家電サブスクの市場規模は?検討者の属性、人気の家電を調査

家電サブスクの市場規模は?検討者の属性、人気の家電を調査

音楽に映画にファッションをはじめ、さまざまなジャンルで人気を博しているサブスク。家電業界にもサブスクが登場し注目を集めています。今回は家電がサブスクできる代表的なサービスの「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」の4つを調査し、どのような人が家電サブスクに興味を持っているか分析していきます。


家電サブスクとは

家電サブスクは、サブスクリプション方式で、月額料金を支払うことで好みの家電を利用できるサービスで、家電購入の新たな選択肢として注目を集めています。

家電がサブスクになることで以下のようなメリットがあります。

・高価な家電も月額料金なら安価に利用できる
・常に最新モデルを利用できる
・イベントで一時的に家電を利用できる
・購入前にお試しで利用できる

中には、一定期間利用すると、月額課金がなくなって自分のものになるサービスや、家電を使って気に入ったらそのまま購入できるサービスも存在します。

家電サブスクの市場規模は?

では、どんな人が家電サブスクに関心があるかを知るため、代表的なサービス「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」の関心層について調査していきます。

今回の調査は、毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えるヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を用いて行っています。

サイト訪問者数はRentioがトップ

「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」のサイト訪問者数

「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」のサイト訪問者数
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン

年間のサイト訪問者数の比率は「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」の順に3:17:1:91。Rentioが1,090万人とトップです。

他のサービスは家具のレンタル+家電というサービス形態ですが、Rentioは家電に特化しており、炊飯器やオーブンなどのキッチン家電から、カメラやビデオカメラなどの撮影機器、高圧洗浄機まで取り扱っていて、サブスクできる種類は群を抜いています。

また、自動掃除機を取り扱うルンバや、炊飯器などのキッチン家電を取り扱う象印など、著名な家電メーカーと提携を結んでいることも特徴。

さらに、一定期間レンタルすると家電が自分のものになる、リース的な要素があることもサイト訪問者数が多い理由かもしれません。

家電サブスクに興味がある人はどんな人?

ここからは、過去1年間のサイト訪問者から、家電のサブスクにどんな人が興味があるのかを探っていきます。

関心があるのは男性がやや多い傾向

サイト訪問者の男女比率をみると、関心があるのはやや男性が多い傾向にあるようです。

「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」のサイト訪問者の男女比

「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」のサイト訪問者の男女比
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン

家電やガジェット系は男性の関心を惹きつけるのかもしれません。また、転勤などで一時的に家電が必要な場合にもサブスクが選択肢になる可能性があります。

airRoomのみ女性比率が高くなっていますが、公式サイトで特集しているコンテンツが関係しているのかもしれません。

おしゃれな家具や家電の配置やコーディネートを発信することで、女性の関心を惹きつけているのでしょう。

ボリュームゾーンは20〜40代

続いて、年齢を見てみると、ボリュームゾーンは20〜40代のようです。

「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」のサイト訪問者の年代

「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」のサイト訪問者の年代
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン

サイトによって、訪問者数が多い年代にばらつきがありますが、40代を超えるとサイト訪問者が少なくなっていきます。家電をサブスクするという文化は、年齢が高い層には浸透していないのかもしれません。

年収が高い層も関心あり

続いて世帯年収を見てみると、ボリュームゾーンは400万円未満の層になっています。

「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」のサイト訪問者の世帯年収

「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」のサイト訪問者の世帯年収
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン

ただし、年収が高い層にも山があることから、費用を抑えたい!という強いニーズをもった人のみが家電サブスクを活用している、というわけではなさそうです。

中には、家電をサブスクして気に入ったらそのまま購入できるサービスもあるため、「お試し」で使ってみたいニーズは、年収が高い層にもあるのでしょう。

家電サブスク関心層が検討している家電は?

最後に、サイトに訪問した人が検索した流入キーワードから、どんな家電が検討されているのか、サイト訪問者が最も多いRentioに注目して見ていきます。

「Rentio」のサイト訪問者の流入キーワード

「Rentio」のサイト訪問者の流入キーワード
調査期間:2022年7月〜2023年6月
デバイス:PC、スマートフォン

キーワードを見ると、必要ではあるけれど価格で性能に大きな差が出る「オーブンレンジ」「ドライヤー」や、イベントごとに使うことが想定できる「ポータブル電源」「GOPRO」というキーワードがランクインしています。

また、「生ごみ処理機」「ホットクック」といった、近年登場した新しい種類の家電も検索されているようです。購入前のワンステップとして、一度試してみたい需要もあるのかもしれません。

「ルンバ」というキーワードからも、従来の掃除機を卒業し、ロボット掃除機に移行しようか検討する材料として、お試しで使ってみたい、投資に失敗したくない、という心理がうかがえます。

まとめ

今回は家電がサブスクできる代表的なサービスの「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」の4つを調査し、どのような人が家電サブスクに興味を持っているか分析しました。今回の調査結果をまとめると、以下のようになります。

市場規模

Rentioのサイト訪問者数が1,090万人で最大

プレーヤー

「subsclife」「CLAS」「airRoom」「Rentio」

ユーザー属性

性別:男性がやや多いサービスが大半
年代:20〜40代が中心
世帯年収:400万円未満が多いものの、年収が高い世帯も興味あり

▼今回の調査にはWeb行動ログ調査ツール『Dockpit』を使用しています。『Dockpit』では毎月更新される行動データを用いて、手元のブラウザで競合サイト分析やトレンド調査を行えます。Dockpitには無料版もありますので、興味のある方は下記よりぜひご登録ください。



dockpit 無料版の登録はこちら

この記事のライター

アメリカ留学中にWebの仕事に出会い、帰国後に起業。自社で物販を行う側、ライターとして活動。アウトドアが趣味

関連する投稿


サブスク最前線 〜30代はおもちゃ、40代以上はホテルなど、年代によって異なるニーズとは?

サブスク最前線 〜30代はおもちゃ、40代以上はホテルなど、年代によって異なるニーズとは?

音楽や動画配信などで注目を集めているサブスクリプション(通称サブスク)。年代やライフスタイルによって、求めているサービスがどのように異なるのか、その実態を調査してみました。


スマートホーム化を行っているのはどんな人?SwitchBotユーザーからプロファイルを分析

スマートホーム化を行っているのはどんな人?SwitchBotユーザーからプロファイルを分析

帰り道に自宅のエアコンを起動して、涼しい部屋に帰る。そんなスマートホーム化を実現するのが、SwitchBot(スイッチボット)です。今回は、SwitchBotのアプリユーザーを分析し、スマートホーム化を行っている人の人となりを分析。「ペット・車関心層」「子育てスタート層」など、ユーザーを5つのグループに分類したクラスタリング分析から、スマートホーム化促進のための生活者とのタッチポイントも探っていきます。


データ分析のヴァリューズ、「デジタル・トレンド白書2023 - 消費財・耐久消費財編」を公開

データ分析のヴァリューズ、「デジタル・トレンド白書2023 - 消費財・耐久消費財編」を公開

ヴァリューズは、国内最大規模の消費者Web行動ログパネルを保有し、データマーケティング・メディア「マナミナ」にて消費トレンドの自主調査を発信してきました。その中から注目領域の調査・コラムをピックアップし、白書として収録。2021年の発行から3回目を迎える「デジタル・トレンド白書2023」は、Z世代・ライフスタイル編、消費財・耐久消費財編の2部構成になっています。※レポートは無料でダウンロード頂けます。(第2部:ページ数|109p)


家電の検討行動のリアルに迫る!商材ごとのカスタマージャーニーをマーケティングに活かすには

家電の検討行動のリアルに迫る!商材ごとのカスタマージャーニーをマーケティングに活かすには

近年、家電購入の検討チャネルとしてネットの重要性が高まっています。比較サイトや大手ECサイトを通じた検討が中心と思われがちですが、商材によって検討チャネルは使い分けられているケースがあることをご存知でしょうか。本セミナーでは、美容家電を題材に、ヴァリューズの持つWeb行動ログデータによって家電購入の検討行動を分析し、商材ごとに異なるカスタマージャーニーを把握する手法をご紹介します。 ※詳細なセミナー資料は記事末尾のフォームから無料でダウンロードできます。


中国の「怠け者経済ブーム」を調査。「3.0時代」における家事や住宅に対する意識とは

中国の「怠け者経済ブーム」を調査。「3.0時代」における家事や住宅に対する意識とは

「怠け者」とは、「便利で、効率の高い生活様式を求める人」。中国は、家電やアプリを活用し、スマートな暮らしを目指す「怠け者3.0時代」に突入すると言われています。今回は家事や住宅設備をテーマに、中国人生活者を怠け者0.0~3.0の4セグメントに分け、各セグメントの意識や購入重視点、日本ブランドの認知度などを調査しました。


最新の投稿


Since ChatGPT first launched, how have its users changed? Investigating the actual situation regarding ChatGPT users

Since ChatGPT first launched, how have its users changed? Investigating the actual situation regarding ChatGPT users

ChatGPT emerged as the pioneer of generative AI in November 2022, and the number of users continued to grow. We conducted research on the number of users and their personas for March 2023 (4 months after its release). Now (after approx. 9 months), we look to see if there have been any changes in ChatGPT's user base.


サイバーエージェント、Webサイト上で3DCGを活用し顧客に新しい体験を提供するバーチャルストアサービスを開始

サイバーエージェント、Webサイト上で3DCGを活用し顧客に新しい体験を提供するバーチャルストアサービスを開始

株式会社サイバーエージェントは、AI事業本部において3DCGを活用し、企業の販促活動を支援するバーチャルストアの開設・運営サービスを開始したことを発表しました。


BYDのコンパクトEV「ドルフィン」。初速の反応や関心層は?

BYDのコンパクトEV「ドルフィン」。初速の反応や関心層は?

EV業界でトップを走るテスラに続いて日本に参入した、EVメーカーのBYD(比亜迪)。2023年9月20日に日本市場向けEVの第二弾としてコンパクトEVの「ドルフィン」を発売しました。車体価格は363万円と、一般的に高額なEVの中では手頃な価格帯でありながら高い機能性が注目されています。 今回は、BYD「ドルフィン」Webページの訪問者の調査を行い、初速の反応やどのような人が関心を持っているか調査していきます。


年末年始、これさえ見とけば大丈夫!2023年のトレンド振り返り

年末年始、これさえ見とけば大丈夫!2023年のトレンド振り返り

マナミナでは、国内最大規模の消費者オンライン行動データを活用して、世の中のトレンドを調査しています。2023年も様々なトレンドが生まれ、個別に記事として取り上げてきました。今回はそんな調査記事の総集編として、2023年の重要トレンドを振り返ります。


トレンドワードに「麻布台ヒルズ」「アニヤハインドマーチ」など...「週間」検索キーワードランキング(2023/11/19~2023/11/25)

トレンドワードに「麻布台ヒルズ」「アニヤハインドマーチ」など...「週間」検索キーワードランキング(2023/11/19~2023/11/25)

行動ログをもとに週次の検索急上昇ワードランキングを作成し、トレンドになっているワードについて取り上げます。2023年11月19日~11月25日は、11月24日に開業した日本一の超高層ビル「麻布台ヒルズ」や、11月23日から発売開始のユニクロとのコラボ商品で話題の英国ブランド「アニヤハインドマーチ」などが検索急増していました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ