中国の主要越境ECサイト9選〜CtoCから共同購入まで注目プラットフォームを解説!

中国の主要越境ECサイト9選〜CtoCから共同購入まで注目プラットフォームを解説!

「618」や「W11」等のキャンペーンで大きな売り上げが報じられる中国越境EC。サイト・プラットフォームにはどのような種類があるのでしょうか。モール型、CtoC型などに越境ECを分類し、9つのプラットフォームを取り上げた上で特徴を解説します。


越境ECとは何か?

越境ECとは、国境を越えて行われる通販の総称です。Amazonや楽天市場等の日本人にもなじみの深いサービスも、海外に向けて販売を行えば、一種の越境ECという事ができます。グローバル全体では、Amazonの様な大手プラットフォームや、企業の直販サイトが有力です。

しかし、市場環境が特殊な中国では、越境ECも独自のプラットフォームが存在し、多様な発展を遂げています。今回は、そんな中国の越境ECについて解説します。

中国向け越境ECの仕組みと特徴

中国越境ECの仕組みは、大きくは2つに分かれます。

①保税区活用型:
中国国内の保税区に商品を保管しておき、保税区から消費者に商品を発送する。

②直送型:
中国国外から中国国内の消費者に直接商品を発送する。

また、中国越境ECに取り組むメリット・デメリットとしては、大きくは以下があげられます。

■メリット 
・商圏の幅が広がる
・市場拡大に伴い参入がスムーズになってきている
 
■デメリット
・代金回収リスクに伴う対策コストがかかる
・販売先に合わせた決済/発送/言語が必要になる

中国ではメーカーの直販サイトはあまりメジャーでなく、ECモールでの販売が一般的です。ただし、ECモールは出店の際に保証金が必要な場合が多いので、その点は注意が必要です。

では、その中で日本商品はどのようなものが売れているのでしょうか?
中国人が越境 EC サイトで直近 1 年以内に購入した日本製品」上位5カテゴリは以下のようになっています。

①基礎化粧品(46.9%)
②メイクアップ化粧品(46.1%)
③食品(43.5%)
④マンガ・アニメ(43.2%)
⑤フェイスケア用品(37.8%)
※( )の中は越境ECで何か商品を購入した人のうち、該当カテゴリ商品を購入した割合
※経済産業省『平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 (電子商取引に関する市場調査)』より


化粧品が目立ちますが、マンガ・アニメ等の日本らしさある商品も買われている事が分かります。

注目の中国越境ECサイト9選

次に、具体的なECの種類を見ていきましょう。

中国のECモールは、アリババ系、テンセント系、その他の3つに分かれ、その中でもそれぞれ幾つかのタイプが存在します。

■モール型

1.天猫国際(tmall 国際)

小林製薬の天猫国際旗艦店

中国ECシェアNO.1のECです。アリババが主体で運営しており、出店型の販売モデルです。日本企業は自社でモールに出店し、運用しなければなりませんが、現地法人が不要という特徴があります。越境ECやインバウンドで有名な小林製薬をはじめ、多くの日本メーカーが出店しています。

また出店審査が厳しく、偽物や粗悪品の対策に力を入れており、商品としては食品や服、アクセサリーなどが売れ筋です。

2.京東国際(JD Worldwide)

京東トップページ

TencentグループのECです。日本館を設置しての誘致に力を入れており、全体の70%は出店型、30%は卸売型の販売モデルとなっています。日本企業専門の「日本館」も盛況です。デジタル家電に強いのが特徴で、海外メーカーの掃除機や髭剃り等も多く販売されています。

■CtoC

3.taobao(タオバオ)

taobaoトップページ

アリババ傘下のECです。一般消費者同士の取引ができるCtoCプラットフォームです。モノだけでなく、「翻訳」や「動画編集」といったサービスも販売されており、幅広い地域や年齢層が利用する総合的なサイトです。

■SNS連携型

4.小紅書 Red

小紅書でのフェイスマスクの投稿

23~28歳の若者に人気のSNS「小紅書」に、EC機能が備わったものです。買い物の感想/商品口コミ/好みの共有と買い物が同一上で可能なことが特徴。インフルエンサーの起用も実施しています。もともと女性の利用者が多い事もあり、商品としては、バッグ、靴、保健品、美容用品、個人ケア用品などが中心となっています。

5.Wechatのミニプログラム

花王メリーズのミニプログラム

ミニプログラムは、アプリ内アプリともいえる存在で、インストール不要で大もとのアプリに付属するEC軽量アプリです。中国最大のSNSプラットフォーム、Wechat内に存在し、SNSでの膨大なユーザー基盤を保持している点で成長が期待されています。

■卸売り型

6.網易考拉海購(Kaola.com)

考拉での日本関連商品

卸売り型の販売モデルです。網易考拉海購が買い付けた商品を直販方式で販売しているため、ユーザーは偽物かどうか心配する必要がない点が大きな魅力となっています。利用ユーザーは19歳~35歳の女性が多く、商品ではベビー/マタニティ用品、日用品が中心です。

7.唯品会(vip.com)

唯品会の日本アパレル

卸売型の販売モデルです。考拉同様、メーカーや正規代理店から仕入れをするため偽物の恐れがないことがメリットです。商品ジャンルが他ECよりも絞られており、期間限定で割引価格等の特典付きの商品を販売する手法を取り入れています。商品としては女性向けで美容用品、アパレル、マタニティに強いのが特徴です。

■共同購入型

8.併多多(ピンドゥオドゥオ)

併多多のアプリ内の様子

購入者が多いほど価格が下がるという仕組みの共同購入型ソーシャルECです。こちらは代表者が商品をロットで仕入れ、それをグループの仲間に販売する形式です。国内UU数ではアリババと首位を争うサービスですが、アリババなどと異なり地方都市や高齢者を主な対象としています。

■日本企業が運営

9.全日空海淘

全日空海淘のアプリ内の様子。ミズノが大きく露出している。

日本企業である株式会社ACDがANAホールディングスの出資を受けてリリースしたBtoC越境ECサービスです。直輸入での日本直送型の販売モデルとなります。

商品としては、日本発祥ブランドの化粧品などの取り扱いが特徴的です。日本企業ならではのサポートや、日本に特化して商品を扱っている点、分析用のデータを豊富に提供している点なども魅力と言えます。

まとめ

各モールに特徴があり、また複数のモールでも中国人の使い方も異なっているのが垣間見えたかと思います。出店先やチャネル戦略も、それに合わせた形で設計していく必要があると言えそうです。

▼マナミナではライオン株式会社の越境ECの取り組み事例を紹介した記事を公開しています。併せてご覧ください。

ライオンが中国の生活者の意外なインサイトを掴んだオンラインチャット調査とは? 越境ECの取り組みを聞いてみた

https://manamina.valuesccg.com/articles/927

伸長する中国市場への越境ECを伸ばしていきたい国内各社ですが、中国消費者の購買行動や嗜好をつかむのに手間取り、適切な商品開発やマーケティングができていない場合も多い状況。そこでライオン株式会社ではヴァリューズの中国オンラインチャット調査を使用し中国の生活者の実態把握を行いました。ライオンでリサーチ業務に携わる高木優さん、ヴァリューズの姜に取材します。

▼越境ECサイトの実態調査をホワイトペーパーにまとめました。興味のある方は無料ダウンロードしてご覧ください。

越境ECサイトではT-mall(天猫)の利用者がトップ!「中国越境ECに関する実態調査」結果レポート

https://manamina.valuesccg.com/articles/1139

コロナ禍で実店舗のインバウンドが難しい今、越境EC、すなわち通販サイトを通じて行う国際的な電子商取引(EC)に注目が集まっています。国内企業でも越境ECであれば、日本にいながら海外市場を開拓できます。今回は中国人の越境ECの利用実態について、アンケートで詳しく調査しました。(ページ数|22p)

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この記事のライター

京都の大学で長らく中国哲学史を研究。現在は事業会社に対するマーケティング支援を担当。中国・東南アジアを中心にグローバルリサーチにも携わっている。趣味は旅行と文献研究。

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