5GとIoTの基本
■5Gとは?
5Gとは、4Gの次の電波の通信規格です。5Gの特徴は「超高速・超低遅延・多数同時接続」の3点です。
超高速
4Gでは最大1Gbpsの通信速度が、5Gでは20Gbpsまでスピードアップします。速度感を表す一例として、2時間の動画データを3秒でダウンロードできるようになります。
超低遅延
伝送遅延が1ms(ミリセカンド)に短縮されます。1msは1,000分の1秒です。なお、4Gの伝送遅延は10msなので、5Gの伝送遅延は4Gの10分の1になります。
■多数同時接続
5Gでは1平方キロメートルあたり100万台の機器との通信が可能になります。4Gでは1平方キロメートルあたり10万台となっています。
2020年から商用サービスが始まる5G通信。超高速・超低遅延・多数同時接続という特徴を持ち、あらゆるものがインターネットとつながるIoT時代がやってきます。その結果、インフラを始め社会のあちこちで5Gを活用したサービスが始まると予想されています。5Gの普及が社会に与える変化と効果について。
■IoTとは?モノがインターネットにつながる時代
IoTは「Internet of Things」の頭文字を取ったもので、「モノのインターネット」として訳されています。パソコンやスマホといった通信機器以外のものがネットにつながるようになることを指します。代表例としてはエアコンやロボット掃除機などの家電や、工場設備の各種センサーなどが挙げられます。
IoTとは?PCやスマホ以外の機器がインターネットにつながる時代がやってくる
https://manamina.valuesccg.com/articles/813あらゆるモノがインターネットとつながる技術「IoT」。IoTによって、これまでにはないサービス、価値が生み出され、多くのシーンでの活用が期待されます。具体的にIoTが活用されると生活がどのように変化するのか?基本から事例、IoT普及の背景を紹介します。
■5Gに繋がる数は「IoT機器」が圧倒的に多くなる?
通信規格が3Gから4Gになったときと比べ、5Gは社会へのインパクトが大きいとされています。
3Gが4Gになったときはスマホの通信速度が向上し、動画などのストリームが容易になりました。一方5Gでネットに接続される機器は、スマホなどの通信機器よりIoT機器の方が圧倒的に多くなると見られています。その結果、産業やインフラに革新が生まれるのでは、と期待されます。
スマホの普及過程でも、通信エリアや通信速度が不十分な局面が見られましたが、たとえば家電や自販機、クルマなどが全てインターネットにつながったとすれば従来の3G・4Gでは接続数的に無理がありました。5Gでは1平方キロメートルあたり100万台と従来の10倍の危機が接続可能になり、キャパに余裕が生まれます。
また、遠隔医療や工場の機器制御では、操作の指示を出したときに反応が送れないように5Gの「超低遅延」という特徴が生きてきます。
5G x IoTの実用化に向かう3つの事例
5Gの商用サービスは2020年から始まりますが、先行する5GxIoTの実証実験を元に、活用イメージを見ていきましょう。
■農業分野の5G x IoT活用事例
豊岡市では、農薬を使わない代わりに、カエルやヤゴに害虫を食べてもらって米を育てる「コウノトリ育む農法」でIoTを活用し、農作業の効率化を図るための実証実験が行われています。
コウノトリ育む農法で重要なこまめな水田の水管理を省力化するため、5G回線を利用した水位センサーを設置。このセンサーから発信された水位情報をスマートフォンなどでリアルタイムに確認できます。これにより見回り回数、時間の削減といった省力化をはかり、コスト削減を実現します。
KDDIのニュースリリース 「豊岡市スマート農業プロジェクト」を開始!
■5G x IoTで点検を省力化するインフラ保守の実現
日本の橋やトンネルの多くが老朽化し、事故を防ぐための点検や補修が必要となっています。そこで橋桁、橋脚に複数の加速度センサー(IoT機器)を設置し、計測した振動データを5G回線で収集・監視し、遠隔地でも橋の異常を検知する実証実験が行われています。
橋梁の点検や補修には多くのコストがかかりますが、複数のセンサーによる監視によって点検の省力化、そして目視では気づかないトラブルを未然に防いで安全性の確保にもつながることが期待されています。
5Gでアップデートする「道路」。スマートハイウェイが日本のインフラ老朽化を解決 - ビジネスWebマガジン「Future Stride」|ソフトバンク
https://www.softbank.jp/biz/future_stride/entry/iot_5g/20190809/ソフトバンクは5Gを活用したスマートハイウェイの実証実験を実施。ソフトバンクの田島氏とパートナーとして参画したパシフィックコンサルタンツの中澤氏に実証実験の概要と手応えを伺った。
■IoT機器を活用し都市全体を効率的に管理するスマートシティ構想
千葉県にある柏の葉エリアでは、世界の課題解決型街づくりのモデル構築を目的としたスマートシティ構想が推進されています。このスマートシティの中にはIoT実証フィールドも組み込まれ、さまざまな取り組みが行われています。
ひとつの例として、約4平方キロメートルの範囲内に気温や湿度を観測できるIoTセンサーを複数箇所に設置し、センサーによって集計した気温・湿度データを蓄積、分析。それによって熱中症対策や見守りといった住民サービスの提供を行っています。
5G時代には多くのモノが高速でインターネットにつながり、新たな価値が出現す
「超高速・超低遅延・多数同時接続」が実現できる5GならではのメリットがIoTを現実のものとし、さらに進化、発展すると予想されます。5GとIoTの結びつきによって、生活やビジネスに多くの利便性をもたらします。
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