Tableauで実際にデータを深掘ってみた【第1回】OODAループでデータを見ていく

Tableauで実際にデータを深掘ってみた【第1回】OODAループでデータを見ていく

Tableauを使った分析が良い!と言われても正直ピンと来ない方もいらっしゃると思います。 この連載ではなぜTableauでデータを分析すべきなのか、どう使っていくとデータ分析がはかどるのかご紹介していきます。
第1回は、ExcelとTableauの違い、PDCAサイクルとOODAループの考え方の違いについてみていきましょう。


Tableauをご紹介していると、アウトプットが同じならExcelを使っても、たいして分析結果は変わらないのでは?というお声をいただくことがあります。

ただ、実際にはExcelでのレポート作成とTableauを使った分析とでは大きな乖離があり、この連載ではデータの見方の観点でその違いをご紹介します

PDCAサイクルでデータを見ていく

データ分析と言うとまず最初に「どう見ていくか?」というゴールの観点から出発するケースが多いと思います。

具体的に言うと、経営状況を把握するために売上を見ていくとか、広告の成果を測るためにCV数を見ていく、といった例です。

このデータの見方は予め計画(Plan)が存在し、計画を達成するための行動(Do)とその結果をモニタリング(Check)し、次の施策(Action)に繋げていくという、いわゆるPDCAサイクルに則った考え方といえます。

予めモニタリングすべき指標や改善につながる変数などが明確になっている場合、このデータの見方は非常に重要です。DX推進を考えたときにまずここから始めるというケースも多く、データ活用の第一ステップといえるでしょう。

OODAループでデータを見ていく

一方で、ビジネスの現場においてはそもそもどのような数値をモニタリングしていくべきかが明確でないケースも多々あります。

新規の取り組みや事業の立ち上げで評価すべき指標が明確に決められなかったり、計画の立案に非常に時間がかかったり、そもそも計画を立てることが難しい、といったケースです。

この場合、モニタリングすべき数値を模索したり計画を練っている間にも時間が過ぎてしまい、PDCAサイクルでは一向にデータ分析が進まないという事態に陥ってしまいます。

そういった時に重要になってくるのがPDCAサイクルの考え方ではなくOODA(ウーダ)ループの考え方です。
OODAループとはアメリカ空軍の元軍人が提唱している思考方法です。

詳細な説明はここでは割愛いたしますが、「データを観察(Observe)してから理解(Orient)し、意思決定(Decide)と行動(Action)する」ことのそれぞれの頭文字を取った言葉です。

簡単に言うと「まずはデータを見て、それから考えろ」という意味合いの言葉ですが、実際にこの考え方に基づいてデータを分析すると仮定して考えてみましょう。

OODAサイクル

あなたが分析の担当者と仮定し、データの塊を渡されてとりあえず分析してくれと言われた場合、Excelだとどのようにすればよいでしょうか。

恐らく多くの人が具体的にどうすればよいかわからず困ってしまうと思います。

これは担当者が悪いのではなく、Excelでの分析が関数やマクロを組むことが前提となっているためです。

関数やマクロを駆使するためにはまずExcelの構造やシート内の配置を正しく理解し、集計する軸や数値項目を探しだして適切な単位でグルーピングしたり、時にはVlookup関数で他のシートを参照しにいったりなどの手順が必要になります。

PDCAサイクルのように予めどの指標をどの定義で集計すべきか、という正解が定まっている場合はExcelの習熟度の問題ですが、OODAループが求められるシチュエーションだといくらExcelのスキルが高くても分析が困難ということがわかると思います。

一方、Tableauを使った場合はどうでしょうか。

Tableauは難しいことを考えずに、まずはデータを取り込んでそこから色々な集計軸や集計項目を組み合わせて簡単に分析ができます

基本的な分析を行うレベルであれば難しい関数やマクロのような知識もなく、習熟度の低い人でも簡単にデータの深掘りができるため、正解が定まっていない分析でも短期間で対応ができるようになっています。

この辺りの具体的な分析イメージについては次回以降詳しくご紹介していきたいと思いますが、Tableauを活用することによってOODAループ的な分析が求められるケースでも柔軟に対応できるといえます。

まとめ

昨今のビジネスにおいては外的要因や環境の変化、テクノロジーの進歩などが頻繁に発生しており、計画に依存する分析だけだとうまくいかないケースもあります。

PDCAサイクルに則ったデータ分析だけだとこのような変化に対応することが難しく、時には計画に依存しないOODAループでの考え方も重要になってきます。

しかし、現実問題としてExcelだけだと柔軟に対応できないケースもあります。

その点、Tableauはまずデータを見てから色々と試行錯誤することができるためOODAループでの分析に適していると言えます。

▼Tableau導入に関するご相談は、お気軽に下記お問合せフォームよりご連絡ください
Tableauに関するお問い合わせはこちら

デモを交えて短時間でTableauの概要をお伝えしたり、Tableauを活用した事例紹介のウェビナーも随時開催中です。下記のリンクよりぜひご参加ください。

この記事のライター

新卒でソフトウェアベンダーに入社しBIツールを使ったシステム構築やデータ分析の他、顧客向けのトレーニングやセミナー講師を担当。
その後、WEB系事業会社のWEBマーケティングの担当として新規顧客獲得や広告運用の業務を担当した後ヴァリューズに入社。
現在はお客様が持っているデータを活用してマーケティングの支援を行う他、WEBマーケティングデータとBIツール「Tableau」を組み合わせた新たなサービスの開発にも従事。

関連するキーワード


Tableau

関連する投稿


AIを取り入れた新ライセンスTableau+で実現する次世代データ分析と 活用支援事例のご紹介

AIを取り入れた新ライセンスTableau+で実現する次世代データ分析と 活用支援事例のご紹介

日本国内で多くの企業が採用しているデータ可視化(BI)ツールの「Tableau」から、新たに提供をスタートした新ライセンス「Tableau+」をご存知でしょうか?2024年12月24に開催されたセミナーでは、データの前処理・可視化から意思決定・アクションを導くBIツールで知られる「Tableau」の新ライセンス体系「Tableau+」の概要とヴァリューズにおけるTableau活用深耕ご支援事例をご紹介。TableauにAI機能を組み合わせることで、BI機能だけでは難しいより高度な予測・分析を実現できる様子を解説しました。※本セミナーのレポートは無料でダウンロードできます。


データ活用を加速させる!「BIダッシュボード」事例集 | BIダッシュボードギャラリー

データ活用を加速させる!「BIダッシュボード」事例集 | BIダッシュボードギャラリー

社内外の様々なデータを可視化し、グラフを組み合わせて表現することで、データの傾向やパターンを明確にし、分析の精度を向上させる「BIダッシュボード」。関係者間の正しい情報共有や共通理解の促進も期待できます。本レポートでは、Tableauをはじめとする様々なBIツールの導入や構築支援を行ってきたヴァリューズが、これまでの活用事例を厳選して紹介します。業務改善や意思決定に利用するダッシュボードについて、具体的なイメージが欲しい!という方にもおすすめです。


TableauでAI活用!Tableau Pulseって何?(概要紹介)

TableauでAI活用!Tableau Pulseって何?(概要紹介)

AIを使ってTableauの分析ができる新機能「Tableau Pulse」の日本語対応が先日発表されました。 2回に分けてそもそもTableau Pulseがどういったものか、どうやって使うのかをご紹介していきます。 この記事ではTableau Pulseの概要を紹介します。


TableauでAI活用!Tableau Pulseって何?(使い方)

TableauでAI活用!Tableau Pulseって何?(使い方)

AIを使ってTableauの分析ができる新機能「Tableau Pulse」の日本語対応が先日発表されました。2回に分けてそもそもTableau Pulseがどういったものか、どうやって使うのかをご紹介していきます。この記事ではTableau Pulseの使い方を紹介します。


Tableau2024.1の注目新機能紹介(Excelでのヘッダーと開始行の選択)

Tableau2024.1の注目新機能紹介(Excelでのヘッダーと開始行の選択)

2024年春にリリースされたTableau2024.1の新機能のうち、特に注目の新機能を3回に分けてご紹介します。 今回は「Excelでのヘッダーと開始行の選択」(Tableau Prep)です。


最新の投稿


インフルエンサー活用の選定基準は「商品やサービスとの親和性」!7割が成功を実感するも「購買に繋がらない」課題も【PRIZMA調査】

インフルエンサー活用の選定基準は「商品やサービスとの親和性」!7割が成功を実感するも「購買に繋がらない」課題も【PRIZMA調査】

株式会社PRIZMAは、インフルエンサーを事業プロモーションに活用したことがあるBtoC業界の企業担当者を対象に「【2025年版】インフルエンサーPRの実態調査」を実施し、結果を公開しました。


博報堂DYホールディングス、メタバース生活者定点調査2024を実施

博報堂DYホールディングス、メタバース生活者定点調査2024を実施

株式会社博報堂DYホールディングスは、全国15~69歳の生活者を対象に、メタバースに関する現状の生活者意識や動向を把握することを目的とした「メタバース生活者定点調査2024」を実施し、結果を公開しました。


Apple Intelligenceの機能が日本語で利用可能に

Apple Intelligenceの機能が日本語で利用可能に

Appleは、iOS 18.4、iPadOS 18.4、macOS Sequoia 15.4のリリースにより、Apple Intelligenceを日本語をはじめ、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語(ブラジル)、スペイン語、韓国語、中国語(簡体字)、英語(シンガポール)、英語(インド)の8つの新たな言語に対応したことを発表しました。


8割以上がWebサイトの運用に「課題」を実感!そのうち約6割が「分析結果を具体的な改善施策に結びつけられない」【富士フイルムビジネスイノベーション調査】

8割以上がWebサイトの運用に「課題」を実感!そのうち約6割が「分析結果を具体的な改善施策に結びつけられない」【富士フイルムビジネスイノベーション調査】

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、事業会社に勤めており、Web広告の運用に携わっているマーケティング担当者を対象に、Webサイトの継続的改善と効果測定に関する実態調査を実施し、結果を公開しました。


生成AIは誰がどう使っている? ChatGPT、Gemini、Copilot、Claudeの利用データを比較調査

生成AIは誰がどう使っている? ChatGPT、Gemini、Copilot、Claudeの利用データを比較調査

ChatGPTやGeminiをはじめとした生成AIが近年急拡大しています。生成AIではテキストのみならず画像や音声など様々なものを出力できますが、実際はどのように使われているのでしょうか。本稿では、そんな生成AIを利用するユーザーの属性や関心を比較・分析し、各AIとそのユーザーの実態を明らかにしていきます。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

アクセスランキング


>>総合人気ランキング

ページトップへ