IoTとは?あらゆるものがネットと接続される
IoTは「Internet of Things」の頭文字を取ったもので、「モノのインターネット」として訳されます。
今までインターネットと接続される機器は人間が操作するパソコンやスマホというイメージでしたが、IoTではセンサーからモノの状態を取得する、モノを操作する、機器同士が通信あるいは動作制御するなどの活用方法が生まれます。
例えばセンサーで取得した温度を元に暖房を入れる、あるいは工場でセンサーから取得した点検情報を元に製造機器を制御するなどが考えられます。
生活シーンにも取り入れられ始めている身近なIoT事例
ではまず、生活の中でもだんだんと取り入れられてきている身近なIoTの事例を3つ挙げましょう。
1.エアコン
帰宅前にあらかじめスマホでエアコンを作動させ、帰宅時に最適な室温にできます。また、スマートスピーカーと接続し、リモコンを使わずに音声だけで温度調節も可能になります。
例えばPanasonic社の「エオリア」はそのひとつです。
パナソニックエアコン「エオリア」が、「エオリアアプリ」、スマートスピーカー、HEMSと連携してできることをご紹介します。
2.冷蔵庫
ドアの閉め忘れをスマホに通知したり、冷蔵庫内の温度管理をスマホでできるようになります。また、保存する食材をスマホで撮影し、内容を確認できるようにしたり、賞味・消費期限を登録すればプッシュ通知してくれます。
日立社のコネクテッド家電の例を挙げます。
日立の家電品に関するさまざまな情報をご紹介するサイトです。商品情報、お客様サポート(よくあるご質問、部品・消耗品、取扱説明書検索、日立のお店検索、お問い合わせ)等の情報がご覧いただけます。
3.電気ポット
象印マホービン社「みまもりほっとライン」というサービスでは、電気ポットにIoT機能を持たせ、電源のON、OFFや給湯といった使用状況を外部に通知します。離れた家族がこの電気ポットを使うお年寄り世帯の無事をさりげなく確認できるようになっています。
みまもりほっとラインとは、無線通信機を内蔵した「電気ポット」を使って、離れて暮らすご家族の生活を見守ることができる「安否確認サービス」です。「電気ポット」の使用状況を、見守るご家族のスマートフォンやパソコンにEメールでお知らせするほか、ご利用者様専用ページで1週間のポット使用状況をグラフで見ることができます。
さまざまな分野でIoTの実験・活用が始まっている
さらにここからは、IoTの実験や実用化が進んでいる業界・分野の事例を3つ挙げていきます。
1.農業・漁業
作物、海産物の安定供給には農場や漁場の管理が欠かせません。しかし、これには多大な労力や知識、経験を必要とします。労力を軽減、そして知識や経験をもとにしていた各種データを定量化するために計測機器を設置し、農場や漁場をIoTで管理する動きが現れています。
農業の生産性向上に貢献しているIoT・クラウド活用事例 | 農業とITの未来メディア「SMART AGRI(スマートアグリ)」
https://smartagri-jp.com/smartagri/16トヨタをはじめとする大手企業が農業向けのIoTソリューションの開発に積極的な姿勢を見せている。どのような技術が農業で活用され、またそこで働く人たちに影響を与えていくのか。
経験や勘に頼っていたノウハウをデータ化して蓄積し、鯖養殖技術の確立につなげたい│活用事例│KDDI IoTポータル
https://iot.kddi.com/cases/obama/水温や酸素濃度などを自動計測してKDDIのモバイル回線でデータ管理。出荷数とのデータ連携により、餌やりなど日々の業務の効率化推進を目指す。
2.製造業
生産ラインの各種設備の主要部にセンサーを取り付け、設備の稼働状況や異常の有無をクラウド上で確認するシステムを構築。このようなIoT化により、生産効率の向上のほか、これまでにかかっていた設備の点検にかかる人的、費用的コストを抑えられようになります。
製造業のIoT事例、生産設備の稼働状況の「見える化」が変えたこと|事例・関連記事|OKIのIoT|OKI
https://www.oki.com/jp/iot/doc/2016/16vol_15.html製造業でホットなキーワード「インダストリー4.0」。国策に加え、実際の製造現場でもIoT導入が進んでいます。ここでは生産設備の稼働状態の「見える化」で納期遅延リスクを軽減するとともに、生産管理にも活用した事例をご紹介します。
3.自動運転
自動車に取り付けたセンサーやカメラによって遠隔操作できるようになります。自動運転に関してはまだ実験段階ですが、世界各国で実証実験がさかんに行われており、近い将来に実用化される見通しです。
国内初、5G等を活用した 複数台の遠隔監視型自動運転の実証実験の実施│活用事例│KDDI IoTポータル
https://iot.kddi.com/cases/car5g/実用化をみすえた複数台の遠隔型自動運転車両の同時走行 5Gと自動運転を組み合わせることで社会的課題の解決を図る
5GとAIがIoTの普及を後押し
ではなぜ、これほどまでにIoTの取り組みが広がってきたのでしょうか? スマホを始め、通信機器が小型化した技術の進展もありますが、「5G」と「AI」という2つの先端技術がIoTをより現実的なフェーズへ押し上げた事情もあります。
通信規格が5Gにステップアップすると、これまでより多くの機器との接続、そして大容量のデータを高速で通信できるようになります。さらにこれに付随するのが、大量のデータを人間に代わり処理するAI。2つがリンクして初めて、IoTはその真価を発揮できるようになる、とも言えます。
すべてのものがインターネットにつながり新たな価値が生まれる
IoTの恩恵は、現状のサービスに対しての利便性向上や効率化もたらすものとして期待されています。それだけにとどまらず、今までインターネットと関係が薄いと見られていたモノがネットワークに接続されることで、新たな価値、今までにはないサービスが生まれます。
利用者は社会が便利になる形で恩恵を受けますが、企業側には5GとIoTというインフラを生かして新たなビジネスを生み出せるかが問われています。
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5GとIoTの関係とは?5Gに接続される機器はIoTが大多数に
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