金融機関デジタルマーケティング向け ~ Web上の検索行動分析から消費者の「知りたいこと」を解き明かす|セミナーレポート

金融機関デジタルマーケティング向け ~ Web上の検索行動分析から消費者の「知りたいこと」を解き明かす|セミナーレポート

「消費者心理について知りたい」という悩みはいずれの業界も同様、金融機関のデジタルマーケティングにおいても例外ではありません。8月11日開催のセミナーでは、金融領域のDX・デジタルマーケティングご担当者様向けに、ヴァリューズの独自データを用いてWeb上の検索行動を分析することにより、消費者の意識・意図の把握を可能にする施策をご紹介しました。※詳細なセミナー資料は無料でダウンロードできます。記事末尾のフォームよりお申し込みください。


Web上の検索行動分析から消費者の「知りたいこと」を解き明かす

スピーカー・ナビゲーター紹介

図:スピーカー・ナビゲーター紹介

図:スピーカー・ナビゲーター紹介

本日のAgenda

⚫︎<クイズ>貯蓄?貯金?預金?検索ボリュームが大きいのはどのワード?
⚫︎<事例>大手ネット証券口座開設ページ閲覧者の具体的な検索行動を明らかに

<クイズ>貯蓄?貯金?預金?検索ボリュームが大きいのはどのワード?

株式会社ヴァリューズ 横井涼(以下、横井):「私は毎月60回以上に渡って金融領域のクライアント様とお話させて頂く日々を送っております。そのような中で多く耳にするのは、「消費者の行動が年々変わってきていることは感じている。特に変化があるように思われる20代・30代の消費者にアプローチしたいが、彼らがどのようなことを考え、どのようなことを知りたがっているのかが上手く掴めない。」というご意見です。

そこで本セミナーでは、ヴァリューズのご提供するWeb行動ログデータを利活用して消費者心理を汲み取り、これからのDXやデジタルマーケティングに活かせる方法をご紹介します。これにより、今後消費者とどのようなコミュニケーションをとるべきか、というアイデアを創出する一助になればと思います。

早速、クイズ形式で消費者の意識トレンドをいくつか覗いてみましょう。まず1問目です。

Q. お金を貯める行動の中で検索ボリュームが1番大きいものはどれ?
(調査期間:2020年7月〜2021年6月)

①貯金
②貯蓄
③預金

図:消費者は何と検索しているか?

図:消費者は何と検索しているか?

正解は①「貯金」となりました。「預金」と「貯金」の相違を混同しがちな点もあるかと思いますが、Web検索数では①貯金の検索ボリュームが大きく現れました。

では2問目。1番ボリュームの多かった「貯金」を検索した人の興味関心事を掘り起こしていきます。「貯金」と掛け合わせのワードで多かったものを考えてみましょう。

Q.「貯金」の掛け合わせワードで検索ユーザーが多いのは何?
(調査期間:2020年7月〜2021年6月)

①20代
②平均
③1,000万

②「平均」が3項目の中では1番多数
という結果となりました。他、10位以内の掛け合わせワードを見てみると、「◯◯代」という年代を検索しているケースも多く見られました。

図:「貯金」検索者の興味関心について

図:「貯金」検索者の興味関心について

単体検索だけではなく、掛け合わせワードでの検索実態を見ることで、さらに消費者の心理に近付けると言えます。

さらにヴァリューズの保有データで、どのようなWebページが閲覧されているかという履歴調査を実施したところ、あるメガバンクのWebページが多く閲覧されていることがわかりました。そのページには、先程の掛け合わせワードの「平均」や「◯◯代」、選択肢にもあった「1,000万」といったワードが活用された記事が掲載されていました。

このような例から見ても、ワード検索やページ閲覧の履歴を見て、消費者の意図を理解することで、消費者目線のマーケティング施策が実施できると考えます。」

<事例>大手ネット証券口座開設ページ閲覧者の具体的な検索行動を明らかに

お金への意識の変化要因を考えると?

横井:「過去から今までの金利や平均年収や株価について確認させていただきたいと思います。
下図は左側上段が平均年数の推移、下段が消費者物価指数の推移、預金金利の推移です。

私が銀行に勤めていた頃によく言われた「一昔前は10年おいておけば倍になる」という預貯金金利は、現在では考えられない程の数値となっています。その一方で、収入はあまり変わっておらず、物価は上がってきているということが現在の実情です。

図:お金への意識の変化要因(平均年収、物価、定期預金の金利)

図:お金への意識の変化要因(平均年収、物価、定期預金の金利)

もう少しデータを見てみましょう。こちらは1980年から現在までの日経平均株価推移と、先日、岡三証券が発表した「トラウママップ」というデータです。

この「トラウママップ」がとても興味深いデータとなっています。見方は、縦軸が1980年から現在に至るまでの投資を始めた時期を表していて、横軸が投資期間を表しています。茶色が濃くなるにつれてプラスが大きく、青色が濃くなるにつれマイナスが大きいという表示になっています。

このデータから、全体の3分の1ぐらいの期間は運用成果がマイナスだったことがわかります。特に2000年前後に投資を始めた方々にとっては、半分程も暫くマイナスである時間が続いているという状況が見て取れます。

このように、いつ投資に関心を持ったか、もしくは始めたかによって、運用成果は大きく異なると言えます。」

図:お金への意識の変化要因(日経平均株価)

図:お金への意識の変化要因(日経平均株価)

消費者の行動:ネット証券の口座数が増加

横井:「消費者の行動という視点で、次のデータを見ていきましょう。

ネット証券の口座数は増加しており、大手証券の代表である野村証券の口座数を抜き、600万口座に到達したと報じられました。

図:消費者の行動:ネット証券の口座数の増加

図:消費者の行動:ネット証券の口座数の増加

いかにネット証券の勢いが増しているか、ヴァリューズの保有データでも調査した結果をご覧頂きます。下図はSBI証券、楽天証券、野村証券の3社のWebサイト流入の状況を示したグラフです。

流入数で見ると、SBI証券、楽天証券への流入が多く、また年代では20代・30代が相対的に多いことがわかります。野村證券には50代以上の流入が多いと言えるでしょう。」

図:ヴァリューズデータによる下記3サイトの流入数と年代

図:ヴァリューズデータによる下記3サイトの流入数と年代

Web上の行動:「投資信託」検索ユーザー推移分析

横井:「さらに「投資信託」というワードにフォーカスして、Web行動を見てみました。

下図は「投資信託」を2019年7月から2021年6月に検索したユーザー数推移に関するものです。波形が2019年から2021年の同月で見ると同じような動きをしているのがわかります。

下段の日経平均株価の動きも重ねてみると、類似しているとも言えそうです。
結果、若干波打つ形ではありますが、総検索数は1.2倍程の増加が見られていると考えます。

そして、「投資信託」検索者の属性情報を見ると、男性が66.4%と女性よりも多く、20代・30代の検索者が他年代と比較して多いことがわかりました。」

図:WEB上の行動分析:「投資信託」検索ユーザー推移

図:WEB上の行動分析:「投資信託」検索ユーザー推移

Web行動事例①|「投資信託」検索者 〜 チャートを見てやる気を出すタイプ?

横井:「では、実際に「投資信託」を検索している人のWeb行動の動きを深掘りします。2つの事例をご用意しました。

こちらはヴァリューズのデータを活用し、大手ネット証券口座開設ページ接触者を約4000人抽出したものです。
その中で、およそ5%の人が口座開設の前後に「チャート」のページに接触していることがわかりました。

流れとしての一例では、日経平均株価のチャートページに接触後、投資に関する検索を開始し、大手ネット証券で口座開設に至っています。それも比較的短時間時間に口座開設に到達しているというところが興味深いところでもあります。

このような動きをしている人が1人ではなく多数いるということ、これはマーケティング施策を打つにあたり、重要なポイントになると言えるのではないでしょうか。」

図:Web行動事例①|「投資信託」検索者

図:Web行動事例①|「投資信託」検索者

Web行動事例②|「投資信託」検索者 〜 口座開設しようとしたが口座の種類が分からない

横井:「続いて2例目です。先程の例を「チャートを見てやる気を出すタイプ」と定義するとするならば、こちらは「口座開設しようとしたが口座の種類が分からないタイプ」と言えそうです。

下図は「特定口座」のワード検索をしている人のグラフです。2019年、2020年ともに波形の動きが似通っていて、総数も約1.5倍に増加しています。

実際にどのような「特定口座」に関するページを閲覧しているのか調べてみると、下段の流入ページ一覧にあるような税理関連に関するページでした。

このように「特定口座」に関するページ閲覧者と、大手ネット証券の口座開設ページ閲覧者の併用率は約8%もあるということを考えると、「特定口座」というワードも重要なキーでありそうです。

実際のWeb行動の一例を見ても、大手ネット証券の口座開設中に一度離脱し、再度「特定口座」・「源泉徴収」についての情報を検索した後、口座開設しているというサンプルも見受けられました。初めて証券口座を開設する際になって突然「源泉徴収あり・なし」といった問題に突き当たり、困惑する消費者も多いのではと考えることができるでしょう。」

図:Web行動事例②|「投資信託」検索者

図:Web行動事例②|「投資信託」検索者

まとめ

横井:「金融領域での消費者心理について、いくつかサンプル事例をあげてご紹介してきましたが如何だったでしょうか。

各種データや消費者意識のサンプルをみると、投資環境の変化はもちろん金融商品のバリエーションの増加や口座種類の多様化なども影響し、それに伴い、消費者の投資に対する意識が大きく変わってきていると見受けられました。特に20代・30代の変化は顕著だと言えそうです。

様々に変容する消費者の意図、意識の要因を、ヴァリューズではWeb行動ログなどを利活用し分析を重ねることで、金融領域でも有効なデジタルマーケティング施策が実行できると考えています。

本セミナーでご紹介しきれなかったデータ、サンプル事例などの詳細資料もご用意していますので、別途資料請求頂ければ幸いです。」

図:まとめ

図:まとめ

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金融機関デジタルマーケティング向け|WEB上の検索行動分析から消費者の「知りたいこと」を解き明かす|セミナーレポート

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この記事のライター

マナミナ 編集部 編集兼ライター。
金融・通信・メディア業界を経て現職。
趣味は食と旅行。

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