X世代・Y世代とは?定義と特徴、Z世代との違い

X世代・Y世代とは?定義と特徴、Z世代との違い

団塊ジュニアやゆとり世代のほかに聞くX世代・Y世代。各世代はどのような定義と特徴を持つのか?よく聞くZ世代との違いとあわせ改めて解説します。Z世代は物心ついたときにはSNSやスマホがあるデジタルネイティブ世代であり、X世代・Y世代はその前の世代になります。


X世代の定義と特徴

X世代・Y世代とは?

X世代の定義は、1965年から1980年代前半にかけて生まれた人々を指します。2023年現在40-60才程度にあたり、日本の団塊ジュニアを含みますが、より広い年代を対象としています。

X世代は、一般的に自己主張や個人の自由、多様性、グローバルな視野を重視する傾向があるほか、長時間労働、終身雇用にこだわらず、ワークライフバランスを重視する傾向があります。

X世代以降は世代によって好みや購買行動などの特徴が異なります。以降、その特徴を紹介しつつ、対象とする世代に向けたマーケティング戦略の一例を紹介しますので、参考にしてみてください。

X世代の特徴

X世代はデジタルテクノロジーの発展前に育ったため、アナログ世代としての経験を持っています。成長の段階でテクノロジーの急激な発展、社会的変革に直面したため、独自のスタイルや自己主張を持っており、従来の規範にとらわれない傾向があります。

こうした特徴を踏まえ、X世代においては以下のようなマーケティング戦略が考えられます。

働き方やライフスタイルに対するアプローチ:
X世代は現在、40代から50代に当たります。家庭や仕事が忙しく、時間が限られている傾向があります。そのため、家族や仕事との両立がしやすい製品やサービス、また、ストレス軽減や健康維持に役立つアイテムといった、利便性を高める、QOL向上につながるといったアピールが有効と考えられます。

デジタル技術を活用:
X世代はデジタルネイティブではありませんが、早い段階からデジタルテクノロジーに触れているため、スマートフォンやタブレットも利活用しています。それらを用いての情報収集や購入行動が多い傾向があるため、ネットショッピングやオンラインサービスの提供、また、SNSやメールマガジンを活用したマーケティングなども利用価値が高くなります。

長期的な価値を提供:
価値観やライフスタイルが安定しているX世代は、長く使える製品やサービスに興味を持つ傾向があります。そのため、信頼性や品質に重点を置き、長期使用を前提とした価値提供のアプローチが有効といえるでしょう。

「アルファベット+世代」が使われるようになった理由は?

まず初めに、写真家・ロバート・キャパはフォト・エッセイのタイトルとして「Generation X」という言葉を使いました。その後、カナダの小説家、ダグラス・クープランドが1991年に発表した「ジェネレーションX -加速された文化のための物語たち」によって、アルファベット+世代という言葉が広まったとされています。

Y世代の定義と特徴

Y世代は、1980年代後半から1990年代中頃までに生まれた世代を指します。Y世代は「ミレニアル世代」とも呼ばれ、デジタルテクノロジーの進化とともに育ち、スマートフォンやSNSなどのテクノロジーを自然なものとして使いこなします。

X世代と同様に自己表現や個性を尊重する社会を求める傾向がありますが、Y世代の特徴としては、社会的な責任や環境問題に関心を持つことが多いとされています。

Y世代の特徴

Y世代の特徴として、デジタルテクノロジーの進化とともに育っていることから、SNSなどのオンラインのコミュニケーションツールを積極的に利用しています。そして、組織や企業に対しての忠誠心よりも、自分自身の成長やキャリアアップを優先する個人主義的な一面があります。

その反面、環境や社会的な責任に関心を持ち、持続可能な社会を求めるといった保守的な一面も。


こうした特徴を踏まえ、Y世代においては以下のようなマーケティング戦略が考えられます。

ソーシャルメディアを活用:
インターネットやソーシャルメディアを積極的に利用するY世代には、SNSを活用した広告やインフルエンサーマーケティング、オンラインショッピングモールなど、オンラインでのアプローチが有効と言えるでしょう。

真実性や社会貢献のアピール:
Y世代は環境や社会問題に敏感な傾向があるので、製品やサービスの提供において、環境問題や社会的責任を果たす取り組みを積極的にアピールすることが重要です。

コストパフォーマンスの訴求:
Y世代は経済的な不安を抱える場合があり、価格やコストパフォーマンスに対して敏感な傾向もあります。そのため、リーズナブルな価格設定やコストパフォーマンスに優れた製品、サービスの提供が効果的と考えられます。

Z世代の定義と特徴

X世代・Y世代とは?

Z世代は、一般的に1995年頃から2010年頃までの出生世代を指します。

スマートフォンやタブレット、SNSなどのデジタルテクノロジーを生まれたときから使いこなせるほか、多様性やインクルージョンに重点を置き、性別や人種、性的指向などに関して寛容であるとされているのが特徴です。また、社会的責任や持続可能性に関心を持ち、環境問題や社会問題に取り組むことが多いともされています。

なお、日本では少子高齢化の影響によりZ世代の割合が少なく、さほど注目を集めてはいませんが、世界では3人に1人がZ世代であり、すでに消費への影響力を持っているため注目されています。

Z世代の特徴

Z世代はデジタルテクノロジー、SNSを駆使して自己表現をすることができる反面、社会や環境に対する関心が高く、社会の問題や持続可能性について積極的に取り組む傾向があります。また、得意とするSNSで多様な人々と簡単に交流することができる点も特徴的です。

こうした特徴を踏まえ、Z世代においては以下のようなマーケティング戦略が考えられます。

オンラインプレゼンスを重視:
スマートフォンやタブレットを常に手元に置いている Z世代。彼らはオンラインで情報を収集し、意見を共有することが多くなっているため、オンラインプレゼンスを重視したマーケティングアプローチが必要になります。

インフルエンサーマーケティングを活用:
インフルエンサーや有名人に対して高い関心を持ち、その影響力に強く反応する傾向があります。そのため、インフルエンサーマーケティングを活用し、製品やサービスを宣伝することが効果的と言えます。

ユーザー参加型のコンテンツ:
自分たちが関与しているプロジェクトやコンテンツに対して強い興味を持ち、自分たちの意見やアイデアを発信したいという傾向があります。そのため、ユーザー参加型のアプローチを取り入れ、ユーザーが自分たちの意見やアイデアを投稿できる場の提供が有効と考えられます。

グローバル感覚を取り入れる:
Z世代は、グローバル化により世界各地の文化や価値観に触れる機会が多く、グローバル感覚をほかの世代よりも持っている傾向があります。そのため、グローバルな視野や多様性を取り入れたアプローチが必要となります。

Z世代とX、Y世代の違い

もっとも若いZ世代、その少し上のY世代、そしてさらに年長のX世代。Z世代を軸にしてX世代とY世代はどのように違うのかをまとめます。

まず、デジタルテクノロジーへの接し方が挙げられます。Z世代は、生まれた時からデジタルテクノロジーが身近にあり、より自然な形でデジタルネイティブとしてのスキルを習得しているのに対し、X、Y世代はインターネットやスマートフォンの登場が成長後、もしくは成長の過程だった点が大きな違いになります。

それに伴い、コミュニケーションスタイルにも違いがあります。Z世代は、スマートフォンやインスタグラムなど、より新しいデジタル技術を使いこなすのに対し、X世代の場合はメールや電話などの比較的古典的なコミュニケーション手段に慣れ親しんでいます。

一方のY世代はZ世代寄りで、携帯電話やメール、SNSなどのデジタルテクノロジーを通じたコミュニケーションに慣れ親しんでいます。情報収集の方法もX、Y世代は紙媒体からWebまで幅広くなっている反面、Z世代はSNSが中心になっている点も見逃せません。

価値観に関しては、多様性やインクルージョンに重点を置き、社会的責任や持続可能性に関心を持つことが多いとされているZ世代に対し、X、Y世代は高度経済成長期やITバブルなど、大きな経済的な変革期を経験しており、物質的な豊かさに重点を置く傾向があるほか、自己実現や個人主義の価値観が強く、仕事に対して忠誠心を持つ傾向があります。

Z世代とほかの世代の違いについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

Z世代とは?X世代からα世代までの違い総まとめ

https://manamina.valuesccg.com/articles/2123

Z世代(ゼットせだい)とは「1990年半ば〜2010年代に生まれた世代」を表す言葉です。デジタルネイティブ・SNSネイティブと呼ばれ、インターネットやスマートフォンの発展と共に育った世代です。これまでの世代と異なり10代からSNSを利用しており、インターネットよりもSNSを中心に検索するため、さまざまな情報に触れ、多様な価値観を持っている世代だといわれます。この記事では、「なぜ若者をZ世代と呼ぶのか」「Z世代はどんな特徴があるのか」「Z世代と他の世代との違いは何か」「トレンドからZ世代のニーズを分析してわかったこと」について解説します。

まとめ

X、Y、Z世代の特徴的な違いはデジタルテクノロジーを成長過程のどこで体験しているかにあります。X、Y世代は程度の差はありますが、成長の過程でデジタルテクノロジーが出現したのに対し、Z世代は生まれたときからデジタルテクノロジーが身近にある、つまり、デジタルネイティブです。

デジタルテクノロジーを使ったSNSなどによって多様な考え方を生まれながらにして身につけている、というのがZ世代の特徴と言えるでしょう。

マーケティングにおいてもこうした世代間の特徴を十分に加味した上で、さまざまな施策を考えることが求められます。

この記事のライター

マナミナは" まなべるみんなのデータマーケティング・マガジン "。
市場の動向や消費者の気持ちをデータを調査して伝えます。

編集部は、メディア出身者やデータ分析プロジェクト経験者、マーケティングコンサルタント、広告代理店出身者まで、様々なバックグラウンドのメンバーが集まりました。イメージは「仲の良いパートナー会社の人」。難しいことも簡単に、「みんながまなべる」メディアをめざして、日々情報を発信しています。

関連する投稿


業績がV字回復!日本マクドナルドでマーケティング戦略が果たした役割は?

業績がV字回復!日本マクドナルドでマーケティング戦略が果たした役割は?

直近業績が好調な日本マクドナルホールディングス(以下日本マクドナルドHD)ですが、2015年には異物混入問題を受け大幅な赤字に転落。その1年後の2016年12月期にはおよそ50億円の黒字転換というV字回復を成功させた復活劇が有名です。その源となったマーケティング戦略・施策の中でも代表的なもの、そしてその戦略が果たした役割について紹介します。


高齢者マーケットを掴む ~「聴く力」とビジネス

高齢者マーケットを掴む ~「聴く力」とビジネス

内閣府による2022年版高齢社会白書によると、65歳以上人口が総人口に占める割合は28.9%にものぼる高齢化社会の日本。このような世情の中でビジネスを進めるには、的確に高齢者マーケットを掴むことが必要不可欠と考えられます。高齢者との共生を目指す豊かな社会実現のためには「聴く力」がキーとなる、と語るのは広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長を務めている渡部数俊氏。高齢化経済におけるビジネスにとって重要となるポイントを解説します。


サードプレイス ~ 発想の源と人の群れ

サードプレイス ~ 発想の源と人の群れ

「人は群れる動物であり常にストレスにさらされている」という提言のもと、人間にとってのストレスマネジメントの重要さ、「第三の場所:サードプレイス」を持つ必要性を考える本稿。そして、結局は「群れる」行動に回帰する私たち人間を行動原理の見地から俯瞰すると、実はそこにマーケティングへ繋げられるヒントも存在するといった仮説も含め、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長を務めている渡部数俊氏が解説します。


Shift of consumption behavior :“Experiential,” “Meaning” and “Emotional” consumption

Shift of consumption behavior :“Experiential,” “Meaning” and “Emotional” consumption

Consumption behavior has changed over time, shifting from "Material" consumption to "Experiential," "Moment," "Meaning," "Emotional," and "Human" consumption. In this case study, we explain the differences and provide examples of those behaviors.


地産地消 ~ 道の駅と食育から

地産地消 ~ 道の駅と食育から

近年注目されつつある「地産地消」。この裏には、人気のお出かけスポットとしての「道の駅」が一役買っています。単なる観光客向けの食品・工芸品の販売だけではなく、地元の生活者の糧としても活用され、そして何より子供たちの「食育」にも繋がることで、「地産地消」の循環の輪は広がっているようです。そのような「地産地消」のメリット・デメリットを含めた実情を、広告・マーケティング業界に40年近く従事し、現在は株式会社創造開発研究所所長を務めている渡部数俊氏が解説します。


最新の投稿


トレンドワードに「WBC決勝」「AMAZON PRIME」など...「週間」検索キーワードランキング(2023/3/19~2023/3/25)

トレンドワードに「WBC決勝」「AMAZON PRIME」など...「週間」検索キーワードランキング(2023/3/19~2023/3/25)

行動ログをもとに週次の検索急上昇ワードランキングを作成し、トレンドになっているワードについて取り上げます。2023年3月19日~3月25日は、3月22日に放送されたWBC決勝(日本対アメリカ)に関する検索や、当試合の配信が国内の視聴数歴代1位となったAmazon Prime Video関連の検索が上位入りしました。


【2023年4月10日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

【2023年4月10日週】注目のマーケティングセミナー・勉強会・イベント情報まとめ

編集部がピックアップしたマーケティングセミナー・勉強会・イベントを一覧化してお届けします。


シーズナリー需要を掴む集客施策でギフトサービスのサイト流入が急上昇!

シーズナリー需要を掴む集客施策でギフトサービスのサイト流入が急上昇!

2023年2月にユーザー数を伸ばしたWebサイトは? SaaS型のWeb行動ログ分析ツール「Dockpit(ドックピット)」を使うと、どんな人がどんなWebサイトを見ているのか、いろいろな切り口で簡単に調べることができます。訪問ユーザー数の前月比が急上昇したWebサイトを調査しました。


話題のメタバースSNS「ボンディー(Bondee)」の実態とは。最新動向を調査

話題のメタバースSNS「ボンディー(Bondee)」の実態とは。最新動向を調査

2022年12月に彗星の如く現れた、スマートフォン向けのメタバースSNS「Bondee(ボンディー)」。Metadream社が開発したこの次世代アプリがアジア各国で人気急上昇中、日本でも特にZ世代を中心に注目を集めています。今回は、メタバースSNS「Bondee」とは何か、その実態と最新動向を調査します。


Web広告に注力する地銀は?再編が進む地方銀行のマーケティング事例を解説

Web広告に注力する地銀は?再編が進む地方銀行のマーケティング事例を解説

現在再編が進み「1県1グループ」になりつつある地方銀行(以下、地銀)。コロナ禍においては、対面での営業が難しい時期が長く続きました。そのため今後の地銀の活性化に向けては、デジタルマーケティングの施策が必要となっています。 今回は地方銀行のうち、2022年の1年間でアクセス数首位であったスルガ銀行、福岡銀行、横浜銀行、千葉銀行、埼玉りそな銀行について調査し、地銀が採るべきデジタルマーケティングのヒントを探りました。


競合も、業界も、トレンドもわかる、マーケターのためのリサーチエンジン Dockpit 無料登録はこちら

ページトップへ