最近、「DX」や「データの可視化」という文脈でTableau(タブロー)という言葉を耳にするケースを増えているかと思います。実際に導入企業も急増しており、各社でTableauを活用したDX推進が進んでいます。
弊社ヴァリューズでもTableauってそもそもどんなもの?何ができるの?と言ったお問い合わせをいただくケースが急増しています。この記事ではTableauが支持されている背景についてご紹介します。
そもそもTableauとは何か?
Tableauとは一言で言うと「セルフサービス型BIツール」の製品を指します。
これだけではまだ何を指しているのかわからないと思うので、「BIツール」と「セルフサービス」についてそれぞれ説明していきましょう。
セルフサービス型BIツールの特徴
BIツールとは「Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)」の英単語の頭文字をとったものです。
企業内外に散在しているシステムやデータを集約し、ダッシュボードなどに可視化することで分析を簡単にできるようになり、経営や現場の意思決定を円滑にするためのツールを総称して「BIツール」と呼称しています。
もう一つの「セルフサービス」とは文字通り自分達(ここでは現場のビジネスユーザーを指します)自身で使いこなすことができる、ということを指しています。
従来型のBIツールはデータベースやプログラミングなどに精通しているシステムに強いメンバーが関わっていないと十分に使いこなすことが難しいという課題がありました。
一方、セルフサービス型のBIツールはデータへの接続、グラフやダッシュボードといった分析画面の作成などの作業をクリックやドラッグアンドドロップなど直感的な操作でできるようになっており、一般的なPCスキルがあれば誰でも簡単に扱えるようになっています。
Tableauのダッシュボード例
Tableauの構成
Tableauはデータを前処理して綺麗に整形するための「Tableau Prep」、整形したデータから分析画面を作成する「Tableau Desktop」、作った分析画面をWebブラウザ上で多くのユーザーに共有する基盤となる「Tableau Online」などで構成されており、これら一つ一つの機能が全て簡単に操作できるようになっています。
つまり、Tableauの中だけでデータを有効に活用するための環境が全て用意されており、システムや分析などの専門家がいなくてもビジネスユーザーが自分達だけで簡単に開発、運用ができるようになっています。
なぜ、Tableauを導入する企業が増えているのか
現在Tableauは全世界で86,000社以上、日本国内だけでも4,000社以上の導入実績があります(2021年10月時点)。Tableauの日本市場の参入が2013年ということを考えると急激なスピードで普及が進んでいることがおわかりいただけると思います。
ではなぜTableauがこれほどまでに支持を拡げているのでしょうか?
Excelや従来型BIなどTableauを使っていないケースでの課題から見ていきます。
Excel集計や従来型BIの課題
これまではデータの可視化や活用と言うとExcelでの集計作業であったり、帳票ツールなどを使っているケースが一般的でした。しかし、Excelや帳票ツールでの分析には限界があります。
例えばExcelでの集計作業の場合、複雑な手順やマクロを組んでファイルを作成することで業務が属人化してしまったり、数値の正確性や意味が担保されないまま、ファイルだけが一人歩きしてしまうといった課題点があります。
また、Excelファイルのデータを見て業務に活用するビジネスユーザーの目線でも、似たようなファイルが氾濫してどれが自分が見るべき正しい最新のデータなのかがわからなかったり、本当は違う軸で集計した結果を見たくても時間やスキルの関係で自分自身で作業ができない、などと言った点で困っているという話をよく伺います。
帳票システムなど従来型BIを使っている場合でも同様にいくつかの問題点があります。
従来型BIの場合、データの接続や加工、分析画面の作成、ユーザーへの共有環境の構築などそれぞれ異なったシステムやツールを使い、コストや工数も大幅に必要とする大規模なシステム開発となるケースが多くあります。
その場合、導入検討時の課題だった要件がリリース時には陳腐化してしまいユーザーからはあまり必要とされないシステムがリリースされてしまう懸念があります。
また、軽微な改修や追加要件であってもシステム部門や外部ベンダーでないと対応できないため、メンテナンスの観点でも現場のユーザーとしてハードルが高くなってしまいがちで、結果としてあまり活用されないまま放置されてしまうといった状況につながりかねません。
上記はあくまでも例ですが、Excelや従来型BIを使っている場合だと多くの課題があり、現場での効果的なデータ活用がなかなか進まないのが現実です。
これらの課題は、本質的には分析や可視化を必要とするビジネスユーザーが自分達自身でデータドリブンできていない点がそのまま顕在化していると言えます。
一方セルフサービス型BIツールのTableauであればデータの接続や加工から分析画面の作成、共有基盤の構築までワンストップで対応できるようになっています。
ビジネスユーザーが自分達の好きな時に好きなタイミングで必要なデータを取り出し、分析できる環境が現代のビジネスシーンでは求められており、Tableauがそのニーズに対応できることが多くの企業で導入が進んでいる背景と言えます。
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新卒でソフトウェアベンダーに入社しBIツールを使ったシステム構築やデータ分析の他、顧客向けのトレーニングやセミナー講師を担当。
その後、WEB系事業会社のWEBマーケティングの担当として新規顧客獲得や広告運用の業務を担当した後ヴァリューズに入社。
現在はお客様が持っているデータを活用してマーケティングの支援を行う他、WEBマーケティングデータとBIツール「Tableau」を組み合わせた新たなサービスの開発にも従事。