Uber Eatsなどデリバリーアプリが浸透するウィズコロナの今、グルメアプリとの利用シーンの違いとは

Uber Eatsなどデリバリーアプリが浸透するウィズコロナの今、グルメアプリとの利用シーンの違いとは

外出自粛に伴い外食機会は減り、食のデリバリーサービスの利用者が増加しています。実際利用者はどれくらい増えており、どんな人が使っているのでしょうか。本稿では、これら食をめぐるサービスの利用実態を調査。グルメ系サービスとデリバリーサービスのコロナ渦中の状況を最新データから読み解きます。


グルメ関連サービスのWeb・アプリユーザー数推移を比較

新型コロナの影響で、私たちの食をめぐる環境は大きく変化しました。外出自粛に伴い外食よりもテイクアウトやデリバリーの利用機会が増加。緊急事態宣言の解除後も「withコロナ」の生活様式へとシフトしつつあり、「まだまだ以前の客足は戻っていない」という飲食店の苦労の声も耳にします。

また、食べログをはじめとするグルメ系サービスも、これらコロナ禍の社会変化や利用者のニーズを汲み取り、素早くサービスへ展開。食べログやRettyでは、4月からテイクアウトやデリバリーの対応情報を新たに掲載開始しました。

本稿では、これらグルメ系サービスと今存在感を高めるテイクアウト・デリバリー系サービスの、コロナ渦中での消費者利用実態を調査。これまではお店探しに利用されていたグルメ系サービスは、コロナ後に利用状況が変化したのか?デリバリー系サービスはどれほど利用されているのか?ユーザー推移や属性から最新の利用実態を調査します。

さて、いま食関連のサービスはどれほど利用されているのでしょうか。アプリとWebサイトのユーザー数ランキングを、Webサイト・アプリ分析ツール「eMark+(イーマークプラス)を使って見てみます。

まずアプリに絞って6月の利用ユーザー数ランキングをまとめてみました。次の表をご覧ください。

グルメ・デリバリーアプリのランキング(分析期間:2020年6月、対象デバイス:スマートフォン)

食べログが1位、次いでUber Eatsがランクイン。その後もホットペッパーグルメ、出前館と続き、グルメアプリとデリバリーアプリが交互に並んでいます

次に、同様に6月のWebサイトのランキングを見てみます。

グルメ・デリバリーWebサイトのランキング eMark+より
(分析期間:2020年6月、対象デバイス:PC、スマートフォン)

Webサイトでは、食べログが圧倒的なユーザー規模で1位にランクイン。2位Retty、3位ぐるなびと続き、グルメ系サービスが上位を占めていました

アプリとWebサイトのランキングを見比べると、デリバリー系サービスはアプリでの利用者が多く、Webサイトはグルメ系サービスの利用者が多いことが分かります。

Webで食べログの1位は変わらず

次に、グルメ系サービスの中から食べログとホットペッパーグルメ、デリバリーではUber Eatsと出前館に絞り、これら4サービスのWebサイト、アプリにおける過去半年のユーザー数推移を見てみましょう。

まずは上と同じようにアプリ利用者数の推移から見ていきます。

eMark+より(分析期間:2020年1月〜2020年6月、対象デバイス:スマートフォン)

1位の食べログは、3月から4月にかけて利用者が減少。逆にここで大きくユーザー数を伸ばしたUber Eatsが4月に逆転しトップに浮上しました。ホットペッパーグルメも同様に徐々に下降傾向で、5月には出前館が3位にランクアップしています。

いずれもコロナの影響と考えられ、ステイホームで外食に出かける頻度が減り、食べログやホットペッパーグルメなどの外食系グルメサービスはユーザーが減少。自宅で利用できるデリバリー系サービスに増加傾向が表れています。

ただし、グラフの波形を見ると食べログとホットペッパーグルメでほぼ同じような形をしている点に注目です。4月にはユーザー数が減少し谷が現れていますが、その後ユーザー数は復調傾向となっていることが分かるでしょう。

eMark+より(分析期間:2020年1月〜2020年6月、対象デバイス:PC、スマートフォン)

一方、Webサイトの推移を見てみると、アプリと同様3月~4月にかけて食べログとホットペッパーグルメの下降傾向、Uber Eatsと出前館の上昇傾向が見られるものの、食べログが依然圧倒的なユーザー規模を誇ります。

また、アプリ同様Webでも4月以降はグルメ系サービスが回復傾向です。5月に緊急事態宣言が解かれ、これまで我慢してきた分「久しぶりに美味しいお店で外食がしたい」という消費者思考の表れかもしれません。

ウイルスを警戒しつつ楽しみも取り入れていくwithコロナでの生活において、普段はUber Eatsなどのデリバリー系サービスで近隣店を利用しつつ、ご褒美感覚でちょっと特別な外食先を食べログで検索する、といった利用シーンの違いがあるのではないでしょうか。

デリバリーやテイクアウト文化は20代を中心に広まっている?

続いて、グルメ系・デリバリー系サービスでそれぞれユーザー層に違いがあるのか、ユーザー属性を比較しました。その中で、いくつか特徴が見られた項目を紹介します。

<調査対象アプリ>
・グルメ系サービス:食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ、Retty
・デリバリー系サービス:Uber eats、出前館、楽天デリバリー、menu

まず、グルメ系サービスアプリのユーザー性別を見てみます。

食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ、Rettyの性別割合(分析期間:2020年1月〜2020年6月、対象デバイス:スマートフォン)

Uber Eats、出前館、楽天デリバリー、menuの性別割合(分析期間:2020年1月〜2020年6月、対象デバイス:スマートフォン)

いずれのサービスも男性が半数以上を占め、中でもぐるなびは7割以上が男性ユーザーです。一方のデリバリー系サービスでは、男女比がほぼ半々と大きな差は見られませんでした。

年代比率はどうでしょうか。この項目では、デリバリー系4サービスにおいて特徴が見られました。

食べログ、ぐるなび、ホットペッパーグルメ、Rettyの年代別割合(分析期間:2020年1月〜2020年6月、対象デバイス:スマートフォン)

Uber Eats、出前館、楽天デリバリー、menuの年代別割合(分析期間:2020年1月〜2020年6月、対象デバイス:スマートフォン)

デリバリーアプリでは4サービスともに20代~30代の割合が高く、特にUber Eatsは20代が3割以上を占め、若年層に多く利用されていることが分かります。一方グルメ系サービスはどの年代にもまんべんなく利用されており、最も多いのは40代(全体の25%前後)でした。

このことから、デリバリーやテイクアウトの文化は20〜30代の若年層において積極的に広まっていると言えそうです。

次に子供有無での利用者層の違いを見てみます。デリバリーアプリの子供有無のグラフはどうなっているのでしょうか。

Uber Eats、出前館、楽天デリバリー、menuの子供有無別割合(分析期間:2020年1月〜2020年6月、対象デバイス:スマートフォン)

子どもの有無については、デリバリー系サービスはいずれも子ども無しが過半数以上です。普段から自宅で食事をする習慣のある子どものいる家庭よりも、外食機会の多い若年層の利用頻度が高いと考えられそうです。

ユーザーは複数のデリバリーアプリを駆使しているのか

最後に、デリバリー系サービスのアプリ間の併用状況をチェックします。複数を併用し、価格の安さや飲食店の質を比較しながら使っているのか、あるいはひとつのアプリにこだわって使っているのでしょうか。

こちらは、デリバリー系4サービス(Uber Eats、出前館、楽天デリバリー、menu)の併用状況を示したグラフです。

eMark+より(分析期間:2019年4月〜2020年6月、対象デバイス:スマートフォン)
※グラフでは「サイト」と表現されていますが、これは各アプリのことを表しています。

このグラフから、全体のうち8割弱のユーザーが1つのデリバリーアプリのみを利用していることが分かります。

これは利用者数1位のUber Eatsに集中しているのでしょうか。Uber Eatsの併用状況を見てみましょう。

eMark+より(分析期間:2019年4月〜2020年6月、対象デバイス:スマートフォン)

このグラフでは、1番下の青い棒グラフがUber Eatsのみ利用しているユーザーの割合を表しています。その比率は72%ほどと、Uber Eatsユーザーの約7割が同アプリのみを利用していることが分かりました。また、併用ユーザーでは出前館が20%ほど、楽天デリバリーが7%ほど、menuが6%ほどという数字になっています。

これらのグラフから、デリバリーアプリではいまのところ1つのアプリのみに絞って利用する人が多いと言えるでしょう。その中でもUber Eatsがもっともシェアが多く、他サービスが追随するという市場環境になっているようです。

では、本稿をまとめます。

ここまで食べログやぐるなびといったグルメ系サービスと、感染症の拡大によって需要が高まったデリバリー系サービスの実態を調査してきました。withコロナ時代では、日常生活における行動範囲が狭まり、外食においても「近場のお店でのテイクアウト」が今後のメイントレンドだと言われています。

しかし、冒頭のユーザー数調査にも表れていた通り、食べログのサイト利用はまだまだ大きな規模で、5月以降は回復基調です。「美味しいものを食べたい」時、お店調べの第一想起は食べログであることは今も変わりないでしょう。また、デリバリー系サービスが充実してきたことで、利用シーンによってアプリを使い分けている可能性もあります。

コロナショックで大打撃を受けた飲食業界。外食産業のかたちは今後の情勢によってまた変化を余儀なくされる可能性もあります。情報収集手段であるグルメ系・デリバリー系サービスの動向には消費者の動きが反映されるため、今後も注目していく必要があるでしょう。

本記事の調査は、ヴァリューズのインターネット行動ログ分析ツール「eMark+」を用いて調査を行いましたが、2020年10月に新ツール「Dockpit(ドックピット)」がリリースされました。Dockpitには無料版もありますので、ぜひ以下ボタンよりご登録ください。

dockpit 無料版の登録はこちら

デリバリーアプリをより詳細に分析した記事も公開しています。そちらも合わせてご覧ください。

新型コロナの影響は食生活にも?「Uber Eats」などフードデリバリーアプリの利用が急増中

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分析概要

全国のモニター会員の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「eMark+」を使用し、2020年1月〜2020年6月におけるユーザーの行動を分析しました。
※ユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

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この記事のライター

フリーランスPRおよびライターとして活動中。二児の母。

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