「レンティオ」ってどんなサービス?
■レンティオとは?
そのような中、2015年にレンタル事業を創業して以来、購入を考えもしなかった製品や、価格的に購入には手の届かなかった製品をレンタルすることで、順調に利用者を増やしている「レンティオ」。その規模は2016年からの累計レンタル注文数19万件を突破する勢い。まさにうなぎ登りと言ってもいいでしょう。
Rentio[レンティオ] - カメラと最新家電のレンタルサービス 必要な間だけ買わずに使えて、気に入れば返さず購入もできます
https://www.rentio.jp/1,000種類の家電、カメラ、ベビー用品が買わずにいつでも使える!気に入れば返さずに購入も!テレビCMも話題のレンタルサービスRentio。数日間のお試しから月額制の長期利用まで、必要な間だけ自分のものに。全国送料無料で最短翌日お届け、誰でも今すぐ注文できます
さらにその勢いに拍車をかけるかのように、2020年3月には10億円の増資も発表。調達資金に関しては、人材強化、在庫拡充やマーケティングへの投資、物流面のアップグレードを進めていく見込みとのことです。
さてそんなレンティオは、『不要な「所有」を減らし、価値ある「体験」を増やしたい』というミッションのもと、以下の2つのサービスが基本となっています。
①家電やカメラを気軽にレンタルできるサービス「Rentio」
②最新家電とともに過ごすライフスタイルを提案する情報サイト「Rentio PRESS」
次からそれぞれ詳しく見ていきましょう。
■具体的にはどんなものが借りられる?
レンティオでは、一眼レフカメラ、掃除ロボット、高圧洗浄機、キッチン家電、ドローン、ベビーカー、寝具といった製品、製造元はソニーやシャープなどの大手メーカーから、iRobotやAnker(アンカー)などの新興メーカーまで実に1500種類以上を取り扱っており、それら製品の約2万点を在庫保有し、毎月1万3000〜4000件の商品を貸し出しているそう。
レンタル費用の一例としては、例えば5万円以上するキッチン家電や、更に高価格帯の一眼レフカメラを月額数千〜7000円程度でレンタルすることができます。
図:主なサービスプラン
レンタルの形態としては、基本の3泊4日の短期レンタルに加えて、月額制の長期レンタルの他、ユニークなのが「もらえるレンタル」。これは一定期間使用し続けると商品が手に入るというサービスです。
実際レンタルして良かったから、一旦返却して、店舗やネットなどで新品を買い直す…といった、手間と資金が抑えられる嬉しいサービスですね。
またこの他、月額1,200円〜で人気のロボット掃除機「ルンバ」を借りられるというサブスクサービスもiRobot社と共同展開中です。
Robot Smart Plan 月々1,200円からのサブスクプラン
https://www.irobot-jp.com/robotsmartplan/月々のお支払いでお手軽にお掃除をロボットにおまかせ。3年間無償保証、13か月目から解約可能などしっかりサポートで安心してお使いいただけます。
借りる方法もいたって簡単。どのサービスもネットで申し込み可能。最短で翌日には手元に届きます。あとは利用が終わったら送付時のキットを再利用して返送するだけと実にシンプルかつ便利です。
図:1日単位の場合のアイテムのレンタル方法
■「Rentio PRESS」ではどんなコンテンツが人気?
また、前述した②最新家電とともに過ごすライフスタイルを提案する情報サイト「Rentio PRESS」というサイトも、家電選びからカメラレンズの詳しい話題まで多岐にわたる情報が掲載されており、人気のサイトとなっているようです。
Rentioによるカメラ・家電の徹底解説サイト
「Rentio PRESS」
例えば、どんなページが閲覧されているのか、サイト分析ツール「eMark+」のデータでコンテンツランキングを調べてみました。こちらは2020年2月のレンティオのサイト内コンテンツランキングです。
期間:2020年2月
デバイス:PC
さすが人気のカメラ情報が満載ですね。加えてこちらも根強い人気のロボット掃除機の製品比較記事などが上位にランキングされています。さらにユーザーにとって魅力的と言えるのは、製品機能の紹介だけでなく、製品の使い方などのコンテンツも充実しているところのようです。
例えば、5位にランキングされている「ホワイトバランスと色味を知ろう!設定1つでこんなにも変わる撮影テクニックを解説」などは、カメラ初心者やもっと上達したいユーザーのちょっとした疑問にも答え、テクニックの紹介も数多く掲載されています。
これからレンタルを考えるユーザーにとっても、既にレンタルしているユーザーにとっても、興味深いコンテンツがまとめられているサイトと言えるでしょう。
レンティオのユーザー層を調査
それではどんなユーザーがレンティオを利用しているのか、「eMark+」のデータをもとに探ってみましょう。
■①ユーザー数推移
2019年3月から2020年2月までのユーザー数推移です。
ゴールデンウィークや夏休み、年末年始と、休暇やイベントを連想させる時期に盛り上がりを見せながら、約1.8倍の右肩上がりに推移しています。
図:サイトUU数推移
期間:2019年3月〜2020年2月
デバイス:PC、スマートフォン
■②性別構成比
男性が65.9%と多数を占めています。生活必需品というよりも、趣味に利用する家電をレンタルされているのではないかと連想できます。
図:性別構成比
期間:2019年3月〜2020年2月
デバイス:PC、スマートフォン
■②年代別構成比
20代〜40代が大半を占める結果となりました。趣味、育児などのライフイベントが多い年代とも取れますし、また「購入よりレンタル」という概念が、これらの年代の方により受け入れられており、身近にあるとも言えそうです。
図:年代別構成比
期間:2019年3月〜2020年2月
デバイス:PC、スマートフォン
上記3項目の属性別データを総合的にみると、ユーザーは男性が多く、趣味(おそらくカメラやデジタル機器)に利用する家電をお試しレンタルしているのではという大まかなユーザー像が浮かびます。
アンケートでユーザー像をさらに調査
マナミナを運営する株式会社ヴァリューズのアンケート×ネット行動ログに基づく調査から、さらにユーザー像に近づいてみましょう。調査対象は2019年1月~12月の間に、レンティオのサイトに1回でも接触した人で、2019年12月のネット行動データを抽出し分析したものです。
■20代〜30代の若年層男性の利用が目立つ
まず、前項でも調べた属性別データを詳しく見てみましょう。
やはり20代〜30代の若年層男性の利用が目立つようです。職業としては、学生も比較的多く含まれるという点から、イベントでの利用、または家電の購入コストを下げたいといった動機もうかがえますね。
図:ユーザー属性 性年代別
図:ユーザー属性 職業別
■趣味に多く支出している傾向が
日常でどのような項目に多く支出しているのか、毎月の支出状況も見てみましょう。Rentioユーザーの特徴として挙げられるのは、「海外旅行」「国内旅行」「外食」。趣味に多く支出しているのがわかります。
図:1か月あたりの平均支出
■「カメラ・家電」に興味関心が強い
さらに、どういったことに関心を強く持っているのか分布図で見てみます。
高額な家電レンタルに興味があるだけあって、「カメラ」「スマートフォン」「デジタル機器」が特出しています。「マネー、投資」という項目も気になります。自身のライフスタイルにおいて、快適さや便利さ趣味を満喫し、経済的にも物質的にも豊さを求める傾向が強いのではと連想されます。
図:興味関心 分布図
■新情報はSNS経由で収集
このようなユーザーはどのようにして、情報を得ているのでしょうか。下記のグラフを見ると、「SNS」「ネットの書き込み」が多く、ネット利用者が多いのではと推測されます。別のアンケートでも、1日を通じてネットアクティブであるとの結果が出ていました。比較的デジタルツールに精通している人物像とイメージできます。
図:新情報の入手先
■Amazonでは何をよく見ている?
先のアンケート結果で、“ネットアクティブ”、“デジタルツールに精通”というユーザー像が見えてきました。その延長で調査した「実際にどのようなアプリを利用しているか?」という行動ログ分析では、「Twitter」「Amazon」「Instagram」が特徴値上位という結果が。
では、この中の一例「Amazon」で、どんなジャンルの商品をよく見ているのか分布図を出してみると、「ホーム&キッチン」「家電&カメラ」をよく見に行っているようです。レンティオでレンタルできる製品の情報、実際の販売価格などを検索しているとも考えられますね。
図:Amazonで何をよくみているか?
※これら調査結果は一部です。ヴァリューズではさらに細かく調査したアンケート×行動ログ分析データを用意しております。ご興味ある方はぜひお問い合わせください。
まとめ
急速な成長を見せるレンティオ 。高額な家電購入のハードルを下げるだけでなく、デジタル社会に生きる現代人にマッチした、ネットひとつで自宅で商品のやり取りもできるといった利便性の高いサービス形態も人気を後押しする要因の一つと感じました。そして、シェアリングエコノミーも成長している今、ビジネスモデルも的確にニーズに応えていると言えるでしょう。
今や家電までもシェアリング、サブスクリプションとなると、「所有」するという意味はどのような価値をもつのか、現代の価値観の変貌も気になるところです。このレンティオのサービスがこの先どれほど定着し拡大していくのか、さらに注目です。
分析概要
全国のモニター会員(20代以上)の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「eMark+」を使用し、2019年1月~2020年2月におけるユーザーの行動を分析しました。
※Webサイトのユーザー数はPC及びスマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。
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