競合サイトの正しい選び方
競合サイトを選定するにあたって、まずは自社で重視する検索キーワードを決める必要があります。この検索キーワードは「自社サイトのアクセス流入上位のキーワード」「これから検索上位を取りたいキーワード」を基準にします。
「これから検索上位を取りたいキーワード」では、SEO的な難易度も大事です。そのキーワードで検索し、大手のサイトが上位に並んでいるようだと、SEO的な難易度が高いと判断できます。自社サイトのドメインの強さなども勘案して、上位サイトより上位にいける自信がなければ、再検討したほうが無難でしょう。
ターゲットとする検索キーワードが決まったら、そのキーワードで検索上位のサイトを競合サイトとします。数ページしかないサイトより、コンテンツもよくできているサイトを選ぶと分析しやすいでしょう。
競合サイトの調査については、以下の記事で詳しく解説しています。
狙っているキーワードで上位を獲得している競合サイトを分析して良い部分を自社サイトに取り入れましょう。すべてのサイトを見るのは大変なので、効率的に競合分析するには競合サイトの見つけ方が大事。メインの流入キーワードの競合となるWebサイトを探し、サイトの規模や更新頻度を自社サイトと比べることで、競合Webサイトに追いつくために必要なコンテンツ量や更新頻度の参考になります。
■同業他社がSEO上の競合にはならない場合もあり
「競合」というと、どうしても同業他社が先に思い浮かび、そこを中心にSEO上の競合を探すことになりますが、キーワードによっては検索結果において同業他社が競合にならず、異業種が競合になってしまうケースが出てしまいます。
したがって、SEO上の競合サイトを選ぶ際には自社サイトが参入可能な検索キーワードが上位に表示されていたり、複数の検索キーワードに登場するサイトを選ぶ必要があります。
競合サイト分析に用いる指標 その1:アクセス数とUU数
競合サイトのアクセス数やUU数(ユニークユーザー数)を調べる目的は、自社サイトのアクセス数と比較し、その差から自社サイト改善の手がかりを得るためです。もし、アクセス数が競合サイトと自社サイトでかなり開いているのであれば、自社サイトにまだ伸びしろが多く残されていると言えます。
アクセス数とは、ユーザーがそのサイトを閲覧したページ数で「Page View(PV、ページビュー)」とも呼ばれます。一方のUU数ですが、これはサイトを閲覧したユーザーの人数を指す数字です。どちらが基準でもよいですが、どちらの指標を用いるか、分析メンバー間でコンセンサスをとっておくと良いでしょう。
アクセス数に関しては、情報量の多いECサイトなどは回遊率が高いので、必然的にPV数が増えます。そのため、流入に注目するならUU数を使えば十分です。UU数の計測は、そのサイトがどれほどの人気があるのかを量る指標になります。競合サイトと自社サイトの差が大きい場合は、人気を高めるにはどのようなサイト構築を行えばいいか、またどのようなサイト誘導施策を行っているのかを知る指針に使えます。
競合サイト分析に用いる指標 その2:属性
ユーザー属性は、競合サイトや自社サイトにアクセスしている人の「人物像」とも言いかえられます。具体的には性別、年齢、興味や関心事について把握しましょう。
競合サイトの属性を把握すると、自社サイトで作成すべきコンテンツ内容の精査や、そこからの施策立案・実行が可能になります。競合サイトとユーザー属性が近い場合、自社サイトを構築する上で用意すべきコンテンツの参考にできます。
また、競合サイトが自社と異なるユーザー属性でアクセス数を伸ばしているのなら、自社サイトでもその属性向けコンテンツを用意すべきといった検討材料にできます。
属性の調査で気をつけるべき点は、属性は似ていても、何回目の訪問かによってニーズが異なる場合があることです。初めて訪問する人とリピーターではそのサイトに求めているものが異なるという意識から、その後の施策の検討に移るのがよいでしょう。
競合サイト分析に用いる指標 その3:直帰率
競合サイトの直帰率の調査は、そのサイトがユーザーにとって良いか悪いかの判断基準になるものです。具体的に「直帰」とは、サイト内で1つのページを閲覧して、ほかのページには遷移しないでサイトから離れてしまうことを指します。
自社サイトのあるページの直帰率がほかのページと比較して高い場合、そのページは改善の余地ありとし、改善を図るための施策を考える必要があります。
また、自社サイトと競合サイトの全体の直帰率を比較し、自社サイトの直帰率が高いようならば、コンテンツや誘導の導線を見直したり、UIの改善やモバイルの最適化といった施策に取り組む必要があるかもしれません。
ただし、サイトの種類によっては、直帰率が高い=よくないサイトとは単純に言い切れない場合もあります。自社サイト(競合サイト含む)のジャンルや特性によって直帰率の高低の基準は変わるので、まずは類似するジャンル、特性のサイトの直帰率の平均を調査した上で自社サイトの立ち位置を把握します。
競合サイト分析に用いる指標 その4:流入経路
サイト訪問したユーザーがどのような経路でそこにたどりついたか、それが流入経路です。おもな流入経路として、オーガニック(自然)検索、SNS、広告があります。
競合サイトの流入経路分析は、集客方法の確認にもつながります。自社サイトに集客するのはひとつの手段で、目的はそこからコンバージョンに結びつけることになります。
したがって、単に流入経路を探るのではなく、コンバージョン率を高められる流入経路の特定が重要です。もし、競合サイトで高コンバージョン率の流入経路があったとしたら、自社サイトでもその流入経路を強化するといった施策を行うようにします。
競合サイト分析に用いる指標 その5:流入キーワード
競合サイトを訪問したユーザーが検索エンジンで入力したキーワードが「流入キーワード」となります。流入キーワードの調査によって、競合サイトがそのキーワードでサイトに誘導できていると分析できます。よって、競合サイトと同等あるいは上回るコンテンツを作れば、同等の順位が取れると期待できます。そのための一例として、流入キーワードに関するコンテンツの増加などのSEO対策を施します。
競合サイト分析に用いる指標 その6:流入先コンテンツ
流入先コンテンツとは、競合サイトのどのコンテンツが人気かを測る指標です。人気があるコンテンツ=ユーザーのニーズがあると取れ、自社サイトに積極的に取り入れたいものです。
しかし、これを測定できるツールは珍しいのですが、ヴァリューズが提供する「Dockpit(ドックピット)」というマーケティングツールでは、ユーザーが検索後にどのようなコンテンツを見ているかであったり、サイト内の人気コンテンツをページ単位で詳細に分析可能です。
Dockpitには無料で利用できる機能も用意されており、下記ボタンから無料登録ができます。
競合サイト分析に用いる指標 その7:被リンク獲得先
Googleの検索エンジンは、被リンクを獲得しているページを信頼度の高いサイトと解釈します。つまり、被リンク数が多いほどGoogleからの信頼を得て上位表示される可能性が高くなるのです。競合サイトの被リンク数が自社サイトよりも上回っていれば、自社サイトにさらに被リンクが集まるように改善策を講じます。
被リンクについてもツールの利用で調査できます。このとき、ツールによっては被リンクと同じぐらい重視される「ドメインの強さ」について調べられるものもあります。
被リンクを獲得するには、ユーザーニーズに答える質の高いコンテンツ作りが第一です。
そのほかの施策としては、SNSの利用やSNSを通じてユーザーや関連企業との交流を積極的に行う、といったものが取り組みやすいでしょう。
より多くの被リンクを獲得するためには、相互リンクの依頼やプレスリリースの発信などの施策があります。
指標を使った競合サイト分析はツールの利用がおすすめ
今回紹介した指標をもとに自力、人力で競合サイトの分析を行うのは、現実的とは言えません。したがって、分析ツールの利用が一般的です。
ツールの利用によって効率的なデータ収集が行えるという利点以外にも、大切なデータを見落としてしまうといったリスク軽減、また継続的に競合サイトと自社サイトをモニタリングできるようになり、自社サイト改善につながるデータを発見しやすいといったメリットがあります。
競合サイトの分析におすすめのツールは以下のリンクで紹介しています。ぜひご一読ください。
無料から有料まで競合サイト分析に使えるツールをまとめました。SEO対策や広告出稿の方法はさまざまですが、競合するサイトをベンチマークとして、自社サイトよりも優れている点やその要因を分析することも有効です。特にSEO対策を目的とした競合分析にあたっての考え方、競合分析に使えるツールを紹介します。
まとめ
自社サイトを検索結果の上位に表示させるためには、競合サイトを分析し、そこで得た上回っている要素を取り入れて自社サイトの改善策とする必要があります。競合サイトの分析にあたっては、今回紹介した7つの指標をもとに、各種分析ツールの積極的な利用がおすすめです。指標とツールの意味合いが明確になっていればより効率的に競合サイト分析が可能になります。
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