X世代の定義と特徴

X世代の定義は、1965年から1980年代前半にかけて生まれた人々を指します。2023年現在40-60才程度にあたり、日本の団塊ジュニアを含みますが、より広い年代を対象としています。
X世代は、一般的に自己主張や個人の自由、多様性、グローバルな視野を重視する傾向があるほか、長時間労働、終身雇用にこだわらず、ワークライフバランスを重視する傾向があります。
X世代以降は世代によって好みや購買行動などの特徴が異なります。以降、その特徴を紹介しつつ、対象とする世代に向けたマーケティング戦略の一例を紹介しますので、参考にしてみてください。
■X世代の特徴
X世代はデジタルテクノロジーの発展前に育ったため、アナログ世代としての経験を持っています。成長の段階でテクノロジーの急激な発展、社会的変革に直面したため、独自のスタイルや自己主張を持っており、従来の規範にとらわれない傾向があります。
こうした特徴を踏まえ、X世代においては以下のようなマーケティング戦略が考えられます。
働き方やライフスタイルに対するアプローチ:
X世代は現在、40代から50代に当たります。家庭や仕事が忙しく、時間が限られている傾向があります。そのため、家族や仕事との両立がしやすい製品やサービス、また、ストレス軽減や健康維持に役立つアイテムといった、利便性を高める、QOL向上につながるといったアピールが有効と考えられます。
デジタル技術を活用:
X世代はデジタルネイティブではありませんが、早い段階からデジタルテクノロジーに触れているため、スマートフォンやタブレットも利活用しています。それらを用いての情報収集や購入行動が多い傾向があるため、ネットショッピングやオンラインサービスの提供、また、SNSやメールマガジンを活用したマーケティングなども利用価値が高くなります。
長期的な価値を提供:
価値観やライフスタイルが安定しているX世代は、長く使える製品やサービスに興味を持つ傾向があります。そのため、信頼性や品質に重点を置き、長期使用を前提とした価値提供のアプローチが有効といえるでしょう。
■「アルファベット+世代」が使われるようになった理由は?
まず初めに、写真家・ロバート・キャパはフォト・エッセイのタイトルとして「Generation X」という言葉を使いました。その後、カナダの小説家、ダグラス・クープランドが1991年に発表した「ジェネレーションX -加速された文化のための物語たち」によって、アルファベット+世代という言葉が広まったとされています。
Y世代の定義と特徴

Y世代は、1980年代後半から1990年代中頃までに生まれた世代を指します。Y世代は「ミレニアル世代」とも呼ばれ、デジタルテクノロジーの進化とともに育ち、スマートフォンやSNSなどのテクノロジーを自然なものとして使いこなします。
X世代と同様に自己表現や個性を尊重する社会を求める傾向がありますが、Y世代の特徴としては、社会的な責任や環境問題に関心を持つことが多いとされています。
■Y世代の特徴
Y世代の特徴として、デジタルテクノロジーの進化とともに育っていることから、SNSなどのオンラインのコミュニケーションツールを積極的に利用しています。そして、組織や企業に対しての忠誠心よりも、自分自身の成長やキャリアアップを優先する個人主義的な一面があります。
その反面、環境や社会的な責任に関心を持ち、持続可能な社会を求めるといった保守的な一面も。
こうした特徴を踏まえ、Y世代においては以下のようなマーケティング戦略が考えられます。
ソーシャルメディアを活用:
インターネットやソーシャルメディアを積極的に利用するY世代には、SNSを活用した広告やインフルエンサーマーケティング、オンラインショッピングモールなど、オンラインでのアプローチが有効と言えるでしょう。
真実性や社会貢献のアピール:
Y世代は環境や社会問題に敏感な傾向があるので、製品やサービスの提供において、環境問題や社会的責任を果たす取り組みを積極的にアピールすることが重要です。
コストパフォーマンスの訴求:
Y世代は経済的な不安を抱える場合があり、価格やコストパフォーマンスに対して敏感な傾向もあります。そのため、リーズナブルな価格設定やコストパフォーマンスに優れた製品、サービスの提供が効果的と考えられます。
Z世代の定義と特徴

Z世代は、一般的に1995年頃から2010年頃までの出生世代を指します。
スマートフォンやタブレット、SNSなどのデジタルテクノロジーを生まれたときから使いこなせるほか、多様性やインクルージョンに重点を置き、性別や人種、性的指向などに関して寛容であるとされているのが特徴です。また、社会的責任や持続可能性に関心を持ち、環境問題や社会問題に取り組むことが多いともされています。
なお、日本では少子高齢化の影響によりZ世代の割合が少なく、さほど注目を集めてはいませんが、世界では3人に1人がZ世代であり、すでに消費への影響力を持っているため注目されています。
■Z世代の特徴
Z世代はデジタルテクノロジー、SNSを駆使して自己表現をすることができる反面、社会や環境に対する関心が高く、社会の問題や持続可能性について積極的に取り組む傾向があります。また、得意とするSNSで多様な人々と簡単に交流することができる点も特徴的です。
こうした特徴を踏まえ、Z世代においては以下のようなマーケティング戦略が考えられます。
オンラインプレゼンスを重視:
スマートフォンやタブレットを常に手元に置いている Z世代。彼らはオンラインで情報を収集し、意見を共有することが多くなっているため、オンラインプレゼンスを重視したマーケティングアプローチが必要になります。
インフルエンサーマーケティングを活用:
インフルエンサーや有名人に対して高い関心を持ち、その影響力に強く反応する傾向があります。そのため、インフルエンサーマーケティングを活用し、製品やサービスを宣伝することが効果的と言えます。
ユーザー参加型のコンテンツ:
自分たちが関与しているプロジェクトやコンテンツに対して強い興味を持ち、自分たちの意見やアイデアを発信したいという傾向があります。そのため、ユーザー参加型のアプローチを取り入れ、ユーザーが自分たちの意見やアイデアを投稿できる場の提供が有効と考えられます。
グローバル感覚を取り入れる:
Z世代は、グローバル化により世界各地の文化や価値観に触れる機会が多く、グローバル感覚をほかの世代よりも持っている傾向があります。そのため、グローバルな視野や多様性を取り入れたアプローチが必要となります。
Z世代とX、Y世代の違い
もっとも若いZ世代、その少し上のY世代、そしてさらに年長のX世代。Z世代を軸にしてX世代とY世代はどのように違うのかをまとめます。
まず、デジタルテクノロジーへの接し方が挙げられます。Z世代は、生まれた時からデジタルテクノロジーが身近にあり、より自然な形でデジタルネイティブとしてのスキルを習得しているのに対し、X、Y世代はインターネットやスマートフォンの登場が成長後、もしくは成長の過程だった点が大きな違いになります。
それに伴い、コミュニケーションスタイルにも違いがあります。Z世代は、スマートフォンやインスタグラムなど、より新しいデジタル技術を使いこなすのに対し、X世代の場合はメールや電話などの比較的古典的なコミュニケーション手段に慣れ親しんでいます。
一方のY世代はZ世代寄りで、携帯電話やメール、SNSなどのデジタルテクノロジーを通じたコミュニケーションに慣れ親しんでいます。情報収集の方法もX、Y世代は紙媒体からWebまで幅広くなっている反面、Z世代はSNSが中心になっている点も見逃せません。
価値観に関しては、多様性やインクルージョンに重点を置き、社会的責任や持続可能性に関心を持つことが多いとされているZ世代に対し、X、Y世代は高度経済成長期やITバブルなど、大きな経済的な変革期を経験しており、物質的な豊かさに重点を置く傾向があるほか、自己実現や個人主義の価値観が強く、仕事に対して忠誠心を持つ傾向があります。
Z世代とほかの世代の違いについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

Z世代(ゼットせだい)とは「1990年半ば〜2010年代に生まれた世代」を表す言葉です。デジタルネイティブ・SNSネイティブと呼ばれ、インターネットやスマートフォンの発展と共に育った世代です。これまでの世代と異なり10代からSNSを利用しており、インターネットよりもSNSを中心に検索するため、さまざまな情報に触れ、多様な価値観を持っている世代だといわれます。この記事では、「なぜ若者をZ世代と呼ぶのか」「Z世代はどんな特徴があるのか」「Z世代と他の世代との違いは何か」「トレンドからZ世代のニーズを分析してわかったこと」について解説します。
まとめ
X、Y、Z世代の特徴的な違いはデジタルテクノロジーを成長過程のどこで体験しているかにあります。X、Y世代は程度の差はありますが、成長の過程でデジタルテクノロジーが出現したのに対し、Z世代は生まれたときからデジタルテクノロジーが身近にある、つまり、デジタルネイティブです。
デジタルテクノロジーを使ったSNSなどによって多様な考え方を生まれながらにして身につけている、というのがZ世代の特徴と言えるでしょう。
マーケティングにおいてもこうした世代間の特徴を十分に加味した上で、さまざまな施策を考えることが求められます。
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