シェアリングエコノミーとは?
シェアリングエコノミーとは「空き家や空き部屋、自動車、そして個人が持つスキルといった有形、無形を問わず、個人が持っている遊休資産をインターネットを介して貸し出すサービス」のことです。“インターネットを介して”とありますが、インターネットを介さずに貸し出すケースもあります。
シェアリングエコノミーの持つ可能性(総務省)
総務省の資料から明らかな通り、シェアリングサービスを展開する事業者数は、2012年頃から増加傾向にあります。
シェアリングエコノミー普及の背景は?
大きな要因として挙げられるのが、スマホやタブレットといったモバイル端末の普及です。これによりインターネットへのアクセスが一般的になり、貸し出しシステムを利用しやすくなりました。
このほか、消費者の商品に対する認識の変化も見逃せません。従来であれば商品は「所有」するという認識でしたが、それが徐々に「利用」(≒所有しない)へと変化しているために、シェアリングが受容されやすくなったという背景もあります。
シェアリングエコノミーのメリット・デメリット
■シェアリングエコノミーのメリット
「遊休資産」を使ってのサービス提供なので、初期費用が少なくて済む、企業の仲介による中間マージンを抑えられる、自分のスキルを使えるといった、金銭的なメリットが第一になります。
企業サイドとしては、社外からスキルや資金を集めるチャネルを手軽に増やせる点もメリットに加えられます。
■シェアリングエコノミーのデメリット
急速に発展したサービスゆえ、法整備が追いついておらず、利用者の信頼関係のみでサービスが行われている、安心感の点で不安要素を抱えている点が挙げられます。
たとえば、住民トラブルが多発し民泊新法の制定にいたった「Airbnb」や、海外では裁判になっている「Uber」のドライバーは業務委託か従業員か?といった問題があります。
シェアリングエコノミーの代表的事例
シェアリングエコノミーは、空間・移動・モノ・スキル・お金の5つに分類されます。この分類に沿って、それぞれの日本国内における代表的な事例を紹介します。
■Airbnb(エアビーアンドビー):空間シェアリングエコノミー
「民泊」というワードを世に知らしめたサービスがAirbnb(エアビーアンドビー)です。自宅の空き部屋、不動産といった“空間”の貸借をAirbnbが仲介します。ホテルや旅館に宿泊するよりも割安で、かつ地元との人との交流も期待できるという点で好評を得ています。
Airbnbで一生忘れられない旅をしよう。近場に眠る大冒険、遠い異国のアドベンチャーを探し、世界中のユニークな家、体験、スポットにアクセス。
■スペースマーケット:空間シェアリングエコノミー
スペースマーケットは、さまざまな広さの空きスペースを1時間単位から借りられるサービスです。会議やイベント、女子会や撮影など、幅広い用途で利用されています。また、企業や自治体との連携もさかんになり、地域活性化の役割も期待されています。
スペースマーケット | 貸し会議室から球場までレンタルスペース簡単予約
https://www.spacemarket.com/レンタルスペースの予約なら「スペースマーケット」。貸し会議室から球場まで全国10,000件以上のレンタルスペース情報を掲載中。独自のまとめやユーザーからのレビュー、写真をもとに、目的や予算に合ったレンタルスペースを簡単に予約できます!
下記、withコロナのシェアエコノミー市場を調査したデータには、スペースマーケットのWebサイトのユーザー数が掲載されています。
withコロナのシェアエコ市場のデータを調査。戦略シフトで実は会員や売上を伸ばしていたサービスも
https://manamina.valuesccg.com/articles/998新型コロナの影響で、シェアリングエコノミーのサービスは接触リスクを伴うことが懸念されていました。しかし、コロナ需要に合わせて戦略をシフトしたいくつかのサービスは、新たな価値を築きつつあるといいます。本稿では、そんなシェアエコ市場に着目。市場分析ツール「eMark+」を使い、「スペースマーケット」「タイミー」「ココナラ」「メルカリ」の4サービスの最新動向を分析します。
■Uber:移動手段のシェアリングエコノミー
海外では一般人のドライバーと利用者をマッチングするサービスとして有名なUber。タクシーよりも割安で決済もスマホひとつで完了、さらに、安全を追求したシステムで好評を博しています。
残念ながら日本では、法律の問題でタクシー会社からの配車という形でしか利用できません。が、配車の手配から決済までをスマホで完結でき、今まで以上にタクシー利用のハードルを下げています。
下記、日本国内のタクシー配車アプリ市場の勢力図を調査したデータでは、JapanTaxiがアプリユーザー数首位となっていますが、今後Uber Taxi参入や業界再編でどのような変化がみられるのか、注目が集まっています。
タクシー配車アプリはJapanTaxiがユーザー数首位。Uber Taxi参入や業界再編で市場勢力図はいかに?
https://manamina.valuesccg.com/articles/994今やスマートフォン一つで簡単にタクシーを呼ぶことができる「タクシー配車アプリ」。決済方法もクレジットカードはもちろん、交通系ICカードや電子マネーでの支払いなどますますキャッシュレス対応が可能となり、降車前のネット決済も可能なサービスも見受けられます。このようにタクシー業界はここ数年来IT関連企業による参入が相次いでおり、競争が激しくなりつつ、業界再編も必至の模様。今回は主に多く利用されている5つのタクシー配車アプリを調査してみました。
■COGICOGI(コギコギ):移動手段のシェアリングエコノミー
COGICOGI(コギコギ)は、電動アシスト自転車を半日単位でレンタルでき、支払いや鍵の管理はスマホで行えるサービスです。サービス提供エリアは現在のところ、東京、京都、大阪、福岡、鎌倉・湘南、萩、基山ですが、実証実験を各地で行っているので、今後より提供エリアは拡がっていくと予想されます。同様のシェアサイクルとしてはドコモサイクルがあり、「Uber Eats」の配達員に活用されています。
TOPページ|レンタサイクル・シェアサイクル COGICOGI
http://cogicogi.jp/index.html電動アシスト自転車のレンタサイクル・シェアサイクルはCOGICOGI(コギコギ)。東京、京都、大阪、福岡、鎌倉、江ノ島、藤沢、須賀川、東川、旭川、東神楽、萩、基山などで電動アシスト自転車のレンタサイクルが24時間ご利用いただけます。長期(サブスク)の自転車レンタルにも対応中
■Rentio:レンタル商品のシェアリングエコノミー事例
家電を中心に常時1500種類以上のレンタル商品を展開するRetino。レンタル商品はカメラから育児用品までと幅広く用意されており、レンタル期間も短期から長期、さらには買い取りもあり、とユーザーのニーズに合わせた方式になっています。
下記では、Rentioの人気コンテンツや利用者層の調査結果を公開しています。
「家電は買うだけじゃない」…人気急上昇中のカメラと最新家電のレンタルサービス『Rentio』を調査
https://manamina.valuesccg.com/articles/790カメラ・家電を中心に常時1500種類以上のレンタル商品を展開する「Rentio」(以下、レンティオ)。高額な家電をどんな敏腕家電販売員にすすめられても、やはり使ってみないとわからない。そんな家電購入選びの迷いを打ち消すかのようなレンティオの「レンタル」サービス。ひとくちに家電と言っても、カメラから育児用品までと幅広く、レンタル期間も短期から長期、買い取りまでと様々。はたして急増している利用者はどんな人物像なのか、レンティオのサービスも含めて調査しました。
Rentio[レンティオ] - カメラと最新家電のレンタルサービス 必要な間だけ買わずに使えて、気に入れば返さず購入もできます
https://www.rentio.jp/厳選2,201種類の家電、カメラ、ベビー用品が買わずにいつでも試しに使える!気に入れば返さずに購入も!レンタルサービスRentio。数日間のお試しから月額制の長期利用まで、必要な間だけ自分のものに。全国送料無料で最短翌日お届け、誰でも今すぐ注文できます
■TABETE:食品分野のシェアリングエコノミー事例
TABETEは、飲食店で閉店時間や賞味期限といった理由で廃棄されてしまう食品を割安で購入できるサービスです。モバイル端末やパソコンから任意の地域を選択し、その中に表示されている店舗から購入という流れになっています。これにより、食品廃棄の低減にも貢献できます。
フードシェアリングサービス TABETE | 株式会社コークッキング
https://www.cocooking.co.jp/food-sharing/【 TABETE 】フードロス削減をねらう国内初のフードシェアリングサービス|株式会社コークッキングは、新しいかたちの「場」「しくみ」「ツール」づくりを通して、人間らしく創造的な人々の暮らしを支援する会社です。料理を使って素晴らしい世の中へ“We’re Cooking a Better World”
■クラウドワークス:スキルのシェアリングエコノミー事例
仕事を依頼したいクライアントと、スキルを持つユーザー(ワーカー)をつなぐサービスです。ほかにもクラウドソーシングサービスはありますが、仕事の依頼件数においてはこのクラウドワークスが日本最大規模となっています。
日本最大のクラウドソーシング「クラウドワークス」実績のあるプロに依頼・発注できるから安心クオリティーでどこよりも早くリーズナブル!ホームページ作成、アプリ・ウェブ開発やロゴ・チラシ作成、ライティング、データ入力まで、幅広い仕事に対応!
■ANYTIMES:スキルのシェアリングエコノミー
クラウドワークスのような、いわゆる“仕事”ではなく、料理やDIYといった日常生活のスキルを持つユーザーをマッチングするのがANYTIMESです。日常のちょっとした家事やペットのお世話をお願いでき、主婦から好評を得ています。
■ココナラ:スキルのシェアリングエコノミー事例
イラスト、動画、音楽作成からビジネスのコンサルティングまで、スキルや知識のシェアサービスとして伸びているのが「ココナラ」です。
ユーザーのスキルを1回500円から出品できる仕組みで、70万人を超える会員を獲得しています。
ココナラは「知識・スキル・経験」など、みんなの得意を気軽に売り買いできるスキルマーケットです。友達に聞かれたり、お願いされるような「あなたの得意」を簡単出品。恋愛の相談から本格占い、キャッチコピー・ロゴ・イラスト作成まで何でも売り買いできます。
■CAMPFIRE:出資者を募るシェアリングエコノミー
出資者を募るサービス「クラウンドファンディング」に分類されるのが、この「CAMPFIRE」です。
これまで出資を募るという行為は金融機関からの融資など、ハードルが高かったのですが、このCAMPFIREを筆頭にクラウンドファンディングの普及によって資本を集めて新たな商品、サービスの開発・提供の敷居がぐっと下がりました。
クラウドファンディング - CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/国内最大のクラウドファンディング。テクノロジー、ソーシャルグッド、ファッション、ローカル、飲食、音楽、アート、映画、ゲーム、アニメなど、掲載件数は25,000件以上。
下記では、「CAMPFIRE」や「Makuake」など主要なクラウドファンディングのユーザー数推移や利用者層が比較調査されています。
クラウドファンディングの利用者層を比較調査。「Makuake」「CAMPFIRE」の2強変わらず
https://manamina.valuesccg.com/articles/27近年、市場が拡大し資金調達の手段としてさらに身近なツールとなりつつあるクラウドファンディング。約1年半前にヴァリューズでも購入型サイトに着目した分析を行いましたが、その後どのような変化があったのでしょうか。利用者数やユーザーの年齢層などを、サイト分析ツールの「eMark+」を用いて調査しました。
■Crowd Reality(クラウドリアルティ):不動産のシェアリングエコノミー
Crowd Reality(クラウドリアルティ)は、不動産を活用したい人と、それを投資として応援したい人を繋げる、不動産に特化したサービスです。
不動産に特化した投資型クラウドファンディング | クラウドリアルティ
https://www.crowd-realty.com/クラウドリアルティは、不動産を利活用するための資金を必要としている方々と、それを投資という形で応援したい方々を直接結びつける、投資型クラウドファンディングの仕組みです。
まとめ
これまで、モノやサービスは企業から受け取る、という考えが一般的でしたが、シェアリングエコノミーによって、個人と個人がモノやサービスをやりとりする流れが構築されたと言えます。
従来よりも安価にモノやサービスを受けられるメリットはもちろん、重視されるようになってきた「人とのつながり」も意識できることから、今後も様々な分野でシェアリングエコノミーの流れが加速すると予想されます。
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