「〇〇とは」で検索された語句
まず、耳慣れない用語の意味を調べる際によく使われる「〇〇とは」検索から見ていきましょう。
この検索は、年代別でみると20代の若年層が多く検索する傾向にあります。
「〇〇とは」検索のユーザー属性【年代】
「〇〇とは」の「〇〇」は、具体的にはどんなキーワードが調べられているのでしょうか。
下図は、左側が検索が多いキーワード、右側が掛け合わせとして検索されることが多いキーワードです。
「〇〇とは」関連検索ワード
2021年上半期(1月~6月)の期間で集計をすると、1位は「SDGs」で、2位「CLUBHOUSE」の約3倍と大差を付けていることがわかりました。
■「SDGsとは」
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17の目標です。貧困やジェンダー平等、クリーンエネルギーなどテーマは多岐に渡ります。
最近は「SDGs」に関して考えることが学校の宿題となるなど、私たちの生活の中にも浸透してきており、意味を調べる人が増加傾向にあるようです。
「SDGs」単体の検索も、下のグラフのように、直近2年で右肩上がりに伸びています。
「SDGs」検索ユーザー数推移
集計期間:2019年7月~2021年6月
「SDGs」検索数は過去1年で2倍に。企業の担当者がロゴのDLページや取り組み事例を調査か
https://manamina.valuesccg.com/articles/750「持続可能な開発目標」、SDGsに対して、世の中ではどのような形で関心が寄せられているのでしょうか。検索ワード等をカギに分析していきます。
■「Clubhouseとは」
2位「CLUBHOUSE」は、アメリカ発の音声SNSアプリ。今年1月に日本に上陸し、一大ブームを巻き起こしました。
日本版がリリースされたのは1月下旬ですが、当初はiOSのみ、完全招待制という特別感も相まってTwitterなどで招待を求める投稿が増え、短期間で爆発的に関心を集めました。2021年上半期の象徴的なトレンドと言えるかもしれません。
リアルな会話への飢えを満たすClubhouse ~コロナが及ぼす影響とこれからを考察
https://manamina.valuesccg.com/articles/1283アメリカ発の音声SNSアプリ「Clubhouse」が2021年1月に日本に上陸し、大ブームを巻き起こしています。既存SNSで招待を求める声が相次ぎ、その投稿を見てアプリの存在を知ったという方も多いのではないでしょうか。今回はヴァリューズ蓄積の検索データに加えてClubhouse初心者の筆者と、上陸初期からフル活用されているというヴァリューズのマーケティングコンサルタントの見解を交えながら、流行の背景や現状、今後の展望について分析・考察していきます。
■「Google」や「Amazon」の関連サービス
「〇〇とは」検索のトップ10には海外のサービスや、英語の略称が並んでいます。キーワード同士のつながりを可視化したワードネットワークでも、GoogleやAmazonを中心に様々なサービスの内容を把握したいという傾向がうかがえます。
ワードネットワークでは、掛け合わせ検索数が多く関連性が強いワード同士が線でつながっていますが、例えばGoogle関連では「GOOGLE ONE とは」「GOOGLE WORKSPACE とは」などクラウドツールに関するキーワードが検索されています。こうしたクラウドサービスの関心の高まりの背景として、新型コロナウイルスの感染対策を契機に始まったリモートワークが長引いていることも、要因の一つと言えるかもしれません。
「とは」検索のキーワード同士を可視化したワードネットワーク
「初心者」との掛け合わせ検索が多いジャンルは?
■「投資」「株」「FX」など投資関連のほか、「ギター」「家庭菜園」など趣味系も
続いて「初心者」との掛け合わせが多いキーワードを集計しました。頻出語句としては「投資」「株」「FX」など、これから投資を始めようとする人が取引口座の準備や買い方について情報収集しているようです。
また、「ギター」や「ピアノ」など楽器を始めようとする人の検索も見られます。コロナ禍で在宅時間が増えたことから楽器にチャレンジする人も増えていることが考えられます。
そのほか、「家庭菜園」「ミシン」など趣味に関するキーワード、「クラウドワークス」など副業、フリーランスに関するキーワードも上位に入りました。
「初心者」関連検索ワード
「初心者」との掛け合わせワードをユーザー属性別(縦軸:年齢、横軸:性別)にマッピングしてみたところ、より特徴が鮮明になりました。
女性若年層では、「メイク」や「ハンドメイド」、男性若年層では、プログラミング言語の「Python」や今年2月にリリースされ大人気となっているゲームアプリの「ウマ娘」などのキーワードが挙がっています。
「初心者」掛け合わせワードの属性別マップ
2021年2月24日にサービスが開始された新作スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(以下、ウマ娘)が話題を集めています。早くも2021年覇権タイトル確実と噂される「ウマ娘」の人気の実態やその理由を、ネットでの検索データをもとに徹底リサーチします。
「おすすめ」は「本」「2021」「安い」とよく検索される
最後に、「おすすめ」と掛け合わせでよく検索されているキーワードを集計しました。
1位は「本」で、ネットでの情報収集が盛んな現在も、やはり「本」でしっかりと学びたい、効率良く学ぶためにみんながおすすめする本を知りたい、というニーズは一定あるようです。
また「2021」は最新のおすすめを知りたいという消費者心理でしょうか。「ドライヤー」「投資信託」「確定拠出年金」「春アニメ」「スマホ」など幅広いジャンルのキーワードと共に検索されていました。
「安い」に関しては、「タブレット」「ワイヤレスイヤホン」「スマートウォッチ」「コードレス掃除機」「ノートパソコン」など、家電や電子機器のキーワードと共によく検索されていました。
また、個別テーマのキーワードで検索が多いのは「株主優待 おすすめ」「洗濯機 おすすめ」「業務スーパー おすすめ」などでした。「株主優待」や「業務スーパー」のように賢く利用すればお得感を得られるもの、「洗濯機」など使用頻度が高く利用者の口コミを参考にできるだけ失敗したくないもの、等々が「おすすめ」と共に検索されやすい商材だと考えられます。
「おすすめ」関連検索ワード
まとめ
今回は、インターネットで検索される際のキーワード、特に、複合検索での第2、第3の語句に注目することで、消費者ニーズの実態やトレンドを探ってみました。
「SDGs」は企業での取組みや広報活動も活発化しており、今後ますます注目を集めるテーマとなりそうです。
2021年上半期に登場しブレイクしたサービスとしては「Clubhouse」や「ウマ娘」などがあがりました。
長引くコロナ禍で、投資や株、ギターやピアノ等の楽器、家庭菜園、副業にも関心が集まっていることがわかりました。
さて、2021年の後半、どんなテーマやキーワードが上位にあがるのでしょうか。要注目です。
■分析概要
今回の分析には、マーケティング分析ツール『Dockpit』を使用し、2021年1月~6月におけるユーザーの検索行動を分析しました。
『Dockpit』は、競合サイト分析や消費者のトレンド調査にとても役立ちます。無料版もありますので、宜しければ下記ボタンよりご登録ください。
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