消費者行動の変化から紐解く!ウィズコロナ時代のWebサイト作りの新潮流とは?「VALUES×Kaizenセミナーレポート」

消費者行動の変化から紐解く!ウィズコロナ時代のWebサイト作りの新潮流とは?「VALUES×Kaizenセミナーレポート」

新型コロナの影響で、私たちの生活や働き方は大きく変化しました。オンラインでのコミュニケーションは劇的に増加。緊急事態宣言解除後もその体制を継続する組織は多く、「ウィズコロナ時代をどう生きるか」という視点が求められています。 6/23にヴァリューズとWebサイト改善のプロフェッショナル株式会社Kaizen Platformが共同開催したオンラインセミナーでは、『ウィズコロナ時代の新潮流とそれを捉えるウェブサイトの作り方』に着目。ウィズコロナ時代のWebサイトはどのようなインパクトが求められるのか。コロナ前後の消費者行動の変化と、それらの潮流を捉えたWebサイト作りのポイントが解説されました。本稿はそのレポートをお届けします。


コロナ前後の意識変化を分析。投資・習い事などへの意識の高まりも

はじめに、ヴァリューズの山本渚から、コロナ前後でどのような消費者行動・意識の変化があったのか、「余暇時間の過ごし方」や「コロナを機に興味を持ったこと」などの項目を用意した消費者意識アンケート(実施期間:2020年4月30日~5月7日、サンプル数:25,884、対象:20歳以上男女)を元に解説しました。

講師プロフィール

株式会社ヴァリューズ データマーケティング局 ゼネラルマネジャー 山本渚

2006年株式会社マクロミル入社。通信、エネルギー、電気機器、住宅、日用品・食品業界のリサーチ業務に従事。2011年株式会社ヴァリューズ入社。Web行動ログ分析事業の立ち上げ期から多数の企業の調査プロジェクトや「VALUES eMark+」導入支援に参画。現在は広告代理店・コンサルティング会社・制作会社担当部署を統括。Web行動データに基づくマーケティング戦略立案を支援している。

まずメディアの利用時間については、外出時間の減少に伴いテレビとインターネットの利用時間が増加。年代別で見るとメディアに違いが表れ、20代ではインターネットやVOD、電子書籍に触れる機会が増えた一方で、60歳以上は新聞の増加傾向が見られたとのことでした。

余暇時間の過ごし方は、男女ともに家でできる運動や掃除が増え、外食や旅行が減少。「コロナをきっかけに興味関心を持った行動」には、健康や節約などのほか、マネーや投資、習い事等にも票が集まり、「コロナ後を見据えた意識がうかがえる」と山本は解説しました。

「新型コロナの影響で中止した行動・実施した行動」の問いに対しては、実施した/実施予定の行動ランキングの1位が金融商品の購入(75%)となり、ここでもマネー系カテゴリが目立ちます。また、保険加入(62%)や引っ越し(49%)、転職(44%)など、「コロナを機に生活を見直しする人も多い傾向がある」と山本はコメント。

やりたいことには、国内旅行(55%)、外食(52%) 、おでかけ(32%) などが挙がり、コロナ収束後の旅行・お出かけニーズの高まりが想定されます。

ここまでの消費者アンケート結果から、新型コロナの影響による意識変化は大きく4つ【保険・証券・旅行・おでかけ(ファッション)】のカテゴリに表れていると分析。

ここからは、4カテゴリのアクセス状況を元に、各業界の変化が解説されました。

アクセス数から紐解く4業種(保険、証券、旅行、おでかけ)への影響

まず、保険系サイトのユニークユーザーは全体的に増加傾向にあり、一括見積りサービスは減少しているものもあったとのこと。「在宅時間増加の影響で、自身で調べて比較検討する時間的余裕が生まれたのでは」と推測しました。

「保険」関連のアクセス数ランキング/eMark+より

また、政府が当初発表した30万円の給付金支給対象確認のために「住民税非課税世帯」に関するアクセスが急増したほか、在宅時間の増加によりペット飼育に関するニーズが高まり、「ペット保険」のアクセスも多いところで前年比158%増加したといいます。一方、減少したのは対面型保険をはじめ、リアルに強みのあるサービスとのことでした。

次に、証券系のサイトアクセスを見てみます。

「証券」関連のアクセス数ランキング/eMark+より

証券系サイトへのアクセスは軒並み増加傾向で、特に楽天証券、SBI証券はアクセス者数・伸び率ともに高い傾向にあるようです。また、新興系サービスとしてLINE証券も急増。「コロナを機に投資初心者の裾野が拡大しており、ライト層への接点をいかに生み出していくかが重要」と山本はコメントしました。

また、特にアクセス数を伸ばしたコンテンツは、飲食系銘柄の株主優待期限に関する記事で、「投資初心者がコロナを機に始めようとした時に、親しみのある飲食系銘柄の株主優待に注目している様子がうかがえる」と分析しました。

「旅行」関連のアクセス数ランキング/eMark+より

旅行サイト系は、上位サイトのアクセス数はいずれも減少しており、宿泊予約サイトは前年比40〜60%減。旅行の意向は高くても実際の行動には出ていないことが分かります。一方でカーシェアリングは5月に回復しており、近隣の移動手段が公共交通機関から車へシフトしていく可能性を示唆しました。

「ファッション」関連のアクセス数ランキング/eMark+より

ファッション系サイトにおいては、ステイホームに伴いアクセスは総じて増加傾向にありますが、サービス(ブランド)によって差が開いています。「コロナを機にEC化が加速し、競合戦の激化が見込まれる。EC拡大の機会創出とレッドオーシャン化のどちらの影響が高いか、注視する必要がある」と山本は解説しました。

消費を後押しする「応援」と「給付金」のキーワード

また、ウィズコロナに向けた短期的な重要トピックスが、「支援意識」と「給付金」です。
「支援意識」に関しては、医療従事者やコロナで甚大な被害を受けた食品生産者などへの支援意識が高まり、「応援」というキーワードの検索数が3月以降増加傾向にあるとのこと。

「応援」の検索数推移および関心キーワード分布

月ごとのキーワード分布を比較すると、3月は「休校に伴う給食生産者の応援」、4月は「医療従事者への応援」。そして5月には「お取り寄せ食品など、食べて応援」のキーワードが目立ち、同じ応援でも行動や目的に変化が見られ、「徐々に応援+消費を楽しむ行動へと変化している」と解説しました。

「10万円」の検索数推移および関心キーワード分布

給付金については、4月以降に「10万円」の検索者が増加しており、4月は受け取り方や申請方法、5月は居住地域の自治体での状況を検索している傾向があります。

また、「株」「使い方」など、用途に関する検索も見られ、「10万円以下で買える株主優待株」「アフターコロナ注目の株」などの検索が伸びていたとのこと。「これらの検索者は所得が高い傾向にあり、6月以降は本格的に利用用途について検討し、動き出す可能性がある」と推測しました。

しかし、せっかく接点が生まれても、サイトが使いづらいとユーザーは離脱してしまいます。ここからは、そうした離脱を防ぎ、サイトパフォーマンスを上げるUXの必勝法について、KaizenPlatformの村上明英氏による解説をご紹介します。

ウィズコロナ時代のWebサイトの新潮流①パーソナライズ

講師プロフィール

 株式会社Kaizen Platform ソリューション事業部 Sales 村上 明英

株式会社リクルートに入社、同社のマーケティング部門で、新規情報 誌「じゃらん」「ゼクシィ」「R25」など35タイトル、100版以上の創刊に携わった後、アド・オプティマイゼーション推進室の立ち上げに参画。約200社のWebサイトに対して集客効果最大化に貢献。その後、2014年にKaizen Platform, Inc.に参加。(現在は株式会社KaizenPlatform) Salesとして、オフライン、オンラインを問わず顧客のユーザー獲得を支援し続けてきた経験を元に、本質を突いた提案で国内大手企業のWebサイト改善による経営革新と事業成長を支援中。

村上氏は、ウィズコロナ時代にWebサイトのCVR改善に役立つ施策として「パーソナライズ」「入力フォーム」「動画化」の3つのポイントを挙げ、各詳細を成功事例を元に解説しました。

まずは「パーソナライズ」。村上氏によると、「サイトに訪れるユーザーの状況は様々なので、個々のニーズに適した情報が届けられるかが重要。コンテンツやデザインの出し分けをすることによる、インパクトのコントロールが必要になる」とのこと。実際にKaizen PlatformではWeb行動ログや会員情報の解析によるパーソナライズを行っており、多数のCVR改善に成功。環境セットアップはWebサイトにタグを貼るだけなので、大幅な作り変えは必要ないと言います。

こちらはSBI証券パーソナライズ事例です。

コロナを機に関心を持つ人が増え、裾野が広がる「投資」ですが、その殆どは初心者であり、ウィズコロナはそうしたライト層を獲得する時代になると予想されます。それらのライト層には「難しい」ではなく「自分にもできそう」という印象を与えなければ、途端にモチベーションは失われるでしょう。

「一部の人へのサービスではなく多くの人にとって興味の対象になってきたことで、初心者にも見やすいものでないといけない。サイト構築におけるパーソナライズは、今後より顕著に効果が表れてくるだろう」と村上氏は強調しました。

このほか、年代に合ったレコメンド表示により契約率および契約単価の向上に成功したクレディセゾン自動車火災保険(改善率116%)や、再訪問ユーザーに対し閲覧履歴を上部に表示させることでCVR向上に成功した高島屋の事例(改善率104.1%)が紹介されました。

ウィズコロナ時代のWebサイトの新潮流②入力フォーム

次に「入力フォーム」のポイントです。入力フォームの主な課題は以下の5つがあり、自社のサイトの課題がどこに当たるかを理解した上で施策を実行するのが効果的とのこと。

未入力での離脱が多い場合は、見やすさやデザインの影響が大きい。入力ボックスの表示を目立たせるなど、ユーザーがやるべきことを明確にすることで、改善されることが多い」と村上氏は解説。実際に地方銀行の例では、デザインを変えたことで入力完了率が158%に向上したといいます。

また、入力途中やエラーでの離脱が多い場合は、一問一答形式でテンポよく前に進んでもらえる「ステップ式」が有効とのこと。

「スクロールレスなので入力に集中でき、エラーの特定もしやすい。ステップ式は年代問わず好まれ、特にシニア層はスクロールが苦手なので、効果が顕著に表れる」とコメント。また、前回の入力履歴が復元でき、途中から再開できる「入力復元」機能も、完了率の向上に役立つとのことでした。

ウィズコロナ時代のWebサイトの新潮流③動画化

最後に「動画化」についてです。村上氏は「来年にはモバイル通信の8割が動画で占めると言われており、ユーザーが動画視聴を好むようになる。今年は5G元年で、今後さらに加速するだろう」と言い、「最も重要なメッセージを要約し、スクロール無しで"見ているだけで伝わる"ようにする」と動画化のポイントを解説しました。

また、村上氏によると、「動画を作り込まなくても(動画素材がなくても)静止画バナーの動画化でも対応できる」といいます。楽天証券のイデコの事例では、広告クリエイティブを分解し文字だけを並べた動画を流したところ、端的にメッセージが伝わり、大きな効果が得られたといいます。

アメリカや中国ではECの商品ページの画像が動画化されている事例もあり、テレビCMや通販を見ているような感覚にさせることで、売り上げが向上しているとのこと。

「Webでの体験が増え、時間の取り合い状態になっている今、短い時間で理解できる体験が求められている。書いてあるから読んでください、というのは、モチベーションが高い相手でなければ難しい。コロナを機に潜在層へのリーチが本格化する領域が増え、初めて検討する人を動かす時代になってきている。それらのユーザーには"やってみようかな"と思わせる体験をさせるべきで、今後は受動的な顧客体験からの関係作りが増加してくる」と村上氏は動画化の重要性を強調しました。

また、変数が多い動画だからこそ、ユーザー行動分析と効果測定が重要と村上氏はコメント。クリック&ヒートマップ、スクロールログ、滞在時間などの分析による効果測定を行うことで、より最適な表現を導き出せるといいます。

最後に村上氏は、「動画を作れるだけなら小学生でもいいものをつくる。ただし、ビジネスとして売れるコミュニケーションを設計するのは別世界。ビジネスを成長させられる動画にチャレンジすることをお勧めする」と解説し、セミナーを締めくくりました。

まとめ

今回のセミナーから、
・コロナ前後で「保険」「証券」「旅行」「ファッション」カテゴリに変化が大きく表れた
・コロナを機に投資に関心を持つ人が増え、裾野が拡大
・「応援」「給付金」のキーワードが消費の後押しになりつつある
・ウィズコロナ時代は「パーソナライズ」「入力フォーム」「動画化」の3つがWebサイトの新潮流
・コロナを機に潜在層へのリーチが本格化し、初心者を動かす時代になってきている
・今後は受動的な顧客体験からの関係作りが増加する

という要素が見えてきました。

コロナを機に生活スタイルが大きく変化し、利用機会は減ったものがある一方で、一部のカテゴリに対しては新たに関心を寄せ、アクションを起こし始めています。それらの業界は潜在層をいかに取り込むかが課題となり、顧客との一番の接点であるWebサイトが与えるインパクトは、今後ますます重要になってくるでしょう。今回のセミナーで紐解かれたウィズコロナ時代の消費者の意識・行動の変化やWebサイトの新潮流「パーソナライズ」「入力フォーム」「動画化」を、ビジネス拡大の参考にしていただければ幸いです。

本セミナーはアーカイブ視聴が可能となっております。ご興味持っていただけましたら、下記よりお申し込みください。お申込み後、視聴URL(YouTube)をお送りします。

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この記事のライター

フリーランスPRおよびライターとして活動中。一児の母。

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