クラウドファンディングの利用者層を比較調査。「Makuake」「CAMPFIRE」の2強変わらず。

クラウドファンディングの利用者層を比較調査。「Makuake」「CAMPFIRE」の2強変わらず。

近年、市場が拡大し資金調達の手段としてさらに身近なツールとなりつつあるクラウドファンディング。約1年半前にヴァリューズでも購入型サイトに着目した分析を行いましたが、その後どのような変化があったのでしょうか。利用者数やユーザーの年齢層などを、サイト分析ツールの「eMark+」を用いて調査しました。


依然として圧倒的なユーザー数を誇る「Makuake」と「CAMPFIRE」

2018年7月に行った調査の際、2017年6月~2018年5月までの1年間のサイト訪問者数が多かった下記5つのサイトについて、再び調査を行いました。

Makuake: https://www.makuake.com/

CAMPFIRE: https://camp-fire.jp/

READYFOR: https://readyfor.jp/

GREEN FUNDING: https://greenfunding.jp/

MotionGallery: https://motion-gallery.net/

まず、2019年1月~12月の1年間におけるユーザー数の推移を調べてみると、引き続き「Makuake」、「CAMPFIRE」が高い集客数を維持していることがわかりました【図1】。

【図1】2019年1月~12月のユーザー数推移
※デバイス:PC・スマートフォン

2019年12月時点では1位が「Makuake」、2位が「CAMPFIRE」となっていますが、3位の「GREEN FUNDING」とは2倍以上の差があり、3位以下を大きく引き離す結果となりました。

特に「Makuake」は2019年10月以降の3カ月でさらにユーザー数を増やしており、「CAMPFIRE」との差も広げつつあります。3位の「GREEN FUNDING」は前回の調査では「READYFOR」に続いて4位でしたが、拮抗しながらも直近のユーザー数では「READYFOR」を超える結果となりました。1年を通して順調にユーザー数を伸ばしているため、今後の更なる飛躍が期待されます。

圧倒的ユーザー数を支えるリピーター

次に、2019年12月のユーザー数に占める新規ユーザー率を調べてみました。ユーザー数が多い「Makuake」、「CAMPFIRE」、「GREEN FUNDING」の上位3つのサイトは新規ユーザー率が3割台で、リピーターに支持されていることがわかります。逆に4位・5位の「READYFOR」、「MotionGallery」は半数以上が新規ユーザーであるということがわかりました【図2】。

【図2】新規ユーザー率(2019年12月)
※デバイス:PC・スマートフォン

また、2019年8月~12月の半年間における「Makuake」「CAMPFIRE」の流入元について調査してみると “お気に入り/履歴”からの流入が「Makuake」は約6%、「CAMPFIRE」は約10%となっていることがわかりました【図3】。

【図3】流入元構成比(2019年8月~12月)
※デバイス:PC

上記の割合は他3つのサイトに比べると多い割合となっており、さらに各サイトの“お気に入り/履歴”からの流入セッション数の推移を比べてみると、以下の通り大きな差がでました【図4】。

「Makuake」、「CAMPFIRE」の2サイトについてはリピーターからの支持が高いことを裏付ける結果となりました。

【図4】流入元(お気に入り/履歴)
※デバイス:PC
※セッション数で集計

加えて、1人あたりページビュー数や平均滞在時間をみてみると、「Makuake」、「CAMPFIRE」は共に1人あたりのページビュー数が多く、滞在時間も長いことがわかります【図5】【図6】。これらの結果から、「Makuake」、「CAMPFIRE」は既存ユーザーの関心を持続させ、サイト内でさまざまなページを閲覧させることに成功していることがわかります。

【図5】1人あたりページビュー数(2019年12月)
※デバイス:PC・スマートフォン

【図6】平均滞在時間(2019年12月)
※デバイス:PC・スマートフォン

検索ワード1位は「MAKUAKE」

さらに、2019年8月~12月の各サイトの流入元について詳しく分析してみました。

まず、“一般広告”からのサイト流入では「Makuake」が他サイトを大きく引き離す結果となりました 【図7】。広告の内訳は、Criteoリターゲティング広告やYahoo! ディスプレイアドネットワークでの集客率が高くなっていました。

【図7】流入元(一般広告)
※デバイス:PC
※セッション数で集計

加えて、“リスティング広告”からの流入においても「Makuake」がトップとなり、広告媒体をうまく活用し安定してユーザーを確保していることが伺えます【図8】。

【図8】流入元(リスティング広告)
※デバイス:PC
※セッション数で集計

また、“外部サイト”からの流入については引き続きFacebookやTwitterなどのSNSが大きな割合を占めていました。2019年8月時点では「CAMPFIRE」が他サイトよりも高い水準となっていましたが、半年間で「Makuake」と入れ替わる形となっています【図9】。

【図9】流入元(外部サイト)
※デバイス:PC
※セッション数で集計

最後に“自然検索”でも数値を伸ばしているのは「Makuake」でした。

検索キーワードでは「クラウドファンディング」を抑え、「MAKUAKE」が1位。さらにトップ10の中には「Makuake」に関連するワードが4つもランクインするなど存在感を示す結果となりました【図10】【図11】。

【図10】流入元(自然検索)
※デバイス:PC
※セッション数で集計

【図11】自然検索キーワードランキング(2019年8月~12月)
※デバイス:PC

男性からの支持の高い「GREEN FUNDING」、薄型/小型に注目集まる

最後に、各サイトのユーザー属性について年代・性別の2つの観点から調べてみました【図12】【図13】。

【図12】属性情報(年代)
※デバイス:PC・スマートフォン

【図13】属性情報(性別)
※デバイス:PC・スマートフォン

年代についてはどのサイトも比較的若い世代の割合が高くなっていますが、「CAMPFIRE」と「MotionGallery」は20代の割合が他サイトよりも高く、より若年層からの支持が厚いことがわかります。

また、全てのサイトにおいて男性の割合の方が高くなっていますが、中でも「GREEN FUNDING」については8割を男性が占めており、男性からの支持が高いことがうかがえます。

属性情報の分析で男性からの支持を集めていることがわかった「GREEN FUNDING」に着目し、2019年8月~12月の半年間に男性ユーザーが閲覧した人気コンテンツを調べてみました【図14】。上位10項目にはさまざまな製品が並びましたが、「超小型」「薄い」「手のひらサイズ」など軽量化に関するワードが目立ちました。

【図14】「GREEN FUNDING」コンテンツランキング(男性/2019年8月~12月)
※デバイス:PC

5位にランクインした超小型トランシーバー「BONX mini」は、2020年2月18日時点で3,185人が支援を表明しています。「BONX mini」では独自のスマートフォンアプリとBluetoothイヤフォンを組み合わせ、距離無制限のグループ通話を楽しむことや、音楽視聴を可能にします。

調査の結果、現状では「Makuake」が人気・知名度ともに最も高い水準であることがわかりました。ユーザー数で拮抗する「CAMPFIRE」や、男性の支持を集める「GREEN FUNDING」など、他サイトが今後どのように「Makuake」に迫っていくのか引き続き目が離せません。

分析概要

全国のモニター会員(20代以上)の協力により、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「eMark+」を使用し、2019年1月~12月におけるユーザーの行動を分析しました。
※ユーザー数はPC+スマートフォンからのアクセスを集計し、ヴァリューズ保有モニターでの出現率を基に、国内ネット人口に則して推測。

本記事の調査は、ヴァリューズのインターネット行動ログ分析ツール「eMark+」を用いて調査を行いましたが、2020年10月に新ツール「Dockpit(ドックピット)」がリリースされました。Dockpitはマナミナを運営している株式会社ヴァリューズが開発・提供している、SaaS型のサイト・アプリ分析ツールです。

調べたいサイトやアプリは任意に指定できるため、気になるライバルサイト・アプリや、提案予定のクライアントの類似サイト・アプリのユーザー数などを、簡単にチェックできます。

Dockpitには無料版もありますので、ぜひ以下ボタンよりご登録ください。

dockpit 無料版の登録はこちら

関連記事

注目のビジネスモデル「D2C」とは?海外・国内の最新事例をご紹介

https://manamina.valuesccg.com/articles/550

D2Cとは、メーカーやブランドが店舗を介さず、自社ECサイトを通じて直販するビジネスモデルです。D2Cはアパレルや小売業界を中心に活用され、寝具マットレスの米国企業Casperのように未上場ながら評価額10億ドルを超えるユニコーン企業も現れたことから注目を集めています。D2Cの特徴や日本と海外のD2Cブランド事例をご紹介します。

マッチングアプリ市場調査 利用ユーザー数では「Pairs(ペアーズ)」と「Tinder(ティンダー)」が2強に

https://manamina.valuesccg.com/articles/900

近年、出会いの手段として一般的になった「マッチングアプリ」。<a href="https://dime.jp/genre/597454/" target="_blank">株式会社ネオマーケティングの調査</a>によると若者の5人に1人が「マッチングアプリ」を利用していると言われています。 さらにアプリをきっかけにお付き合いをする人、結婚をする人も急増しているようです。今回は急激に普及している「マッチングアプリ」について、「eMark+」を使って調査・分析しました。

​​

メールマガジン登録

最新調査やマーケティングに役立つ
トレンド情報をお届けします

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連するキーワード


市場調査

関連する投稿


アットコスメWebサイトでのライブコマース、閲覧ユーザーにはどんな特徴が?ログデータで分析

アットコスメWebサイトでのライブコマース、閲覧ユーザーにはどんな特徴が?ログデータで分析

日本国内でも徐々に注目を集めている、ライブコマース。販売側と視聴者の双方向性を強みとして、業界問わず採用する企業が増えています。今回はコスメ・美容の総合サイト、アットコスメが取り入れているライブコマースサービスに焦点をあて、ライブコマースを利用するユーザー層にどんな特徴があるのか、調査してみます。


最新スマホアプリインストール数ランキング、インスタが全体3位にランクイン(2022年6月)

最新スマホアプリインストール数ランキング、インスタが全体3位にランクイン(2022年6月)

毎月更新のスマートフォンアプリインストール数ランキングTop5をまとめました。2022年6月の1位は「マイナポイント」という結果に。2位には「セブン-イレブンアプリ」、3位には「Instagram」がランクインしました。


今ビジネスパーソンが注目する市場は?「市場規模」クエリ検索者のデータで調査

今ビジネスパーソンが注目する市場は?「市場規模」クエリ検索者のデータで調査

ビジネスパーソンにとって、様々なマーケットに対し高くアンテナを張っておくことは非常に重要です。今回はヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を用いて、「市場規模」のクエリで検索をしているユーザーの動向を調査・分析することで、いまビジネスパーソンの興味関心トレンドが上昇している業界はどこなのかを探ります。


Sports Streaming Service Market - Has the Number of Users Decreased Due to DAZN's Price Hike?

Sports Streaming Service Market - Has the Number of Users Decreased Due to DAZN's Price Hike?

VOD services are changing the way people watch sports. DAZN has had a remarkable breakthrough in the sports video distribution market, but has its price hike in February this year affected its market share? We will use the web behavior log analytics tool Dockpit to find out.


トヨタ「ぴったりクルマ診断」が自動車購入促進に?第三者データで分析

トヨタ「ぴったりクルマ診断」が自動車購入促進に?第三者データで分析

トヨタ自動車の提供する「ぴったりクルマ診断」は、数問の簡易的な質問に回答すると、自身にマッチした車種を提示してくれるツールです。この診断ツールにはトヨタのどのような集客戦略が背景にありそうか、ヴァリューズのWeb行動ログ分析ツール「Dockpit」を用いて調査していきます。


最新の投稿


Can Craft Cola Achieve the Popularity of Spiced Curry? Surprising Commonalities Revealed by Keyword Research

Can Craft Cola Achieve the Popularity of Spiced Curry? Surprising Commonalities Revealed by Keyword Research

We will analyze food trends while targeting marketers in the food industry or those interested in trends. Although seemingly unrelated, “craft cola” and “spiced curry” are both unique and playful "health-conscious" foods that "use spices." Here, we analyze the popularity of "craft cola" and "spiced curry."


【2022年8月29日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2022年8月29日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


広告出稿に役立つ!競合サイト分析をツールで効率化

広告出稿に役立つ!競合サイト分析をツールで効率化

競合サイト分析で自社サイトのアクセスを増やすには?ツールを使った分析手法が一般的になったSEOのほか、流入増の手段は一つではありません。広告出稿や顧客のペルソナの把握などの分野でも、ツールを使って競合サイトを分析することで、効率的に対策を立案することに役立ちます。Webサイトの流入構造の基本とツールを使った競合サイト分析手法についてまとめます。


コンテンツマーケティング最新動向レポート(2022年8月版)|ホワイトペーパー

コンテンツマーケティング最新動向レポート(2022年8月版)|ホワイトペーパー

国内外のSEO対策・SNSでの集客法など、コンテンツマーケティングに関する最新情報をまとめてご紹介。検索順位に影響する指標とは?TikTokの今後は?コンテンツマーケター必見のレポートを、毎月お届けします。


競合分析を効果的に活用するためのポジショニングマップの作り方

競合分析を効果的に活用するためのポジショニングマップの作り方

競合分析を経てマーケティング戦略を立案するには、自社が市場のどのポジションを狙うかが大事。「ポジショニングマップ」は、市場のどの分野で自社の競争優位を確立するか整理するのに役立つツール。今回はポジショニングマップの基本から作り方までを解説します。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら