サブスクは「LINE MUSIC」と「Spotify」

音質の高さを図る材料として、各サービスが発表しているビットレート値(kbps)に注目します。この数字が大きいほど、高音質ということになります。

1位:LINE MUSIC 320kbps
1位:Spotify 320kbps(有料版)
2位:Apple Music 256kbps
2位:Amazon Prime Music 256kbps

(2020年2月マナミナ編集部調べ)

このような順位になりましたが、このビットレートの差はスマホや一般的な音楽プレイヤーでは聞き分けられるほどのものではないことを付け加えておきます。

リーズナブルな音楽サブスクは「Prime Music」か「LINE MUSIC」

各音楽サブスクの月額料金を安い順にランキングします。なお、Spotifyの無料プランは含めません。

(2020年2月マナミナ編集部調べ)

Prime Music(Amazon)に関してはAmazonプライムでほかのサービスも受けられるので、かなりリーズナブルといえます。楽曲数の少なさを差し引いてもお得感の度合いはかなり高くなっています。LINE MUSIC以降は学割、学生プランが用意されており、若年層への音楽サブスクの浸透率の高さがうかがい知れます。

アプリ評価の高い音楽サブスクは「Spotify」

音楽の再生機の主力がスマホであることを鑑み、Google Play、App Storeでの各音楽サブスクのアプリの評価が高い順にランキングします。

1位:Spotify Google Play4.6 / App Store4.5
2位:Amazon Prime Music Google Play4.4 / App Store4.3
3位:LINE MUSIC Google Play3.7 / App Store4.3
4位:Apple Music Google Play3.7 / App Store(評価なし)

(2020年2月時点)

レビューをチェックすると「使い勝手のよさ」を挙げているユーザーが多いことがわかります。これにSpotifyの特徴であるAIによるユーザーの好みに合う選曲が加わり、高評価を得ています。

まとめ


今回紹介した音楽サブスクの中では、日本トレンドリサーチの調査でSpotifyが総合満足度1位を獲得、またユーザーの評価がダイレクトに反映される「アプリ評価」においても4サービス中1位になったことから、Spotifyがユーザーの高評価を得ているといえそうです。ユーザーに長く使ってもらえることが成功の鍵となるサブスクサービスにおいて、より一層の成長が期待できます。

関連記事

サブスクリプションとは?ビジネスモデルや具体的なサービス事例をわかりやすく解説

https://manamina.valuesccg.com/articles/732

最近、よく耳にするようになった「サブスクリプション」方式。定期購読に代表される定額で一定期間利用できるサービスです。この記事ではサブスクリプションの定義や、具体的なサービスの事例を紹介していきます。

Amazonプライム・ビデオの独走ぶりが明らかに~急速に浸透する動画サブスクの最新事情(1)

https://manamina.valuesccg.com/articles/686

音楽、自転車、車、家具やテレビにブランドバッグ、居酒屋やコーヒー、ラーメンまで、あっという間に生活へ入り込んだサブスクリプション(サブスク)モデル。なかでもサブスクの先駆者といっていい動画アプリのユーザーは、右肩上がりで増加中です。コンテンツ視聴がお茶の間のテレビからパーソナルでモバイル対応のスマホやタブレットへシフトするなか、動画サブスク市場はどう変化しているのでしょう。市場調査ツール「eMark+」のユーザーログから探ります。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


サブスクリプション

関連する投稿


検討者急増!今大注目の冷凍宅配弁当サービス「nosh(ナッシュ)」とは?新生活前に業界動向を調査

検討者急増!今大注目の冷凍宅配弁当サービス「nosh(ナッシュ)」とは?新生活前に業界動向を調査

コロナ禍によるリモートワークの普及は、家で食事したいという新たな需要を生み出し、それに応えるようにUber Eatsをはじめとした様々なサービスが生まれました。そんな中、安くて健康的であるとして注目されているのが冷凍宅配弁当サービスです。今回は、3月という新生活を目前に控えた今、改めてnoshを中心に宅食サービスの動向を分析します。


サブスク最前線 〜30代はおもちゃ、40代以上はホテルなど、年代によって異なるニーズとは?

サブスク最前線 〜30代はおもちゃ、40代以上はホテルなど、年代によって異なるニーズとは?

音楽や動画配信などで注目を集めているサブスクリプション(通称サブスク)。年代やライフスタイルによって、求めているサービスがどのように異なるのか、その実態を調査してみました。


家電サブスクの市場規模は?検討者の属性、人気の家電を調査

家電サブスクの市場規模は?検討者の属性、人気の家電を調査

音楽に映画にファッションをはじめ、さまざまなジャンルで人気を博しているサブスク。家電業界にもサブスクが登場し注目を集めています。今回は家電がサブスクできる代表的なサービスの「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」の4つを調査し、どのような人が家電サブスクに興味を持っているか分析していきます。


車のサブスク最新動向 | KINTO(トヨタ)、Hondaマンスリーオーナー(ホンダ)、ClickMobi(日産)

車のサブスク最新動向 | KINTO(トヨタ)、Hondaマンスリーオーナー(ホンダ)、ClickMobi(日産)

新型コロナウイルスや世界情勢の変化を受けた半導体不足や、Mobility as a Service (MaaS) の普及で車の利用方法が変化し、注目を集め始めた車のサブスクリプションサービス。自動車メーカー各社も独自のサブスクリプションを提供し始めるなど注目を集めています。 今回は大手自動車メーカーのサブスクリプションサービス「KINTO(キント | トヨタ)」「Hondaマンスリーオーナー(ホンダ)」「ClickMobi(クリックモビ | 日産)」について、それぞれの特徴を分析していきます。


The rise of Liquid Consumption: from Ownership to Usage

The rise of Liquid Consumption: from Ownership to Usage

“Liquid consumption," or consuming through sharing and renting that does not involve permanent ownership of purchased goods, is attracting attention. Kazutoshi Watabe, who has been in the marketing industry for 40 years and serves as Director of the SOKEN Research Institute, explains the factors behind the trend.


最新の投稿


BtoBマーケティングの成功は"ファクトファインディング"が重要!本質的・潜在的な課題・ニーズを引き出すことが成功のカギ【PRIZMA調査】

BtoBマーケティングの成功は"ファクトファインディング"が重要!本質的・潜在的な課題・ニーズを引き出すことが成功のカギ【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、全国のマーケティングコンサルタントを対象に、「BtoBマーケターが始めた方が良いこと」に関する調査を実施し、結果を公開しました。


デビットカードは日本でも覇権を握るのか? 検索者の実態をクレジットカードと比較調査

デビットカードは日本でも覇権を握るのか? 検索者の実態をクレジットカードと比較調査

即時払いで決済を行うデビットカード。キャッシュレス決済全体に占める割合はまだまだ低いものの、利用者や利用場面は着実に増加しており、成長の兆しを見せています。本稿では、そんなデビットカードの検討状況について、キャッシュレス決済カテゴリのマーケットリーダーであるクレジットカードと比較し、今後の市場動向を占います。


博報堂DYMP、日本経済新聞社・東北新社と企業ブランディングのためのドキュメンタリー動画広告企画を開発

博報堂DYMP、日本経済新聞社・東北新社と企業ブランディングのためのドキュメンタリー動画広告企画を開発

株式会社博報堂DYメディアパートナーズは、株式会社日本経済新聞社、株式会社東北新社とともに、ドキュメンタリー動画を制作・提供する広告企画「日経ブランドドキュメント」を開発したことを発表しました。


2024年人気アニメを振り返る!ヒットを生む「勝ちパターン」とは?

2024年人気アニメを振り返る!ヒットを生む「勝ちパターン」とは?

コンテンツには事欠かない現代ですが、話題を呼ぶ人気作には、どのような「勝ちパターン」が存在するのでしょうか。2024年に放送された新規アニメ「薬屋のひとりごと」「逃げ上手の若君」「怪獣8号」「ダンジョン飯」に、11月に劇場版が公開された「進撃の巨人」を加えて、消費者の関心を調査しました。


2024年トレンド総決算!6つのテーマのマーケティング調査で振り返る

2024年トレンド総決算!6つのテーマのマーケティング調査で振り返る

マナミナでは、国内最大規模の消費者オンライン行動データを活用して、世の中のトレンドを調査しています。2024年もさまざまなトレンドを記事として取り上げてきました。今回は調査記事の総集編として、2024年のトレンドを振り返ります。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ